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2012年9月2日 - 2012年9月8日

スーパー戦隊化する仮面ライダーとでも申しましょうか・・・(仮面ライダーウィザード/金環日食)

 ども、日曜日は早起きおぢさん、たいちろ~です。
 仮面ライダーの新しいシリーズが始まるということで、ついつい観てしまいました。
 なんでも仮面ライダーシリーズ初の魔法使いモノということで名前がまんまの”仮面ライダーウィザード(*1)”。仮面ライダーと言えば”改造人間=サイボーグ”という刷り込みがあるおぢさん世代にとって、ライダーはテクノロジー系の人だと思ってて”魔法使い”と言われてもねぇ。
 初回観ましたが、まあスーパー戦隊化する仮面ライダーとでも申しましょうか・・・
 ほとんどスーパー戦隊ファンタジー系(*2)のノリでした。

Photo

 写真はたいちろ~さんの撮影。会社で撮影した金冠日食。
 早起きして早朝出勤して見てました。


【TV】仮面ライダーウィザード(テレビ朝日 2012年 9月2日放映開始)
 平成仮面ライダー14作目。主人公は初の魔法使いらしいです。
 マントはひらひらさせるわ、初手からハンドガンぶっぱなすわと(*3)なかなか異色の仮面ライダーです。
【天文】金環日食
 太陽が月によって覆われる現象のうち、真ん中が月に隠れて外側に光輪ができるのが金環日食
 2012年5月21日に932年ぶりに日本の本州の半分以南で見えることでブームになりました。ただし、このあたりで観測できたのが珍しいってことで、世界レベルでみると1~2年に1回は見ることができます。今後だと2013年、14年、16年、17年に世界のどっかしらで観測可能。(wikipediaより)


 どうやらこの仮面ライダーは日食の日の儀式によって魔法使いの力を与えられた青年”操真晴人”と人の心の絶望から生まれた”ファントム”という魔物の戦いだそうですが、そうですか、人がのんびり日食見てる時にそんなことになってましたか・・・

 さて、初回を見た感想です。主人公の操真晴人は、留置場の中での~てんきにドーナツ喰ってるにーちゃんでよくわかりません。戦闘能力としては魔方陣からいろんな武器を出してくる(アポート(*4)の一種でしょうか?)という忘れ物防止には役立ちそうなモノ(*5)。まあ、魔法だからなんでもありかも。
 むしろ、初回で気になったのは”大門凛子”という女性の刑事さん。頭が柔らかいんだか固いんだかわからない女性です。初めて見た仮面ライダーが”魔法使い”だという現実をあっさり認める柔軟な理解力と、変身を解いたライダーにとっとと手錠をかける職務感覚(いちおう、命の恩人のはずですが・・・)
 ファントムの事件から手を引くという署長に対して”人を守るのが警察の仕事”と喰ってかかりますが、リボルバーの弾をしこたま撃ち込んでも平気な相手にどうしようってんでしょうか? ”警察の手に負えない”という上層部の判断のほうがむしろ現実的って気がします。

 話は飛びますが、有川浩の小説”海の底(*6)”に機動隊に敗走を命令する警察庁警備部参事官ってのが出てきます。このエピソードは、巨大化した甲殻類”レガリス”に対し機動隊には手に負えないという判断から、メンツにこだわる上層部に現実をわからせて自衛隊を引っ張り出すために一芝居うつってもの。
 やっぱし人間相手を前提とした警察の装備では、怪獣の相手は荷が重いでしょうかね。むしろ自衛隊の人にとっては怪獣相手は本望そうだし(*7)。

 ど~でもいい話ですが、なんで警察官の名前が”大門凛子(*8)”なんでしょう? 署長役で小宮孝泰(*9)出したってお子様たちにはわからんと思うぞ?! 最近の仮面ライダーって、けっこうマニアックな親世代向けのネタがはやりなんでしょうか?

 まあ、仮面ライダーというよりスーパー戦隊モノのノリだな~と思って観ってたんですが、wikipedia読んだらメインスタッフの多くがスーパー戦隊シリーズの人だとか。やっぱりねぇ・・・

