« 福井 晴敏あたりで第二部ってやらないかなぁ(さよならジュピター/馬酔木) | トップページ | きっと老けないほうの自分にアイデンティティを求めるんだろうなぁ・・(どうすれば「人」を創れるか/おろち/瓜) »

オカエリナサイ、はやぶさ!(はやぶさ君の冒険日誌/はやぶさ展)

 ども、無限に広がる大宇宙にあこがれるおぢさん、たいちろ~です。
 先日、”青い星まで飛んでいけ(*1)”というSF短編集を読んでいたところ、解説の坂村健(*2)が、小惑星探査機「はやぶさたん」萌え~みたいな話を書いていました。
 まあ、擬人化なんでもありの昨今ですが(*3)、今回の場合は本家本元が出している本がありまして、ということで、今回ご紹介するのは、JAXAのスタッフが出している絵本”はやぶさ君の冒険日誌”の紹介であります。

0572

0573

 写真はたいちろ~さんの撮影。東京国際フォーラムの”はやぶさ展”から。
 上がはやぶさの模型、下が回収カプセル(レプリカ)です。

【本】はやぶさ君の冒険日誌(著 小野瀬 直美、監修 寺薗 淳也、毎日新聞社)
 ”はやぶさ”を運営していたJAXAの現場スタッフが、ミッションをより身近に感じてもらおうと、”はやぶさ”にかわいい顔を描いたチラシを作ったのが発端とか。
 その後、手作りパンフレット『はやぶさ君の冒険日誌』の主人公になり、Web”今週のはやぶさ君”に載ったりと人気を博して、一冊にまとめまったのがこの本。
【旅行】はやぶさ展
 はやぶさの帰還に合わせて全国で”はやぶさ展”が開催されましたが、私の行ったのは東京国際フォーラムの”はやぶさ展”(2011年6月13日~10月10日)。
 上記の回収カプセルを触らせてもらいましたが、けっこう重たいものでした。

 さて”はやぶさ君の冒険日誌”ですが、主人公は”はやぶさたん”ではなく、”はやぶさ君”。四角いボディーに顔をくっつけたトーマス系(*4)のキャラクターです(女の子を期待されたかたは残念でした)。
 でも、カラーマジックで描いたような、いかにも素人っぽい絵がけっこうかわいいんですね。それに、元気な男の子っぽいキャラクターになってます。

  はやぶさ君の絵に、泣き顔ってないんですよ。
  基本的に、あきらめない、明るい、前向きなやつなので。

   ※「はやぶさ」広報チーム特別座談会 小野瀬 直美のコメント

 この本とあわせて”「はやぶさ」からの贈り物”(*5)も読んだんですが、プロジェクト自体は、満身創痍というか、危機の連続というかかなり悲壮感ただよう場面も多々あったとのこと。だからこそ、こういう明るいキャラクターはずいぶん励みになったんじゃないかなぁ。

 この本は”絵本”という扱いになっていて、漢字にはふりがなもついているので、小学校高学年ぐらいなら、充分読めそうです。ただ、著者の小野瀬 直美さん、イラスト担当の奥平 恭子さんはともに理系の研究者ということで、内容についての科学的な説明はおとなが読んでも充分に参考になります
 たとえば、はやぶさと地球まで電波が往復するのに何分かかるとか、通信速度が一番遅い時に8bps(*6)しかないとかいった記述がよく出てきます。上記の”「はやぶさ」からの贈り物”で、トラブル発生の時に”ビーコン診断”という、電波のOn,OffでYes,Noを判断するというのが出てきますが、これって、”通信できる情報量が少ない”ってのがわからないとなぜこんなことをするのかわかんないんですね。両方の本を読んで初めてわかりました。

 2冊の”はやぶさ”の本を読んでみて思ったのは、”はやぶさ”のミッションって、世間がブームになっているようなはなばなしい成功っていうより、ぼろぼろになりながらもぎりぎり成功させたっていう感じなんだなぁということ。
 ある意味”アポロ11号の月面着陸”っていうより”アポロ13号の帰還(*7)”に近いのかも。どちらにしても、JAXAの方には”おめでとう!”と言いたいです

 2011年10月1日から映画”はやぶさ/HAYABUSA”も公開。こっちも見に行こうかな。

PS.
 余談ですが、調べている時に”「はやぶさ」~はじめてのおつかい~”というのをYouTubeで見つけました。
 その画像のエンディングで燃え尽きるはやぶさ(画像では初音ミク)が地球に吸い込まれるように落下するシーンが”トップをねらえ!(*8)”のエンディングの”オカエリナサイ”と重なったので、こんな題名にしてみました。

