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2012年1月

半オクターブずれている交響曲を聴き続けているような小説です(百年の孤独/バナナ)

 ども、単身赴任寮で孤独に耐えるおぢさん、たいちろ~です。
 最近、飲み会をやると焼酎をよく呑みます。この歳になるとビールは腹にたまるし日本酒は翌日に残るし。まあ、大勢で呑むと価格がリーズナブルってこともありますし。
 ただ、どのジャンルでもブランドものというかお高いものもありまして、焼酎で有名なのが”百年の孤独(*1)”。先日読んだ桜庭一樹の”ばらばら死体の夜(*2)”でも、翻訳家の先生が”百年の孤独”といって”焼酎”のことだと思う女性が出てきます。もっとも、こちらは小説の話をしてるんですが。
 ということで、今回ご紹介するのは焼酎でネタふりをしながら小説のほうの”百年の孤独”であります。
 焼酎の話を期待した人にはすいません m(_ _;)m


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 写真はたいちろ~さんの撮影。”那須 花と体験の森(*3)”のバナナの木です。


【本】百年の孤独 (ガルシア・マルケス 新潮社)
 蜃気楼の村マコンドの栄枯盛衰を、ブエンディア一族7世代の出来事を積み重ねて描いたラテンアメリカの長編小説。初版は1967年に出版。
 作者のガルシア・マルケスは1982年にノーベル文学賞を受賞しました。
【花】バナナ
 バショウ科バショウ属のうち、果実を食用とする品種群の総称。
 スーパーでは房を分けて売っていますが、木には上記のように生っています。先端の赤紫のところが花の咲く部分で、ここに小さな花がたくさん咲きます。
 写真で赤紫色のところにちょっとだけ見えてる白い部分が花。バナナの実の先端にある黒い部分が花の名残です。


 最初、ブエンディア一族の物語とかの紹介文だったので、”大地(*4)”みたいなのかと思って読み始めたんですが、ずいぶん違ってました。
 感情描写をほとんど廃して、短いエピソードを積み重ねていくっていう書き方なんですが、このエピソードのほとんどが淡々と事実を述べていて、時々、超自然的なのが混じっています。あえて言うなら半オクターブずれている交響曲を聴き続けているようなイメージ(*5)。ちゃんとした楽曲になっているのに何か違和感があるような。

 こういった非日常、非現実と日常、現実という相反する状態がまじりあって同時に表現されているような技法を”マジックリアリズム”というんだそうですが、確かにこのテイストに合う人には魔術的にはまりそう。
 上記の桜庭一樹もマルケスの”百年の孤独”に影響を受けた一人で、”赤朽葉家の伝説(*6)”なんか、モロにその影がうかがえます。

 物語はブレンディア一族の祖にしてマコンドの創成者”ホセ・アルカディオ・ブエンディア”と後に盲目になっても普通に生活できる妻”ウルスラ”から始まって、内乱を指揮した頑固じじいの”アウレリャノ・ブエンディア大佐”、恋愛に不器用な”アマランタ”、バナナ会社へのデモを煽動する”ホセ・アルカディオ・セグンド”、愛人と妻の間を行き来する事業家?の”アウレリャノ・セグンド”、超美人の小町娘”レメディオス”、法王見習いと嘘で人生を固める”ホセ・アルカディオ”、愛人を射殺されてしまう”レナータ・レメディオス(メメ)”とその息子で引きこもりだが博識の”アウレリャノ・バビロニア”、ラブラブ夫婦なのに不倫に走った”アマランタ・ウルスラ”などなど、ひと癖もふた癖もある人物がてんこ盛り。
 同じような名前がいっぱい出てきますが、みんな別人。この国のネーミング方法なんでしょうか? 実際に読むときは巻頭にある家系図を見ながらでないと頭が混乱してきます。
 私のお気に入りとしては、”メルキアデス”。ジプシーというよりほとんど錬金術師。生きているうちは初代の”ホセ・アルカディオ”たちに文明の利器をもたらし、死んでからも”アウレリャノ”に博学な知識をもたらすというほとんど”オビ・ワン・ケノービ(*7)”みたい人です。

