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2011年1月

ドーナッツって、意外とハードSFっぽい形をしてるんだ(エンゼルフレンチ/ミスタードーナツ)

 ども、無限に広がる大宇宙に想いをはせるおぢさん、たいちろ~です。
 1月23日の新聞で、宇宙搬送機”H2B”(*1)の打ち上げが成功したとのニュースがありました。10年度には、”はやぶさ”の小惑星イトカワからのサンプル採集とか、金星探査機”あかつき”の金星周回軌道への失敗と再投入へのチャレンジなど、宇宙の話題がここのところ目白押しです。
 で、宇宙を旅するのに問題になるのが距離と時間。”はやぶさ”の航行時間は約7年1ヶ月だし、”あかつき”の再突入は6年後とか(*2)。いかに引きこもり体質でも耐えれる人間はそうそういそうにありません
 これを人工知能ならやらそうという発想があっても不思議ではないということで、今回ご紹介する”エンゼルフレンチ”であります。
 注:ネタバレありますので、本書を読んでからこのブログを読まれることをお勧めします。


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写真はたいちろ~さんの撮影。ミスタードーナツの”エンゼルフレンチ”です。


【本】エンゼルフレンチ(藤田雅矢、河出書房新社)
 工学部院生のダイチは”自分の脳の情報を探査機の人工知能に転写し、深宇宙に飛ばす”計画に参画することを、ミスタードーナッツで彼女のすばるに打ち明ける。
 エンゼルフレンチを食べながらその話を聞いたすばるのその後の行動は・・・
 大森望編集のSFアンソロジー”NOVA 1”に収録。
【グルメ】ミスタードーナツのエンゼルフレンチ
 ホイップクリームをサンドし、なめらかなチョコレートでコーティングした”ミスタードーナツ”のリング型ドーナツ(*3)。
 写真を見ていただくとわかりますが、なかなか美しい形をしています


 あらすじを簡単に書くと、ダイチが自分の情報を人工知能に転写したあと、人間の”ダイチ”は飛行機事故で死んでしまう。で、人工知能の”ダイチ”のほうは、ボイジャー3号として木星探査の後、有意な電波の観測されたくじら座タウに向かって飛び続ける。その時間30万年。
 一方、すばるは天文学者になって、人工知能の”ダイチ”からのメッセージを受け続けるんですが、その後すばるも探査機の人工知能に脳の情報を転写して、くじら座タウの情報から得られたワームホール技術によりタウに向かって飛びたつ。

 あらすじだけ読むと、かなりハードSFっぽいし実際そうなんですが、読んだ感じはかなり抒情的な内容。
 イントロのダイチ(人間)と、すばる(人間)のデートでの会話もハードSFっぽい内容なのになんとなくほんわかしているし、天文学者になっているすばるに呼び掛けるダイチ(人工知能)の”ありがとう、すばる”の一言も良い。
 それと、ダイチ(人工知能)と、すばる(人工知能)の会話。時間を超えて電波を送る方法が思いつきそうだというダイチの話で

  ダイチ:すばるのことを思い出したら考え付いたんだ。
  すばる:なに、わたしのことって
  ダイチ:ほら、すばるはミスタードーナツでいつもエンゼルフレンチを食べていただろう
  すばる:ええ。
  ダイチ:エンゼルフレンチっていうのは、ドーナツ型をした円環構造とともに、
      チョコレートのところが非対称なんだ
  すばる:それで、?
  ダイチ:わからないかな。それがヒントになった。

 とっても科学的な話題なのに、日常生活の何げない風景を切り取ったような会話のギャップが面白いです。上は人工知能同士の会話なんですが、仲の良い恋人同士のようなほんわりした感じがSFっぽさを感じさせません。

 そういえばトーラス構造って、荷電粒子を加速する加速器(サイクロトロン)とか、2001年宇宙の旅に出てくる宇宙ステーションとか、スペースコロニーのスタンフォード・トーラス型(アイランド2)とか、スターゲイトとか結構SFと相性よさそうだもんなぁ。
 それに加えてエンゼルフレンチはあのライフリングのようなねじれた山型とか、チョコレートの生み出す非対称性が、歪みによる”何か”を生み出しそうとか、微妙にSFマインドをくすぐるんだよな~

 この本を読んで、さっそく近所のミスドまでエンゼルフレンチ買いに行きました。

 ”エンゼルフレンチ”は20ページほどの掌編ながら、2冊読んだ”NOVA”の中では最もお気に入り。まったりドーナツでも食べながらご一読ください。

《脚注》
(*1)宇宙搬送機”H2B”
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が共同開発したロケット。
 全長 56.6mは東京ディズニーランドのシンデレラ城(51m、ただし視覚的には実物より大きく見える)よりやや高いぐらい。
 ブースター4基の推力で最大8,000kgの重量を静止移行軌道に乗せることが可能。
(*2)”はやぶさ”の航行時間は約7年1ヶ月だし~
 ”はやぶさ”の打ち上げは2003年5月9日、大気圏再突入が2010年6月13日。”あかつき”は2010年5月21日の打ち上げ、金星到着は同12月7日、再度の接近は2016年12月と17年1月。
(*3)リング型ドーナツ
 ドーナツ(donut)は、ドウ(小麦粉の生地)を油で揚げたお菓子のことで、必ずしもリング状(トーラス)とは限らないみたいです。
 ちなみに、”ミスタードーナツ”はCMを見てると”ドーナッツ”に聞こえますが社名は”ミスタードーナツ”が正しいです。このブログを書くのに調べるまで勘違いしてました。

世の中には知るべきでないこともあるのですよ、知ってても何の役にも立たない知識もあるけど・・・前編(ダンタリアンの書架/サボテンの花)

