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2012年5月20日 - 2012年5月26日

コンプガチャの問題点って、お金がヴァーチャル化してるからじゃないかなぁ(電子マネーの衝撃/オダマキ)

 ども、昔ガチャ(*1)にはまっていた、たいちろ~です。
 50歳過ぎのおぢさんが胸を張って言える趣味ではないでしょうがコンプしても3~4000円ぐらいなので(*2)、まあお小遣いで遊べるレベルのシロモノです。
 で、最近話題になっているコンプガチャですが、ゲームをまったくしないのでよくはわかりませんが数万円にもなることがあるんだとか
 ”ソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会”(そんなんあったんかい?!)がガイドライン(*3)を作って自主規制に乗り出すそうですが、別にこういった”何かを集める”って趣味は別に今に始まったことじゃないんだろうになぁ
 おぢさん世代の仮面ライダーカードとかビックリマンシールとか(*4)、青年なら遊戯王なんかのカードゲームとか(*5)、世代によってトラウマあると思うんですが・・・


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写真はたいちろ~さんの撮影。近所のオダマキです。


【本】電子マネー革命(伊藤 亜紀 講談社現代新書)
 サブタイトルは”キャッシュレス社会の現実と希望”
 ポイント集めに熱狂する猛禽類の妻と草食系の夫が織り成す電子マネーのメリットとリスクを解説した本。初心者にはよくわかる解説ですが、シチュエーションがちょっと笑えん・・
【花】オダマキ(苧環)
 キンポウゲ科オダマキ属の総称。名前の由来は機織りの際に麻糸をまいたものに似てるから。
 花言葉は”必ず手に入れる”、”断固として勝つ”、”愚か”など。


 コンプガチャが問題化しているのは射幸心をあおるとか、アイテムを集めるのにかかる課金が高額になっているからだそうですが、それだけかなぁ。
 コンプガチャに限らず、当てモンでコンプリートをするには確率的にお金がかかります。詳しい計算式は省きますが(すいません、説明できないだけです)、計算サイト”ke!san"の"お菓子を何個買ったら、おまけに付いているカードを全種類集められるか?"を使って1ケ300円のガチャを6ケコンプする確率とかかるお金を計算すると

  購入数   実現する確率     かかるお金
   6ケ   1.5432098765432%   1,800円
  10ケ  27.181212848651 %   3,000円
  13ケ  51.385819404224 %   3,900円
  35ケ  98.98523141671 %  10,500円
 
 になります。つまりだいたい4,000円使えば50%の確率で、1万円なら99%の確率でコンプできるわけですが、ただしこれは”すべてのアイテムが同確率で出現する”という前提での計算。これがもっと出現確率の低いレアアイテムが混ざっていたりするとその計算は超難関大学の入試に匹敵する難しい問題になります(*6)。
 この計算のミソはどれだけ購入しても絶対100%にはならないこと。レアアイテムが混ざると、さらに分が悪くなります。

 まあ、ちょっと考えるとそこそこお金がかかることはわかるはずです。わかってても止まらないのは、お金を使ってでも勝ちたい気持ちもあるんでしょうがお金そのものが”見えなくなってる”からじゃないのかと。
 仮面ライダーカードの場合”おかんのサイフ”という鉄壁の防衛ラインがあるので、そんなに多額のお金を使えませんでした。”ガチャ”の場合はおサイフの中の100円玉の数(両替機があっても1,000円札の枚数)が物理的な上限として存在するし、お金を入れるときにちょっと逡巡するので、そんなにむちゃくたの金遣いってのは難しい。
 でも、ネットゲームだと目の前にお金があるわけじゃなし、モノによっては後払いだから今すぐに痛みを感じるわけじゃなし、金額はデジタルに存在するだけだしと精神的な規制が働きにくいんじゃないかと。

 ”電子マネー革命”によると電子マネーは媒体(おサイフケータイを含む)にお金をチャージするタイプとサーバー上にデータのあるタイプ(サーバ管理型電子マネー)があるそうです。2010年に施行された資金決済法には電子マネーを

  証票、電子機器その他の物に記載され、
  又は電磁的方法により記載される金額に応ずる対価を得て発行される
  証票等又は番号、記号その他の符号であって

  (以下略)

と記載していますが、電磁気的方法ってのは見ようによってはディスプレイに出てくる”情報”に過ぎないし、使い終わったあとに紙で出てくる請求書だけだし。伝票なんか、いくらの金額が書いてろううが使っちゃっってるので”後の祭”です。
 まあ、カードで買い物して引き落としの金額に青くなってる金遣いの荒いお嬢さんと構造的には同じです。

 別にゲームをやりたい人はやりゃいい話ですが、アイテムを”必ず手に入れる”ためにお金をじゃぶじゃぶ使ってゲームビジネスにクルクルお金を巻き取られるってのも”愚か”なことではあるんでしょうが。
 でもコンプガチャを規制するよりも、急速に普及する電子マネー(*7)に対するリスクセンシティブになるような教育なり社会的な感覚を磨くなりするするほうが重要なんじゃないかなぁ・・・