 初版は1967年と、1962年以降おこったラテンアメリカ諸国の独立なんかの影響を受けてか、アウレリャノ・ブエンディア大佐の率いる内乱なんかの話も出てきますが、情熱をもって語るとかほとんどなくて、むしろ夢の世界を冷静に記述してるって感じ。どちらかというと幻想小説っぽいです。
 バナナ工場の待遇改善デモ(*8)に端を発した3000人の虐殺事件という、どっかの国で実際にあったっぽい話もそう。政府や経営者サイドの場当たり的、高圧的な対応と、逃亡生活を続ける”ホセ・アルカディオ・セグンド”も、淡々と書いていてかえって寒々としてしまいます。
 それに、特徴的なのが人があっさり死ぬこと。主人公級の人たちが短いと数行の記述で片づけられるので、油断して読んでると”あれ、この人いつ死んじゃったんだっけ??”てなことになりかねません。

 ”百年の孤独”は、かなりクセがあるので好みは分かれるかもしれませんが、桜庭一樹が好きな人ならテイストは合いそう。お勧めです。

《脚注》
(*1)百年の孤独
 黒木本店(宮崎県高鍋町)から発売されている麦焼酎。ネット通販で買うとだいたい7~8,000円ぐらい。
 生産本数が少ないせいか居酒屋で置いてある店はほとんどないです。以前、神楽坂の居酒屋でたまたま置いて店があったので呑んでみましたが、ニュース扱いだったような・・・
(*2)ばらばら死体の夜(桜庭一樹 集英社)
 40才過ぎの翻訳家”吉野解(さとる)”は学生時代に下宿していた古書店「泪亭」の2階で、白井沙漠と出会い、体の関係を持つ。しかし沙漠が解に借金を申し込んだことから・・・
 詳しくはこちらからどうぞ
(*3)那須 花と体験の森
 栃木県那須町高久甲の”那須ハートランド”にあるアミューズメント施設。押し花キャンドルや苔玉などの体験教室や、温室の喫茶店、ガーデンなどがあります。同一敷地内には日帰り温泉”那須山”も。
 私んちが行った時は、私が温泉に入っている間に奥様が和菓子の体験教室を受けてました。
(*4)大地(パール・バック 岩波文庫、新潮文庫 他)
 中国の貧農、王龍の一族3代を描いたパール・バックの長編小説。
 高校生の時に途中まで読みました。最後まで再読したいんですが、文庫で4冊はちょっと重いなぁ・・
(*5)半オクターブずれている交響曲を聴き続けているようなイメージ
 実際に聴いたことあるわけじゃないですが。
 何かの本で、オーケストラが指揮者にいたずらするのにオクターブずれで演奏したってのが書いてあったので、プロの技術があれば演奏できるみたいです。
(*6)赤朽葉家の伝説(桜庭一樹 創元推理文庫)
 鳥取県の架空の村である紅緑村で製鉄業を営む”赤朽葉家”。
 千里眼奥様こと”赤朽葉万葉(あかくちば まんよう)”レディスのヘッドである赤朽葉毛毬(けまり)、恋愛に悩むニートな赤朽葉瞳子(とうこ)の女3代の歴史を描く長編小説。けっこうハマります。日本推理作家協会賞、吉川英治文学新人賞を受賞。
 スピンオフ作品の”製鉄天使”もお勧め。
(*7)オビ・ワン・ケノービ
 ”スター・ウォーズ”ジェダイの騎士。この人もエピソード1~3ではアナキン・スカイウォーカー、エピソード4からはルーク・スカイウォーカーを指導し途中からは霊体化して、さらにルークを導いていました。
(*8)バナナ工場の待遇改善デモ
 バナナって、南国のフルーツという明るいイメージがありますが、プランテーション作物(熱帯地域などに先進国が大量の資本を投下し、広大な農地を先住民や奴隷などの安価な労働力を使って作る作物)の代表例。経済の安定や発展に問題を抱えている国の作物とも言えます。
 スーパーで安いのだと5本100円以下で買えるバナナですが、輸送や保管コストを考えると、耕作者の利益はいくらなんでしょう?