 ども、ヲタクではありません、単なる蒐書狂(ビブリオマニア)のおぢさん、たいちろ~です。
 さて、まともな趣味ながら、ちょっと度が過ぎると非難の対象になるのが”読書”なるシロモノ。特に部屋の場所ふさぎになるので奥様にはいたく評判が悪いです。
 ”どれぐらい本をお持ちですか?”と聞かれて、○○冊と答えるのはシロウト。書架で何段と答えるのはまだまだで、ダンボール箱で××ケと答えて一人前の世界です(*1)。
 ということで、今回ご紹介するのは題名が気になって読みたかった本”ダンタリアンの書架”であります。
 注:かなりネタバレですので、本書を読んでからこのブログを読まれることをお勧めします。

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写真はたいちろ~さんの撮影。近所の植木市のサボテンの花です。


【本】ダンタリアンの書架(三雲岳斗、イラスト Gユウスケ、角川スニーカー文庫)
 ヒューイは蒐書狂の祖父から古ぼけた屋敷とその蔵書を引き継いだ。そして、その屋敷で本を読む少女に出会った。胸に大きな錠前をつけたダリアン。彼女こそ禁断の本”幻書”を納めた”ダンタリアンの書架”への入り口だった・・・
 文庫で6巻、阿倍野ちゃこによるコミカライズ他が発売中。
【花】サボテンの花
 サボテン科に属する植物の総称。花の咲かない植物と思われがちですが、開花年齢が来て(けっこう長いものもある)、育成環境(温度、湿度、光量、潅水)が整えば、きれいな花が咲きます


 さて、”ダンタリアンの書架”は古今東西の幻書を扱うだけあって、さまざまな本のオマージュが満載。まず、主人公のダリアンですが、本に囲まれた美少女、ゴシックロリータファッション、口の悪いタカビーちびっ子と言えば、思い出されるのが”GOSICKシリーズ(*3)”のヴィクトリカ。ナイト兼下僕のヒューイは久城一弥だし、ヒューイの友達で元気印の金髪美少女カミラはアブリルと、ちょうど相似形(GOSICKは基本学園モノなのでもうちょっと年齢は下ですが)。

 それそれのエピソードからオリジナルを拾ってみると

〔美食礼賛〕第1巻第1話
 セルフ・カニバリズム(自分喰い)で思い出されるのは小松左京の”凶暴な口(*4)”。単なるレシピ本を探す話がここまでいっちゃうってのがスゴイ。
 このエピソードではハマっちゃいました。

〔叡智の書〕第1巻第3話
 天才少年少女の物語もたくさんありますが、読んで思い出したのは”8マン(*5)”の超人類ミュータント編の超天才児3名。こっちは人類抹殺とかかなりアクティブですが、ダンタリアンではやる気のない子供たち。経済成長期の60年代と停滞期の現在との違いでしょうか?

〔仕掛け絵本〕第1巻第4話
 ゲストキャラのコンラッドが名前ネタ。”コンラッド”というと”コンラッド消耗部隊(*6)”と”わが名はコンラッド(*7)”を思い出しましたが、主人公が”地球美術遺蹟史料保存局局長”って肩書から、後者かなぁ。

〔月下美人〕第2巻第2話
 肉食のサボテンといえば、ウルトラマンに登場する”怪奇植物 グリーンモンス(*8)”あたり。
 人間の欲望を満たすモノの花を咲かせるネタとしては寺沢武一の”コブラ(*9)”に人面草で歯はダイヤモンドというマンドラドを探すエピソードがあります。
 写真をみていただくとわかりますが、トゲトゲのサボテンって意外なほどきれいな花が咲きます。サボテンマニアってのがいるのも納得。

〔等価の書〕第2巻第3話
 お話のベースは”わらしべ長者”。今回の主人公カミラの主人公のフルネームが”カミラ・ザウアー・ケインズ”にあるように経済ネタ。
 ケインズは、株式価格形成を美人コンテストを例えて、個々の判断に基づく投資より投資家全体の投資を考慮した投資の方が有効と指摘しましたが、結局美人=欲しいものは人それぞれってことで・・・

〔ラジエルの書架〕第2巻第5話
 過去のない戦闘機乗り。”スカイ・クロラ(*10)”です。
 見たのはアニメ版のほうだけですか、押井守の虚無的な雰囲気が本書と似たような感じかも。

 な~、まだ半分もいってない!
 ということで次回に続きます

《脚注》
(*1)ダンボール箱で××ケと答えて~
 実際に私の友人はこんなんです。
 家賃を払える財力があれば、読子・リードマン(*2)みたく、何部屋、何フロアまで行きたいものですが。
(*2)読子・リードマン
 ”R.O.D”の主人公、ザ、ペーパーのこと。「神保町のヌシ」と呼ばれるほどの愛書狂で、自宅ビルを本で埋め尽くしてます。うらやましい。
 ちなみにダリアンも読子も本の棚買い(棚ごと全部)をやってます。
 R.O.D:倉田英之、イラスト 羽音たらく、スーパーダッシュ文庫
(*3)GOSICKシリーズ
 桜庭一樹、イラスト 武田日向、富士見ミステリー文庫⇒角川文庫
 直木賞作家、桜庭一樹によるライトノベル。富士見ミステリー文庫では武田日向の表紙がかわうくてお勧めなのに、影絵表紙版の角川文庫が出たせいか絶版になったみたい。
 何をすんねや、角川文庫!
(*4)凶暴な口
 小松左京、夜が明けたら (ハルキ文庫)、小松左京コレクション4(ジャストシステム)に収録
(*5)8マン
 1963年より週刊少年マガジンに連載されたSF漫画、及びテレビアニメ。
 原作 平井和正、漫画 桑田次郎
(*6)コンラッド消耗部隊
 リチャード・エイヴァリー、創元推理文庫
(*7)わが名はコンラッド
 ロジャー・ゼラズニイ、ハヤカワ文庫
(*8)怪奇植物 グリーンモンス
 ウルトラマンに登場する怪獣。植物怪獣としてはウルトラセブンの”吸血植物 ケロニア”なんかもメジャーですが、形的にはグリーンモンスっぽいです。
(*9)コブラ
 週刊少年ジャンプに連載された寺沢武一のSFアクション漫画及びアニメ。
 本エピソードは”コブラ(完全版)7 (メディアファクトリー)”に収録。
(*10)スカイ・クロラ
 森博嗣の小説。2008年に押井守の監督、Production I.Gの製作でアニメ化。

