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2012年8月12日 - 2012年8月18日

横田基地に”空飛ぶ広報室”の飛行機を見に行ってきました!(空飛ぶ広報室/横田基地 友好祭)

 ども、華麗なるヒコーキ野郎のおぢさん、たいちろ~です(ウソです)。
 私の知人にヒコーキヲタクな野郎がいます。ヒコーキのネタをふると”ゼロ戦の年代別カウルの形状の差異について”を滔滔と語ってくれるこまったチャンです。
 まあ、こういう限界深度を超えたディープな人は別にしても、私もまあまあ飛行機は好きです。あんまし詳しくないけど。
 で、最近読んだのが航空自衛隊を舞台にした本”空飛ぶ広報室”。ということで、横田基地の友好祭に本書に登場した飛行機を見に行ってきました!
 (筋からいうと入間基地(*1)あたりに行くべきなんでしょうが、時期ずれでNG。申し訳ない)


【本】空飛ぶ広報室(有川浩 幻冬舎)
 交通事故によりパイロットの道を断たれた空井大祐二尉の新しい職場は”航空自衛隊幕僚総監部広報室”、自衛隊の活動を知ってもらうための宣伝をする部署だった。そこには”詐欺師鷺坂”こと鷺坂一佐をはじめ”残念な美女”柚木三佐、”オレ様系”片山一尉など個性的な面々が(*2)。さらに自衛隊嫌いのテレビディレクター”稲ぴょん”こと稲葉リカが現れ・・・
 自衛隊三部作(*3)でおなじみ有川浩の自衛隊を舞台にしたちょっとスイーツな小説。
【旅行】横田基地 友好祭(JAPANESE-AMERICAN FRIENDSHIP FESTIVAL.YOKOTA AirBase)
 在日アメリカ空軍横田基地を開放したお祭り。飛行機がいっぱい見れるしアメリカンな屋台やステージもある楽しめるイベントです。2012年度は8月18~19日に開催です。


 混むのがイヤなので早めに家を出て青梅線で拝島まで。てこてこ歩いて基地まで行きました。まあ、並びはしたもののすんなりと基地内へ。ここまでは良かったんですが天候がく崩れてきて雨に。”C-17A グローブマスターⅢ 大型長距離輸送機(*4)”のコクピットに上がる行列に並んでたんですが、”lightning(雷)が近づいてきてるから”という理由で見学は中止に。1時間以上並んであと10人だったのにぃ!!
 雨が上がったと思ったら午後からはとんでもない猛暑が・・・
 相変わらず基地見学は体力勝負です。でもまあ、お目当ての飛行機が見れたからいいか!

 ということで、”空飛ぶ広報室”に登場する飛行機のご紹介です。

〔F-15J 制空戦闘機(愛称 イーグル)〕

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 主人公の空井大祐が事故前に載っていた戦闘機。表紙を飾っている主役の飛行機です。(表紙では2人が走って駆け寄ってますが、単座型(F-15J)に見えます。二人乗りなら複座型のF-15DJのはずなんですが・・・)
 もっとも、稲葉リカからは”だって戦闘機って人殺しのための機械でしょう?”と言われるし(さすがに空井大祐はキレてますが)、人気俳優の事務所からは絶叫マシン扱いされるし、お笑いタレントの罰ゲーム扱いされるしと、主役のはずが意外に雑な扱いです。
 でも、パイロットになるのって空井いわくすごい難関で、花形だから希望者も多くて難しいとのこと。パイロットってお父さん世代にはあこがれの職業だったしなぁ・・(*5)
 ちなみに初号機のロールアウトは1972年。 トヨタ自動車が”カローラレビン”、マツダが”シャンテ”、富士重工業が”レックス”、ホンダが”シビック”の発売を始めた年です。


〔T-4 中等練習機(愛称 ドルフィン)〕

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 曲技飛行隊”ブルー・インパルス(*6)”でも使用されている機体。稲葉リカも誤解してましたが、この機体は戦闘機ではなく練習機です。
 本書の中では、アイドルグループのPVに出るわ、看板アイドルグループが搭乗して特別番組に出るわと主役のF-15を上回る大活躍です。
 ちなみに量産初号機の納入は1988年。日産が”シーマ”、”セフィーロ”、ホンダが”アコードクーペ”、”コンチェルト”のマツダが”ペルソナ”の発売を始めた年です。


