« 2012年4月1日 - 2012年4月7日 | トップページ | 2012年4月15日 - 2012年4月21日 »

2012年4月8日 - 2012年4月14日

ハードルを引っ掛けて転倒しても、立ちあがってもう一度走り出す以外に方法はないのだ(さらば長き眠り/墓参りのお花)

 ども、春眠暁を覚えずおぢさん、たいちろ~です。(別に春でなくても眠いですが)
 昔から早寝早起きの人なんですが、寝るのが10時過ぎ(土日は7時過ぎ)、起きるのが朝4時前とちょっと度が過ぎておりまして、奥様の実家に遊びに行った時には義理の母から”お父さんは朝が早く起き過ぎて困るんよ”という義父より早起きをしていてれられました。
 まあ、仕事がなければ長く寝ていたいもんですが、長すぎると本を読んでる時間がなくなるしなぁ
 ということで、今回ご紹介するのは表題そのままですが、ハードボイルドの傑作”さらば長き眠り”であります。


0052_2
 写真はたいちろ~さんの撮影。近所の百合です(たぶん)。

【本】さらば長き眠り (原尞 ハヤカワ文庫)
 日本のマイク・ハマー(*1)と呼ばれる私立探偵”沢崎”は元高校野球選手の”魚住彰”から11年前に亡くなった姉”魚住夕季”の自殺の真相を調べるよう依頼を受ける。彼は姉が自らにかけられた八百長疑惑が原因で自殺したことに納得できずにいた。
 調査を進めるうちにその自殺がまったく別の事件と結びついていたことを知る・・・
【花】墓参りのお花
 一般的には白や淡い色のものが基本で、日にちがたてば色花でも良いとのこと。故人が好きだった花などでもOK。ただし、棘のある花・毒のある花・匂いの強い花は避けるべきだそうです。
 私だったらディモルホセカ(*2)の白あたりがいいなあ。


 高校のスポーツとしてはもっともメジャーなのが高校野球。私は野球はまったく見ませんが、昔子供がまだ高校生だった”ダルビッシュ有(*3)を見た”とか言ってましたんで、ここまでメジャーだと名前ぐらいは知っています。
 もっともダルビッシュのように栄光をつかむ選手ってのはほんの一握りで(*4)ほとんどが何の花も咲かさずに散っていくんでしょうね。まあ、それでもひっそり散るならまだしも、大事な場面でエラーをするとか、勝ってる試合の最終回でボコボコに打たれて逆転負けするとか栄光が大きいだけに、トラウマになりそうなマイナスもあるんじゃないかと。
 で、”さらば長き眠り”に出てくる魚住君のように八百長疑惑まででてくると大変なんでしょう。本来だったら教育の一環であるクラブ活動で八百長が出てくるのってのは大人の事情なんでしょうが、そんなのに振り回される高校生はたまったモンじゃありません。

 ハードボイルドな私立探偵”沢崎”の言葉

  魚住のように野球人生のほとんどスタート時点で躓くのと
  江夏(*5)のように栄光のゴールを通過したあとで躓くのと
  どちらが男にとって不幸なことだろうかと考えた。
  意味のない感想だった。
  躓いた本人にとっては行く手を遮っているハードルを引っ掛けて転倒しただけのことで
  黙って立ちあがってもう一度走り出す以外に方法はないのだ。
  不幸などという感想が生まれるのはつねに他人事に限られていた。

 なかなか含蓄のある言葉です。
 たとえ大人の思惑に振り回されても、自分の足で走るしかないわけでこういったふてぶてしいまでの自己を律する意思ってのがハードボイルドの真骨頂です。
 でも、大人の思惑で走ることすらできなくなったのが彼の姉の夕季。

  「魚住夕季の墓に毎年花を供えられていたのはあなた方ですか」と、私は○○に訊いた。
  ○○は自嘲気味に小さく笑った。
  「死んだ娘にできることが、隠れて花を供えるだけとは情けないことだ」

 結局のところ死んでしまえば、親であってもお花を供えるぐらいしかできません。
 生きていて、立ちあがって走り続ければこその未来です。

 お墓参りでよく使われる百合の花言葉は”純潔”、菊の花言葉は”高潔”です。
 ”潔い”に”は清らかである、汚れがない”という意味と”思い切りがよい、未練がましくない”という意味があります。
 時は春、晴れて希望の大学に合格した人もいれば、受験に失敗して浪人した人もいるでしょう。ぶ~たれて立ち止まっていては来年の合格はおぼつきません。浪人なんて人生のほとんどスタート時点でハードルに躓いたぐらいで、あとでいくらでもリカバリーはききます。2年も浪人した私がいうから間違いありません。
 何をするのは本人次第で、それに親なんで受験生にお金をお供えするぐらいしかできることはないんだし。まあ親としてはそれはそれで大変なんですが・・・