世の中には知るべきでないこともあるのですよ、知ってても何の役にも立たない知識もあるけど・・・中編(ダンタリアンの書架/連理の枝)

 ども、脳内にダンダリアンの書架を持つ男、たいちろ~です。(ウソです)
 ”ダンタリアンの書架”、1回でおさまらなかったので続きます。
 注:かなりネタバレですので、本書を読んでからこのブログを読まれることをお勧めします。


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写真はたいちろ~さんの撮影。下鴨神社の連理の賢木(さかき)です。


【本】ダンタリアンの書架(三雲岳斗、イラスト Gユウスケ、角川スニーカー文庫)
 ヒューイは蒐書狂の祖父から古ぼけた屋敷とその蔵書を引き継いだ。そして、その屋敷で本を読む少女に出会った。胸に大きな錠前をつけたダリアン。彼女こそ禁断の本”幻書”を納めた”ダンタリアンの書架”への入り口だった・・・
 文庫で6巻、阿倍野ちゃこによるコミカライズ他が発売中。
【花】連理の枝
 2本の木の枝や1本の木が分かれたあとくっついたもの。”比翼の鳥”と並んで縁結び、夫婦和合などの象徴になっています。


 それそれのエピソードからオリジナルを拾うシリーズ、3巻からです

〔換魂の書〕第3巻第1話
 阿倍野ちゃこによるコミカライズの1作目がこれ。白黒のコントラストが強く、細い線が物語の雰囲気に合ってて、ハマっちゃいました。
 好きな作家をファンが監禁して小説を書かせるって内容は、スティーブン・キングの”ミザリー(*1)”かな。まだ読んでないけど。
 でも、魔道の書を使ってまで書かせたい話ってのがボーイズラヴってのはねぇ。これも時代なんでしょうか・・・

〔魔術師の娘〕第3巻第4話
 本書の中でネタばらししているとおり、ベースは”竹取物語(*2)”。5人の求婚者が探すのが”幻書”ってのが本書らしい味付け。
 でも、命がけで戦った求婚者ではなく、新しい恋人とくっついて”ごめんなさいね”の一言ですませるのも現代っ子(死語)かも。この時、ダリアンがフラれた求婚者アルマンさんに渡した本はなんだろう?

〔間隙の書〕第4巻第1話
 細野不二彦の”ジャッジ(*3)”に闇の六法全書という本の中から人を殺すってネタがあったような。この”闇の六法全書”ってのも法律で裁けない極悪人を裁くためのアイテムって意味で”幻書”なんでしょうね。

〔連理の書〕第4巻第3話
 女運の悪いアルマンさんが再登場。
 ”連理の書”はペアで男女を結びつけるというおまじないグッズの超強力なもの。でも、ここまで強すぎるとねえ。
 嫉妬深い女性キャラは山ほどいますが、”源氏物語(*4)”に登場する六条御息所あたりがメジャーかな。同じく源氏物語の”桐壷”では”翼をならべ、枝を交はさむ”という一節がありますが、枝を交はさむが”連理の枝”のこと。古典の時間でやったかな? 覚えてますか? で、このオリジナルが白居易の”長恨歌(*5)”。物語ってのは語り継がれていくんですね。
 あっ、友人に”あさきゆめみし(*6)”借りっぱなしだった!

〔調香師〕第4巻第4話
 調香師というのは、食品や香粧品の香料を調合する実在するお仕事。
 本書に登場するフィオナは匂いでその人の感情を読んでますが、”ギャラリーフェイク(*7)”登場するジャン・ポール・香本ってのも同じ芸当をやってたかと。ただし、こっちは感情により変わる女性の体臭に耽溺するという変態。

〔幻書泥棒〕第4巻第5話
 幻書を盗み出す泥棒さんのお話。最終章のシーン”ルパン三世 カリオストロの城(*8)”を彷彿とさせます。
 ユナ先生がルパン、焚書官のハルが銭形警部、薄倖の美少女エリーシャがクラリスの相似形と言えばご納得いただけるかと。
 そういえば、さらわれそうになるエリーシャをサイドカーで追っかけて助けるってのもカリオストロのエピソードっぽいし。
 ”ダンタリアンの書架”はガイナックス(*9)でアニメ化するみたいですが、このエピソードをやるなら、エリーシャの中の人は島本須美さん以外にありえません。