《脚注》
(*1)青い星まで飛んでいけ(小川 一水 ハヤカワ文庫JA)
 マスドライバーで彗星都市からの脱出を企てる少年少女、“祈りの力で育つ”という謎の植物、AI宇宙船エクスの旅などを納めたSF短編集。
 オールデーズなSFの香りがただよう作品です。
(*2)坂村健
 ご年配の方には、”TRONプロジェクト”の提唱者といえばお分かりかと。
 ビジネスユースで”TRON”自体の名前はほとんど聞くことがなくなりましたが、サブプロジェクトである”ITRON”は日本の組み込みOSのデファクトスタンダードで、はやぶさの制御装置のOSは”μITRON”を採用していたとのこと。
 ちょっとびっくりです。
(*3)擬人化なんでもありの昨今ですが
 かわいく作った衛星としては、”ワンダバスタイル”(滝 晃一 (著)、ワンダーファーム (原著))ってのに、ヒューマノイド型の”美少女型技術試験衛星ロボット キク8号”ってのが出てきますが、基本的に箱型か円筒形の衛星に萌え要素を感じるんでしょうか?
 と思ってたら、”現代萌衛星図鑑”(しきしま ふげん 三才ブックス)ってのが出てました。人間の妄想力に限界はないんでしょうかね。
(*4)トーマス系
 機関車のフロント部分に顔がついている”きかんしゃトーマス”のことです。
 もし、”はやぶさ君”をアニメ化することがあったら、声はぜひ戸田恵子さん、ナレーションは森本レオでお願いしたいものです。
(*5)”「はやぶさ」からの贈り物”(朝日新聞取材班 朝日新聞出版)
 はやぶさのミッションを時系列に描いた本。写真も多く使われていて、眺めているだけでも面白い本です。
 ”6.意義と成果”では、はやぶさ君では書いていないはやぶさプロジェクトの側面がわかります。
(*6)8bps
 1秒間に8ビットの情報を送れる速度。だいたい半角文字(ローマ字+数字+カナ)を1秒間に1文字送るスピードと思ってください。
 インターネットでは数十メガbpsのスピードで動画を見ている今の若い人にはピンとこないかもしれませんが、たった30年前、1980年代半ばごろでは黒電話を使った音響カプラで300bps、一般の人がパソコン通信をするのが1200bps~2400bspのスピードでした。
(*7)アポロ13号の帰還
 1970年に月着陸をミッションとするアポロ13号の酸素タンクが爆発。深刻な電力や水の不足する中、3人の宇宙飛行士を無事帰還させた事件。
 詳しくはこちらをどうぞ。
(*8)トップをねらえ!(原作 岡田 斗司夫、監督 庵野 秀明、制作 GAINAX)
 ”エースをねらえ”と”トップガン”をミックスした宇宙SFアニメ。こう書くとナニ?と思われるでしょうが、中身は意外とハードSF。名作です。
 ちなみに、このシーンでは最後の”イ”が左右反転、時の流れを演出しています。

« 福井 晴敏あたりで第二部ってやらないかなぁ(さよならジュピター/馬酔木) | トップページ | きっと老けないほうの自分にアイデンティティを求めるんだろうなぁ・・(どうすれば「人」を創れるか/おろち/瓜) »

アニメ・コミック」カテゴリの記事

旅行・地域」カテゴリの記事

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

 子供の頃夢見ていた宇宙が少しずつ具体的になってきているけど、未だ人類は月以上に遠くへは行けてないし、隕石や月の石以外で地球外のものとしては今のところはやぶさの持ち帰った小さな砂粒数個だけというのはちょっと予想外だよね。
 2001年・2010年と何もなかったのだから、あとは2063年のゼフラム・コクレーンによるワープ飛行実験成功を期待するか!おっとその前に第3次世界大戦があるのか!それはいらないや!
 ところでニュートリノが光速を超えていたのが確認されたけど、それをふまえての”トップをねらえ!”第3作、どのように展開するのか見てみたい気もするけど。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/528774/52877913

この記事へのトラックバック一覧です: オカエリナサイ、はやぶさ!(はやぶさ君の冒険日誌/はやぶさ展):

« 福井 晴敏あたりで第二部ってやらないかなぁ(さよならジュピター/馬酔木) | トップページ | きっと老けないほうの自分にアイデンティティを求めるんだろうなぁ・・(どうすれば「人」を創れるか/おろち/瓜) »

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

無料ブログはココログ