〔CH-47 ヘリコプター(愛称 チヌーク)〕

Photo
 タンデムローター式(2つプロペラ)の大型輸送用ヘリコプター。
 本書では人気俳優が登場するドラマで災害救助のシーンで登場しますが、特異なフォルムと大容量の輸送能力(積載兵員30名、最大離陸重量22.68t)と特撮映画やアニメなどにもよく出てきます
 ちなみにアメリカ陸軍の正式採用は1962年とベトナム戦争にも投入され、今でも現役の超ロングセラーの機体。この年はマツダが”キャロル360”、トヨタが”クラウン”の2代目、プリンス(日産)が”グロリア”の2代目の発売を始めた年です。


〔C-1 中型戦術輸送機〕

C1
 中型と書いてますが、乗員60名、小型車3台が搭載可能とそれなりにでかいです。
 自衛隊CMに登場する新人女性整備士の藤川士長が整備する機体ですが、亡くなったお父さんの乗機でもあります。父親を見て自衛官の道を志したという藤川士長の言葉に”うちの娘、俺が死んだらそんなこと言ってくれるかなぁ”と感想をもらす片山一尉ですが、同感です
 ちなみに量産1号機の運用試験が始まったのが1973年
日産が”バイオレット”の、三菱自動車が”ランサー”の、トヨタが”スターレット”の発売を始めた年です。

 こうやって見ると自衛隊ってけっこう物持ちいいんですねぇ。”C-1 輸送機”は親子2代だし、”CH-47 チヌーク”はベトナム戦争がどうのとか出てるし。飛行機が登場した年に発売された車を記載してますが、これらの車って今道を走ってたら(動けばの話ですが)10人が10人とも振り向くようなオールディズなデザイン。まあ、飛行機ってコンシューマー製品である車みたいに頻繁にモデルチェンジするシロモンではないんでしょうが、それにしても長持ちさせてるよなぁ。
 思うに、この手のシステムってのは戦略構想から始まって、戦術的運用、パイロットや整備員の育成、調達、ロジスティックに至るまで山のようないろんなもがあって、その上に飛行機って乗っかってるんでしょうね。だからそう簡単には変えられないんじゃないかと。
 今もめてる”オ○プレイ”にしたところで、”よく事故ってるみたいだからやめます(*7)”みたいに気軽に変更なんてできないんだろうなぁ・・・

 ”空飛ぶ広報室”は”有川浩にハズレなし”の作者の最新作。自衛隊に興味のある方もそうでない人にもお勧めの1冊です。

※おまけです
〔シャア専用ヘルメット〕

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 ”C-1 輸送機”のとこに置いてありました。このパイロットのタックネーム(ニックネームみたいなもんだとか)なんでしょうか?
 本書にも、