 なにぃ~、今回も終わらんかった!
 ということで3回目に続きます

《脚注》
(*1)ミザリー
 スティーブン・キング 文春文庫
 1990年にキャシー・ベイツ主演で映画化。ベイツはこの映画でアカデミー主演女優賞を受賞。
(*2)竹取物語
 成立年、作者ともに不詳。岩波文庫、角川文庫他
 Amazon.com見てたら、星新一訳ってのがありました。今度読んでみよう。
(*3)ジャッジ
 細野 不二彦、双葉文庫―名作シリーズ
(*4)源氏物語
 日本の古典文学の代表的な存在。でも、”ドラゴン桜”(三田 紀房 モーニングKC)の桜木先生曰く”中世のヒマなやつらが四六時中スケベなことを想像していて、そんなやつらがヒマつぶしに書いたオバハンとオッサンの世間話”。まあ、そうも言えます。
 紫式部 岩波文庫、角川文庫など多数
(*5)長恨歌
  在天願作比翼鳥、在地願爲連理枝
  天にあっては願わくは比翼の鳥となり、地にあっては願わくは連理の枝となりましょう
 白居易 岩波文庫 他
(*6)あさきゆめみし
 大和和紀によってマンガ化された”源氏物語”。講談社漫画文庫
 上記の桜木先生が古典アレルギーを解消するのに使ってましたが、マジで置いてある予備校もあるそうです。
(*7)ギャラリーフェイク
 細野 不二彦 ビッグコミックス
(*8)ルパン三世 カリオストロの城
 『ルパン三世』の劇場映画第2作、現スタジオジブリの宮崎駿の初監督作品。
 ヒロインのクラリスの声を演じたのが声優の島本須美さん。文句なしの名作です。
(*9)ガイナックス
 ”新世紀エヴァンゲリオン”を作成したマニアックなアニメ製作会社。
 この会社は本歌取りというか、あるネタに新しいセンスを持ちこむのが得意で、代表的なのは”エースをねらえ!”(山本鈴美香 集英社)のSF化”トップをねらえ!”とか。タイトルもSF作品のタイトルをテーマにしたりとか、いろいろやってくれます。

世の中には知るべきでないこともあるのですよ、知ってても何の役にも立たない知識もあるけど・・・後編(ダンタリアンの書架/ヒース)

 ども、活字中毒者のおぢさん、たいちろ~です。
 ”ダンタリアンの書架”、2回でも終わんなくて、とうとう3回目、本ブログ史上(そんな大層なモンか?)のネタです。
 注:かなりネタバレですので、本書を読んでからこのブログを読まれることをお勧めします。

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写真はたいちろ~さんの撮影。近所の園芸店のジャノメエリカ(ヒース)です。


【本】ダンタリアンの書架(三雲岳斗、イラスト Gユウスケ、角川スニーカー文庫)
 ヒューイは蒐書狂の祖父から古ぼけた屋敷とその蔵書を引き継いだ。そして、その屋敷で本を読む少女に出会った。胸に大きな錠前をつけたダリアン。彼女こそ禁断の本”幻書”を納めた”ダンタリアンの書架”への入り口だった・・・
 文庫で6巻、阿倍野ちゃこによるコミカライズ他が発売中。
【花】ヒース
 本来はイギリス北部、アイルランドなどにおける荒地のこと。植物の名前としてはジャノメエリカなど。
 ヒースといえばエミリー・ブロンテの”嵐が丘”の主人公、ヒースクリフなんてのがありますが、今回は関係なさそうです。


 それそれのエピソードからオリジナルを拾うシリーズ、5巻からです

〔時刻表〕第5巻第1話
 時を運行する電車といえば、”仮面ライダー 電王(*1)”なんかもありますが、時を超える脱線しそうな電車というんでは、”バック・トゥ・ザ・フューチャー3(*2)”かな。

〔猫と読姫〕第5巻第2話
 園芸本がテーマのエピソード。オリジナルってのはなさそうですが、ネコの名前が雑草(ヒース)ということで、ガーデナー的に取り上げてみました。

〔航海日誌〕第5巻第3話
 幽霊船モノも山ほどありますが、イントロの”船には船長と乗務員が必要だ”から連想するのは、やはり”パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド(*3)”かな。
 ブラックパール号の船長、ジャック・スパロウのおねえ言葉が印象的。おわかり?

〔つながりの書〕第5巻第4話
 意識を共有して一個の生命体になるってネタもいろいろありますが、メジャーな所では”エヴァンゲリオン(*4)”に登場した、完全な単体生物へと人工進化させる”人類補完計画”。もちっとさかのぼると、諸星大二郎の”生物都市(*5)”なんてのもあります。
 ちなみに、諸星大二郎には”壺中天(*6)”というそのものズバリの題名のものも。
 このエピソードには白い衣装を着た”教授”と呼ばれるマッド・サイエンティストが登場しますが、ここからの連想が”灼眼のシャナ(*7)”に登場する”探耽求究(たんたんきゅうきゅう) ダンタリオン”。まんまです。
 ”灼眼のシャナ”からは、主人公のシャナがメロンパンへの偏愛がダリアンの揚げパンとして乗り移っています。

〔雛型の書〕第6巻第1話
 命を別のものに移した不死性というとこでは”ドリアン・グレイの肖像(*8)”あたりを連想しました。

〔棺の書〕第6巻第2話
 ゲストキャラで”オルリック”ってのが出てきますが、名前の連想では”超人ロック(*9)”のエピソードに出てくる”オーリック家の書”あたり。
 変な建物を作る建築家としては”館シリーズ(*10)”の中村青司なんかも思い出されますが、まあ、包帯少女のほうがインパクトあるか・・・

〔人化の書〕第6巻第3話
 声をなくした人魚は童話作家アンデルセンの”人魚姫(*11)”から。
 人魚姫役のリーシアがかわういので、そういうことで。
 だから、”クトゥルフ(*12)”なんて無粋なツッコミはやめましょうね!

 3回にわたってお送りしました”ダンタリアンの書架”のモトネタ探しですが、たぶん知らないだけでもっとあるんだろうな~~。
 ”物語”にはマザーモデルと呼ばれる源流みたいなものがあります。シェイクスピアの”ロミオとジュリエット”が原型となって、いろいろな”恋愛物語”が生み出されてきたように、過去の遺産=本が、新しい本を紡ぎ出していくんでしょうね。
 だから、別にパクリだなんだ言うつもりは一切なくて、こういった楽しみ方もあるってことです。