 などと、目の前に届いたカードの請求書を見てため息をつきつつ、おぢさんは思うのであります。


《脚注》
(*1)ガチャ
 正式名称は”カプセルトイ”。別名の”ガチャポン”はバンダイの商標登録だとか。
 ちっちゃなフィギュアとかストラップとかが100~300円。だいたい6~7個でコンプ(コンプリート 全部集める)します。
(*2)コンプしても4~5000円ぐらいなので
 4ケぐらい集まると、足らずは近所のそういうのを売ってる店で買ってました。
 経済合理性を考えると多少割高になってもムリをしない買い方かと。
(*3)ガイドライン
 コンプガチャの定義は
  特定の2つ以上の異なるアイテムを全部そろえることを条件に
  別のアイテムを提供する方式

 だそうです。ゲームをせんのでよくわからん・・・ 発表資料はこちらから
(*4)仮面ライダーカードとかビックリマンシールとか
〔仮面ライダーカード〕
 カルビーの”仮面ライダースナックについているおまけ欲しさにスナックを買った子供がカードだけを取ってスナックを捨ててしまう”という現象が起こり社会問題化。1972~3年頃です。
〔ビックリマンシール〕
 ロッテの”ビックリマンチョコのおまけのシール欲しさにチョコを買った子供がカードだけを取ってチョコを捨ててしまう”という現象が起こり社会問題化。財力にものを言わせていいおとなが”大人買い”してさらに問題に拍車をかけました。1980年代後半の頃です。
(*5)遊戯王なんかのカードゲームとか
 名前は忘れましたが、5枚だかそろえると無敵の巨人になるカードとかがあってハンパない価格で取引されてたような・・・
(*6)超難関大学の入試に匹敵する難しい問題になります
 私が浪人していた30年近く前に、京都大学の数学の入試問題にこの”歪んだサイコロ”の確率を計算する問題が出ました。解説を読みましたがでんでん理解できませんでした・・・
(*7)急速に普及する電子マネー
 日銀統計によると、最近でこそ伸びは鈍っているものの、2011年6月には月間決済金額1,637億円、決済件数1億9,400万件のピークを記録したそうです。残高は同時期で1,348億円。(日本銀行決済機構局 最近の電子マネーの動向について 2011年。詳細はこちらから)
 こうなってくると、マネーサプライのM2+CD(現金、預金及び譲渡性預金)にも影響が出てくるんではないかと。

 

推理の鮮やかさではなくて、お嬢様を罵倒することが受けてる理由ではないかと推理します(謎解きはディナーのあとで/バラ)

 ども、だれか部屋の掃除をしてくんないかな~と思っているおぢさん、たいちろ~です。
 かなり部屋の中に本がたまってきたので整理をしたいんですが、忙しくてままなりません。そうなってくれる財力にものを言わせてお片づけをしてくれるメイドさんか執事が欲しくなります
 この歳でメイドさんはいかがなものかと思いますが(*1)、執事さんは良いなぁ。
 気分だけでもということで”執事喫茶”というものがあるそうですが、行ってみたいなぁ、これは。
 ということで、今回ご紹介するのは執事が出てくる推理小説”謎解きはディナーのあとで”であります。


Photo

写真はたいちろ~さんの撮影。近所のカリフォルニアローズです。


【本】謎解きはディナーのあとで(東川篤哉 小学館)
【本】謎解きはディナーのあとで2(東川篤哉 小学館)
 国立署の新米警部にして大金持ちのお嬢様である”宝生麗子”と彼女に使える毒舌執事の”影山”のコンビが事件を解撤するというユーモア本格ミステリー。といっても、解決しているのは影山の方ですが。
 2011年度の”本屋大賞”1位にして、2011年に櫻井翔、北川景子の主演でテレビドラマ化。
【花】バラ(薔薇)
 バラ科バラ属のの総称。”綺麗なバラには棘(とげ)がある”というように、美しい半面、危険のある花の象徴としても使われます。
 棘が出来た理由として体を保護するほかに、棘が引っかかって巻きつきやすくなるというメリットもあるみたいです。


 この本のキーワードをまとめると”富豪刑事”、”執事”、”安楽椅子探偵”。で、ちょっと細かく見ていくと

〔富豪刑事〕
 要するにちょ~お金持ちがなぜだか刑事になってる人。なった理由はさまざまですが何にお金を使うかで2パターンに分かれるかと

①事件解決にお金を使うお金持ち
 代表例が本宮ひろ志の”俺の空 刑事編(*2)”に登場する安田一平。
 安田財閥の御曹司という超大金持ちで、死体を捜すためにアメリカの超高層ビルを買うわ、犯人を追い詰めるために”私設警察”を作っちゃうというハンパじゃない大金持ち。ただし、刑事としては優秀。
②ライフスタイルとしてのお金持ち
 代表例が田中芳樹の”薬師寺涼子の怪奇事件簿(*3)”に登場する薬師寺涼子。
 ドラキュラもよけて通るという”ドラよけお涼”の二つ名を持つ絶世の美女にして、アジア最大の警備会社”JACES”の社長の娘という大金持ち。ただし、刑事としては優秀。
 薬師寺涼子は事件解決にお金を使うことはあんまししませんが、生活はとってもセレブ。
 この人にはマリアンヌとリュシエンヌという美少女スーパーメイドさんがいますが、この二人はご主人さまに毒舌をはいたりしません。