二十五年間、一緒にいたんだ、馴れ合いだって、歴史だよねえ(銀婚式物語/ミモザ)

 ども、とうとう長女が成人式を迎えてしまったおぢさん、たいちろ~です。
 再婚でもできちゃった結婚(*1)でもないので、単純に考えると20年以上結婚生活をしてしまったことになります。そうなってくると、まあ、銀婚式(*2)なるものがもうすぐやってくるわけです。 
 結婚生活25年(*3)、四半世紀もまあ別れもせずよくもまあつづくもんです。
 ということで、今回はめでたく銀婚式を迎えたご夫婦、新井素子の”銀婚式物語”のご紹介であります。


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 写真はたいちろ~さんの撮影。近所で見つけたミモザアカシアです


【本】銀婚式物語(新井素子、中央公論新社)
 作家の陽子さんとサラリーマンの正彦さん。このたびめでたく銀婚式を迎ることになりました。25年の結婚生活を振り返ってみるといろんなことが・・・
 女子高校生でSF作家としてデビューしたライトノベル作家の元祖”新井素子”の自伝的エッセイ風小説。
【花】ミモザ
 マメ科オジギソウ属の植物の総称又は、マメ科アカシア属花卉の俗称。
 ポンポン状の黄色い花が咲くことから、シャンパンとオレンジ・ジュースのカクテルである”ミモザ”や、ゆで卵をふりかけた”ミモザサラダ”の名前の由来になりました。
 花言葉は”豊かな感受性、感じやすい心”。


 さて、”銀婚式物語”って若い人は知らないかもしれませんが、1985年に野生時代に掲載された”結婚物語”、88年に出た続編の”新婚物語”のさらに続編なんですね~~
 何年か前に出た”Around40~アラフォー~"に収録されていた小比類巻かほるの”Hold On Me”っていうのは、この”結婚物語”を原作にしたTVドラマ”結婚物語”の主題歌。主演が沢口靖子(*4)(陽子さん)と陣内孝則(正彦さん)というなかなかに豪華なラインナップですが、改めて調べるとこんな前だったんだなあ。まあ、こっちもとるはずですが・・・

 で、”銀婚式物語”ですが、面白いんですね、これが。特に世間の感覚とずれまくっている陽子さん。本書で4章を費やしているおうちを建てる話なんかがまさにそうです。
 私もわりと本を読む方ですが、陽子さんちはお父さんの力さん(*5)のも併せて3万冊! 普通だとB○○K○FFに行くんでしょうが、陽子さんの場合、家付き本棚(本棚付き家ではない)を建てちゃうんですね、しかも重量鉄骨の家を。

  これは、本をあんまり持っていない人には、判らない話なんだろうけど、
  本というのは、重いのである。
  これがどんなに”重い”のかと言えば、
  家の根太を軽く歪めてしまう程度には、重い。

 本書にある一節ですが、本をあんまり持っていない人には、判らない話なんだろうけどこれはマジ。私も結婚にあたって実家の2階から本を運び出すと下の部屋にいた母親曰く”障子が開きやすくなった”とのこと。

 まあ、共稼ぎ夫婦なので多少お金はあるようですが(小説家の奥様名義ではローンが組みにくいとのぼやきはありますが)、実際に建てちゃうってとこがすごい。本読みにとってはうらやましいかぎりです。

 まあ、力さんや、おばあちゃんが亡くなったり、バクテリオ・ファージ・T4(*6)が死んじゃったりと悲しいこともありましたが、陽子さんと正彦さん、おおむね平和で幸せな人生だったんでしょうね。
 ENDINGの章で、陽子さん、正彦さんとカクテルのミモザを呑みながら

  馴れ合いの要素はとてもたくさんあるけれど。
  馴れ合いであるからこそ、二十五年も一緒にいられたっっていうのは事実なんだろうけれど。
  でも、二十五年間、一緒にいたんだ、馴れ合いだって、歴史だよねえ。

 ”銀婚式物語”は、初老のご夫婦にはお勧めの1冊。”結婚物語”も中公文庫で復刊するようですし、”新婚物語”も図書館で探せばあると思いますので、セットでぜひどうぞ。

 PS.私んちで奥様に”銀婚式になったら、二人で旅行でも行きましょうか?”と行ったら

   銀婚式まで待たなくてもいいから、どっか連れてけ!