 ”ダンタリアンの書架”は最初の1冊を読んで、その日のうちに残り5冊を大人買い。こんなことやってっから、本がたまる一方なんですが・・・

《脚注》
(*1)仮面ライダー 電王
 オレ様系キャラが一部のマニアに大受けした2007年放映の”平成仮面ライダーシリーズ”第8作。
(*2)バック・トゥ・ザ・フューチャー3
 ロバート・ゼメキス監督、マイケル・J・フォックス主演の”バック・トゥ・ザ・フューチャー シリーズ”第三作。1990年公開。
(*3)パイレーツ・オブ・カリビアン
 ゴア・ヴァービンスキー監督、ジョニー・デップ主演。2007年公開。
(*4)エヴァンゲリオン
 1995年放映のアニメ。原作はガイナックス、監督は庵野秀明。
(*5)生物都市
 1974年の手塚賞作が。リアルタイムで読みましたが、諸星のあのぐねぐね感がインパクトありました。
 彼方より―諸星大二郎自選短編集(集英社文庫)に収蔵
(*6)壺中天
 諸怪志異(第2巻) アクションコミックス
(*7)灼眼のシャナ
 高橋弥七郎、イラスト いとうのいぢ、電撃文庫
 ダンタリオン(Dantalion またはダンタリアン Dantalian)はソロモン72柱の魔神の1柱という正当?な悪魔なので名前かぶりはありですが、こうも似た人になるとは・・・
(*8)ドリアン・グレイの肖像
 オスカー ワイルド 岩波文庫、新潮文庫他
 最近では”リーグ・オブ・レジェンド(主演 ショーン・コネリー、監督: スティーブン・ノリントン)にも登場。
(*9)超人ロック
 聖 悠紀 少年画報社
(*10)館シリーズ
 ”館シリーズ”は綾辻行人の推理小説。講談社。
 中村青司は、この小説の舞台になる家設計した建築家です。
(*11)人魚姫
 アンデルセン、新潮文庫他 多数
(*12)クトゥルフ
 ラヴクラフトのクトゥルフ神話体系から。ラヴクラフト全集(創元推理文庫)など。
 ”ネクロノミコン”を始め魔導書てんこもりですが、怖いの苦手なので読んでません。

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堕ちてゆくのもしあわせだよと、体あわせる相手もいない(下流志向/落ちないリンゴ)

 ども、人生の勝ち組のおぢさん、たいちろ~です。(ウソです)
 さて、大学生の就職活動は相変わらず厳しいようです。年末年始にかけてのニュースで会社説明会などの開始時期を、大学3年生の10月から12月に延ばそうというのがやってました。内定の解禁が(有名無実化してたとはいえ)4年生の10月だったおぢさん世代には隔世の感がありますが、昨年子供をやっとこさ大学に入学させたとこなのに、もう就活かよ~~
 ところで、世の中には学ばない、働かない人達もいるようで、今回ご紹介するのはそんな人たちを扱った”下流志向”であります。


Photo
写真は“藤崎学プロジェクト”のHPより。受験の縁起物”落ちないリンゴ”です。


【本】下流志向(内田 樹、講談社文庫)
 サブタイトルに”学ばない子どもたち 働かない若者たち”とあるように、なぜ若者たちが学習や労働から逃避するようになったかという分析の本。
【花】落ちないリンゴ
 1991年の台風19号により、青森では収穫直前のリンゴが樹から落ちてほぼ壊滅状態となりました。その中でわずかに落ちなかったリンゴを”落ちないリンゴ”として受験生の合格祈願の縁起物にと云うアイデアが全国的に評判になりました。
 (”有限会社 落ちないリンゴ”のHPはこちらから)


  ”先生、これは何の役にたつんですか?”

 最近では勉強をするのにこんな問いが小学生からあがってくるんだそうです。
 まあ、会社でも”この仕事に何の意味があるんだ??”ってなモノもあります。仕事の場合、何らかのシナリオなり文脈の中であればその必要性を説明できますが(*1)、小学生に言われてもねぇ。
 本書の中で、”そんな問いが子供の側からでてくるはずがない、ということが教育制度の前提になっている”と言ってますが、これは長い歴史の中で教育を受けることの権利闘争みたいな知識を知っていてこその話。今だったら、”東京大学の入学は人生のプラチナチケット(*2)”みたいな説明のほうが納得できるかも。実も蓋もないけど。
 筆者の内田氏は経済合理性的な説明には否定的な見解みたいですが、しょうがないんじゃないかなぁ。なぜなら、本書の論調が”教室は不快と教育サービスの等価交換”だから。もう少し詳しく書くと、

  ・子供たちが消費主体(教育の買い手)というポジションを無意識のうちに先取りしている
  ・50分間の授業を黙って聞くのは不快(支払うべき貨幣)
  ・用途や有用性が理解できない商品は存在しない(買う価値がない)
  ・よって、この商品(学習すること)が不快な思いをして受けることを納得するのに
   何の役にたつのかを聞くのは、消費者(学生)の権利であり義務

 ということです。

 さらに問題を複雑にしているのが、教育によって得られるメリットが保証されなくなってきていること。いわゆる”パイプラインの水漏れ(*3)”というやつです。本書で”勉強するといい学校に入れて、いい会社に入れて、高い給料が貰えて、いい結婚ができる”みたいなのが書いてありますが、そんな高度成長時代の価値観を一番信じていないのは、実は親の世代だったりします。

 で、労働になるともっとやっかい。自己の苦役と対価が釣り合わなければ(等価交換が成立しなければ)働かないといった選択肢が発生してしまう。いわゆるニート問題です。
 言っちゃナンですが、四半世紀以上サラリーマンやってますが、そんな割のいい仕事は数えるほどもありませんぜ! 
 ”ちょっと働くだけだけで、莫大な利益を出せる仕事があるけど、やる?”とか言われたら、はめられるんじゃないかと疑ってしまいます(単に素直じゃないだけかもしれませんが・・・)