 で”謎解きはディナーのあとで”に登場する宝生麗子は後者。ライフスタイルはセレブだけど、刑事としては、執事の影山から

  失礼ながらお嬢様--- この程度の真相がお判りにならないとは、
  お嬢様はアホでいらっしゃいますか

 と毒舌をはかれるレベル。

〔執事〕
 ”執事”のイメージといえばおぢさん世代ならバットマン(*4)に登場する”アルフレッド”でしょうか。この渋い初老のおぢさんはバットマン=ブルース・ウェインに仕える執事にして人生の師でもあります。もちろん、主人に対して諌めることはあっても、毒舌なんかは吐きません。
 で、この人と能力的にはタメをはれても人格的には???なのが本書に登場する執事の”影山”。その推理力や特殊警防を使った立ち回りとかだとかバットマンのパートナーでも勤まりそうですが、ちょっと間違ってたりするとボロクソ言っちゃいそう。

  失礼ながらお嬢様、やはりしばらくの間、引っ込んでいてくださいますか
   (中略)
  しかしながら、わたくしといたしましては、
  お嬢様のせいで新たな冤罪事件が増えますのを、
  黙って見過ごすわけにはまいりません

 これは、諌めるというより罵倒に近いんではないかと・・

〔安楽椅子探偵〕
 オビに”本格ミステリー”と書いてあるように、本書を分類すると”安楽椅子探偵モノ”になります。影山本人も2巻で現場に行くのは安楽椅子探偵モノのルール違反だといってるし。まあ、現場に出ている(居合わせている)話もありますが。
 推理小説としてみるとこれは”ハウダニット(*5)”でしょうが、印象でいうと探偵というより”涼宮ハルヒの憂鬱”の古泉一樹(*6)に近いかな、聞いた話や状況を元に”ありうる状況に合理的な説明をつける”という意味では。それに毒舌こそはかないものの、たえず敬語を使ってるとことか。もし”謎解きはディナーのあとで”をアニメ化することがあれば、ぜひ声優は同じ”小野大輔(*7)”にやって欲しいものです。

 推理のレベルから言うと、薔薇の花壇に死体が置かれている話を聞くだけで

  こんな簡単なこともお判りにならないなんて
  それでもお嬢様はプロの刑事でございますか。
  正直、ズブの素人よりレベルが低くていらっしゃいます

 と言い切るだけあって相当なもの。
 でも、ちょっと気になるのは本書に登場する犯人があまりにも冷静で合理的な行動をとってること。おそらく殺人を犯した後というパニックを起こしても当たり前の状況で不測の事態が発生してるにも関わらず、その隠蔽にとっても合理的な行動をとっています。まあ、だからこそ合理的な帰結を推理できるわけですが。

 どうも、本書を楽しむポイントってのは推理小説としてのトリック云々を鮮やかに解決するってとこではなくて、使用人である執事が主人である美しく大金持ちのお嬢様を罵倒するってとこではないかと推理いたします。
 出来の悪い上司を優秀な部下がボロクソに言うっていうカタルシスみたいなモンかと・・・

《脚注》
(*1)この歳でメイドさんはいかがなものかと思いますが
 テレビでメイド喫茶の話題をやっていますが、さすがに引きますねぇ。
 娘と変わらん歳のお嬢さんに”萌え萌え、キュン♡”とか言われても・・・
(*2)俺の空 刑事編
 刑事編の初出は1980年に『週刊ヤングジャンプ』に掲載。
 2011年にテレビドラマ化されました。
(*3)薬師寺涼子の怪奇事件簿
 初出は1998年講談社ノベルスから書き下ろしにて。
 推理小説というより、怪奇小説です。
(*4)バットマン
 アメリカンコミック”バットマン”に登場するスーパーヒーロー。
 アルフレッドはというとウェイン家の一切を取り仕切るは、バットケイプ(秘密基地)や秘密道具の開発維持をこなすわ、情報分析のお手伝いをするはのスーパー執事さん。
 こんな人、部下に欲しいわ~~
(*5)ハウダニット
 Howdunit = How (had) done it
 どのように犯罪を成し遂げたのか、つまりトリックを破ることで犯人を特定することがメインの推理小説。
 ちなみに、誰が犯人なのかを推理するのが”フーダニット (Whodunit)”、なぜ犯行にいたったのかを推理するのが”ホワイダニット (Whydunit)”です。
(*6)古泉一樹
 ”涼宮ハルヒの憂鬱”に登場する謎の転校生にして超能力者。
 ちなみにこの人には執事の新川さんと、メイドの森さんという仲間がいます。
(*7)小野大輔
 と思って調べてみたら、この人は”黒執事”というアニメで”セバスチャン・ミカエリス”という執事役をやってました。考えることは同じなようです。

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