 と言われました。まあ、夫婦なんてそんなもんです。

《脚注》
(*1)できちゃった結婚
 統計を調べると”結婚期間が妊娠期間より短い出生”になります。平成17年の厚生労働省の「出生に関する統計」によると、1980年1980年で10.6%、私の結婚したころの1990年で14.2%、2009年で25.3%。若い世代ほど比率的には高くなります(詳しくは厚生労働省HPへ)
 いまでこそ、ある程度は許容されているみたいですが、当時、結婚前に妊娠なんかした日にゃ大騒ぎになるとこです。
(*2)銀婚式
 結婚25周年の結婚記念日のこと。
 ちなみに7周年が銅婚式、50周年が金婚式。60周年がダイヤモンド婚式、75周年がプラチナ婚式。さすがにこのあたりになると結婚うんぬんより2人そろって生き延びていることのほうが寿ぎかも。
(*3)結婚生活25年
 昔、”ど根性ガエル(吉沢やすみ)”に登場する町田先生(アニメ版のCVは永井一郎)の口癖に”教師生活25年!”ていうのがあって、子供心に25年ってすご~~く長いと思ってましたが、過ぎてしまえばあっつ~~間ですねぇ・・・
(*4)沢口靖子
 大阪府堺市出身。今でこそ、”科捜研の女シリーズ(テレビ朝日)”で大人の女性を演じてますが、友人に彼女の高校の先輩ってのがいてて、彼曰く当時から”伝説の美少女”だったそうです。
(*5)お父さんの力さん
 前述の”結婚物語”TV版で演じたのは小林稔侍。今でこそ渋いバイプレイヤーの役が多いですが、この時は娘を嫁にやる親バカぶりを好演してました。
(*6)バクテリオ・ファージ・T4
 陽子さんが飼っていた”無差別虐殺スプラッター猫”の名前。”バクテリオ・ファージ”は細菌に感染するウイルスの総称ですが、いかなSF作家とはいえ、飼いネコにこんな名前をつけるってのは普通の感覚ではないですなぁ。

ルパン三世流、病気の治し方(ルパン三世 カリオストロの城/王将の裏メニュー)

 ども、風邪をひいてしまったおぢさん、たいちろ~です。
 幸いなことにこの歳まで大病をしたことはないんですが、その代わりによく風邪をひきます。まあ、ひかないにこしたことはないんですが(*1)、ひいてしまったものはしかたがないとして、私の治し方ってのが”腹いっぱい食って寝る”です。まあ、これが良いかってのはありますが、同じように実践してる人がいました。
 ということで、今回ご紹介するのは”ルパン三世流、病気の治し方”であります。


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 写真はたいちろ~さんの撮影。王将の裏メニュー”天津チャーハン”です。


【本】ルパン三世 カリオストロの城(監督 宮崎駿、東京ムービー新社)
 ルパン三世、次元、五右衛門が国営カジノから盗み出した札束は”ゴート札”と呼ばれるニセ札だった。ゴート札を追ってカリオストロ公国を訪れたルパンは可憐な美少女”クラリス”を助けることになる・・・
 ルパン三世シリーズの代表作にして宮崎駿の最高傑作
【食べ物】王将の裏メニュー
 レストランなどで、メニューには載ってないけどお願いすると作ってもらえる料理を”裏メニュー”と言います。でもって、TVで紹介されていた王将の裏メニューがこの”天津チャーハン”。天津飯のご飯をチャーハンに変えたものです。でも、レシートにちゃんと印刷されているのでシステムには登録されているようです。だったらちゃんと出せばいいのに・・・