 さらに、ニートは結婚するのも難しいでしょうし(*4)、そもそも引きこもってしまえば、出会いもない。

  時の過ぎゆくままに この身をまかせ、男と女が 漂いながら
  堕ちてゆくのも しあわせだよと、二人つめたい 体あわせる

 1975年のヒット曲、沢田研二の”時の過ぎゆくままに(*5)”の一節ですが、このころの若者は結婚しないまでも”同棲(*6)”するという選択肢もありました。この唄では、少なくとも体をあわせる相手がいますが、引きこもってしまえば出会いの機会すらない。親が亡くなった後、収入もなく、体を壊しても介護してくれる伴侶もいない状態になっちゃったらどうするんだろう? 
 本書では”時間的なスキャン能力”という言い方をしていますが、ぶっちゃけ想像力の問題。小学生でも”将来なりたいもの”と聞かれたら、野球選手なりサッカー選手なりお医者さんなり大工さんなり答えるんだから。
 10年後の自分を考えても自己責任でニートという人生を選ぶなら、それなりの覚悟で責任を持つべきだと思います(*7)。

 まあ、批判的な意見を書いているようですが、本書はけっこう納得する部分も多い本です。若い人は一度は読んどいても損はない本です。
 ただし、読むのは堕ちる前にですが
 リンゴだって、落ちなかったからこそ価値があったんだし・・・

《脚注》
(*1)何らかのシナリオなり文脈の中であれば~
 いや、ホントに何のためにやるのかわからんものもありますが・・・
(*2)東京大学の入学は人生のプラチナチケット
 ”ドラゴン桜”(三田 紀房 モーニングKC)で、桜木建二先生がこんな趣旨の話をしています。チケットを買うのは大変だか、手に入れれば人より素晴らしい人生が送れる(可能性が高くなる)といった意味です。
(*3)パイプラインの水漏れ
 ”希望格差社会”(山田昌弘、筑摩書房)より。
 かつては、高校、大学などの受験を経いろなレベルに振り分けられることで、人生の先行きが保証されていたのに対し、最近ではこの振り分けがうまく機能せずパイプラインから水が漏れるようにがんばっても途中で落っこちてしまうこと。
(*4)ニートは結婚するのも難しいでしょうし
 経済的な問題もありますが、”最小の努力で最大の効果”を是とする女性にとって、親が莫大な遺産を残しているのでもなければ、社会的なステータスも将来的な展望もない男をダンナにしたいと思わないんじゃないかなぁ。
(*5)時の過ぎゆくままに
 昭和のキムタク、沢田研二主演で、3億円強奪事件をモチーフにしたテレビドラマ”悪魔のようなあいつ”の主題歌。作詞 阿久悠、作曲 大野克夫。
 ちなみに、1975年は経済は世界同時不況泥沼のベトナム戦争(同年に終結)、環境汚染問題をテーマにした有吉佐和子の”複合汚染”がベストセラーになるなど、2010年を彷彿とさせる年でした。
(*6)同棲
 結婚していない男女が、一緒に暮らすこと。最近聞かないけど死語なのかなぁ。
 上村一夫原作のコミック”同棲時代”が由美かおる主演で映画化されたり、同棲する2人の生活を歌った”神田川”(南こうせつとかぐや姫)がヒットしたのは1973年のことです。
(*7)それなりの覚悟で責任を持つべき~
 本書の中で、”自己責任でニートになった人も社会が飢えさせない”ことを常識化することで社会的コストを最小化するという話が出ていますが、なんだかなぁ。
 言ってることはわからんでもないですが、それでもいいかと言われると・・・

コミックマーケットって、リアルワールドのロングテールかもしれない(ロングテール/東京ビックサイト)

 あけましておめでとうございます、こんなブログを書いてますがヲタクではないおぢさん、たいちろ~です。
 さて、年末にテレビを見ておりますと、東京ビックサイトのコミックマーケット(*1)の話題がやっておりました。
 冬の「コミケ」としては過去最高の52万人、サークル数35,000が参加したとのこと。一口に52万人と言いますが、2010年の東京モーターショーが13日間で61万4千人程度、東京ゲームショーで20万8千人程度ですがら、素人の集まりでこんだけ集客力があるってのはたいしたモンです
 実は、今年度入社の新人にコスプレイヤーの女性が一人いるので”いてるかな~~”と思って見てましたが、さすがにわかりませんでした。


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写真はたいちろ~さんの撮影。会場になった東京ビックサイトです。


【本】ロングテール(アップデート版)(クリス・アンダーソン 早川書房)
 メガヒットの影には膨大な売れないマーケットがある。売れないのはそれを置く棚がないからだ。だから、インターネットにより無限の棚が用意された時、そこにビックなビジネスが登場したんだ。
 Amazon.comに代表される”ロングテール”というビジネスモデルを唱えたワイアード誌の編集長の本。この人は無料ビジネスの可能性を扱った”フリー(*2)”の作者でもあります。
【旅行】東京ビックサイト
 日本最大のコンベンションセンター。
 仕事で何度か行ったことがありますが、千人を収容する国際会議場、大ホールが10ケと相当でかいです。コミケは東京ビックサイト最大のイベントのこと。


 さて、先日クリス・アンダーソンの”フリー”を読んだので、併せて”ロングテール”を久々に読んでたんですが、ふと思ったのはAKB48(*3)やコミックマーケットって、リアルワールドのロングテールじゃないのかなと

 改めて説明すると、”通常の小売業界の場合、上位20%の商品で売り上げ全体の80%を占めるため(パレートの法則(*4))有限な棚のスペースを売れ筋に割り当てる必要があるが、実質的に無限のスペースのあるインターネットショッピングだと、Amazon.comのような書籍の場合、リアル店舗におけない本(10万位以下)で1/4、全体では1/3の売上を上げている”、これがロングテール。

 実際にブログをやりだしてわかったんですが、このブログを初めて約2年で書いた276件の記事の内、4ケ月間のアクセス数の20%が上位8ケの記事(全体の2.9%)で占められてますが、それ以外のほぼ全部の記事(2年前に書いたものも含めて)も少なくとも1回はアクセスされているんですね。これも典型的なロングテール。