 ”さらば長き眠り”を始め原尞の”沢崎シリーズ”は文句なしに面白いんですが、この作家、おもいっきし寡作。早く新作が読みたいんですがねぇ。

《脚注》
(*1)マイク・ハマー
 ミッキー・スピレインの小説”裁くのは俺だ”などに登場するハードボイルドな私立探偵のこと。スピレインは読んでないので、今度読みます。
 調査対象の人からこう呼ばれてますがこれは間違い。”さらば長き眠り”という表題がチャンドラーの”さらば愛しき女よ”と”大いなる眠り”と”長いお別れ”のオマージュになっているように、”フィリップ・マーロウ”のほう。
 でも、こういった外し方をわざとやるのって好きです。
(*2)ディモルホセカ
 キク目キク科ディモルフォセカ属の一年草。別名アフリカキンセンカ。
 黄や橙色の暖色系ほうが多いようですが、私は白のほうが好きです。
 マイナーな花好きですいません。
(*3)ダルビッシュ有
 元東北高校の野球選手。今はアメリカにいるらしいです。
 でも、高校生で喫煙写真をスクープされるわ、21才かそこらでモデルのおねえさんとできちゃった結婚するわってのはどうなんでしょうねぇ。
(*4)栄光をつかむ選手ってのはほんの一握りで
 日本高等学校野球連盟の調査によると、高校の硬式野球部数は4,090校、部員数は約16万7千人ぐらいいるそうです(2011年度調査)。こうなってくると夏の甲子園で優勝するのってAKB48でセンターとるぐらい難しいんだろうなぁ。
(*5)江夏のように栄光のゴールを通過したあとで躓くのと
 江夏豊。阪神タイガース他に在籍した元野球選手にして現野球解説者。。奪三振401ケという世界記録保持者、オールスター9連続奪三振、”20世紀最高の投手の一人”、”、”優勝請負人”と呼ばれるなど栄光をほしいままにしたがら、引退後の1993年に覚せい剤取締法違反により逮捕されました。(wikipediaより抜粋)

家族って・・・、あたしの義理の息子になるつもりなの!(トワイライト/ホトトギス)

 ども、そろそろ孫がいてもおかしくない年になってきたおぢさん、たいちろ~です。
 先日、テレビを見てましたらモデルのあびる優のお母様(*1)という方が出てました。これがまあ、美しくて若々しいお母様で、私んちの奥様と同じ年だとは思えません。出演の男性陣からはあびる優を目の前にして”付き合うんだったら、お母さんの方がイイ!”と言わしめるほど。
 まあ、彼女のお母さんとお付き合いするというシチュエーションの小説がないわけではないですが(*2)、お母さんが18才、娘が生後3日、その相手がちょっと前まで自分を愛してると追っかけまわしている男となるといかがなものかと。
 ということで、今回ご紹介するのは人気の”トワイライトシリーズ”の最終章”Breaking dawn(*3)”であります。


261


 写真は”フリー素材屋Hoshino”より。ホトトギスです。


【本】トワイライト (ステファニー・メイヤー ヴィレッジブックス他)
 少女ベラは恋人の吸血鬼エドワードとついに結ばれる。ハネムーン先で体が不調になったベラは自分が妊娠したことを知る。生まれてくる子供は吸血鬼界最大のタブー”不滅の子(*4)”かもしれない。そして、吸血鬼界の秩序を守るべくヴォルトゥーリ一族が動き出す・・・
【花】ホトトギス(杜鵑草)
 ユリ科植物の属のひとつ。
 東アジア(日本、台湾、朝鮮半島)に分布してますが、日本が原産であると推定されているそうです。地域固有種が多く絶滅危惧種に指定されているものも多いです。
 花言葉は”私は永遠にあなたのもの


 この家族、お父さんは吸血鬼お母さんはなりたて吸血鬼、娘はお母さんが人間の時に妊娠しているので吸血鬼と人間のハーフ。彼氏ってのが狼人間という、知らない人が聞いたら”幽霊城のドボチョン一家か!?(*5)”というツッコミのありそうな設定です。
 で、この狼男ってのが生涯の伴侶に”刻印”とういのがあって、これがつくととってもラブラブモードになるという羨ましい特性がありますが、これがつくのに年齢は関係ないというハタ迷惑な面も。元カレの狼男ジェイコブの相手ってのが生まれたばかりのベラの娘レネズミというロリコンどころかペドフェリア以下(*6)という危ない状況です。

 で、ジェイコブがレネズミに刻印されたことをベラに告白するシーン

  ベラ   :私の赤ちゃんに”刻印”だなんて・・ 頭のネジでもはずれたわけ?
        (中略)
  ジェイコブ:だって、ベラがいったんだろ。覚えてる?
        おれもベラモもおたがいの人生の一部なんだ、家族なんだってさ。
        それがあるべき姿だって。ほら・・・そうなったんだよ。
        ベラが望んだことじゃないか
  ベラ   :家族って・・・、あたしの義理の息子になるつもりなの!

