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2011年9月18日 - 2011年9月24日

こんな素敵な家に住んでみたいものです(ギャラリーフェイク/帝国ホテル中央玄関)

 ども、昭和生まれのおぢさん、たいちろ~です。
 先日、名古屋へ出張がありまして前日が休みだったものですから前日移動で明治村(*1)に行ってきました(宿泊代は自腹です)。
 この広大な博物館の正面玄関から入って一番奥まったところに立っているのが、”帝国ホテル中央玄関”。やや黄色っぽい色のレンガに白い大谷石を組み合わせた重厚な建物ですが、これは近代建築の三大巨匠のひとり、フランク・ロイド・ライトの作品です。
 ということで、今回はライトの建てた建築物のお話であります。

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写真はたいちろ~さんの撮影。帝国ホテル中央玄関の写真。
上から正面から見た全景、玄関の近景、ホール(右の真ん中がライトの写真)、スクラッチスタイルのレンガと大谷石の壁面です。

【本】ギャラリーフェイク(細野 不二彦 小学館文庫)
 贋作専門のアートギャラリー”ギャラリーフェイク”のオーナー藤田玲司を中心にした美術品をめぐる人間模様を描いた漫画。そのへんの美術書を読むより、よっぽど美術の勉強になります。
 この中に出てくるエピソード”落水荘異聞”(小学館文庫 5巻に収録)では、担保となったとある古びた別荘をめぐり、債務者家族、高利貸し、再開発で壊そうとする銀行に保存を訴える美術館館長がさまざまな思惑で動きまわるという話。
【旅行】帝国ホテル中央玄関(明治村)
 帝国ホテル(ライト館)はフランク・ロイド・ライトによって設計され1923年(大正12年)に4年間の工事をへて完成しました。明治村にあるのは
 ライト館は1967年(昭和42年)の閉鎖されましたが、中央玄関部は1985年(昭和60年)に明治村へ移築されました。

 帝国ホテル(ライト館)はというと、写真を見てもらうとわかりますが、普通のレンガではなくスクラッチタイルというスダレ上のレンガが使われています。このひっかき傷(スクラッチ)は職人一人ひとりが作ったそうです。愛知県常滑市で造られた国産品(*2)で、これが250万個使われています。こういう手間暇をかけたせいか、予算を大幅に超過してホテル側とトラブっていたとか、そのため落成式の前にライトは帰国してしまうとか、優雅な外見とはうらはらに、けっこうどたばたあったとか。
 でも、玄関といい、入ったところのホールといい大正時代のロマンを感じる重厚なもの。何人かのお嬢さんがドレスを借りて記念写真を撮られてました。まあ、こんな立派なホテルで結婚式をするってのもロマンなんでしょうねえ(*3)。

 てなことを偉そうに書いてますが、実はこれ”ギャラリーフェイク”のエピソード”落水荘異聞”からの受け売りです。
 恥ずかしながらフランク・ロイド・ライトという建築家を知ったのもこのエピソードから。上記に出てくる別荘ってのが、ライトの設計”落水荘(*4)”のプロトタイプにあたるっていう設定。
 森の中の小高い所にあって、家の下に小川が流れていて、家の中にレンガ作りの暖炉があってと、”こんな素敵な家に住んでみたいなぁ”思えるまさに私の理想の家っていう感じです。

 今回の明治村では、実際のライトの建築を眺めてみて、その思い再びです。
 家っていうのは、生活に便利ってのも重要ですが、やはり落ち着いて思索にふける時間を持つためのものっても捨てがたいです。特に定年後をどう過ごすかってことを考えだす世代としては、”落ちつく空間”をどう演出するかなんてことを思ってしまいます。
 まあ、退職金をすべてつぎ込んでも建てられはしないでしょうけどね(*5)。

 明治村は昔の建物っていうよりその時代を生きた人々の生活のいったんをうかがい知ることのできるユニークな博物館というよりまさに”村”。
 名古屋から直行バスもでているので、まる1日時間があればぜひお越しください。

《脚注》
(*1)明治村
 明治時代の建物等を移築・復元して展示している愛知県犬山市にある博物館。
 敷地面積100万平方メートルに建築物など67件を展示していて、けっこう見て回るには体力のいる博物館であります。
 私が行った日は村長の小沢昭一さんが講演をしてました。
(*2)愛知県常滑市で造られた国産品
 調べてみると伊奈製陶所というところで、タイルやトイレ、洗面器などの衛生陶器を作っているINAX(現在はLIXIL(旧トステム)に吸収合併)の前身にあたる会社だそうです。
(*3)こんな立派なホテルで結婚式をするってのも~
 ゼクシィnetによると現在の帝国ホテル(東京)で80人の結婚式を挙げると概算で384万円ほど(パック料金。2011年9月23日現在)。
 まあ、祝い金を差っ引けば150万円程度の持ち出しなので、若い人でも出して出せない金額でもないんでしょうが、親のサイフを当てにされてもなぁ・・・
(*4)落水荘
 フランク・ロイド・ライトの設計によるエドガー・カウフマンの邸宅として建てられた建築物。
 ペンシルベニア州に実在します。写真は”西部ペンシルベニア州保存委員会”のHPでどうぞ
(*5)退職金をすべてつぎ込んでも~
 設定では建築を依頼したのは元華族の鳴滝男爵、担保としての買い取り価格は1000万ドル(1995年連載当時のレートで約8億円)です。

美術品として見ると明王部と天部のほうが面白いかも(仏像に恋して/空海と美術展)