 ロングテールがビジネスになったのは

  生産手段の民主化:パソコンなどで、誰でも簡単にコンテンツが作れるようになった
  流通手段の民主化:インターネットで多くの人に安く商品を届けられるようになった
  需要と供給の一致:テール(*5)の部分を紹介するための仕組みが登場した
              検索エンジンや、レコメンデーション、ユーザー・レビューなど

という条件が整ったから(本書より)。

 コミックマーケットがなぜリアルなロングテールと思ったかというと、ほとんど個人かグループレベルで作っていて、普通ならそんなに冊数がさばけないであろう同人誌でも、35,000のサークルという量を集めることでかなりのビジネス規模になってるんですね。1人でどれぐらいお金を使うかわかりませんが、仮に1万円だとすると52万人×1万円で52億円(*6)。

 上記との比較でこの理由を考えると

  生産手段の民主化:印刷技術の発達やパソコンなどで、同人誌の作成が簡単できる
              ようになった
  流通手段の民主化:東京ビックサイトという”場”を提供することで、モノを見て
              買い物をするコスト(交通費は別にして)が下がった
  需要と供給の一致:紙に加えCD-ROM版のカタログ(通販できます)や、
              ネットで事前に検索できるようになった

 35,000サークル自体が膨大ですが、これ以上にサークル数はあるんでしょうから、場所が許せばもっといくんでしょうか(*7)。

 ”リングテール”(本のほう)の良いところは、無条件にネットを賛美したりせず、ビジネスモデルの成り立ちとしてクールに分析しているところ。ネットを無条件に信じることの危険性とバズコミュニケーション(口コミ)の可能性をバランスよく評価しているところなんか、さすがに編集長の重責にあった人だけのことはあります。
 原書は2006年の発刊ですが、映像作品の時間が短くなっていることから、現在のツイッターの流行を予言するような示唆(*8)

  利便性や娯楽の面では短いコンテンツが求められ、
  奥深さや満足度の面では長いコンテンツが求められるようになる

があるとこなんかもさすがです。
 今後のネットビジネスを考えるにはオススメの1冊です。

《脚注》
(*1)コミックマーケット
 東京ビックサイトで夏と冬に開かれる世界最大の同人誌即売会。通称”コミケ”
 漫画・アニメ・ゲーム・アイドルグループファン同人誌・フィギュア・コスプレなんでもあり。行ったことはないですが、上記のコスプリヤーの子いわく、夏は相当暑いそうです。
(*2)フリー(クリス・アンダーソン 日本放送出版協会)
 なぜ、ネットワークのサービスは無料にしてもビジネスが成り立つのかという疑問を分析した本。日本語の副題は”〈無料〉からお金を生みだす新戦略”。詳しくはこちらでどうぞ
(*3)AKB48
 総勢48人程度のアイドルグループ。センターのトップアイドルを中心に美少女てんこ盛りにすることで新しいアイドルビジネスを作りだしました。
 詳しくは”まあ、並以上の美少女が48人もいれば一人ぐらい好みがいるもんです”をご参照ください。
(*4)パレートの法則
 イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートの発見した”全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出す”という説。”売上の80%は、全従業員の20%が生み出す”、”仕事の成果の80%は、費やした時間全体の20%で生み出される”など。
 じゃあ上位20%だけ集めて仕事をすりゃいいかというとそうでもないらしく、何かの本で読んだんですが、働きアリの内、真面目に働く20%(あとの80%は働いていないらしい)を集めた集団を作ると、やっぱり真面目なのは20%になっちゃうそうです。
(*5)テール
 大ヒット(上記の上位20%にあたる部分)をヘッド、それ以外の売れないけどやたら数の多い部分をテールと言います。表にすると後にず~と長く続くのでロングテール。
(*6)52億円
 これがビックビジネスかどうかはいろいろ意見があるでしょうが、私がよく利用するブックオフの場合、全900店舗の2011年1~3日の売上は過去最高の13.8億円(前年同期比5.5%増)、客数112万人(同17.5%)、一日当たりの売上だと2日が創業以来最高の5億円だったとのことです(@niftyニュースより)
(*7)これ以上にサークル数はあるんでしょうから~
 サークルの参加は抽選だそうですので、参加希望だけでも35,000以上あるみたいです。ちなみに、コミケは東京ビックサイトを全部使っているそうなので、これ以上サークル数を増やすには日数を延ばすしかないんでしょうか?
(*8)現在のツイッターの流行を予言するような示唆
 Obvious社(現Twitter社)がサービスを開始したのが2006年7月、注目を集めるようになったのは07年以降のことです。

まあ、並以上の美少女が48人もいれば一人ぐらい好みがいるもんです(AKB48/水滸伝/フェアリースター)

 あけましておめでとうございます、たいちろ~です。
 読みたい本がたまっていることもあって、今年は寝正月をきめこんでおります。まあ、ヒマではあるのでTVを付けっぱなしにしておりますと、”あけましてAKB!2011年もガチでいきます! 生で晴れ着で全員集合! 大新年会SP”というのをやっておりました。ちょうどチャンネルを変えると”ダイビングクイズ(*1)”のようなクイズをやってるとこで。
 まあ、自分の娘と同じぐらいのお嬢さん方がきゃあきゃあやっているのは微笑ましくもありますが、実はPVやCM以外で動いているAKB48全員を見るのはこれが初めてでして・・・ (^_^;)ゝ


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写真はたいちろ~さんの撮影。近所の園芸店のフェアリースターです。