 さて、風邪の治療法というと一般には”安静にして睡眠をしっかりとる”ことです。
 一般的とちょっと違うのは食べ方。普通だと消化の良いお粥とかになるんでしょうが、私の場合は”がっつり喰う”であります。
 元々風邪ってのはそうそう薬で治る病気ではないそうで、むしろ自然治癒力(*2)に頼ってるってもんだそうです。で、これを上げようとすれば体力をつけるのがよさそうで、そのためにも”がっつり喰う”ってのが基礎理論。”お粥なんかで体力がつくか!”ってわけです。

 実はこれ、山登りの時でやってたんですね。山でばてた時にやるのは”とにかく飯を食わせる”。ばてたからといって飯を食わないとさらに体力が落ちるという悪循環に陥るので、無理やりにでも喰わせてとにかく休ませる。医者や薬なんか望むべくもないのでこうするしかないんですね。でも、けっこうこれで回復するもんです

 で、今回ご紹介の”ルパン三世 カリオストロの城”でルパン三世がやっているのがこれ。ルパンが銃で撃たれてケガを治すシーン(*3)

 ルパン:喰いモンだ! 喰いモン持ってこい~~~
 次元 :喰いモンって、お粥か?
 ルパン:血が足りねえ。なんでもいい、じゃんじゃん持ってこい!

     (どか食いするルパン 中略)
 次元 :ばかやろう、そんなにあわてて喰うなよ、胃がうけつけねえぞ!
 ルパン:うるへい、12時間もあればジェット機だって直おらあ

     (さらにどか食いするルパン 顔が緑色になって倒れる)
 次元 :だからいわんこっちゃねえんだ、洗面器か?
 ルパン:うぐ、うぐ
 次元 :えぇ、何? うん?

     (ルパンに尋ねる次元)
 次元 :喰ったから寝るって・・

 さて、私の場合ナニをがっつり喰うかというと、これが王将なんですね。だいたい

   天津飯(塩ダレ)+餃子2人前(*4)
   チャーハン+餃子2人前

 です。まあ、バリエーションに乏しいのは否めませんが、いいじゃないですか、好きなんだから。
 ノドが痛い時は、とろっとした天津飯が良いんですが、ご飯に味のあるチャーハンも捨てがたいし・・・
 ということで欲しかったのが、今回ご紹介の”天津チャーハン”。
 お値段も580円と天津飯440円に焼き飯分140円(*5)プラスとリーズナブルであります。天津チャーハン+餃子2人前で1042円(税込)と都内で昼ごはんを食べるとこれぐらいかかるので腹いっぱい感でいうとお得かも。
 味はというと、厚焼き卵の天津は言うに及ばず、さっぱり系のご飯からちょっと塩味のチャーハンがマッチしてとっても美味。塩ダレが喉にやさしくてとっても食べやすいです。まあ、王将の味に満足している時点で舌がビンボーなのかもしれませんが・・・(*6)

 全国の王将で食べられるそうなので、ぜひ食していただきたい一品です。

《脚注》
(*1)ひかないにこしたことはないんですが
 最近のリスク管理の考え方ては”どんなに備えが充分でも、一定の確率で災害は発生する。むしろ発生した災害に対していかに被害を小さくするかに対応する”というものです。だからといって、普段の不摂生の言い訳にはならないんですが・・・
(*2)自然治癒力
 人間・動物などが生まれながらにして持っているケガや病気を治す力のこと。
 ”擦り傷なんか、ツバ付けときゃ治る”ってやつでしょうか?
(*3)ルパンが銃で撃たれてケガを治すシーン
 正確に言うと病気ではないんですが、まあ体を治すということで。
 ルパンがクラリスの庭師にかくまわれて、怪我を治している時のシーンです。
(*4)餃子2人前
 東京の人から”なぜ、関西人は餃子を2人前づつ注文するのか?”と聞かれたことがありますが、餃子なんてそういうモンだとしか答えようがありません。
 ちなみに大学のコンパなんかだと10人前単位のご発注になります。
(*5)焼き飯分200円
 焼き飯単品だと400円になります(関東価格)
 しかし単品だと”焼き飯”で、合わせ技だと”チャーハン”になるのはナゼだ?!
(*6)王将の味に満足している時点で~
 別に王将に含むところがあるわけではないんですが、昔”餃子10人前 20分以内に完食すれば無料”という貧乏人の希望の星のような企画があったもので・・・