 まあ、お母さんのお怒りはもっともですがこの”刻印”ってのは相手にも作用するようで、娘のほうもあっという間にラブラブ状態。それに超人的なパワー+血を吸う女性の相手なんて狼男ぐらい丈夫な男でないと務まりません
 自分だって、親の反対を押し切ってむりやり結婚したわけですから因果応報と言えなくもないかなぁ。

 もっとも、子供ができること自体がこのご夫婦には想定外だったようで、男性の吸血鬼にはには子供を産ませる能力があっても、女性の吸血鬼にはないらしい(*7)。また、定住しても地域限定と全世界でばらばらか、放浪者という出会いそのものも少ないこともあって、自分の遺伝子を残すという意味では吸血鬼ってほとんど絶滅危惧種です。
 でも、レネズミとジェイコブに子供が出来たら、吸血鬼と狼男と人間のハーフになるわけでぜひこの子を主人公にした続編を読んでみたいものです。

 ”Breaking dawn”は2012年2月から実写映画で公開が始まりましたが(まだ観てません)、ヴォルトゥーリ一族との直接対決ってどうやって映像化するんだろう?
 ネタバレですが、ステファニー・メイヤーの作風なのか、思いっきり引っ張ってったわりには肉弾戦の闘いはなくって、ほとんどマインドコントロール合戦。敵のリーダー”アロ”は冷静で丁寧な話し合いだけで去って行きます(*8)。まあ、それなりに精神攻撃はすごいんですが。

 まあなんだかんだありましたが、ベラとエドワードにはぜひ幾久しく幸せになって欲しいもの。言葉どおりお二人には永遠の時間があるんだから。

 ”トワイライト”は今回でやっと全巻読み終わりました。きっかけになった桜庭一樹がはまったのが良く分かる小説(*9)。楽しませていただきました。

《脚注》
(*1)モデルのあびる優のお母様
   元女優の阿比留貴美子(旧姓 中山貴美子)さん。
 1982年に池田満寿夫が監督した映画『窓からローマが見える』に主演したそうです。やっぱりねぇ。
(*2)彼女のお母さんとお付き合いするという~
 どっちかというとエッチ系の小説ですが・・・
 ちなみにエッチ系小説のレーベル”フランス書院文庫”で”彼女の母”というタグで検索すると14冊出てきます。まあ、あんまし好きなテイストではないので読んだこたないですが。
(*3)Breaking dawn
 辞書で調べましたがうまく出てきません。”break down”だと崩壊、行き詰まる、 挫折などですが小説の中身と合いません。
 ”The dawn is breaking”だと”夜が明けようとしている、新しい時代が来ようとしている”なので、たぶんこっちのイメージなんでしょうね。
(*4)不滅の子
 分別のない子供が吸血鬼に転生すると、その超絶的なバワーで人間界に危害を加えるため吸血鬼の存在が明らかになり、吸血鬼界をのものを危機に陥れる。よってその子供=不滅の子は滅ぼさねばならない、という理屈。
 そういや平井和正の”赤ん暴君”という短編に超能力を持った赤ん坊の恐怖ってのがありましたが、制御に効かないパワーってのはハタ迷惑意外のなにものでもありません。
(*5)ドボチョン一家か!?
 古城に住む、ドラキュラ、狼男(日本語版では人食いライオン)、フランケンシュタイン、ミイラ男などが登場するアメリカのアニメ。”一家”と言ってますが、あんまし血縁関係はなさそう。名古屋弁をしゃべるドラキュラ(声は南利明)がオススメ。
 日本では1970年の放映なので、ツッコミしてる人はおぢさん世代だけかも。
 YouTubeで見ることができます。
(*6)ロリコンどころかペドフェリア以下
 少女を愛するのがロリコン、幼女を愛するのがペドフェリア。と分けたところでどっちも残念な人であることには変わりはありませんが。
(*7)女性の吸血鬼にはないらしい
 理由は書いてませんが、生理の血に耐えられないから?(下品なネタですいません)
 ちなみに狼女も同様で、狼女のリアさんも
  もう、アガッてるの、二十歳にして更年期だから
 と言ってますが、狼女の更年期障害って見たくないなぁ・・・
(*8)敵のリーダー”アロ”は冷静で丁寧な話し合いだけで去って行きます
 エドワードは、アロが正々堂々と戦ったことがないとか、不利な状況で戦わないとかさんざんな評価をしてますが、闘いとは始まる前に必勝の状況を作りだし、不利な場合は撤退ができるという点ではアロってけっこうな名将だと思うんですが
(*9)桜庭一樹がはまったのが
 私のブログ”黄昏時の若人をとめられるものなどこの世にないやね”をご参照ください。

« 2012年4月1日 - 2012年4月7日 | トップページ | 2012年4月15日 - 2012年4月21日 »

最近のコメント

最近のトラックバック

無料ブログはココログ