« 2010年11月21日 - 2010年11月27日 | トップページ | 2010年12月5日 - 2010年12月11日 »

2010年11月28日 - 2010年12月4日

そもそも自分に天職があるなんていうような思い込みが間違っているわけなのに(人生2割がちょうどいい/かすみ草)

 ども、ぼちぼち子供の就職が気になりだしたおぢさん、たいちろ~です。
 相変わらず就職の状況は厳しいようです(*1)。その上、大学3回生後半から始まる就活を後にずらそうとかの話も出ているようで、大学1回生とはいえ”やっと受験が終わったとこなのに、もう就活の心配かよ~~~”という気分です(*2)。
 ま、よっぽど会社の偉いさんならともかく、親自身がなんかできるわけもなくせいぜい能書きたれるぐらいなんですが、これも上昇志向で話すか、安定志向でしゃべるか、あんまし夢を見るなとアドバイスするかぐらいのバリエーションがある程度。
 ということで、今回ご紹介するのは3番目のアドバイスが載ってる”人生2割がちょうどいい”であります。


0388
 写真はたいちろ~さんの撮影。近所のかすみ草です。


【本】人生2割がちょうどいい(小田嶋 隆、岡 康道、清野 由美 講談社)
 かたや元アル中の辛口コラムニスト小田嶋隆、こなたワークホリックで離婚経験者のCMプランナー岡康道という高校時代の同級生による対談集。
 元々は”ウェブ時代のコミュニケーション作法”がテーマだったそうですが、あっというまに”人生の諸問題”に変わっちゃったそうです。
 進行役の清野由美のつっこみもいい味出しています。
【花】かすみ草(霞草)
 ナデシコ科カスミソウ属の花。花束の周りにアレンジされているので見たことがある人も多いかと。センターをはることはないけど、あるとないとでは華やかさが違うという意味ではAKB48の○○とか××みたいな存在(言えねぇ、言えねぇ)。
 花言葉は”夢見心地、清らかな心、魅力、無邪気”など。


 会社で本部の募集人員を決める人のお手伝いをしてるんですが(決める立場ではないです)、正直なとこ現場では人が不足しています。会社全体でも長らく採用を抑制していたので、人口構成もいびつ(*3)。だからホントは若い人がたくさん来て欲しいんですね。でも、採用は”業績の先行き”を見ながらやんないといけないので、多少景気が回復したといってもすぐには増やせない(景気自体、大して良くなっていないし)。
 かたや学生の側も、低下しているとはいえ11年度新卒者の有効求人倍率は1.28倍と、まったく就職できないってわけでもない。大学受験と違って浪人というリターンマッチが効きにくい状態で、どこまで夢を追いかけるかはまあ、本人次第ですが。

 言葉は悪いですが、就活ってのは採用される方もする方も博打みたいなとこがあって、どの程度のオッズ(難易度)の会社に自分というかけ金をベットするかです。当然、かけ金(学校の成績、クラブでの実績、自治会でのリーダ経験、大学のブランド力etc)をいっぱいもってる奴はオッズが高くても勝負を賭けられるし、ハコテン寸前の貧乏人が九蓮宝燈(*4)の一発逆転を狙うって夢を見るのはいかがなものかと。要はちゃんと実力を付けときましょうということ。まあ、会社側もおんなじですが・・・

 よしんば、うまく就職できたとしても、その会社されには配属先がその人に向いてるかはどうかはまた別。そこに”天職幻想”みたいなのを見ちゃいけないのかも

  清野 :君は組織じゃないと生きていけないタイプだから、っていう若者ほど
      逆にやめちゃったりしてるんですよね。
  小田嶋:それはある時期から、会社側の問題ではなくて、
      自分探し幻想みたいな話がたくさん出てきて・・・
       (中略)
      誰しも100パーセント適応する場所なんてないのに、
      ちょっとでもできないところがあると、それがすごくでかく見えちゃって
      もう、ここダメ、と
      そもそも自分に天職があるなんていうような思い込みが
      間違っているわけなのに
       (中略)
  岡  :昔より今のほうが、職業で自己実現をしようという
      幻想があるということでしょう
  小田嶋:職業で金を稼いで、その金で自己実現しよう、というふうには
      考えないんだろうね、きっと。

