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黄昏時の若人をとめられるものなどこの世にないやね(トワイライト/黄昏)

 ども、夜な夜な美女の生血を求めてさまようおぢさん、たいちろ~です(ウソです)
 先日、桜庭一樹のエッセイを読んでますと”トワイライトにハマりました”というのが書いてありました。稀代の本の読み手である桜庭一樹がハマるぐらいだから面白いんだろ~な~と思って手を出したんですが、面白いんですな、これが。
 さすがに13巻もあって(ソニーマガジンズ版)まだ全部は読めてませんが、とりあえず1~3巻(第一期)を一気読みしました。


0160
 写真はたいちろ~さんの撮影。横須賀の月。撮ったのは8月1日の19時ごろです。 


【本】トワイライト (ステファニー・メイヤー ヴィレッジブックス他)
 雨と霧の町、ワシントン州フォークスへ引っ越してきた少女ベラは、美しい美貌の青年エドワードとであう。惹かれあう二人だか、彼には秘密があった。彼は吸血鬼だったのだ・・・
 アメリカではハリー・ポッターに次ぐ大ベストセラーなのだそうです。
 ”トワイライト〜初恋〜 ”として2008年に実写映画化。
【自然】黄昏
 日没後2時間±1時間後で、だいたい19~21時ごろのこと。英語だと”twilight”。この時間帯は夕暮れ、逢う魔が時とも言われる時間帯です。
 ”神々の黄昏(*1)”から連想するように終末の時の比喩にも使われます。


 さて、この小説は映画版のキャッチコピーの「人間とヴァンパイアの禁断のファースト・ラブ」とあるようにラブ・ストーリーなんですが、今の日本の小説シーンでいうとほとんどライト・ノベルです。イラストこそ”萌え絵”ではないですが(*2)少女漫画っぽいし、ストーリーはヒロインの”ベラ”こと”イザベラ”の一人称で語られているし。

 お話はというと、普通でちょっと運動神経のにぶい女の子が素敵な男の子から恋をされるという、ガール・ミーツ・ボーイ(*4)のストーリー。しかも、彼氏がチョ~イケメンで、スーパーマンで、いつでも”私だけ”を守ってくれる存在で、かつちょっと(かなり)危険な”吸血鬼”となればほとんどの女の子にはストライクゾーンかも。
 しかも、自分を傷つけないために、”血を吸う”という本能に根ざした行為を超人的な克己心でがまんしているからなおさらです。

 ふと思ったんですが、吸血鬼モノの主人公ってはなから吸血鬼ってわけではなく”人間から吸血鬼になった”っても意外とあって、メジャーなことろでは

〔ドラキュラ伯爵〕
 元ルーマニア・トランシルバニア城の城主。吸血鬼のご神祖様でもあります(*5)。
 最愛の妻を失った絶望から神への復讐を誓い吸血鬼に。
 (フランシス・フォード・コッポラ監督の映画版より)
〔エドガー・ポーツネル〕
 萩尾望都の名作コミック”ポーの一族”の萩尾主人公。
 森に捨てられた少年が後にキング・ポーにより吸血鬼に。
 妹のメリーベル、親友のアラン・トワイライトもエドガーにより吸血鬼になりました。

 観てはないですが、”インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア(*6)”のルイスなんかもそのようです。
 ネタバレになりますが、トワイライトに登場するエドワードとその家族もこの系譜で、子供達は養父であるカーライル医師によって命を救われるに吸血鬼になりました。ちなみに、カーライル医師は元英国国教会の司祭の一人息子で悪魔狩りの指揮をとっていたという経歴の持ち主。吸血鬼に襲われて自身が吸血鬼になった人で、そのために”人の生血を吸わずに生きる”という道を選び、子供達もそのように育てています。

 で、自ら望んで吸血鬼になりたいかというとまあ”なっても悪くはないかな”とも思えます。やみくもに血を吸うとか人間から逃げ回るのはご勘弁ですが、生命体としはまあ究極の部類なんでしょうし(*7)。
 ベラの場合は”恋人のエドワードと永遠に一緒にいたいから”。3巻のエピローグでプロム(*8)に誘われたベラがエドワードにおねだりしています。