 ども、そろそろ仏さんとの付き合いも考えんといけない歳になったな~と感じるおぢさん、たいちろ~です。
 先日、たまたまB○○K○FFで”仏像に恋して”という本を買いました。ほとんど神信心と縁のない生活を送っているですが、たまにはそんなこともあります。
 で、これもたまたまですが、駅で”空海と密教美術展”のポスターを見かけて、”単身赴任 することも無し 三連休”ということもあって、行ってきました。

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 写真はたいちろ~さんの撮影。東京国立博物館 平成館の入り口にて、”空海と密教美術展”の大看板です。

【本】仏像に恋して(真船 きょうこ 新人物往来社)
 静岡出身、京都で美大に通っていたお嬢さんが仏像にハマっていくというまったり系コミックエッセイ。
 地のマンガはまるっこい系4コママンガ風ですが、仏像に関しては気合でけっこう写実的というのがユニーク。”ちょっと仏像でも見に行ってみるか”という気になります。
【旅行】空海と密教美術展
 弘法大師空海(こうぼうだいし くうかい)は密教の奥儀を唐から持ち帰りますが、この美術展では空海の歴史と影響を受けた密教芸術や空海の書(筆の誤りはなさそうですが)を展示。
 出品作品は99点のうち98.9%が国宝または重要文化財というともさることながら、仏像の後ろ姿が見れるというのも貴重な体験です。
 東京国立博物館 平成館にて2011年9月25日まで開催。公式HPはこちらから。

 ”仏像に恋して”の冒頭で、京都の東寺(*1)にある立体曼陀羅を見て仏像にハマっていくエピソードが出てきますが、”空海と密教美術展”では東寺にある21体から8体の仏像が展示されています。
 でも、8体だけでも充分な迫力。この展示会のハイライトです!

 東寺では真ん中に大日如来を中心とした”五仏”、右に金剛波羅密菩薩を中心とした”五菩薩”、左に不動明王を中心とした”五大明王”を配し、その外側に帝釈天梵天四天王が設置されています。

 すこし補足すると、仏像は4つのグループに分類されるそうで(*2)

如来部:真の悟りを得た者。ここでは五仏
菩薩部:悟りを求めて修行中の者。ここでは五菩薩
明王部:救い難い人々を恐ろしい姿で屈服させて導く者。ここでは五大明王
天部 :仏や仏法、仏法を信仰する人々を外敵から守護する神々。
     ここでは帝釈天、梵天

 今風に言うと、如来部がカリスマ性のある最高指導者、菩薩部が幹部クラス、明王部と天部が戦士属性といったところでしょうか。意外とヒエラルキーのはっきりした組織です(バチあたりな表現かなあ・・)

 で、美術として見ると、個人的には明王部、天部の仏像が好きですね。
 凛とした表情の帝釈天像⑤、梵天像③、燃える炎の光背(*3)をまとった持国天立像④、増長天立像②、さらに多面、多腕の降三世明王立像⑥、大威徳明王牛像⑧。
 ”闘う”という意思を表す憤怒の表情とか躍動感ってのがわかりやすくて素人向きなのかも。
 ※○の数字はポスターの仏像の時計回りの順番です。それぞれの拡大図は”空海と密教美術展”のHPをご確認ください。

 ”空海と密教美術展”のHPで人気投票をやってますが、”帝釈天騎象像”が1868票と2位の”持国天立像”を2倍以上引き離してぶっちぎりの1位(2011年9月18日現在)。
 ”金剛業菩薩坐像”は2体設置されていますが、足しても5位の”増長天立像”に届かない状況。意外と如来部や菩薩部って静的なのでわかりにくいのかも。ちなみに私は”持国天立像”に1票入れました。

 まあ、仏像をこんな目で見ていいかというと人それぞれということで。
 ”仏像に恋して”に出てくるお嬢さん方も帝釈天が男前heartという面喰い派、千年の時空を超えた出会いに感動する歴史ロマン派、体のラインや細部にこだわる芸術派などさまざま。
 まあ、金剛力士像に”たくましい肉体美っていいよねheart”までは許容範囲かな。
 とはいえ、真船さんの彼氏のように鎌倉の長谷寺にある”十一面観音菩薩立像”を見て”ガンダムみたいだな!(*4)”っていうのはちょっと・・・

 実際の仏像は信仰の対象ですので、”仏像に恋して”に出てくる恋人を亡くした真船さんの友人のように”ただ本能的に手を合わせ、仏さまを拝する”ってのが正しい接し方なんでしょうね。そろそろそういう風にしないといけない歳だし。

 ”空海と密教美術展”は、京都でしか見れない仏像を東京で堪能するには良いイベントです。あと一週間しかありませんが、お時間のあるのはぜひどうぞ。

《脚注》
(*1)東寺(とうじ)
 京都市南区九条町にある東寺真言宗総本山の寺院。別名”教王護国寺(きょうおうごこくじ)”。このお寺を嵯峨天皇より下賜され、講堂(僧侶が経典の講義や説教をする堂)にある立体曼陀羅をプロデュースした(原文ママ)のが空海です。
(*2)仏像は4つのグループに分類されるそうで
 解説は”仏像はじめませんか”(曜名 PHP研究所)より。こちらもコミックエッセイですが、素人には仏像の体系が良く分かる本です。
 ちなみに、天部には帝釈天、梵天や四天王の他に八部衆、十二神将、金剛力士などが含まれます。
(*3)光背(こうはい)
 仏様から放たれる光を表すものなんだそうです。
 全身を覆うもの、頭だけのもの、形も丸、二重丸、炎形とさまざま。
(*4)ガンダムみたいだな!
 十一面観音菩薩立像は高さ9.18メートル。ガンダム(RX-78-2)は18.0mですので、実際は身長で倍の差があります。
 私自身、十一面観音菩薩立像も、お台場1/1ガンダムもみましたが、ガンダムのほうがかなり巨大な印象を受けました。

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