【TV】AKB48
 ”夕やけニャンニャン(*2)”を手掛けた秋元康プロデュースのアイドルグループ。
 秋葉原に専用劇場のある”平成の宝塚歌劇団”。
 おそらく2010年度にもっともヒットしたコンテンツ。説明不要。
【本】水滸伝
 汚職官吏や不正がはびこる北宋末期、百八の魔星の生まれ変わりである好漢(英雄)たちが梁山泊と呼ばれる自然の要塞に集結し、悪徳官吏を打倒し、国を救うために立ち上がる。
 日本でも、吉川英治や、柴田錬三郎北方謙三の小説版、横山光輝のマンガ版、中村敦夫のテレビドラマ版など名作が多数発表されています(*3)。
【花】フェアリースター
 ニチニチソウの一種ですが、通常の品種の約1/4程度の星型の小さな可愛らしい花が沢山咲きます。
 背の低い横張性の株で、色もピンク、赤、白と集まるとなかなか華やかな花で”ジャナンフラワーセレクション2009”でベストフラワーを受賞したとのこと。
 (フェアリースターは第一園芸の登録商標です)。


 まあ、こんだけ、並以上の美少女がいれば一人ぐらい好みにあう子がいそうなもんで、そういった意味では”AKB48”って企画の勝利なんでしょうねぇ。センターやってる前田敦子や大島優子あたりだと、ピンでやってもアイドルになれたんでしょうが、それだけだとここまで社会現象化しなかったんでしょう。ロングテール(*4)というか、トップアイドル以外でも集まれば違ったビジネスが出来る好例でしょうか。歌番組(死語)が減っている現在では、時節にあっってるんでしょうし。

 個性的なキャラクターを集めるってのは別にAKB48やライトノベルに始まった話ではなくて、おぢさんたちが大好きな幕末や、戦国時代の歴史群像なんてまさにそう(*5)。坂本龍馬がど~したとか、勝海舟がこ~したとか、酒を飲みながらうだうだ言ってるのとあんまし変わんないかも。
 キャラクター群像として秀逸な例として北方謙三版の”水滸伝”(*6)なんかだと

  リーダ :・梁山泊の思想的リーダー、替天行道の作者 ”宋江”
       ・戦闘面におけるリーダー、2代目首領 ”托塔天王 晁蓋”
       ・軍師兼施政担当する知略の人 ”智多星 呉用
       ・巧みな用兵を行う軍人 ”双鞭 呼延灼”
  軍事  :・槍の腕は天下一、槍術師範 ”豹子頭 林冲”
       ・剣の達人、宝剣・吹毛剣の使い手 ”青面獣 楊志”
       ・破壊工作や暗殺などを担当する致死軍総隊長 ”公孫勝”
       ・棒術の達人、背中に九紋竜の刺青を持つ男 ”九紋竜 史進”
  後方支援:・天才的な医術の持ち主 ”神医 安道全”
       ・闇塩で軍資金を調達する財政担当 ”盧俊義”
       ・通信網として統括・維持の担当、俊足の持ち主 ”神行太保 戴宗”
       ・好漢を集めるオルガナイザー、隻腕の僧侶 ”花和尚 魯智深”

 まあ、書き出すときりがない名キャラクターのオンパレード。それぞれに固有のファンがいそうです。実際に好きなキャラクターの人気投票なんかもやってるし。
 AKB48も↑みたいなリストを作れそうですが、下手なことを書くとどこからナニ飛んでくるかわからないので割愛(やってそうな人もいそうだけど)
 まあ、若者だろうが、おぢさんだろうが対象が違ってもやってることは似たようなモンです。

 むくつけき水滸伝のおっさんキャラとフェアリー(妖精)なAKB48のお嬢さん方をいっしょにしちゃいけないかも知れませんが、まあ、星(スター)つながりと言う事で。正月ネタですし・・・

PS.ちなみに私は秋元才加(*7)が推メンです。

《脚注》
(*1)ダイビングクイズ
 1964年~74年に毎日放送で放映された視聴者参加型クイズ番組。見ていた時の司会は若井はんじ・けんじでした。
 Wikipediaによると7人抜きの賞金が30万円とのこと。”そんなもん?”と思われるかもしれませんが、65年の大卒男子の初任給が2万4千円程度でしたから、けっこうな大金です。
(*2)夕やけニャンニャン
 1985年~87年にフジテレビで放映された伝説の女子高校生バラエティ番組。
 さすがにこのころは社会人になっていましたので番組を見たことはほとんどありませんが。でも、AKB48って、やってるこた25年前とあんまし変わらない気が・・・
(*3)日本でも、吉川英治や、柴錬三郎、北方謙三の小説版~
 お手軽に読むなら、横山光輝のマンガ版がオススメ。1967~71年の連載ながら現在でも潮出版社より入手可能。
 ちなみに、横山光輝の晩年の名作アニメ”ジャイアントロボ THE ANIMATION 地球が静止する日”ではスター・システムをとっていて、水滸伝の英雄たちが数多く登場します。
(*4)ロングテール
 一般的には、特定分野の売り上げは上位の20%が全体の80%を占めるため、上位20%の商品を多く揃えなければならないが、オンラインショッピングでは在庫のコストを小さくできるため、残り80%をビジネスの収益源にできるという考え方。
 別にセンター以外のメンバーが売れないといっているわけではないので、怒んないでください。
(*5)おぢさんたちが大好きな幕末や~
 最近は若い女性もはまっているそうですが。歴女とか・・・
(*6)北方謙三版の”水滸伝”
 北方謙三版がユニークなのは、キャラクターが超能力者的な設定ではなくて、組織的な位置づけで書かれていること。たとえば ”戴宗”だと、オリンピック選手をしのぐ俊足扱いが多いですが、北方版では飛脚屋を営む通信担当とか。
 北方版水滸伝は”水滸伝”15巻、続編の”楊令伝”15巻で完結。水滸伝の途中で読むの止まっているので続き読みたいな~
(*7)秋元才加(あきもとさいか)
 通称”オカロ”(才加のカタカナ化)。AKB48の男前担当。
 上記のテレビでは割烹着に日本刀のような包丁でマグロの解体ショーをやってました。詳しくは、”あと、女子アイドルが美味しくいただけるようになりました”でどうぞ。

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