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2011年9月

福井 晴敏あたりで第二部ってやらないかなぁ(さよならジュピター/馬酔木)

 ども、中年SFファンのおぢさん、たいちろ~です。
 先日、SFの巨匠小松左京氏が亡くなられました(2011年7月26日)。
 このブログでも書いたんですが(”さよなら、小松左京”内容はこちらから)、それもあって、久々に”さよならジュピター”を再読しました。

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写真はたいちろ~さんの撮影。近所の馬酔木(あせび)です

【本】さよならジュピター(小松 左京 ハルキ文庫)
 減少する彗星を調査する宇宙船の事故をきっかけに、太陽系近傍でマイクロブラックホールが発見され、2年後に太陽を直撃するおそれがあることが分かった。
 人類滅亡の危機に太陽系開発機構は”木星太陽化計画”を変更しブラックホールに衝突させることでコースを変えるプロジェクトが実行に移された・・・
【花】馬酔木(あせび、あしび)
 ツツジ科の低木。日本に自生自生する常緑樹。馬が葉を食べれば酔ったように足が萎えてしまうことから”馬酔木”という名前がついたとか。難読漢字でしょうか?
 実際にアセボトキシン(グラヤノトキシンⅠ)を含む有毒植物です。
 早春になると枝先に昔のランプのような花をつけます。見ようによってはロケットの燃料タンクか噴射ノズルに見えないこともないかも
 花言葉は”献身・犠牲

 久々に読んでみましたが(*1)、古さをほとんど感じさせないのはさすが。でも、最近のSFと比べると昔のSFって骨太というか、設定が細かいんですね。
 まず、小松左京っぽさというか政治小説的な側面。代表作である”日本沈没(*2)”もそうですが、政治的なかけひきみたいなのが小説の縦軸になってます。
 太陽系の開発のため、木星を太陽化するJS計画の推進者、太陽系開発機構のウェッブ総帥(*3)と世界連邦大統領のミン博士。対立するのが、シャドリク上院議員。物語的にはJS計画の現場責任者の本田主任と、自然保護の立場から木星を犠牲にすることに反対でテロ行為に及ぶマリアが主人公なんですが、ストーリー全体としてみればそれってつけたし。むしろ、次期大統領選に間に合わせるためにプロジェクトを前倒しにするとか、ブラックホールの軌道変更プランの発表を大統領の特別非常大権の選挙をにらんで決めるとか、政治的な駆け引きをしないと前に進まない状況のほうにリアリティとストーリーテリングの面白さを感じます。

 また、状況とかの説明を細かく描写するってのも、小松左京とかこの時代のSFの特徴かなあ。木星の大赤斑の書き込みとか宇宙基地の設定の説明とか、SFマインドを盛り上げるとこが満載。思うにこういったもののリテラシーが今ほど一般的ではない時代だからこそ(*4)、ここまで書くってのが必要だったんでしょうか。
 ”ニュートリノ(*5)を使って木星を動かし、ブラックホールに衝突させて・・・”なんて、現在なら説明なしである程度伝わるんでしょうが、当時なら分かる人とわかんない人が真っ二つ(おそらく1:9ぐらい)だったりして。

ふと思ったんですが、”さよならジュピター 第二部”なんてのができないかな。”日本沈没”も第二部が出版されたぐらいだし。
 ストーリーとしては

 木星喪失により地球軌道が変わり、また太陽へのブラックホールの影響から黒点活動が不安定になった23世紀。
 異常気象にみまわれた人類は、冥王星軌道上に封印されていたEX計画(*6)の恒星間宇宙船を再編成し、地球からの第二の脱出計画をスタートさせた・・・

 みたいな。まあ、カシオペアまで行かなくてもいいけど(*7)。

 ”さよならジュピター”が書かれた時には小松左京をリーダーに豊田有恒、田中光二、山田正紀、野田昌宏、鏡明、伊藤典夫、井口健二、横田順彌、高千穂遙、石原藤夫など、そうそうたるメンバーがブレーンストーミングに参加したそうですが(サンケイ出版版 上巻あとがきより)、今の中堅若手のSF作家集めて作るなんてやったら面白そうだけど。メインライターが福井晴敏で、ディスカッションに冲方丁、野尻抱介、有川浩、谷川流、小川一水あたりを連れてきて、とか。(*8)
 まあ、これぐらい集めてこないと小松左京にタメはれないんじゃないかと。