 引用が長くなりましたが、まあ会社に過大な幻想を持たないっていう発想の転換も必要なのかもしれません。会社に入ったからと言ってすぐに天職みたいな仕事ができるワケでもないし、自分の意思を通そうとするには、実力を蓄えて、出世してみたいな時間も運もです。大して出世してないおぢさんですが、まあこれは事実。それに”自己実現”って何したいんだっけ?!

 付け加えておきますが、本書の中で勉強しなかったとか、成績悪かったとか自虐ネタを披露している小田嶋、岡のご両人ですが、都立小石川高校(*5)、早稲田大学卒業という学歴的にはハイエンドな人たち。元々、ちゃんとかけ金を持ってるんですよね。それでも不遇の時代はあったし、運もあるけどそれだけじゃない。

 まあ、48人いたら48人ともがセンターに立てるわけじゃないです(じゃんけんで勝つって手もありますが)。花束だってバラやカラーのだけってのは華やかではあっても雅趣に欠けるってこともあって、かすみ草があってこそ映えることもままあります。
 ビジネスだって、リーダーの存在は大きいですがそれを支える番頭役がいないとうまくいかないケースってのもけっこうあります。それぞれの立ち位置に自分の存在意義を見出すって発想も、天職幻想に惑わされるより有意義かも
 別に就職に高望をするなと言ってるわけではありませんが、まあそういう考え方もあるってことです。

 就活に煮詰まってる人が肩の力を抜くには良い本。私はけっこう気に入っています。

《脚注》
(*1)相変わらず就職の状況は厳しいようです
 文部科学省と厚生労働省の発表によると、2011年春卒業予定の大学生の10月1日時点の就職内定率をは大学生全体で57.6%(前年同期比4.9ポイント減)。”就職氷河期”だった2000年前後の60%台を下回り1996年以降で最低とのこと。
(*2)大学1回生とはいえ~
 就活朝日(asahi.com)ではもう2012年春卒業者対象になってます。まだ、2010年も終わってないんだぜ、おい!
(*3)人口構成もいびつ
 御多分にもれず1980年代の中ごろから急速に増えだして、バブル期をピークにして一気に抑制したというパターン。この不均衡が是正されるのはバブル期入社組が定年退職する20年近く先だそうです。
(*4)九蓮宝燈(ちゅうれんぽうとう)
 ”九蓮宝燈をあがった者は死ぬという”迷信という迷信があるそうですが、これは全ての運を使い果たしてしまったからということらしいです。人生の先は長いんですからここで運を使い果たしてもねぇ。
(*5)都立小石川高校
 数多くの東大合格者を輩出し、OBには小沢一郎、鳩山由紀夫もいるという名門高校です。

失敗するのはよつばの仕事だ(よつばと!/定義山西方寺の仁王さま)

 ども、仕事でよく失敗するおぢさん、たいちろ~です。
 私自身は愛書狂なので、本やマンガとジャンルを問わずいろんな本を読みますが(*1)、時々”なんで面白いかわからないけど、すごく気に入っちゃう”という作品や作家ってのがいます。その代表が今回ご紹介するあずまきよひこの”よつばと!”。
 派手なドラマがあるわけじゃなく、強烈な個性のキャラクターがいるわけでもなく、癒し系とか萌え~とはちょっと違うんだけど、なんだか面白い
 なんとなくだけど、毎回買っちゃう、そんな作品です。