《脚注》
(*1)ウィザード
 ”wizard”は男の魔法使いのこと。女の魔法使いは”witch”です。
 どうも、パソコンの”接続ウィザード”のほうから入ったんで、あんましピンとこないんですが。
(*2)スーパー戦隊ファンタジー系
 スーパー戦隊シリーズ(テレビ朝日)ってのは、統治機構の部署として組織形態がはっきりしているものと、家族や仲間が集まった私的なグループに大別できるんだとか。前者はシリーズ第一回のゴレンジャー(国連国際秘密防衛機構)や、今やってるゴーバスターズ(エネルギー管理局特命部所属)、後者がマジレンジャー(家族)ゲキレンジャー(実態は拳法道場)など。でもって、おおむね前者は科学的っぽい設定が多く、後者は魔法、精霊/天使の力、気みたいなわけのかわらんファンタジーな力で変身します(全部がそうってわけではないですが)。
(*3)初手からハンドガンぶっぱなすわと
 まずはケトばせよ、仮面ライダーなんだから・・・
(*4)アポート(apport)
 別の場所にある物体を取り寄せるという超能力の一種。
 質量保存の法則を無視して、スイッチひとつでいろんなものが飛び出してくる前回の仮面ライダーよりはまだ合理的?!
(*5)忘れ物防止には役立ちそうなモノ
 先日、タクシーの中に定期入れ忘れてたいへんな目にあいました。幸い3日後に警察から発見の連絡があって事なきを得ましたが、あんまししたくない体験です。
(*6)海の底(海の底 メディアワークス)
 桜祭りで開放されたアメリカ軍横須賀基地に、突如巨大な赤い甲殻類(レガリス)の大群が上陸した。遊びに来ていた子供たちを救助した為に、実習幹部の夏木、冬原は潜水艦”きりしお”に閉じ込められる。
 一方、状況を打開すべく奔走する警視庁の烏丸参事官、神奈川県警の明石警部、レガリス研究者の芹沢のとった行動とは・・・
 詳しくは、こちらをどうぞ。名作です。
(*7)自衛隊の人にとっては怪獣相手は本望そうだし
 ”自衛隊員の夢はゴジラと戦うことだ”っていう冗談とも本気ともとれない話を聞いたことがあります。
 ちなみにwikipediaによると、旧防衛庁が”自衛隊が怪獣相手に戦えるか”という研究をやったそうで、”災害派遣”や”有害鳥獣駆除”の名目で出動、武器の使用は可能なんだとか。
(*8)大門凛子
 警察官で”大門”といえば非実在刑事”西部警察”の大門部長刑事。凛子に名前が近いのが”太陽にほえろ”に登場の内田伸子(しんこ)婦警。でも、”西部警察”の放映は1979~84年とお母さんが子供のころに見てたかどうか。”太陽にほえろ”で伸子が出てたのが72~3年だから、お母さん世代でも生まれてないかも。
(*9)小宮孝泰
 お笑いグループ”コント赤信号”のメンバーの一人。同じくメンバーの”ラサール石井”が”こちら葛飾区亀有公園前派出所”のアニメで主人公の両津勘吉巡査長の声をやってました。アニメは 1996~2004年なのでお子様世代がぎりぎり見てたかどうか。
 ちなみに署長は主に警察の序列で上から5番目の”警視”をもって任じるそうで、8~9番目の巡査長よりかなり上。小宮孝泰のほうが出世してることになります。

究極の再生可能エネルギーではあるんでしょうが、一点賭けってのはいかがなものかと(バビロニア・ウェーブ/太陽光湯沸かし器)

 ども、毎晩暑くてクーラーかけっぱなしにして寝ているおぢさん、たいちろ~です。
 節電せにゃらなんのはわかっちゃいるんですが、タイマーかけてもクーラーが切れると目が覚める状態なんでねぇ・・・
 まあ、電気については原子力発電への依存度がど~したこ~したって話題がニュースで流れてますが、安全性の問題があるものの、コストや地球温暖化など多角的に考えるとゼロにするってのが現実的かどうかは議論の分かれるところです(*1)。
 ところで、ちょと前のSFで無尽蔵にエネルギーを入手できるって話がありました。ということで、今回ご紹介するのはハードSFの名作”バビロニア・ウェーブ”であります。

4010070

 写真はたいちろ~さんの撮影。近所で展示されてた太陽光湯沸かし器です。


【本】バビロニア・ウェーブ(堀晃 創元SF文庫)
 地球より3光日離れた空間で発見された”バビロニア・ウェーブ”。直径1200万キロ、長さ5380光年の定常波は人類に無尽蔵とも言えるエネルギーをもたらした。その発電基地のひとつ”ダムキナ基地”が突然送電を停止した。基地へ向かうパイロットのマキタはその事故調査にまきこまれる・・・
 1989年に星雲賞日本長編部門を受賞したハードSFの名作。
【道具】太陽光湯沸かし器
 凹面鏡で太陽光を集めて熱変換するシステム。
 原理的には紀元前214~212年のシラクサ包囲戦でアルキメデス(*2)がこれを使って敵船に火災を起こした(アルキメデスの熱光線)というと~っても古い技術。でもガンダムに登場する”ソーラーシステム(*3)”もこの応用ですんで、意外と使い出のある技術かも。集熱効果は40~50%とエネルギー変換効率や費用対効果は現在では最も良いんだそうです。 


 この”バビロニア・ウェーブ”ですが、1cm2あたり毎秒5.3×1011エルグのエネルギー照射があって地球軌道での太陽エネルギーの70万倍、しかも太陽系の位置に対して相対的に静止状態というシロモノ。ただし動作原理は不明で両端に重力レンズによる反射板があるらしいぐらいしか分かっていません。
 ストーリーはこのエネルギーを使って太陽系外に観測機器を送ろうとする科学者が次々と事故にあうのを調査することがメインなんですが、ここではちょっと離れてエネルギー利用としての”バビロニア・ウェーブ”のことを。