 キャラクターを動かしてストーリを追っかけている組み立てているライトノベル全盛期の昨今、こういった群像的な骨太のSF作品ってなかなかないような気がします。
 たまには昔を思い出してこんなのも読んでみるのもいかも。

《脚注》
(*1)久々に読んでみましたが
 ノベライズが週刊サンケイ(現在のSPA!)に連載されたのが1980年、本で出版されたのが1982年ですので、ほぼ30年近く前の小説です。ちなみに三浦友和主演で映画化は1984年のことでした。
(*2)日本沈没(小松左京 小学館文庫)
 日本を科学的に沈没させた、日本を代表するSF小説。1973年に出版、同年映画化。日本が沈没するメカニズムもさることながら(映画版で総理に説明したのは、地球物理学者の竹内均博士というこりよう)、1億人の日本人をどうやって海外に脱出させるかという政治的な課題への取り組みも見どころです。
 小説の続編”日本沈没 第二部”が2006年に谷甲州との共著で形で出版されました。
(*3)ウェッブ総帥
 今なら”ワールド・ワイド・ウェブから取った”と思われそうですが、欧州原子核研究機構のティム・バーナーズ・リーが”WorldWideWeb”を発表したのは1990年とほぼ10年後のことです。
(*4)思うにこういったもののリテラシーが
 このころって、ディープなマニアが中心だったんじゃないかと。宇宙戦艦ヤマト(TV放映が1974年)、スターウォーズ(エピソード4の上映が1978年)、機動戦士ガンダム(TV放映が1979年)と、やっとSFが一般に認知されだした時代ではないかと。
(*5)ニュートリノ
 電荷を持たず、質量は非常に小さい素粒子の一種。透過性が非常に高く地球ぐらいなら平気ですり抜けます。
 2011年9月に、特殊相対性理論に反し光速より60ナノ秒速いという実験結果が発表され、大ニュースに。てか、このこと自体が一般新聞で大きく扱われること自体が昔のSFファンから見るとけっこう驚きです。
(*6)EX計画
 木星によるブラックホールの軌道修正計画が失敗した場合に備えて、5.9光年離れたバーナード星へ船団を組んで人類を脱出させるってのがEX(エクソダス)計画。
 1組で総宇宙船数1000隻、乗員数130万人という大規模なもの。
(*7)カシオペアまで行かなくてもいいけど
  アンドロメダ、あぜみ(あせび)の花がもう咲くぞ、
  おまへのラムプのアルコホル、しゆうしゆと噴かせ。
   ”水仙月の四日”(宮沢賢治)より
(*8)メインライターが福井晴敏で~
福井晴敏:大河小説系歴史物、ミリタリー物、ガンダム物などなどのSFを書く人。
      代表作は”終戦のローレライ”、”亡国のイージス”、”ガンダムUC”
冲方丁 :暗い系救いのない的ディープなSFを書く人。
      代表作は”マルドゥック・シリーズ”
野尻抱介:きゃぴきゃぴ系明るい宇宙SFを書く人。
      代表作は”ロケットガール・シリーズ”、”ふわふわの泉”
有川浩 :戦闘系激甘ラブコメなSFを書く人
      代表作は”図書館戦争・シリーズ”、”海の中”他自衛隊3部作
谷川流 :トンデモ系でも意外と緻密なSFを書く人
      代表作は”涼宮ハルヒ・シリーズ”
小川一水:建築系プロジェクトマネジメントなSFを書く人
      代表作は”第六大陸”、”復活の地”、”天冥の標・シリーズ”

こんな素敵な家に住んでみたいものです(ギャラリーフェイク/帝国ホテル中央玄関)

 ども、昭和生まれのおぢさん、たいちろ~です。
 先日、名古屋へ出張がありまして前日が休みだったものですから前日移動で明治村(*1)に行ってきました(宿泊代は自腹です)。
 この広大な博物館の正面玄関から入って一番奥まったところに立っているのが、”帝国ホテル中央玄関”。やや黄色っぽい色のレンガに白い大谷石を組み合わせた重厚な建物ですが、これは近代建築の三大巨匠のひとり、フランク・ロイド・ライトの作品です。
 ということで、今回はライトの建てた建築物のお話であります。

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写真はたいちろ~さんの撮影。帝国ホテル中央玄関の写真。
上から正面から見た全景、玄関の近景、ホール(右の真ん中がライトの写真)、スクラッチスタイルのレンガと大谷石の壁面です。

