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他人の失敗を笑うよりは、学んだほうが有益でしょう(地獄を見た11人の天才投資家たち/ムスカリ)

 ども、人生と書いて失敗と読むおぢさん、たいちろ~です。
 これでもコンピュータの会社に勤めておりますが、四半世紀も務めていると山ほど失敗ってのが出てきます。一時期、失敗学(*1)がブームになったりもしましたが、決してゼロにならないのが失敗というもの(*2)。
 まあ、まったく動かないシステムってことはなかったですし、ノウハウがたまれば”高い授業料を払った”と思えばあきらめもつくもの。ただ、これが自分のお金となれば話は別で、預金がスッカラカンになってしまえばそうは言ってられません
 ということで、今回ご紹介するのは数百億円単位でお金を失った人たちのノンフィクション”地獄を見た11人の天才投資家たち”であります。


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写真はたいちろ~さんの撮影。近所のイベントで植わっていたムスカリです。


【本】地獄を見た11人の天才投資家たち(スティーヴン・L・ワイス,道出版)
 原題が”The Billion Dallar Mistake(10億ドルの失敗)”とあるように、アメリカのプロの投資家たち11人が出した1兆円以上の損失に対し、何が悪かったの分析した本。1つの失敗が数百億円単位というハンパでない損失ってのは高い授業料では済まないんだろうなぁ、他人のお金であっても。
【花】ムスカリ
 ユリ科(分又はヒアシンス科)ムスカリ属の植物の総称。
 4~5月に青紫色の小さな花が集まって咲きます。
 花言葉は”寛大な愛、明るい未来”と”失望、失意”と真逆になっています。


 この本の意義は”はじめに”で引用されているエレノア・ルーズベルト(*3)のこの言葉に集約されています。

  他人の失敗から学ぶこと。
  自分ですべての失敗を経験できるわけではないのだから
(*4)

 何事にも、やらないといけないこととか、やっちゃいけないことってのがあるもんですが、それを自分一人で検証していくにはムリがあります。まあ、そがれ成功であればいいですが、失敗しないとわからないものもあります。回復不可能な失敗であれば目も当てられないですし、そんなのは他人であって欲しいものです。

 常々思っているんですが、金儲けとはこんな公式ではないかと

  金儲け = 財力 × 生き方 × 能力 × 運

   財力 :自己資金、資金調達(出資、借金)、レバレッジ(*5)
   生き方:地道な人生を送るか、一発勝負にかけるかはその人のキャラによります
   能力 :知識、分析力、決断力、ストレス耐性などなど
   運  :ミクロでは相場の状況、タイミングなど。マクロでは生まれた時代等

 よく見ると、事前的/自律的に決められるのは財力ぐらいで、運は事後でないとわかんないし、生き方はある程度わかってても環境により変化します(慎重な人でも、山ほど儲かればちょ~しこいてる人になることも)。オールマイティな能力な人ってのはそうそういないし、乱世と平時では要求される能力は自ずと異なります。まあ、それをひっくるめてのリスク管理なんですが。

 こういう目で本書の警告をまとめて分類してみると

〔財力〕
 ・保有し続ける余裕がなければ、また失う余裕がなければ買ってはいけない
 ・リスク、投資スタイル、投資資金は分散する。ひとつのかごにすべての卵を入れない
〔生き方〕
 ・情熱は戦略投資ではない
 ・危ないものには手を出さない
 ・慎重になる、我慢しよう、懐疑的であること
   ←→ 投機をしてもかまわない(ただしファンドマネージャーは除く)
〔能力〕
 ・生まれながらの優れた投資家はいない。優れた投資家になるのだ。
 ・調査/精査は必ず行う(企業業績、年次報告書、業績比較、リスク等)
 ・複雑な投資手法は知識と経験が豊富な投資家が行えばいい
 ・経験は大切である、経験を記憶する

 ま、広い意味ではノウハウ本なので、運ばっかりはアドバイスのしようがないのかも。運を能力などでカバーするってことです。それにことわざなんかと一緒で真逆なものもあります(*6)。
 リスク分散なんてのは基本ですが、ユリやヒマワリのように大輪の花一発に賭けるのもあれば、ムスカリのように小さな花をたくさんつけるとかもあって、結局はその人の生き方次第って面もあります。

 ”地獄を見た11人の天才投資家たち”は投資をしたい人には読んどいても損はない本ですが、注意して欲しいのは、この人たちの多くが失敗したあとに一文無しのホームレスになったりはしていないということ。世間的な基準でいえば相変わらずのお金持ちなんですね。本当に地獄を見ているのはこの人たちに賭けた投資家の方かもしれません
 どっちにしても貧乏な私には縁のない話ですが・・・

《脚注》
(*1)失敗学
 失敗に対して責任追及ではなく、直接的な原因とその背景にある根幹原因を究明する学問のこと。プログラムにバグを作るのは個人の失敗ですが、その背景には過酷な労働実態があるとか、そんな感じです。
 畑村洋太郎の”失敗学のすすめ”なんか読みました。
(*2)決してゼロにならないのが失敗というもの
 失敗をゼロにする唯一の方法は”な~~~んもしないこと”だけです。
 失敗をする確率と損失を見込んでそれに備えておくというのが正しい考え方。回収不能(=倒産)になるのが怖いからお金を貸さない銀行には存在意義がないのと一緒。ある程度の損失額を見込んで、それに対する引当金や資本を積んでお金を貸すのが銀行のお仕事です。
(*3)エレノア・ルーズベルト
 アメリカ合衆国第32代大統領フランクリン・ルーズベルトの夫人にして、第26代大統領セオドア・ルーズベルトの姪。
(*4)他人の失敗から学びなさい~
 正確には以下のとおり
  Learn from the mistakes of others.
  You can't live long enough to make them all yourself.
 他人の失敗から学びなさい。
 あなたは全ての失敗ができるほど長くは生きられないのだから。

(*5)レバレッジ
 少ない自己資金で大きなお金を投資する手法。
 外国為替証拠金取引(FX)なんかが代表例。儲けが大きい半面、外すと損失も大きくなるので、ヘタをうつとあっというまにスッテンテンになります。
(*6)ことわざなんかと一緒で~
  三人寄れば文殊の知恵 vs 船頭多くして船 山に登る
  瓜のつるには茄子はならぬ vs とんびが鷹を産む
 とか。まあ、その場のシチュで使い分けるのも知恵の内なんですが・・・

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