 赤い専用機の時代から、「自分専用」には男の子を燃えさせるものがあるらしい

って出てるし。
 でも、いかに建国の父の息子だとはいえ、やってることは”国家反逆罪”以外のなにものでもない男の名前がよく認められたモンです。

  ※実はこの記事を書いた後に、松島でブルーインパルスを見る機会がありました。
   ご興味のある方はこちらもどうぞ

《脚注》
(*1)入間基地
 埼玉県狭山市・入間市にある航空自衛隊の基地。ちなみに、航空祭は毎年11月3日とのことです。
 本書の中でアイドルユニットのPVを自衛隊が協力して作成するというネタが出てきますが、この基地ではAKB48が”RIVER”の撮影を行ったそうです、マジで。
 映像はこちらからどうぞ
(*2)鷺坂一佐をはじめ~
 人様の組織でこの人がどれぐらい偉いのかってのはわかりにくいんですが、一般の軍隊組織では一佐は”大佐”、三佐は”少佐”にあたります。
 大佐は海軍ならな比較的大型の軍艦の艦長か隊の司令、空軍なら群司令クラス、少佐は軍艦の副長や分隊長、熟練パイロットや幕僚等のクラスです。前回ご紹介した”ミサイル駆逐艦 フィッツジェラルド”(乗員数380名)では艦長、副長とも中佐。
 本書ではかなりミーハーですちゃらかオヤジの鷺坂一佐ですが、実はとっても偉い人です、たぶん。
(*3)自衛隊三部作
 自衛隊を舞台にした有川浩の小説。”塩の街”は陸上自衛隊、”空の中”は航空自衛隊”海の底”は海上自衛隊がテーマ、角川文庫他で読めます。特に”海の底”がお勧めです(詳しくは「聖地巡礼、横須賀に”海の底”の舞台を見に行く」をご参照ください)
(*4)C-17A グローブマスターⅢ 大型長距離輸送機
 アメリカ空軍が保有する軍用大型長距離輸送機。
 全長 53.0m、最大積載量 77.5t、M1戦車1両、AH-64攻撃ヘリコプターなら3機を搭載できるというちょ~でっかい飛行機です。
(*5)お父さん世代にはあこがれの職業だったしなぁ・・・
 クラレの調査によると、小学校に入学する男の子の親が就かせたい職業でパイロットは第7位。もっとも子供の「将来、就きたい職業」にはベスト10ランク外ですが。
(*6)ブルー・インパルス
 航空自衛隊松島基地第4航空団第11飛行隊所属の曲技飛行隊の愛称。
 前出の知人はわざわざ松島基地の航空祭まで見に行ってました。
 東日本大震災の影響で2012年の航空祭は開催されなかったようですが、少しでも早い再開を願ってやみません。
(*7)よく事故ってるみたいだからやめます
 ”オ○プレイ”の話がややこしいのは、この機種は米海兵隊所属の”MV-22”米空軍向けの”CV-22”の2種類あって、MV-22は10万時間当たりの平均事故率は1.93と米海兵隊所属の飛行機平均の2.45以下、CV-22は後者は13.47とのこと(wikipediaより)。ニュースじゃそんなマニアックな話しないもんなぁ・・
 ちなみにアメリカ海兵隊岩国基地に導入されたのはMV-22のほうです。

横須賀でミサイル駆逐艦 華麗なる”フィッツジェラルド”に乗艦しました!(フィッツジェラルド)

 ども、軍事ヲタクではありませんが戦艦は好きなおぢさん、たいちろ~です。
 毎年この時期になると横須賀に行きます。8月第一週の土曜日に”横須賀開国祭”に合わせて海上自衛隊横須賀地方総監部の”ヨコスカサマーフェスタ”と米海軍横須賀基地で”ネイビーフレンドシップデー”ってのが開催されて、軍艦なんかに乗艦させてくれます。けっこうお気にいりのイベントで、今年もまた行ってしまいました。
 2012年度の”ネイビーフレンドシップデー”で乗艦できたのはミサイル駆逐艦 華麗なる”フィッツジェラルド”(*1)でありました。

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【船】ミサイル駆逐艦 ”フィッツジェラルド”(USS Fitzgerald)
 アメリカ海軍の”アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦”の12番艦。
 アーレイ・バーク級は、実際に建造されたものとしては初めて、開発時からイージスシステム(*2)の搭載が考慮された艦だそうです。
 ちなみにwikipediaによると1艦の建造費は8億USドル(約630億円)と東京スカイツリーの総事業費 約650億円とほぼ同じです。
 アメリカは同型艦を66艦保有しているんだそうです。やっぱ、金持ちとケンカしちゃいけません


 しかしまあ、混んでること混んでること。午前中は海上自衛隊横須賀基地でまったり砕氷船しらせ護衛艦たかなみなんかを見てたんですが(*3)”どうもアメリカ海軍基地が混んでるらしい”との話が出たのではやめに切り上げて移動開始。ところがアメリカ海軍基地に入るだけで1時間半近いと大行列。三笠公園の特設ゲートに入るのにヴェルニー公園のちょっと先あたりからならんでるんですぜ、えぇ!
 基地内の”フィッツジェラルド”に乗艦する行列はなんと3時間待ち!! 炎天下だわ、雨は降りだすわと大変な待ち行列です。気分はもう”メトロポリス”、Sweat From A Stoneです(*4)。でも、横にずっと”ブルー・リッジ(*5)”が見えたから、まあいいか・・・

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 やっとこさフィッツジェラルドのberth(停泊地)のゲートまでたどり着いたけど、そっから中もまだ行列。いっぺんに入りきらないので何十人かに区切って乗船させている様子。行列が長くなるはずだわ・・・
 でも、艦橋の下のとこにはフェーズドアレイレーダーが!(*6) おぉ、イージスっぽいぞ!