【本】ギャラリーフェイク(細野 不二彦 小学館文庫)
 贋作専門のアートギャラリー”ギャラリーフェイク”のオーナー藤田玲司を中心にした美術品をめぐる人間模様を描いた漫画。そのへんの美術書を読むより、よっぽど美術の勉強になります。
 この中に出てくるエピソード”落水荘異聞”(小学館文庫 5巻に収録)では、担保となったとある古びた別荘をめぐり、債務者家族、高利貸し、再開発で壊そうとする銀行に保存を訴える美術館館長がさまざまな思惑で動きまわるという話。
【旅行】帝国ホテル中央玄関(明治村)
 帝国ホテル(ライト館)はフランク・ロイド・ライトによって設計され1923年(大正12年)に4年間の工事をへて完成しました。明治村にあるのは
 ライト館は1967年(昭和42年)の閉鎖されましたが、中央玄関部は1985年(昭和60年)に明治村へ移築されました。

 帝国ホテル(ライト館)はというと、写真を見てもらうとわかりますが、普通のレンガではなくスクラッチタイルというスダレ上のレンガが使われています。このひっかき傷(スクラッチ)は職人一人ひとりが作ったそうです。愛知県常滑市で造られた国産品(*2)で、これが250万個使われています。こういう手間暇をかけたせいか、予算を大幅に超過してホテル側とトラブっていたとか、そのため落成式の前にライトは帰国してしまうとか、優雅な外見とはうらはらに、けっこうどたばたあったとか。
 でも、玄関といい、入ったところのホールといい大正時代のロマンを感じる重厚なもの。何人かのお嬢さんがドレスを借りて記念写真を撮られてました。まあ、こんな立派なホテルで結婚式をするってのもロマンなんでしょうねえ(*3)。

 てなことを偉そうに書いてますが、実はこれ”ギャラリーフェイク”のエピソード”落水荘異聞”からの受け売りです。
 恥ずかしながらフランク・ロイド・ライトという建築家を知ったのもこのエピソードから。上記に出てくる別荘ってのが、ライトの設計”落水荘(*4)”のプロトタイプにあたるっていう設定。
 森の中の小高い所にあって、家の下に小川が流れていて、家の中にレンガ作りの暖炉があってと、”こんな素敵な家に住んでみたいなぁ”思えるまさに私の理想の家っていう感じです。

 今回の明治村では、実際のライトの建築を眺めてみて、その思い再びです。
 家っていうのは、生活に便利ってのも重要ですが、やはり落ち着いて思索にふける時間を持つためのものっても捨てがたいです。特に定年後をどう過ごすかってことを考えだす世代としては、”落ちつく空間”をどう演出するかなんてことを思ってしまいます。
 まあ、退職金をすべてつぎ込んでも建てられはしないでしょうけどね(*5)。

 明治村は昔の建物っていうよりその時代を生きた人々の生活のいったんをうかがい知ることのできるユニークな博物館というよりまさに”村”。
 名古屋から直行バスもでているので、まる1日時間があればぜひお越しください。

《脚注》
(*1)明治村
 明治時代の建物等を移築・復元して展示している愛知県犬山市にある博物館。
 敷地面積100万平方メートルに建築物など67件を展示していて、けっこう見て回るには体力のいる博物館であります。
 私が行った日は村長の小沢昭一さんが講演をしてました。
(*2)愛知県常滑市で造られた国産品
 調べてみると伊奈製陶所というところで、タイルやトイレ、洗面器などの衛生陶器を作っているINAX(現在はLIXIL(旧トステム)に吸収合併)の前身にあたる会社だそうです。
(*3)こんな立派なホテルで結婚式をするってのも~
 ゼクシィnetによると現在の帝国ホテル(東京)で80人の結婚式を挙げると概算で384万円ほど(パック料金。2011年9月23日現在)。
 まあ、祝い金を差っ引けば150万円程度の持ち出しなので、若い人でも出して出せない金額でもないんでしょうが、親のサイフを当てにされてもなぁ・・・
(*4)落水荘
 フランク・ロイド・ライトの設計によるエドガー・カウフマンの邸宅として建てられた建築物。
 ペンシルベニア州に実在します。写真は”西部ペンシルベニア州保存委員会”のHPでどうぞ
(*5)退職金をすべてつぎ込んでも~
 設定では建築を依頼したのは元華族の鳴滝男爵、担保としての買い取り価格は1000万ドル(1995年連載当時のレートで約8億円)です。