0379  0378

 写真はたいちろ~さんの撮影。定義山西方寺の仁王さま。
 金網ごしでちょっと見にくいですが、左が吽形像(うんけいぞう)、右が阿形像(あけいぞう)です。

【本】よつばと!(牧野武文、角川書店)
 ”よつば”は元気いっぱいの5歳の女の子。とーちゃんと二人暮らし。今日もお隣の綾瀬さんちのお姉ちゃんたちや、とーちゃんの友人のジャンボや、やんだと遊びに行ったり、家でお話ししたりしています。
 特に話題になるでもないのに、新刊が出ると必ずベストセラーになる漫画。でもそれが話題にならないのがまた不思議?!
【旅行】定義山西方寺の仁王さま
 定義山西方寺は仙台市郊外にある阿弥陀如来をご本尊とする古刹。
 ”仁王さま(金剛力士)”は”天部”という仏や仏法、仏法を信仰する人々を外的から守護する神々のグループに属してて、他にも四天王、八部衆、十二神将なんかがいらっしゃいます(*2)。いわば、”戦士属性”なので、怒りの顔はあたりまえでしょうか。


 さて、11月に発売された”よつばと!”10巻ですが、内容はとーちゃんと公園でブランコしたりとか、ホットケーキをいたり焼いたりとか、電気屋さんにデジカメを買いに行ったりするお話しです。
 でも、よつばがホットケーキを焼いているのを見てると、うちでも久しぶりに作ってみようかって気になるし、電気屋さんってワンダーランドなんだ~~~って思っちゃいます。
 今回、印象深かかったのは、めずらしくよつばがとっても怒られるお話。
 家の中で遊んでいて、うっかりお茶碗とかコップとかを割っちゃったよつば。で、うそをついてごまかそうとします。

  よつば  :うそつきむしがよつばのなかにはいって・・・
  とーちゃん:うそつき虫が中に入るとどうなるんだ?
  よつば  :・・・かってにうそをつく・・・

 それでとーちゃんは、よつばを連れて山門の仁王さまのところへ、うそつき虫を退治してもらいに行きます。不安になるよつば。とーちゃんに”よつばがうそをつていたら、よつばが食べられちゃうかも”って脅かされて真っ青になるよつば。
 よつばは憤怒の顔の仁王さまの前に連れて行かれて、仁王さまの柵の中に閉じ込められて、とうとう泣き出して、ごめんなさいしちゃいます。

 とーちゃんにあやまって、家に帰っていく二人を見つめる仁王さまの顔はちょっとやさしそう・・・

 とーちゃんのすごいところって、この間に一回もがみがみ怒っていないんですね。でも、ちゃんとよつばに”ウソをついてはいけない”ってことを理解させています。
 帰り道で、よつばに諭すとーちゃんの言葉。

  とーちゃん:お茶碗を割ったのは別にいい
        窓ガラスを割ったのも、コーヒーをこぼしたのも別にいい
  よつば  :・・・またおさらをわっちゃっても?
  とーちゃん:別にいい
        失敗するのはよつばの仕事だ
  よつば  :ぱそこんこわしても?
  とーちゃん:パソコンは勘弁してくれ。
        でも、嘘はつくな、な?
  よつば  :うん、もう、うそつかない

 自分が父親なので、このエピソードがとても気に入りましたが、他の話も面白いです。ふと、思ったんですが、”よつばと!”って、漫画界のサザエさんみたいなもんかも。必ず高視聴率を上げる番組だけど、だれも話題にしない。だけど毎週見てしまうみたいな。
 ぜひ、いろんな人に読んで欲しい珠玉の作品です。

《脚注》
(*1)私自身は愛書狂なので~
 決して”ヲタク”ではありません、はい。
(*2)”仁王さま(金剛力士)”は”天部”という~
 仏像の知識を解説しているコミックエッセイ(かな)の”仏像はじめませんか。”(曜名 PHP研究所)を参考にしました。仏像を解説した本もいろいろありますが、解りやすさという意味では良い本と思います。初心者向けにはけっこうお勧めです。

« 2010年11月21日 - 2010年11月27日 | トップページ | 2010年12月5日 - 2010年12月11日 »

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

無料ブログはココログ