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2010年12月12日 - 2010年12月18日

日本そのものがデスマーチだからなぁ・・・(デスマーチ/ドクニンジン)

 ども、品質改善活動推進事務局のおぢさん、たいちろ~です。
 これでも一応コンピュータの会社に勤めておりまして、先日、品質改善活動ミーティングってのがありました。
 コンピューターをご購入いただいた方には申し訳ありませんが、コンピューターは必ず故障します。まあ、故障しても止まらないようにいろいろ手は打つんですが、絶対に故障しないハードウェアってのはありえないし(*1)。ソフトウェアも人間が作るので、何がしかのバグが入り込む確率は相当高いです。まあ、低予算、短納期、残業につぐ残業でプログラムを作っていればいたしかたない面もありますが・・・
 ということで、今回はシステム開発者必読の本”デスマーチ”のご紹介であります。


Dokuninjin
写真はドクニンジン。”身近な野生植物のページ”から。作成は帝京大学薬学部の研究者、木下武司氏です。さすがにおいそれと撮影できそうにないので使わせていただきました。


【本】デスマーチ 第2版(エドワード・ヨードン 日経BP社)
 サブタイトルの”ソフトウエア開発プロジェクトはなぜ混乱するのか”とあるように、システム開発にかかわるトラブル発生原因と対処法を分析した本。
 初版は1998年、第2版は2006年の出版ですが、状況はあんまし変わってないような気が・・・
【花】ドクニンジン(毒人参)
 セリ科の有毒植物。名前のとおり毒性アルカロイドであるコニインという神経毒を含んでいます。
 ソクラテスの処刑に毒薬として用いられたことでも有名。


 ”デスマーチ(死の行進)”と言われてもピンとこないかもしれませんが、

  常識的に見積もった開発期間を半分以下に圧縮したプロジェクト
  通常必要な人数の半分以下しかエンジニアを割り当てられないプロジェクト
  予算やその他の必要資源が半分に削られたもの。
  開発するソフトウェアの機能、性能、その他の技術的要素が通常の倍以上のプロジェクト

 のことで、失敗する確率が50%を超えるもののことです。
 まあ、”常識的に”とか、”通常必要な”とかの数字を出すのも難しいんですが(*2)、”そりゃ、ムチャぶりやろ~~~”という感覚は確かにあります。帰社時間間際になって上司から”このレポートまとめといてね、明日の朝一番の会議で使うから。あとパソコン壊れてるから手書きでね♡”みたいな。

 まあ、ステークホルダー(*3)が山ほどいて、予算も限られている中で、こうならないようにプロジェクトマネージャーしてはなんとかせんといかんワケです。
 本書の中で印象的だったのは”トリアージ(Triage)”という考え方。元々は大事故、大規模災害などで多数の傷病者が出てるにもかかわらず、医者、薬などのリソースが圧倒的に不足している状態で、重症度と緊急性によって傷病者を分別し治療の優先度を決定することです。感情論でいえば重症者を最優先する所ですが、現状の医療リソースで救命ができないなら優先度を落として、救えそうな人に医者や薬を割り当てるということです。非情な割り切りのように聞こえますが、これができないと、結局みんな救えないという事態になりかねません。
 今の日本みたいに”子供手当ては出します、法人税減税はやります、消費税は上げません。財源確保? 後は四露死苦!”はトリアージが出来てない状態。デスマーチまっしぐらです。

 まあ、言うは易く、行うは難しで、実際にやるのは大変。
 で、重要になるのがプロジェクトマネージャーの手腕。自ら望んでドクニンジン喰らう必要はないので、始まる前なら断るという選択肢もありますが、受けちまったらやらないといけないのがサラリーマンの辛いところ。でも、間違いや欠陥はそれとして、ちゃんと指摘し改善しないと問題は解決しません
 本書ではナポレオンのこんな言葉を引用しています。

  作戦に欠陥があると思いながら強行する指揮官は重大な誤りを犯している。
  欠陥があると思う理由をきちんと主張し、作戦の変更を求め、
  最後の手段として自分の兵隊を犠牲にするのではなく、
  自分の職をなげうつ覚悟が必要だ

 ともすると部下にしわ寄せをしがちな中、リーダーとしてはもって銘すべき言葉です。
 まあ、逃げ出したいことも多いでしょうか、”逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ”と唱えながらやるしかないんでしょうかね。絶対逃げるなと言ってるワケではありませんが、ダチョウじゃあるまいし(*4)闘わないで目をふさいでいても問題は片付かない。

 私から、追加で一言

  逃げないのが勇気のある者なのではなく、
  そこに留まり、敵に立ち向かうのが勇気のある者である。

  He is a man of courage who does not run away(*5),
  but remains at his post and fights against the enemy.

