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世の中には知るべきでないこともあるのですよ、知ってても何の役にも立たない知識もあるけど・・・前編(ダンタリアンの書架/サボテンの花)

 ども、ヲタクではありません、単なる蒐書狂(ビブリオマニア)のおぢさん、たいちろ~です。
 さて、まともな趣味ながら、ちょっと度が過ぎると非難の対象になるのが”読書”なるシロモノ。特に部屋の場所ふさぎになるので奥様にはいたく評判が悪いです。
 ”どれぐらい本をお持ちですか?”と聞かれて、○○冊と答えるのはシロウト。書架で何段と答えるのはまだまだで、ダンボール箱で××ケと答えて一人前の世界です(*1)。
 ということで、今回ご紹介するのは題名が気になって読みたかった本”ダンタリアンの書架”であります。
 注:かなりネタバレですので、本書を読んでからこのブログを読まれることをお勧めします。

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写真はたいちろ~さんの撮影。近所の植木市のサボテンの花です。


【本】ダンタリアンの書架(三雲岳斗、イラスト Gユウスケ、角川スニーカー文庫)
 ヒューイは蒐書狂の祖父から古ぼけた屋敷とその蔵書を引き継いだ。そして、その屋敷で本を読む少女に出会った。胸に大きな錠前をつけたダリアン。彼女こそ禁断の本”幻書”を納めた”ダンタリアンの書架”への入り口だった・・・
 文庫で6巻、阿倍野ちゃこによるコミカライズ他が発売中。
【花】サボテンの花
 サボテン科に属する植物の総称。花の咲かない植物と思われがちですが、開花年齢が来て(けっこう長いものもある)、育成環境(温度、湿度、光量、潅水)が整えば、きれいな花が咲きます


 さて、”ダンタリアンの書架”は古今東西の幻書を扱うだけあって、さまざまな本のオマージュが満載。まず、主人公のダリアンですが、本に囲まれた美少女、ゴシックロリータファッション、口の悪いタカビーちびっ子と言えば、思い出されるのが”GOSICKシリーズ(*3)”のヴィクトリカ。ナイト兼下僕のヒューイは久城一弥だし、ヒューイの友達で元気印の金髪美少女カミラはアブリルと、ちょうど相似形(GOSICKは基本学園モノなのでもうちょっと年齢は下ですが)。

 それそれのエピソードからオリジナルを拾ってみると

〔美食礼賛〕第1巻第1話
 セルフ・カニバリズム(自分喰い)で思い出されるのは小松左京の”凶暴な口(*4)”。単なるレシピ本を探す話がここまでいっちゃうってのがスゴイ。
 このエピソードではハマっちゃいました。

〔叡智の書〕第1巻第3話
 天才少年少女の物語もたくさんありますが、読んで思い出したのは”8マン(*5)”の超人類ミュータント編の超天才児3名。こっちは人類抹殺とかかなりアクティブですが、ダンタリアンではやる気のない子供たち。経済成長期の60年代と停滞期の現在との違いでしょうか?

〔仕掛け絵本〕第1巻第4話
 ゲストキャラのコンラッドが名前ネタ。”コンラッド”というと”コンラッド消耗部隊(*6)”と”わが名はコンラッド(*7)”を思い出しましたが、主人公が”地球美術遺蹟史料保存局局長”って肩書から、後者かなぁ。

〔月下美人〕第2巻第2話
 肉食のサボテンといえば、ウルトラマンに登場する”怪奇植物 グリーンモンス(*8)”あたり。
 人間の欲望を満たすモノの花を咲かせるネタとしては寺沢武一の”コブラ(*9)”に人面草で歯はダイヤモンドというマンドラドを探すエピソードがあります。
 写真をみていただくとわかりますが、トゲトゲのサボテンって意外なほどきれいな花が咲きます。サボテンマニアってのがいるのも納得。

〔等価の書〕第2巻第3話
 お話のベースは”わらしべ長者”。今回の主人公カミラの主人公のフルネームが”カミラ・ザウアー・ケインズ”にあるように経済ネタ。
 ケインズは、株式価格形成を美人コンテストを例えて、個々の判断に基づく投資より投資家全体の投資を考慮した投資の方が有効と指摘しましたが、結局美人=欲しいものは人それぞれってことで・・・

〔ラジエルの書架〕第2巻第5話
 過去のない戦闘機乗り。”スカイ・クロラ(*10)”です。
 見たのはアニメ版のほうだけですか、押井守の虚無的な雰囲気が本書と似たような感じかも。

 な~、まだ半分もいってない!
 ということで次回に続きます

《脚注》
(*1)ダンボール箱で××ケと答えて~
 実際に私の友人はこんなんです。
 家賃を払える財力があれば、読子・リードマン(*2)みたく、何部屋、何フロアまで行きたいものですが。
(*2)読子・リードマン
 ”R.O.D”の主人公、ザ、ペーパーのこと。「神保町のヌシ」と呼ばれるほどの愛書狂で、自宅ビルを本で埋め尽くしてます。うらやましい。
 ちなみにダリアンも読子も本の棚買い(棚ごと全部)をやってます。
 R.O.D:倉田英之、イラスト 羽音たらく、スーパーダッシュ文庫
(*3)GOSICKシリーズ
 桜庭一樹、イラスト 武田日向、富士見ミステリー文庫⇒角川文庫
 直木賞作家、桜庭一樹によるライトノベル。富士見ミステリー文庫では武田日向の表紙がかわうくてお勧めなのに、影絵表紙版の角川文庫が出たせいか絶版になったみたい。
 何をすんねや、角川文庫!
(*4)凶暴な口
 小松左京、夜が明けたら (ハルキ文庫)、小松左京コレクション4(ジャストシステム)に収録
(*5)8マン
 1963年より週刊少年マガジンに連載されたSF漫画、及びテレビアニメ。
 原作 平井和正、漫画 桑田次郎
(*6)コンラッド消耗部隊
 リチャード・エイヴァリー、創元推理文庫
(*7)わが名はコンラッド
 ロジャー・ゼラズニイ、ハヤカワ文庫
(*8)怪奇植物 グリーンモンス
 ウルトラマンに登場する怪獣。植物怪獣としてはウルトラセブンの”吸血植物 ケロニア”なんかもメジャーですが、形的にはグリーンモンスっぽいです。
(*9)コブラ
 週刊少年ジャンプに連載された寺沢武一のSFアクション漫画及びアニメ。
 本エピソードは”コブラ(完全版)7 (メディアファクトリー)”に収録。
(*10)スカイ・クロラ
 森博嗣の小説。2008年に押井守の監督、Production I.Gの製作でアニメ化。

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