美術品として見ると明王部と天部のほうが面白いかも(仏像に恋して/空海と美術展)

 ども、そろそろ仏さんとの付き合いも考えんといけない歳になったな~と感じるおぢさん、たいちろ~です。
 先日、たまたまB○○K○FFで”仏像に恋して”という本を買いました。ほとんど神信心と縁のない生活を送っているですが、たまにはそんなこともあります。
 で、これもたまたまですが、駅で”空海と密教美術展”のポスターを見かけて、”単身赴任 することも無し 三連休”ということもあって、行ってきました。

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 写真はたいちろ~さんの撮影。東京国立博物館 平成館の入り口にて、”空海と密教美術展”の大看板です。

【本】仏像に恋して(真船 きょうこ 新人物往来社)
 静岡出身、京都で美大に通っていたお嬢さんが仏像にハマっていくというまったり系コミックエッセイ。
 地のマンガはまるっこい系4コママンガ風ですが、仏像に関しては気合でけっこう写実的というのがユニーク。”ちょっと仏像でも見に行ってみるか”という気になります。
【旅行】空海と密教美術展
 弘法大師空海(こうぼうだいし くうかい)は密教の奥儀を唐から持ち帰りますが、この美術展では空海の歴史と影響を受けた密教芸術や空海の書(筆の誤りはなさそうですが)を展示。
 出品作品は99点のうち98.9%が国宝または重要文化財というともさることながら、仏像の後ろ姿が見れるというのも貴重な体験です。
 東京国立博物館 平成館にて2011年9月25日まで開催。公式HPはこちらから。

 ”仏像に恋して”の冒頭で、京都の東寺(*1)にある立体曼陀羅を見て仏像にハマっていくエピソードが出てきますが、”空海と密教美術展”では東寺にある21体から8体の仏像が展示されています。
 でも、8体だけでも充分な迫力。この展示会のハイライトです!

 東寺では真ん中に大日如来を中心とした”五仏”、右に金剛波羅密菩薩を中心とした”五菩薩”、左に不動明王を中心とした”五大明王”を配し、その外側に帝釈天梵天四天王が設置されています。

 すこし補足すると、仏像は4つのグループに分類されるそうで(*2)

如来部:真の悟りを得た者。ここでは五仏
菩薩部:悟りを求めて修行中の者。ここでは五菩薩
明王部:救い難い人々を恐ろしい姿で屈服させて導く者。ここでは五大明王
天部 :仏や仏法、仏法を信仰する人々を外敵から守護する神々。
     ここでは帝釈天、梵天

 今風に言うと、如来部がカリスマ性のある最高指導者、菩薩部が幹部クラス、明王部と天部が戦士属性といったところでしょうか。意外とヒエラルキーのはっきりした組織です(バチあたりな表現かなあ・・)

 で、美術として見ると、個人的には明王部、天部の仏像が好きですね。
 凛とした表情の帝釈天像⑤、梵天像③、燃える炎の光背(*3)をまとった持国天立像④、増長天立像②、さらに多面、多腕の降三世明王立像⑥、大威徳明王牛像⑧。
 ”闘う”という意思を表す憤怒の表情とか躍動感ってのがわかりやすくて素人向きなのかも。
 ※○の数字はポスターの仏像の時計回りの順番です。それぞれの拡大図は”空海と密教美術展”のHPをご確認ください。

 ”空海と密教美術展”のHPで人気投票をやってますが、”帝釈天騎象像”が1868票と2位の”持国天立像”を2倍以上引き離してぶっちぎりの1位(2011年9月18日現在)。
 ”金剛業菩薩坐像”は2体設置されていますが、足しても5位の”増長天立像”に届かない状況。意外と如来部や菩薩部って静的なのでわかりにくいのかも。ちなみに私は”持国天立像”に1票入れました。

 まあ、仏像をこんな目で見ていいかというと人それぞれということで。
 ”仏像に恋して”に出てくるお嬢さん方も帝釈天が男前という面喰い派、千年の時空を超えた出会いに感動する歴史ロマン派、体のラインや細部にこだわる芸術派などさまざま。
 まあ、金剛力士像に”たくましい肉体美っていいよね”までは許容範囲かな。
 とはいえ、真船さんの彼氏のように鎌倉の長谷寺にある”十一面観音菩薩立像”を見て”ガンダムみたいだな!(*4)”っていうのはちょっと・・・