 エドワード:きみの人生はまだはじまったばかりなのに、
       これでもう黄昏(トワイライト)を迎えてもいいっていうつもりなのか
       なにもかも捨てる覚悟をしてるって
 ベラ   :終わりじゃない、はじまりだもの

        (中略)
 ベラ   :夢を見るのは女の子の特権だもの
 エドワード:それがきみの夢なのか。”ケダモノになる”ことが
 ベラ   :そうじゃない。
       あたしの夢は”あなたと一緒に永遠に一緒にいる”ことよ

 まあ、いいんじゃないですか

黄昏時の若人をとめられるものなどこの世にないやね(*9)

 とも言いますし。

《脚注》
(*1)神々の黄昏
 リヒャルト・ワーグナーの楽劇”ニーベルングの指環”四部作の4作目。
 主神オーディンの宮殿”ヴァルハラ”の炎上という神々の時代の終わりを暗示するエンディング。
 昔、この楽劇が見たくてレーザーディスク(古っ!)を買いました。ちなみに、パトリス・シェロー演出、ピエール・ブーレーズ指揮の通称”ダム・リング”です。
(*2)イラストこそ”萌え絵”ではないですが
 ヴィレッジブックス版のイラストを担当したのはゴツボ×リュウジ。ド級オタクな夢見る少年を主人公とした”アニコイ”を連載中(読んでないけど)。
 もし、日本語化権をヴィレッジブックスではなく、角川ホールディングス(*3)だったらきっと萌え絵になっていたことでしょう。
(*3)角川ホールディングス
 角川グループは少年系ライトノベルだけでも、角川スニーカー文庫、富士見ファンタジア文庫、MF文庫J、電撃文庫、ファミ通文庫の5つのレーベルを持ち、市場の7~8割のシェアを持っているとのこと。
 まあ、昔からメディアミックス得意な会社だったから、現在のライトノベル原作アニメの興隆もわかなんではないです。
(*4)ガール・ミーツ・ボーイ(Girl Meets Boy)
 少女が少年に出会い恋に落ちる話。逆に少年が主人公の場合は「ボーイ・ミーツ・ガール」。トワイライトの場合は初手から相思相愛なのでどっちでもいいですが。
 ライトノベル、アニメ、少女漫画の定番であります。たとえば、遅刻しそうにになって走ってると、道の曲がり角で男の子とぶつかるとか・・・
(*5)吸血鬼のご神祖様でもあります
 菊地秀行の小説”吸血鬼ハンターDシリーズ”より。ほとんど神様扱いです。
 主人公の”D”は黒衣の超絶的な美青年で、吸血鬼と人間との間に生まれた”ダンピール”にして凄腕のバンパイアハンター(吸血鬼を狩る者)。
(*6)インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
 1994年公開のアメリカ映画。原作はアン・ライスの小説”夜明けのヴァンパイア”。監督     ニール・ジョーダン、主演 トム・クルーズ、ブラッド・ピット
 まだ観ていないんで、こんど借りてこよう。
(*7)生命体としはまあ究極の部類なんでしょうな
 吸血鬼ほど弱点がはっきりしているモンスターは少ないんでしょうが、陽にあたってもチリにならなかったり、十字架を怖がらないのも結構います(トワイライトの吸血鬼はこの部類)。だいたい、首を切り落とす心臓に杭を打つ銀の銃弾で撃つなんてやられれば吸血鬼ならずとも死にます
(*8)プロム(Prom)
 promenade(舞踏会)の略。アメリカなどの高校で開かれるフォーマルなダンスパーティーだそうです。女性との踊りといっってもフォークダンスぐらいしかしたことないおぢさんにはピンときませんが。
(*9)黄昏時の若人をとめられるものなどこの世にないやね
 ”サード・ガール”(西村しのぶ 小池書院)より。
 建築会社にお勤めの涼さんが神戸MOSAIC(神戸港ウォーターフロントのデートスポット)でカップルいっぱいの中で仕事するシーンから。
 この後、ガールフレンドの夜梨子ちゃんが別の男とデートしてるのを見つけてあせりまくるハメになります。

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