                 ソクラテス

 ”デスマーチ”はシステム開発者必読と書きましたが、本来は経営者や利用者に読んで欲しい本。好き勝手を言ってるだけでは決して良い結果に結び付かないという意識をみんなで共有すべきです。

《脚注》
(*1)絶対に故障しないハードウェアってのはありえないし
 高品質の例としてはアポロ計画などで使われた”シックスナイン”ってのがあります。これは99.9999%(9が6個並ぶ)の精度の意味ですが、この精度の部品を100ケ使って1万台の機械を作ると1台は故障する計算になります。
 でも、”シックスナイン”で検索するとエッチ系しか出てこないんだよなぁ。
(*2)”常識的に”とか、”通常必要な”とかの~
 過去の類似のプロジェクトとの比較とか、ファンクションポイント法(機能数や複雑さによって重みづけした点数で評価)とか、いろいろありますが、最初にすべての要件を決めるのも難しいので、やってみなければわからないという面があるのも確かです。
(*3)ステークホルダー(Stakeholder)
 利害関係者のこと。システム開発の場合はクライアントである企業の経営者、システム担当者、利用者をはじめ、値引き攻勢にあっているベンダ側の営業担当者も含まれます。まあ、敵、敵、敵、敵、味方、敵・・・・ってな感じでしょうか。
(*4)ダチョウじゃあるまいし
 ダチョウは危機が迫ると頭を地面や砂地の砂に突っ込んで危機をやり過ごそうとする習性があるそうです。ここからその場凌ぎの危機回避行動を”オストリッチ・コンプレックス”という言葉になりました。
 そういえば、”オストリッチ・コンプレックス”(エリオット・ワイナー 廣済堂出版)って本もあったなぁ、昔読んだけど。
(*5)run away
 ”run away”は「逃げる、逃走する」という意味。真人間だったころの田代まさしもいたシャネルズ の曲です。覚えてますか?
 ちなみに、”run away”の間は離すこと。”runaway”だと”暴走した、止めどもなく進む”という形容詞になります。

あと、女子アイドルが美味しくいただけるようになりました(となりの801ちゃん/百合)

 ども、ボーイズラヴ(BL)はよくわからないおぢさん、たいちろ~です。
 BLはよくわからんのですが、腐女子(*1)エッセイコミックの”となりの801ちゃん”はけっこう好きです。その新刊がでましたので、今回はそのご紹介であります。


0376
写真はたいちろ~さんの撮影。近所のオリエンタルユリです。


【本】となりの801ちゃん(小島アジコ 宙出版)
 奥様の名前は801ちゃん、そして旦那さまの名前はチベくん。ごく普通の二人はごく普通の恋をして、ごく普通の結婚をします。でも、ただ一つ違っていたのは、奥様は腐女子だったのです(*2)。
 同人作家、小島アジコによる漫画及びWebコミック(Web版はこちら)。
【花】ユリ(百合)
 ユリ科ユリ属の多年草の総称。
 キリスト教では白いユリ(マドンナリリー)は純潔や、聖母マリアの象徴として描かれていて、そのせいか花言葉は”威厳、純潔、無垢、純愛”など。


 第5巻のキーワードは”AKB48”。腐女子の801ちゃんですが、なぜかAKB48に大ハマり。大人になったからでしょうか? お題の”女子アイドルが美味しく~”は801ちゃんの発言から。

  女友達   :おとなになると食べれるもの増えるよねー
  801ちゃん:わかるわかる、私もーー!!
  女友達   :何食べれるようになったの?
  801ちゃん:かにみそとか、しいたけとか
         あと、女子アイドルが美味しくいただけるようになりました
         AKB・・・

 でも、801ちゃん的にはどうもBL的なご様子。初めてAKB48を見た時の感想は、

  801ちゃん:なんかこれ・・・ すごい面白そうな気がする・・・
  チベくん  :うん・・・ わかる・・・
  801ちゃん:何ていうか・・・ BL臭?
  チベくん  :何で、百合じゃないの?