 実際の仏像は信仰の対象ですので、”仏像に恋して”に出てくる恋人を亡くした真船さんの友人のように”ただ本能的に手を合わせ、仏さまを拝する”ってのが正しい接し方なんでしょうね。そろそろそういう風にしないといけない歳だし。

 ”空海と密教美術展”は、京都でしか見れない仏像を東京で堪能するには良いイベントです。あと一週間しかありませんが、お時間のあるのはぜひどうぞ。

《脚注》
(*1)東寺(とうじ)
 京都市南区九条町にある東寺真言宗総本山の寺院。別名”教王護国寺(きょうおうごこくじ)”。このお寺を嵯峨天皇より下賜され、講堂(僧侶が経典の講義や説教をする堂)にある立体曼陀羅をプロデュースした(原文ママ)のが空海です。
(*2)仏像は4つのグループに分類されるそうで
 解説は”仏像はじめませんか”(曜名 PHP研究所)より。こちらもコミックエッセイですが、素人には仏像の体系が良く分かる本です。
 ちなみに、天部には帝釈天、梵天や四天王の他に八部衆、十二神将、金剛力士などが含まれます。
(*3)光背(こうはい)
 仏様から放たれる光を表すものなんだそうです。
 全身を覆うもの、頭だけのもの、形も丸、二重丸、炎形とさまざま。
(*4)ガンダムみたいだな!
 十一面観音菩薩立像は高さ9.18メートル。ガンダム(RX-78-2)は18.0mですので、実際は身長で倍の差があります。
 私自身、十一面観音菩薩立像も、お台場1/1ガンダムもみましたが、ガンダムのほうがかなり巨大な印象を受けました。

戦国時代のゴルゴ13でしょうか?!(小太郎の左腕/ゴルゴ13/よこすか開国祭)

 ども、狙った獲物ははずさないおぢさん、たいちろ~です。
 アメリカでは出来ても日本でなかなか遊べないゲームにガンの射撃ってのがあります。これを日本で免許なしでできるようにした”レーザークレー射撃(*1)”ってのが1970年代にありました。ショットガンの銃口からレーザー光を出してスクリーンに映されたクレー(皿)を撃つといったもんですが、割と上手だったんですよ、私。
 ただこればある程度の範囲で弾丸が広がるショットガンの話であって、単体の弾丸で動態目標に当たるかというとそうそう当たるもんではないようです(*2)。
 ということで、今回ご紹介するのは戦国時代の天才的狙撃手”小太郎の左腕”であります。

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 写真はたいちろ~さんの撮影。よこすか開国祭(第一回)の開国パレードの風景です。

【本】小太郎の左腕(和田 竜 小学館文庫)
1556年。戸沢家の武功者林半衛門は、対立する戸沢家の武将花房喜兵衛との戦いで劣勢を跳ね返すべく、その任を11歳の少年”小太郎”に託す。祖父・要蔵と山中でひっそりとした暮らしていた小太郎は、実は天才的な火縄銃の狙撃手だった・・・
【本】ゴルゴ13(さいとうたかを リイド社)
 超一流のスナイパー(狙撃手)”ゴルゴ13”の活躍を描く説明不要の超々ロングシリーズの漫画。連載開始が1968年、発行巻数162巻(2011年9月現在)。
【旅行】よこすか開国祭
 毎年8月に横須賀で開かれる、ペリーが浦賀沖に来航した1853年から150周年目を記念して始まったお祭りです。
 写真は開国パレードの射撃のデモンソトレーションです。時代的には幕末と小太郎の時代(戦国末期)とかなり違いますが、こんな感じだったんでしょうか?
 時代考証とか細かいこと言わずに雰囲気だけでもお楽しみください。

 さて小太郎がどのぐらいすごいかというと、火縄銃で5町(約540m)先の馬に乗っている騎馬武者の頭を一発で仕留めていること。その後も何人もの武者を長距離狙撃を成功させるという神業を披露しています。
 本書によると、火縄銃の有効射程距離は100m程度だそうです。実際にこの距離で狙撃を成功した人もいたそうなのでまったくできないってことでもないようですが、それにしても、ライフリングのない銃身(*3)、円筒形の弾丸を火薬量の安定しない火縄銃でやってのけるってのはすごいことです。しかも試射なしの銃で初弾から命中させているんですから。

