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戦国時代のゴルゴ13でしょうか?!(小太郎の左腕/ゴルゴ13/よこすか開国祭)

 ども、狙った獲物ははずさないおぢさん、たいちろ~です。
 アメリカでは出来ても日本でなかなか遊べないゲームにガンの射撃ってのがあります。これを日本で免許なしでできるようにした”レーザークレー射撃(*1)”ってのが1970年代にありました。ショットガンの銃口からレーザー光を出してスクリーンに映されたクレー(皿)を撃つといったもんですが、割と上手だったんですよ、私。
 ただこればある程度の範囲で弾丸が広がるショットガンの話であって、単体の弾丸で動態目標に当たるかというとそうそう当たるもんではないようです(*2)。
 ということで、今回ご紹介するのは戦国時代の天才的狙撃手”小太郎の左腕”であります。

2003_08030018

 写真はたいちろ~さんの撮影。よこすか開国祭(第一回)の開国パレードの風景です。

【本】小太郎の左腕(和田 竜 小学館文庫)
1556年。戸沢家の武功者林半衛門は、対立する戸沢家の武将花房喜兵衛との戦いで劣勢を跳ね返すべく、その任を11歳の少年”小太郎”に託す。祖父・要蔵と山中でひっそりとした暮らしていた小太郎は、実は天才的な火縄銃の狙撃手だった・・・
【本】ゴルゴ13(さいとうたかを リイド社)
 超一流のスナイパー(狙撃手)”ゴルゴ13”の活躍を描く説明不要の超々ロングシリーズの漫画。連載開始が1968年、発行巻数162巻(2011年9月現在)。
【旅行】よこすか開国祭
 毎年8月に横須賀で開かれる、ペリーが浦賀沖に来航した1853年から150周年目を記念して始まったお祭りです。
 写真は開国パレードの射撃のデモンソトレーションです。時代的には幕末と小太郎の時代(戦国末期)とかなり違いますが、こんな感じだったんでしょうか?
 時代考証とか細かいこと言わずに雰囲気だけでもお楽しみください。

 さて小太郎がどのぐらいすごいかというと、火縄銃で5町(約540m)先の馬に乗っている騎馬武者の頭を一発で仕留めていること。その後も何人もの武者を長距離狙撃を成功させるという神業を披露しています。
 本書によると、火縄銃の有効射程距離は100m程度だそうです。実際にこの距離で狙撃を成功した人もいたそうなのでまったくできないってことでもないようですが、それにしても、ライフリングのない銃身(*3)、円筒形の弾丸を火薬量の安定しない火縄銃でやってのけるってのはすごいことです。しかも試射なしの銃で初弾から命中させているんですから。

 これを現在の銃でやってもこんな感じ。ゴルゴ13の初期の名作”AT PON-HALL(7巻に掲載)(*4)”に登場するアメリカでも5指に入る銃のハンドメーカー、デイブ・マッカートニー氏の説明

  ふ、ふつう30口径の銃で、150グレイン弾を撃てば500メートル飛ぶうちに
  2メートル半以上も弾丸は沈むんですよ!
   (中略)
  それだけじゃあなぃ、風速、気温、湿度も着弾を狂わす!(*5)
  た、たとえば・・・
  風速4メートルの横風の中で重弾丸を発射すれば・・・
  100メートルで2センチ! 500メートルでは68センチ!
  1キロになればじつに3メートルの誤差が生じてくるんだ!
  き、気ちがいだ! まさに気きちがいだ!
  まるで・・・ ピンホールを狙うようなもんだ!

 つまり、戦国時代の新兵器の火縄銃や、ゴルゴ13が使ったヘンメリーワルサー(カスタム)といった兵器だけでなく、それを扱う人を含めた”系”が超絶的な破壊力を持つことに意味があるんですね。
 ただ、この人というのが問題で、”こいつが敵にまわるとやっかいだ”という不安が生まれるわけです。ゴルゴ13でも、敵にならないために高額の報酬で雇うなんてエピソードがありますが、これなんかましなほう(*6)。
 小太郎は危うく無実の罪で殺されそうになりますが、林半衛門の謀反によりからくも助かります。
 このあたりの小太郎、林半衛門、花房喜兵衛の友情、信頼そして筋を通す生き方のせめぎあいがこの小説の真骨頂になってます。

 同じ作者による”のぼうの城(*7)”ほどぶっとんだキャラクターは出てきませんが、戦国エンタテインメント小説としては充分楽しめます。
 ぜひご一読の程を。

《脚注》
(*1)レーザークレー射撃
 このシステムを作ったのが任天堂でゲームボーイを開発し”ゲームの父”と呼ばれた横井軍平。
 当時、ブームの終わったボーリングの施設転用として注目されましたが大ブームにはなりませんでした。
 詳しくはこちらをどうぞ。
(*2)単体の弾丸で動態目標に当たるかというと~
 ゴルゴ13”氷上の砦(159巻に掲載)”では散弾銃でスラグショット弾(散弾ではなく1粒弾)を使ってクレー射撃のクレーを撃つというシーンが出てきますが、すごいことなんでしょね、きっと。
(*3)ライフリングのない銃身
 銃身内に螺旋状の溝(ライフリング)は、銃身内で加速される弾丸に旋回運動を与えることでジャイロ効果により弾軸の安定を図り直進性を高めるために付けられています。逆に言うとこれがないと弾が直進しにくいということ。
(*4)AT PON-HALL
 飛行機内に立てこもるハイジャック犯を狙撃するため、ゴルゴ13が1000mの超長距離射撃に挑むというお話。
 この時使われた銃が”ヘンメリー・ワルサー”です。
(*5)風速、気温、湿度も着弾を狂わす!
 気温についてはCIAの人が説明してくれています
  ・気温が低いと空気の密度が高くなり弾丸に受ける空気抵抗が大きくなるため
   飛距離が短くなる
  ・気温が低いと、火薬が燃焼しておこるガス圧が低くなり弾丸の初速が遅くなる
(*6)敵にならないために高額の報酬で雇う
 ”ロックフォードの野望(63巻に掲載)”では、世界最大の財閥ロックフォード一族の当主デビッド・ロックフォードはゴルゴ13に専属狙撃手になる依頼をしています。この時の報酬は月額100万ドル(当時のレートで2億3千万円)
 ちなみに、デビッド・ロックフォードはゴルゴ13の怒りに触れて射殺されました。
(*7)のぼうの城(和田 竜 小学館文庫)
 木偶の坊の”のぼう様”こと成田長親が石田三成の軍勢と攻防戦を行うという戦国小説。とっても面白いです。
 2011年9月に映画が公開予定でしたが、水攻めのシーンが東日本大震災を連想させるからとの理由で上映が1年間延期になりました。
 来年はぜひ見たいものです。

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コメント

13という数字、13日の金曜日だとか言って不吉な番号されていますが、本当は一番縁起のいい数字だという説もあるんですけどね。
ちなみに私の誕生日は1月13日で、金曜日ではなかったようです。
13、男が背負う数字としては最高ではないでしょうか?
理由?なんとなくかっこいいから!!
ちなみにゴルゴ13の実写映画化の話が出ていますが、どこまで原作の世界観を再現できますか?
安易な3DCGはやめてシンプルでストレートに作ってほしいなぁ>

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