 百合ってのは女の子同士LOVEのこと。百合族とかけっこう昔からあったんですがねぇ、”セーラー服 百合族”とか(*3)。
 チベくんの言うように、”ヘビーローテーション”のPVとか見てると女の子同士でキスしたり、とっても百合っぽい
 でも、801ちゃんの推メンが秋元才加(*4)ってのでなんとなく納得。確かにロングヘヤーの正統美少女なんですが、加藤夏希(*5)、黒木メイサ(*6)から連なる”戦闘美少女”ってイメージあるもんなぁ。きっと801ちゃん的心象風景には別のものが映っているのかも。
 本のオビに秋元才加のコメントが載った縁か、対談が実現。その時のうろたえぶりがWebに掲載されていますので、こちらもどうぞ

 そのほかにも、東京と地域のアニメ格差とか(*7)、ウルトラ5つの誓いのパロディネタ(*8)とかヲタクネタ満載です。
 一般人にもけっこう面白い話満載ですので、そっちの趣味のない人にもオスメです。

《脚注》
(*1)腐女子(ふじょし)
 男性同士の恋愛(BL)を扱った小説や漫画などが大好きな女性のこと。別名”801(やおい)”。
(*2)奥様の名前は801ちゃん~
 1966年から日本で放送されたアメリカABC作成のテレビドラマ”奥様は魔女”のオープニングのパロディです(映像はこちらから)。”奥様は魔女”はおぢさん世代にとっては、アメリカの家庭の豊かさを知った記念碑的作品です。
 ちなみに、801ちゃんご夫婦はでんでん普通の趣味ではありませんが。
(*3)百合族とかけっこう昔からあったんですがねぇ
 1970年代の元祖ホモ雑誌”薔薇族”の中でレズの人を”百合族”と呼んだのが始まりとか。
 ”セーラー服 百合族”(現在は”制服 百合族”に改題)は1982年に作成された日活ロマンポルノ映画(懐かしい・・・)。ロングヘアーの山本奈津子と、ショートカットの小田かおるのカップリング。さすがに観には行きませんでしたが、このポスターだけでも当時は結構衝撃的でした。監督のちに実写版”デビルマン”を担当した那須博之。
(*4)秋元才加(あきもとさやか)
 AKB48の元Kチームキャプテン。”笑っていいとも!”のレギュラーをやっているので見たことある人も多いはず。合気道2段の腕前、男前な性格で”兄貴”と呼ばれることもあるらしいです。
(*5)加藤夏希
 映画”仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL”初の女性仮面ライダー”ファム”を演じました(電波人間タックルはどこに行った?!)
 おぢさん的には”燃えろ!!ロボコン(1999年 テレビ朝日)”のヒロイン・ロビーナちゃんのほうが印象強いですが。
(*6)黒木メイサ
 ”SPACE BATTLESHIP ヤマト(2010年 東宝)”では戦闘班ブラックタイガー隊隊員でコスモタイガーのエースパイロットを演じました。まだ見に行ってないけど。
(*7)東京と地域のアニメ格差とか
 現在は東京にお住まいのようですが、実家は関西。おかあさんと妹のひなちゃんは今でも関西弁をしゃべってますが、高校時代には801ちゃんも関西弁をしゃべってす。
 東京、大阪ではTVのチャンネルが多いですが、実際地方に行くとチャンネル数が少なく放映されていない番組がいっぱいあってシャレになりません。
(*8)ウルトラ5つの誓いのパロディネタ
 ”帰ってきたウルトラマン”の最終回(1972年 TBS)でウルトラマン=郷秀樹が自分を慕う少年”坂田次郎”に残した言葉。この言葉を叫びながら次郎が走るシーンはなかなかの名シーン。でも801ちゃんの読者って、この話を知ってるんでしょうか?
 ちなみに「ウルトラ5つの誓い」とは
  一つ、腹ペコのまま学校へ行かぬこと
  二つ、天気のいい日に布団を干すこと
  三つ、道を歩く時には車に気をつけること
  四つ、他人の力を頼りにしないこと
  五つ、土の上で裸足で走り回って遊ぶこと

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