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 入り口近くに来て乗船口を見上げると、そこには機銃がお出迎え。やっぱし軍艦なんだなぁ。

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 いよいよ艦内に乗船。この写真は前部甲板から艦橋側の様子。
 真ん中の大砲みたいのが5インチ速射砲。のっそりしているようですが、口径127mm、重量16kg、32kgの砲弾を1分間に10発撃てるというまさに速射砲。
 艦橋下部のR2D2みたいなずんぐりとしたのが近接防御火器システム(CIWS)、つまり機関砲。防御システムをくぐりぬけた対艦ミサイルとかを撃ち落とす防衛手段で、20ミリ砲を毎分3,000発発射可能なのだそうです。

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 フィッツジェラルドは”ミサイル駆逐艦”なので当然ミサイル発射口があるわけですが、それがこれ。”ミサイル垂直発射システムMk41”です。後方甲板とあわせてこんな発射口が90ケついてるとのこと。
 かつて”宇宙戦艦ヤマト”についていた”煙突ミサイル”を見て(*7)”なんじゃ、こりゃ~”と思ったもんですが、こうやってみると意外とマジな設定だったようです。

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 こちらは後部甲板にあるハープーンミサイル発射筒、つまり艦対艦誘導弾発射装置。艦隊決戦といえばヤマト世代のイメージは”主砲三連装ショックカノン(*8)。発射シークエンスは砲塔がぐるっと回って、照準を合わせて、発射! 
 発射方向が固定されてるハープーンミサイルってのは違和感があったんですが、考えてみりゃこれは砲弾とミサイルの違い。発射したらあとはまっすぐ(正確には自由落下による曲線軌道)しか飛ばない砲弾と違って、発射後にコントロールのできる誘導弾はおおまか方向さえあってりゃ発射時にきっちり敵艦の方向を向いてる必要はないわけなんでしょうが、やっぱりヘンな感じです。

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 でもって、階段を上がってブリッジへ。こちらはブリッジの窓から外を見た風景。意外と窓は小さいです。ヤマトだとでっかい窓がついてるんですが、考えてみりゃイージスシステムってのはレーダーと長距離ミサイルによるロングレンジ攻撃が信条なので、有視界での近接戦闘なんてのは本来はやらないほうがいいはず。装甲性能で劣る窓を小さくするのは理にかなっているんでしょうが、でもちっちゃいなぁ。

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 そのほかにも水上発射管だのランチだの(*9)が見れましたが、ここでは省略。
 あと右舷方向に見えたのは”航空母艦 ジョージ・ワシントン(*8)”。でっかいんだまたこれが。写真に収まりきれませんでした。

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 とまあ、半日がかりで楽しんでまいりました。冒頭に”戦艦は好きな”と書きましたが正確には巨大なメカニズムとか最先端のテクノロジーとかが好きです(別にメカフェチってわけでもないですが)
 でも、上のような兵装を見てると、戦艦ってのはやっぱり戦争をするためのマシーンって気がします。戦争なんておっぱじめない方がいいのが当たり前だし、人殺しなんでやらずにすみゃそれに越したことはありません。でもいざ使用されれば短期間で敵を制圧することを要求されるシステム。そんな矛盾した命題であっても”目的のための洗練されたメカニズム”に美しさを感じてしまうってのは、ある意味””なんでしょうかねぇ。