独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である(二十歳の原点/カトレア)

 ども、娘が成人式を迎えたおぢさん、たいちろ~です。
 娘も成長したってこですが、まあ、歳もとるはずだわな~~と思いながら記念写真を撮りに行きました(*1)。
 で、今回は前々から娘が二十歳になったら読みなおそうかなあと思っていた本、”二十歳の原点”であります。


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 写真はたいちろ~さんの撮影。北海道大学植物園のカトレアです。


【本】二十歳の原点(高野 悦子 新潮文庫)
 独りであること、未熟であることを認識の基点に、青春を駆けぬけていった一女子大生の愛と死のノート。学園紛争の嵐の中で、自己を確立しようと格闘しながらも、理想を砕かれ、愛に破れ、予期せぬうちにキャンパスの孤立者となり、自ら生命を絶っていった痛切な魂の証言。(裏表紙の紹介文より抜粋)
 ずっと”はたちのげんてん”だと思ってましたが”にじゅっさいのげんてん”が正しい読み方でした。
【花】カトレア
 中南米原産のラン科植物。洋ランの女王とも言われる美しい花。
 花言葉は”あなたは美しい、優美な女性”の他に”純粋な愛、魔力”なんてのもあります。


 高野 悦子さんというのは、1969年6月24日、二十歳で自殺した立命館大学の学生。”二十歳の原点”は1969年1月2日から6月22日までの彼女の日記です。表題にある

 「独りであること」、「未熟であること」、これが私の二十歳の原点である。

というのは、1月15日の成人の日(*2)に書かれている言葉です。

 実はこの本、高校生の時に読んだんですが、紹介してくれたのは当時仲の良かった女の子(*3)でした。今にしてこの本を読みなおすと、精神的にずいぶん大人だったんだなぁと思います。
 この日記が書かれたのは1969年で、私がまだ10歳ぐらいでしたから、学園紛争なんてのはよくわからなくて、”学園紛争(*4)”のような時代背景をよくわからなくて読んでたような気がします。でも、大人になって読みなおしてみると、高野 悦子さんという女性は2つの側面があるなあと。

〔独りの女子大生としての高野悦子〕
 恋にあこがれるし、生きるためにアルバイトもするし、人間関係に悩んだりもする。そんな普通の女子大生としての感性っているのが、とてもみずみずしいんですね。ただの二十歳の女性らしい風景がっても好感が持てます。

  恋人が欲しいと思う
  彼は山や海が好きで
  気がむくとザックをかついでヒョット出かける
  そして彼は詩が好き
  臆病なくせに大胆で 繊細で横暴
  子供のように純真で可愛らしいと思うと
  大方の男がそうであるように タイラントのようで

 そして、恋を失っても立ち向かっていこうという強さと、自分の弱さに悩む苦悩というのがまた、若者らしいです。

  一抹の期待も抱いてはならないのだ。きっぱり決別しよう。
   (中略)
  私はあの若人のもつ明るい笑い声をとうとう失ってしまった
  そして、再び「結局は独りであるという最後の帰着点」に私はいる

 今なら山田かまち(*5)あたりが近いんでしょうか。

〔学生運動に傾倒する高野悦子〕
 さすがに私が大学に入ったころは、学生運動はほとんど終息していて(*6)高野悦子の生きていた風景っていうのを実感できるわけではないですが、高野悦子の悲しいまでの真面目さと時代の空気が”学生運動に傾倒する高野悦子”を作り上げたんだろうなあ。

  生きてる 生きてる 生きている
  バリケードという腹の中で 友と語るという清涼飲料をのみ
  デモとアジ アジビラ 路上に散乱するアジビラの中で
  風に吹きとび 舞っているアジビラの中で
  独り 冷たいアスファルトにすわり
  煙草の煙をながめ
  生きている イキテイル

