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2011年6月12日 - 2011年6月18日

何を想定したかはどうでもいい、何ができるかだ!(アポロ13/月見草)

 ども、相変わらず想定外の人生を送っているおぢさん、たいちろ~です。
 最近ニュースを見ると菅総理のリーダーシップがど~したこ~したとか、大連立がうんぬんといった話題が続いています。対立政党どころか身内でごたごたやっている状況でリーダーシップもないもんだと思いますが、被災地対策を二の次にしてコップの中の戦争をやっているのはいかがなものかと・・・
 確かに、リーダーシップっての、特に危機的な状況でより必要とされるものですが、うしろに支えていこうという意識がなければな~
 ということで、今回は危機的状況をいかに乗り切るかということで、今回ご紹介するのは映画”アポロ13”のご紹介であります。


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写真はたいちろ~さんの撮影。近所の園芸店の月見草です。


【DVD】アポロ13(監督 ロン・ハワード、出演 トム・ハンクス、ケヴィン・ベーコン)
 アポロ13号爆発事故の実話に基づくアメリカ映画。1995年の公開。
 原作は実際のアポロ13号の船長であったジム・ラヴェル(*1)の著作”Lost Moon(*2)”。
【花】月見草
 アカバナ科マツヨイグサ属の多年草。
 標準和名では、黄花を咲かせる系統は待宵草(マツヨイグサ)、白花を咲かせる系統は月見草(ツキミソウ)と区別しますが、黄花系統種もよく月見草と呼ばれるそうです。
 名前の由来は夕刻から夜にかけて花が咲き翌朝には萎むから。


 この映画のストーリーはというと、1970年に打ち上げられたアポロ13号が月に到着する直前の4月13日に爆発事故を起こし、二酸化炭素濃度の上昇や電力の不足電力といった危機的状況の中、宇宙飛行士を無事帰還させるまでを描いたもの。

 映画的には主人公はジム・ラヴェル船長(トム・ハンクス)、パイロットのフレッド・ヘイズ(ビル・パクストン)、ジャック・スワイガート(ケヴィン・ベーコン)ですが、リーダーシップという意味での主役は飛行主任のジーン・クランツ(エド・ハリス)
 生命の危機にさらされながら、現場で指揮をとる船長と、地球でミッション全体の意思決定をする飛行主任のどちらにリーダーシップの重きを置くかは人それぞれでしょうが、個人的には後者のほうだと感じてしまいます。

 クランツ飛行主任のすごいのが、状況に対する判断の的確さ、問題点の絞り込み方、部下の意見を受け入れる素直さとそれに対する指示の出し方、宇宙飛行士3名を何としても帰還させるという鉄の意思。

 たとえば、爆発直後に環境担当者から、酸素の流出を止める方法を提案されて

  環境担当:燃料電池の反応バルブを閉じてはどうでしょうか
  クランツ:すると、どんな効果がある?
  環境担当:酸素はそこから漏れているんです。
       問題のある2つさえ隔離してしまえば流出は止まります
  クランツ:燃料電池を2つも切ったら、月面着陸は無理だ!
  環境担当:だけど、他に手はありません。司令船はもう死にかけてるんですよ。
  クランツ:ああ、確かに君の言うとおりだ。
       反応バルブを閉じろと伝えろ

 この会話以降、月着陸には一切こだわらず、帰還させることにのみ問題を絞り込んで対応を進めていきます。
 実際には、このように与えられたミッションを切り替える割り切りってのは難しくて、これができないから状況をずるずる悪い方向に向かわせる例のほうが多いような気がします。クランツ飛行主任の場合は、問題を”帰還”一点に絞り込むことでチームの全体をまとめていってます。

 あと、東日本大震災の時によく聞かれた”想定外”ですが、こちらへの対応もすごいです。帰還軌道を検討する会議にて。

  クランツ:月をぐるっと回ったら、着陸船のエンジンを噴射させる。
       それで加速して、帰還を早めたらどうだろう
  担当者 :グラマン社の人の意見も聞いといたほうがいいんじゃないんですか?
  グラマン社担当:保証はできませんね。着陸船は着陸用です。
       起動補正の噴射は想定してませんから
  クランツ:しかし、残念ながら着陸は中止だ
       何を想定したかはどうでもいい。何ができるかだ。
       とにかく、これでやってみよう。いいな。

 ”想定”というのは突き詰めると、想像力と可能性への評価と予算の問題であって、想像の及ばないこともあれば、可能性が無視できるほど低いと判断するものもあれば、予算の問題で”可能性が低いので想定しなかった(*3)”ことにする場合もあります。
 なので、危機管理ってのは、想定していたものへの対応も必要ですが、想定していなかった事象に対してどう対処するかによって底力が問われるってもんです。
 実際、社内でも東日本大震災の時に現場でがんばった人は、マニュアルに書いてあるプランよりも柔軟に対応してましたし。

 アポロ13号の事故は”成功した失敗(successful failure)”と呼ばれているそうですが、なるほどと思います。

  今でも時々月を見上げて、運命に翻弄されたあの長い旅と、
  ぼくらを生還させてくれた何千という人たちのことを考える。
  月を見て、ぼくは思う、この次はいつ、誰があそこへ戻るんだろう

 映画のエンディングでのラベル船長のモノローグですが、この前向きさこそが失敗を次への糧になるのでしょうね。

 ”アポロ13”は映画としての面白さもありますが、危機に対する向き合い方という意味でもぜひ今見て欲しい映画です。

 余談ですが、映画でジーン・クランツ飛行主任を演じたエド・ハリスは、映画”ザ・ロック(*4)”で部下への不当な扱いに耐えかねて反乱を起こしたハメル准将を演じた人。
 渋い演技を見せるショーン・コネネリー相手に堂々と渡り合った名優です。こちらも名画ですのでぜひどうぞ。

《脚注》
(*1)ジム・ラヴェル(James Arthur Lovell)
 アメリカ合衆国の宇宙飛行士、海軍軍人。海軍での最終階級は大佐で、奇しくもスタートレックの最初のシリーズ当時のジム・カーク船長(James Tiberius Kirk)と同じ
 スカイラブ計画が始まるまでは人類の中でいちばん長い時間を宇宙空間で過ごした人だったそうです(Wikipediaより)
(*2)Lost Moon
 邦題は”アポロ13”(ジム・ラヴェル、ジェフリー・クルーガー著 新潮文庫)
 現在は絶版になっているようですが、昔読んで感動した覚えがあります。
(*3)可能性が低いので想定しなかった
 典型的なのが、デリバティブ取引などで使われるボラティリティ(資産価格の変動の激しさを表すパラメータ)。ほとんど発生しない(過去に発生したっことのない)事象を無理やり確率に当てはめるため、「百年に一度の経済危機」がしょっちゅう発生します。
(*4)ザ・ロック(監督 マイケル・ベイ ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント)
 1996年のアメリカ映画。
 ”ザ・ロック”ことアルカトラズ島刑務所からの唯一の脱獄者、ジョン・メイスン(ショーン・コネリー)が、化学兵器のスペシャリスト、スタンリー・グッドスピード(ニコラス・ケイジ)とともにに、アルカトラズ島を占拠したハメル准将(エド・ハリス)と戦う物語。

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