 このイベントは毎年8月にはやっているようなので、話のタネ(何のタネだ?)に一度ぐらいは見といても損はないかも。ただし、熱中症にはご注意を。

《脚注》
(*1)華麗なる”フィッツジェラルド”
 小説、映画で有名な”華麗なるギャツビー(The Great Gatsby)”の作者がF・スコット・フィッツジェラルドなんでひっかけてみました。
 でも駆逐艦名はウィリアム・チャールズ・フィッツジェラルド海軍中尉に因んだものなので、でんでん関係ありません。まあ、シャレということで。
(*2)イージスシステム
 対空戦闘を重視して開発された艦載C4ISR・武器システム。
 C4Iは、Command Control Communication Computer Intelligence Systemの略で、軍隊での指揮官の意思決定支援、作戦を計画・指揮・統制する情報処理システム。つまり、イージスシステムとは海に浮かぶコンピュータともいえます。
(*3)砕氷船しらせや護衛艦おおなみなんかを~
 ”砕氷船しらせ”海上自衛隊が保有する南極観測船。当然、武装はありません。
 ”護衛艦たかなみ”はたかなみ型護衛艦の1番艦。同型艦の”おおなみ”や”護衛艦やまぎり”、”実験艦あすか”なんかも乗艦できました。
(*4)気分はもう”メトロポリス”~
 1926年にドイツで作成されたモノクロサイレント映画。監督はフリッツ・ラングSF映画黎明期の傑作と言われる作品。1984年に作曲家ジョルジオ・モロダーがこの映画の冒頭で労働者がとぼとぼ行列するシーンにつけた曲が”Blood From A Stone”、名曲です。
 ごらんになりたい方はこちらでどうぞ。
(*5)ブルー・リッジ
 ブルー・リッジ級揚陸指揮艦の1番艦にして第7艦隊旗艦。揚陸指揮艦てのは、各艦・各部隊の指揮・統制・通信を担当する旗艦任務専門の軍艦のこと。
 全長194m、乗員数1400名以上ととにかくでかい!
(*6)フェーズドアレイレーダーが!
 レーダーというと後方についてるおわん形をイメージしますが、最近は壁面に張り付けてるようなフェーズドアレイレーダーがはやり。平面上に小さなアンテナを多数配置することで、くるくる回らなくても探知ができるんだとか。動作原理はよく知りませんが虫の複眼みたいなもんでしょうか?
(*7)”宇宙戦艦ヤマト”についていた”煙突ミサイル”を見て
 今の日本人にとって対艦巨砲戦闘のイメージといったら”宇宙戦艦ヤマト”かも。
 ”煙突ミサイル”は宇宙戦艦では不要な”煙突”の内部にミサイル発射口を設置したものです。作中では”旧式装備”あつかいされてますが、そうでもなさそうです。
(*8)主砲三連装ショックカノン
 ヤマトに搭載されていたショックカノンはビーム兵器のようですので、こっちもまっすぐしか飛びません。リアルな戦艦大和に搭載されていたのは”45口径46cm3連装砲塔”。最大射程は42,026mとマラソンの距離ほど飛ぶんだとか。
(*9)水上発射管だのランチだの
 水上発射管は潜水艦などを攻撃するミサイル発射装置。ランチは艦載用のボートです
(*9)ジョージ・ワシントン
 ニミッツ級航空母艦の6番艦。写真では分かりにくいですが航空母艦なので甲板は滑走路になってます。その分でかくて全長333mとフィッツジェラルド(153.9m)と倍以上の長さ。
 日本に配備された初の原子力空母だそうですが、一昔前には入港反対闘争でずいぶんもめてたはずです。今や淡々と停泊しているのを見ると時代の移り変わりを感じます。

失礼ながら、閣下は樽に住んだ哲人をご存知でしょうか?(ディオゲネスは午前3時に笑う/樽)

 ども、哲学的な人生を送るおぢさん、たいちろ~です。
 先日DVDで”コクリコ坂から(*1)”を見てると、どう見ても武道系にしか見えない”哲学研究会”の巨漢の学生と(*2)、学校の理事長がこんな会話をしてました。

  理事長:君は新しい部室が欲しくないかね? かわいい後輩もいるようじゃないか
  哲学研:失礼ながら、閣下は樽に住んだ哲人をご存知でしょうか?
  理事長:ディオゲネスか! あはははは。
       校長先生、いい生徒達じゃありませんか!

 なかなか、エスプリの聞いた会話ですが、なつかしいなぁディオゲネス。
 といっても、こっちは世界史や倫社・政経の授業じゃなくある小説からの知識ですが。ということで、今回紹介するのはちょっと昔の推理小説”ディオゲネスは午前3時に笑う”であります。


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 写真はたいちろ~さんの撮影。仙台のニッカウイスキー工場にあった樽です。


【本】ディオゲネスは午前3時に笑う(小峰元 講談社)
 高校3年生の”正之”は姉”信子”の不倫相手が金沢で列車事故で亡くなったことを知る。しかもその男はまったく別の女性”多可子”と抱き合って死んでいた。
 正之は偶然知り合った”チン浪”、落語家の卵”五六”、多可子の妹”英理”たちことの真相の究明に乗り出す・・・
 ”アルキメデスは手を汚さない”で江戸川乱歩賞を受賞した小峰元の青春推理小説。
【道具】
 主に液体を詰めておくための円筒形の容器。写真の樽はウイスキーを発酵させ熟成させるためのものです。
 写真は手前からButt(477.3リットル)、Puncheon(318.2リットル)、Hogshead(238.7リットル)、Barrel(119.3リットル)(カッコ内はイギリスのワイン樽の容量)
 ディオゲネスの住んでいた樽がどれかは分かりませんが、現在のカプセルホテルと比べても相当狭そうです。