 これを現在の銃でやってもこんな感じ。ゴルゴ13の初期の名作”AT PON-HALL(7巻に掲載)(*4)”に登場するアメリカでも5指に入る銃のハンドメーカー、デイブ・マッカートニー氏の説明

  ふ、ふつう30口径の銃で、150グレイン弾を撃てば500メートル飛ぶうちに
  2メートル半以上も弾丸は沈むんですよ!
   (中略)
  それだけじゃあなぃ、風速、気温、湿度も着弾を狂わす!(*5)
  た、たとえば・・・
  風速4メートルの横風の中で重弾丸を発射すれば・・・
  100メートルで2センチ! 500メートルでは68センチ!
  1キロになればじつに3メートルの誤差が生じてくるんだ!
  き、気ちがいだ! まさに気きちがいだ!
  まるで・・・ ピンホールを狙うようなもんだ!

 つまり、戦国時代の新兵器の火縄銃や、ゴルゴ13が使ったヘンメリーワルサー(カスタム)といった兵器だけでなく、それを扱う人を含めた”系”が超絶的な破壊力を持つことに意味があるんですね。
 ただ、この人というのが問題で、”こいつが敵にまわるとやっかいだ”という不安が生まれるわけです。ゴルゴ13でも、敵にならないために高額の報酬で雇うなんてエピソードがありますが、これなんかましなほう(*6)。
 小太郎は危うく無実の罪で殺されそうになりますが、林半衛門の謀反によりからくも助かります。
 このあたりの小太郎、林半衛門、花房喜兵衛の友情、信頼そして筋を通す生き方のせめぎあいがこの小説の真骨頂になってます。

 同じ作者による”のぼうの城(*7)”ほどぶっとんだキャラクターは出てきませんが、戦国エンタテインメント小説としては充分楽しめます。
 ぜひご一読の程を。

《脚注》
(*1)レーザークレー射撃
 このシステムを作ったのが任天堂でゲームボーイを開発し”ゲームの父”と呼ばれた横井軍平。
 当時、ブームの終わったボーリングの施設転用として注目されましたが大ブームにはなりませんでした。
 詳しくはこちらをどうぞ。
(*2)単体の弾丸で動態目標に当たるかというと~
 ゴルゴ13”氷上の砦(159巻に掲載)”では散弾銃でスラグショット弾(散弾ではなく1粒弾)を使ってクレー射撃のクレーを撃つというシーンが出てきますが、すごいことなんでしょね、きっと。
(*3)ライフリングのない銃身
 銃身内に螺旋状の溝(ライフリング)は、銃身内で加速される弾丸に旋回運動を与えることでジャイロ効果により弾軸の安定を図り直進性を高めるために付けられています。逆に言うとこれがないと弾が直進しにくいということ。
(*4)AT PON-HALL
 飛行機内に立てこもるハイジャック犯を狙撃するため、ゴルゴ13が1000mの超長距離射撃に挑むというお話。
 この時使われた銃が”ヘンメリー・ワルサー”です。
(*5)風速、気温、湿度も着弾を狂わす!
 気温についてはCIAの人が説明してくれています
  ・気温が低いと空気の密度が高くなり弾丸に受ける空気抵抗が大きくなるため
   飛距離が短くなる
  ・気温が低いと、火薬が燃焼しておこるガス圧が低くなり弾丸の初速が遅くなる
(*6)敵にならないために高額の報酬で雇う
 ”ロックフォードの野望(63巻に掲載)”では、世界最大の財閥ロックフォード一族の当主デビッド・ロックフォードはゴルゴ13に専属狙撃手になる依頼をしています。この時の報酬は月額100万ドル(当時のレートで2億3千万円)
 ちなみに、デビッド・ロックフォードはゴルゴ13の怒りに触れて射殺されました。
(*7)のぼうの城(和田 竜 小学館文庫)
 木偶の坊の”のぼう様”こと成田長親が石田三成の軍勢と攻防戦を行うという戦国小説。とっても面白いです。
 2011年9月に映画が公開予定でしたが、水攻めのシーンが東日本大震災を連想させるからとの理由で上映が1年間延期になりました。
 来年はぜひ見たいものです。

ラムフェスタ+2011に行ってきました!(パイレーツ・オブ・カリビアン/ラムフェスタ+2011)