 自殺する直前に書かれた詩ですが、この詩のには原典があります。”反逆のバリケード(*7)”という本の巻頭詩ですが、高野版のほうが詩的には孤独感みたいのがあります。
 そして、本の表紙にも書かれている最後の詩。

  旅に出よう
  テントとシェラフの入ったザックをしょい
  ポケットには一箱の煙草と笛を持ち
  旅に出よう

   (中略)
  小川の幽かなるうつろいのざわめきの中
  天中より涼風を肌に流させながら
  静かに眠ろう
  そしてただ笛を深い湖底にしずませよう

 もし、高野悦子が学生運動の時代ではなく、もっと違う時代を生きていたとしたら詩人として幸せな人生を送れていたのかもしれません

 今の二十歳の人にとっては、時代背景とかわかりにくいかもしれませんが、一度は読んで欲しい本です。脚注付きの新装版が2009年に発行されていますが、表紙に赤い花の絵のある旧版のほうが趣があります(*8)。

《脚注》
(*1)記念写真を撮りに行きました
 正直なところ、後からあんまり見直すとは思えないんですが。
 一昔前なら見合い写真に使うとかもあったんでしょうが、今はそんなこともしないだろうしねぇ・・・
(*2)成人の日
、「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」日(国民の祝日に関する法律)。間違っても酒を呑んで暴れる日ではありませ。
 現在は1月の第二月曜日ですが、1999年までは1月15日に固定でした。ってのもあと10年もたてば解説入れとかないとわかんなくなるんだろうなぁ。
(*3)仲の良かった女の子
 美人さんにして、生徒会副会長という才媛です。彼女じゃなかったけど・・・
 現在は大学教授の奥様であります。
 彼女の息子と私んちの息子がともに高校2年生と、この本を紹介してくれた歳になってるんですから、親も歳をとるはずです。
(*4)学園紛争
 多少なりとも大人になって調べてみると、学園紛争そのものは大学の学費値上げ反対とか大学自治、教育機関としての大学のあり方自体を見直すというものだったようですが、三里塚闘争、70年安保闘争、ベトナム戦争反戦平和とかも一緒くたになったもんだと思ってました。
 1965年 ベトナムに平和を!市民文化団体連合発足
 1968年 日本大学で日大全共闘(全日本学生自治会総連合)結成
 1969年 東大安田講堂攻防戦
 1970年 よど号ハイジャック事件。安保反対国会前デモ。日米安全保障条約が自動延長
 1972年 連合赤軍「あさま山荘」事件
(*5)山田かまち
 画家・詩人。17歳の時、自宅でエレキギターの練習中に死去。死後に保管されていた詩を書き付けたノートやデッサン水彩画を詩集や画集として出版さました。17歳の少年の若々しい感性に好感が持てます。
(*6)学生運動はほとんど終息していて
 まだ中核派によるキャンパスのロックアウトがあったり、機動隊の灰色バスが止まっていたりとかはしてましたが、三里塚闘争なんかはぜんぜん盛り上がっていなかったですねぇ。
(*7)反逆のバリケード(日本大学文理学部闘争委員会書記局 三一書房)
 原典はこちらから
(*8)表紙に赤い花の絵のある旧版~
 調べてみたんですが、何の花かわかりませんでした。たぶんカトレアだと思うんですが・・・

お風呂と音楽ってのは、意外と相性がいいらしいのです(テルマエ・ロマエ/秋保温泉”緑水亭”新春コンサート)

 あけましておめでとうございます。たいちろ~です。本年もよろしくお願いいたします。
 私んちの風習に”1月2日に初風呂に入る”ってのがあります。大阪に住んでた子供のころは家にお風呂がなく、銭湯が1月2日の朝からだったので朝起きると行ってました(*1)。
 ここんとこは秋保温泉にある”緑水亭”が定番になっています。”緑水亭”を選んだのは1月1日~3日に「幸せ気分のコンサート」っていうロビーでのミニコンサートがやっていて、お風呂といっしょに音楽が聴けること。正月早々からまったりした気分になれます。今年は残念ながら”メヌエット”(ビゼー/アルルの女 第2組曲より)と、”美しく青きドナウ(*2)”の2曲しか聴けませんでしたが(*3)それでも、まあのんびりさせていただけました。