 この本、初版が1976年なんでたぶん高校生ぐらいの時かなぁ、読んだの。
 ストーリーはほとんど覚えてませんでしたが、権力や権威に媚びることなく自由に生きたディオゲネスってのがミョ~に印象に残ってました。
 本書のストーリーは上記のとおりですが、登場人物の中でディオゲネス的なのが”チン浪”。何かとディオゲネスの言葉を引用する人ですが、実は東京大学を3ケ月で自主退学した優秀だけど変わり者。東大をやめた理由ってのが

  ディオゲネスが、白昼、アテネの目抜き通りを、
  ランプをかざして歩いてたって話を知っているだろう?
  なにをしているんだと尋ねられたら、
  人間を探してるのさと、答えたっていうが・・
  同じことを、おれは大学で感じたね。
  あそこはマージャンとマンガで明け暮れるアホの楽園か、
  でなけりゃゲリラ予備軍の養成所さ。
  ときたま講義に出席率がいいやつがいると思えば、
  成績をあげて官庁か一流企業を目指しているススけた野郎さ。
  つまり学生は、数えるほども、いやしない

 まあ、そのアホの楽園に入るのに人様より2年も余分にかかったアホですのであんまし偉そうには言えませんが、リアルタイムで読んだ時ってのはそんな空気でしたねぇ。
 実際、主人公の正之も”大学に行くべきか、行かざるべきか”なんて悩んでますが、大学全入時代(*3)の若者たちもおんなじように感じるんでしょうか。
 大学に入ることが敷かれたレールのレールを走るだけなのでいやだという正之に対してチン浪は、その意見に賛成しつつも

  実際はレールの上を走らされるだけさ。
  ただ、鈍行か急行か特急かを選ぶことが許されている
  もっとも、その男に、金か、能力があればの話だがね

 のちに”ドラゴン桜(*4)”で”東大卒はプラチナチケット”ってな発言をしていますが、状況認識としては同じでしょうか。でも”ドラゴン桜”ではチケットを手に入れること自体に疑問を持たない(持たせない)ってのが今の時代風です。

 チン浪は本書の中では突出した状況判断能力の持ち主として描かれています。本書の中でディオゲネスをして

  ディオゲネスは、何でも見えすぎたんだ。
  人間の心の裏の裏まで知りすぎたものだから
  人間に失望したのかもしれないな

 という評価をしていますが、これは一面チン浪にも当てはまること。
 優秀なのはいいけど、優秀すぎることが必ずしも幸せとは限んないのかもしれません。
 とはいえ、正直なとこ受験生を持つ親としては、せめて急行列車ぐらいには乗って欲しいもんです。ディオゲネスは哲学者として名を残し、アネテの人々にも愛されていたそうですが、現代で樽に住んでりゃ”ホームレス”としか言われんでしょうしねぇ・・・

 ”ディオゲネスは午前3時に笑う”は、ちょっと今風ではないかもしれませんがお父さん世代が”あの頃”を振り返って読むには良い本かも。”コクリコ坂から”だっておじいさん世代のお話なんだし。

《脚注》
(*1)コクリコ坂から(監督 宮崎吾朗、スタジオジブリ)
 東京オリンピックの開幕を目前に控えた日本。横浜にある高校では古い部室棟”カルチェラタン”の建て替えを巡って論争が巻き起こっていた。女子高性のメルはあるきっかけから知り合ったった俊とカルチェラタン存続に向け奔走することになる。
 ”ゲド戦記”に続く宮崎吾朗監督の第2作目。
(*2)どう見ても武道系にしか見えない
 別に武道系に含むところがあるわけではありません。
 でも、カルチェラタンの大掃除の時に3人がかりで押さえつけてるとこみると力はありそうです。
(*3)大学全入時代
 2007年頃に日本の大学への入学希望者総数が入学定員総数を下回る、つまり”大学・学部を問わなければ希望者全員が大学に入れる”ようになりました。
 だからと言って大学入試が楽になったわけではなさそうですが・・・
(*4)ドラゴン桜(三田紀房 講談社)
 このマンガが連載されたのは2003~07年と全入時代直前のころ。
 プラチナチケットうんぬんの発言をしているのは元暴走族の弁護士の桜木建二先生。チン浪と違いは社会の荒波にもまれた人だからの発言ではあります。

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