 ども、昼間っから呑んだくれているおぢさん、たいちろ~です。
 会社の同僚から”9月4日にラムフェスタってのがあるので行きませんか?”とのお誘いがありました。
 ラムフェスタって何? 虎柄ビキニ娘のコスプレショー?(*1) 菊池桃子の復活コンサート!?(*2)
 ”ラム酒好きが集まって試飲ができるお祭りです!!”ということで行ってまいりました。

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 写真はたいちろ~さんの撮影。ラムフェスタの風景です。

【DVD】パイレーツ・オブ・カリビアン
 (主演:ジョニー・デップ 配給:ウォルト・ディズニーピクチャーズ)
 あの品行方正なディズニーが創ったとは思えない、もっともメジャーな海賊映画。
 ジョニー・デップ演じる主人公ジャック・スパロウ船長がラム酒が大好物ということで、ラム酒の消費量が増大したとのこと。おわかり?
【旅行】ラムフェスタ+2011
 ジャパンインポートシステム主催のフレンチ・クレオール・ラムの祭典。
 2011年は9月4日に東京交通会館で開催。
 フレンチ・クレオール・ラムというのは仏領マルティニーク島などで作られる、サトウキビを搾ったジュースをそのまま発酵・蒸留して作られたラム種のことだそうです。そのため結構値段が高くて、海賊たちのようにがぶ飲みはできなさそうです。

 さて、このラムフェスタのシステムですが、3000円の入場券を買うと10枚つづりのチケットがついてきます。このチケットで30cc程度の小さなコップ(*3)にラムを入れてくれますので、それをちびちび味わって呑むというもの。その場でビンからお店の人がコップにそそいでくれます

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 ※皆さん、おそろいの黄色いシャツでお酒を注いでくれます。
  やっぱりフランスの人でしょうか?

 アルコール度数40~50%ほどあるラムをストレートで呑むので結構効きます。昨年も行った人が気をきかせてチェイサー替わりに天然水のペットボトルを持ってきてくれてましたが、これは必須でしょうね。

 ラム酒はだいたいチケット1枚から3枚ぐらいで1杯飲めます。中には1杯チケット10枚という強烈なものも。さすがにこれはみんなでチケットを出し合って分けての呑みました。まったりとした味わいでおいしゅうございました。

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 ※チケット10枚のお酒、ポールジローのビクターサロモン

 みんなでパンフレットを見ながら好きそうなのを取ってきてちょっとづつ回し呑みしました。それでもコップ1杯以上のストレートラムを呑んでいるのでけっこうへべれけ。さすがにそれぞれ好みがわかれるところですが、その中でもわりと人気のあったのがシャトードブルイユ 1991年物(チケット2枚)。パンフレットによると”シナモンやナツメグのようなスパーシーな風味”とのことですが、その通りです。

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 ※シャトードブルイユ 1991年物。ボトルキャップがスパロウ船長風?

 別室にはカクテルコーナーもあります。こちらは”ガスライト銀座”のコーナーでカクテルは”パイレーツ”。
 その名のとおり海賊のコスプレですが、こっちは麦わらのルフィーの人(*4)。
 会場には麦わら帽子も売っていて、これをかぶって呑んでる人もおりました。

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 ※麦わらのルフィー。胸には”ラム王に俺はなる!!”のプレートが!?

 ラムフェスタ+2011は”酒飲みが純粋に酒の味を楽しむために集まる”っていうけっこう楽しめるイベントです。毎年やっているようですので、ご興味のある方は来年にぜひどうぞ。

《脚注》
(*1)虎柄ビキニ娘のコスプレショー?
 高橋留美子の漫画”うる星やつら”のヒロイン”ラムちゃん”のこと。健康的セクシー系としてラムちゃんのコスプレは1980年代に一世を風靡しました。数年前の川崎ハロウウィンでこのコスプレをしたお嬢様方がおりましたが、まだ人気あるんでしょうか?
(*2)菊池桃子の復活コンサート!?
 1988年に当時アイドルだった菊池桃子をボーカルとするバンド”ラ・ムー”のことです。1年半ほどで事実上解散だったので、知らんわな~~
(*3)30cc程度の小さなコップ
 家で測ってみましたが、だいたい6杯で200cc弱ぐらいでした。
(*4)麦わらのルフィーの人
 今、日本で最も売れている尾田栄一郎の漫画『ONE PIECE』(ワンピース)の主人公。
 設定上は未成年のはずですが・・・

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