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 写真はたいちろ~さんの撮影。上が「幸せ気分のコンサート」の風景、下が緑水亭の玄関付近の庭です。



【本】テルマエ・ロマエ(ヤマザキ マリ エンターブレイン)
 古代ローマのお風呂技師ルシウスはなぜかお風呂でお漏れると現代の日本にタイムスリップ。日本のお風呂文化をローマに持ち帰ることでローマでのいろんな問題をお風呂を使って解決することに・・・
 マンガ大賞2010 大賞を受賞したお風呂漫画。2012年は阿部寛と上戸彩主演で映画化にアニメも放映と今やお風呂漫画の定番であります。
【旅行】秋保温泉”緑水亭”新春コンサート”
 ”緑水亭”の跡取り娘だった若女将は武蔵野音大卒のピアニストで、東京で演奏指導もしていたという異色の経歴の持ち主。現社長の旦那さんも音楽家だそうです。自伝なんか書くと面白いんだろうなぁ。
 お正月の日帰り入浴料はタオル付き1500円ですが、ロビーでのコンサートは無料ですので、とってもリーズナブルです。



 今でこそほとんどの家が内風呂ですが、一昔前は銭湯が当たり前。番台の上には必ずといっていいほどテレビが置いてありました。そういえば、健康ランドの旅の一座の演芸とか、常磐ハワイアンセンター(*4)とかお風呂上がりのエンタテインメントってけっこうあるんですよね。で、今回ご紹介の”テルマエ・ロマエ”には”ディアナ”こと小燵さつきさんという芸者さんが出て来ます。14歳にして日舞の名取になったという踊りの達人ですが、また東京大学の教授に”もう教えることは無い”と言わしめ、ラテン語の会話ができるという古代ギリシャ学の学者さんというスーパーレディです。

 さすがに、温泉で芸者さんをあげて遊んだことないですが、こんな人なら一度御座敷をお願いしてみたいものです(世界史苦手だけど)。お風呂上がりって火照った体をさますのにほげぇ~~~ってする時間が良いので、こういった音楽でも聞きながらの~~~んびりするのが最高です。だから、きれいな芸者さんの踊りとか、ちょっと軽めのクラシックとかがいいですねぇ。”テルマエ・ロマエ”の解説にも、古代ローマの温泉地バイアエには宴会で踊りを踊ったり音楽を奏でる女性がいたとのこと。はるか時空を超えても人間ってのはやることは変わんないみたいです

 まあ、お風呂にも入ったことですし、この正月はせこせこブログなんか書かずに(書いてますが)、本でも読みながらのんびりすごしましょうか・・・


《脚注》
(*1)銭湯が1月2日の朝からだったので~
 辞書によると”初風呂(初湯)”ってのは1月2日に入るものだそうですが、もともとは大阪の風習だったようで、全国的にそうだというわけではなさそうです。
(*2)美しく青きドナウ
 ヨハン・シュトラウス2世作曲のワルツ。1月1日のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートのアンコールの定番曲。っていうより”2001年宇宙の旅(原作 アーサー・C・クラーク、監督 スタンリー・キューブリック)”のなかでスペースシャトル(パンアメリカン航空!)が宇宙ステーションにドッキングするシーンのBGMが印象深い名曲です。
(*3)2曲しか聴けませんでしたが
 最大の理由は途中で道を間違えて遅くなったから。何回も行っているのに道を間違えずに行けたことがありません。そんなにわかりにくい場所でもないのに、なぜだ!?
(*4)常磐ハワイアンセンター
 現在の”スパリゾートハワイアンズ”。1990年に現在の名前に改称されましたが、おぢさん世代にはやっぱしこの名前のほうがしっくりくるかなぁ。
 映画”フラガール”(2006年公開)のモデルといったほうが、今の人にはわかるかも。

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