 ”バビロニア・ウェーブ”の発電利用ってのは、元々これを発見したランドール教授が調査研究計画を推進する方便として”これを使ってエネルギー開発ができる”としたこと。ところがこっちが本命になっちゃったんですね。
 で、どれぐらいのエネルギーが取り出せるかというと実験用の3m2の正方形のパネルで3000メガワットのエネルギーが取り出されるというもの。これは、現在の原子力発電所に換算すると原子炉約3万機に相当します(*4)。
 2km2のパネルで全人類のエネルギー消費が賄えるというランニングコストがとっても低い再生可能エネルギーってことで(初期投資は相当かかるでしょうが(*5))、宇宙空間に太陽発電システムを作るだ、それ用のスペースコロニーを建造するだの計画が白紙撤回されることになります。まあ、砂漠の小さなオアシスの横にイグアスの大瀑布が発見されたようなもので、しょうがないっちゃしょうがないですが。

 で、”バビロニア・ウェーブ”に依存したエネルギー開発がどうかというと実はあぶなっかしい面もあるんじゃないかと。まず、動作原理がほとんど分かっていないこと。なのでどうゆらぐか分からないこと(小説内では観測された”たった”20年ではほとんど変わらないとのことですが)
 一般的に再生可能エネルギーと呼ばれる太陽、風力、水力、波力・潮力、地熱、バイオマスってのは時間軸の長短はあれ”ゆらぎ”があると考えられます。太陽は日々の天気で地表へのエネルギー量は変わりますし、昼夜/季節で変動しますし、水力発電は渇水になれば絞らざるを得ません。風力はそれこそ”風まかせ”だし。
 まあ、”良くて予測はできても、制御ができない”ってとこでしょうか?
 ましてや予測も制御もできない”バビロニア・ウェーブ”に”エネルギーの一点賭け”って実はあんましお勧めできないんじゃないかと。”エネルギーの一点賭け”で失敗している例に”地球の静止する日(*6)”なんかがありますが、ユートピアが一転カタストロフってのはいただけません。

 原子力発電の依存度を何%にするかという議論を活発にやってるようですが、30%が妥当かどうかは別にしても0%ってのはちょっと極端かも。原子力発電だけを取り上げるより、他の発電方法も合わせて適当にポートフォリオを組む議論をやったほうが現実的なような気がするんですがねぇ・・・
 それに、一般論ですが”失われた技術”を取り戻すのはけっこう大変です(*7)。
 何年か何十年かたって”やっぱり原子力は必要”となっても、”日本に原子力技術者がいません”では、問題ありそうだなぁ。

 堀晃はは80年代後半を代表するハードSFの旗手の一人。エネルギー問題うんぬんに興味なくてもぜひご一読いただきたい作家です。

《脚注》
(*1)議論の分かれるところです
 新聞やTVなんかでも温度差があってけっこう興味深いです。
 ちなみに産業界寄りの日経新聞なんかは存続派。
(*2)アルキメデス
 古代ギリシアの数学者、物理学者、技術者などなど(紀元前287~212年)。
 ”アルキメデスの原理(浮力)”や、”てこの原理”を始め物理学、数学への業績を数多く残していますが、上記の”アルキメデスの熱光線”や”アルキメデスの鉤爪”、カタパルトの工夫など兵器開発なんかもやっていて、このあたりが”アルキメデスは手を汚さない(小峰元 講談社文庫)”の題名の元ネタになっています。
(*3)ソーラーシステム
 ”機動戦士ガンダム”でソロモン攻略戦などで利用された架空兵器。宇宙空間に小型のミラーパネルを凹面型に展開し敵を攻撃するという動作原理はアルキメデスのと同じです。
 敵との相対位置が限定されるとか、展開と制御が難しいなどの欠点はありますが、曇りのない宇宙空間ではいったん展開すれば無尽蔵のエネルギーで敵を攻撃できるなど意外と効果的。
(*4)原子炉約3万機に相当します
 福島第一原子力発電所や福島第二原子力発電所、柏崎刈羽原子力発電所などで主に使われている沸騰水型軽水炉の出力が110万kWです。ニュースとかでもほぼ100万kWで計算しているのでアバウトこれで計算しました。
 ちなみに水力発電所で日本最大の発電量の”奥只見発電所”は56万kWとこれらのほぼ半分です。
(*5)初期投資は相当かかるでしょうが
 初期コストの多くを占めるであろう運送コストですが、レーザーを反射板に照射する反作用によって前に進む”レーザー推進”という方法があって”バビロニア・ウェーブ”を使えば劇的にコスト減になる(はず)です。
(*6)地球の静止する日
 ”ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日”に出てくるエピソード。完全無公害・完全リサイクル可能な”シズマドライブ”というエネルギーに全面依存していた人類が、これを中和する”アンチ・シズマドライブ”により動力が一切停止、インフラが壊滅するってのが描かれています。
(*7)”失われた技術”を取り戻すのはけっこう大変です
 ”ファウンデーション・シリーズ(アイザック・アシモフ ハヤカワ文庫他)”は、銀河帝国が衰退し科学技術が失われる中、ファウンデーションが優れた科学技術と指導者により第二帝国の復活を目指すという物語。
 なぜ、科学技術が衰退していったかが不思議でしたが、案外、今の原子力発電をめぐる状況みたいだったのかもしれません。

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