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2010年11月7日 - 2010年11月13日

早く正気に戻って、とっとと逃げ出すのが最善の方法らしい(生き残る判断、生き残れない行動/神戸港震災メモリアルパーク)

 ども、防災訓練参加者選定係のおぢさん、たいちろ~です。
 先日、会社で防災訓練ってのがありました。まあ、地震が発生したという想定で決まった時間に地上の集合場所まで非難するって訓練なんですが、なにせ事務所が29階なもんですから、自ら参加しようなんて奇特な人が少ない。おぢさんを参加させると筋肉痛の恐れがあるのでどうしても若いモンに無理やり参加させることになります(私も参加したことないですが・・・)
 で、これでいいのか?!という反省もこめて、今回ご紹介するのは”生き残る判断、生き残れない行動”であります。


0306
 写真はたいちろ~さんの撮影。神戸港震災メモリアルパークです。


【本】生き残る判断、生き残れない行動(アマンダ・リプリー 光文社)
 アメリカ同時多発テロ事件でワールドトレードセンタービル(*1)から生き延びた人々、ハリケーン・カトリーナ(*2)で亡くなった人々、ビバリーヒルズ・サパークラブ火災(*3)で多くの人々を救った青年・・・
 彼らの生死を分けたもの、他人を救おうとした動機はいったい何だったのかをインタビューを含めて核心にせまったレポート。
【旅行】神戸港震災メモリアルパーク
 1995年の阪神・淡路大震災で大きな被害を受けたメリケンパークを当時の状態で保存している公園。倒れた街灯があの日の揺れの激しさを物語っていて痛々しいです
 最近では突閣ビデオ流出事件に登場する巡視艇”うらなみ”の停泊地の近くといったほうがわかりがいいかも。こっちも激震ですが、管内閣は生き残る判断ができるのか?


 本書によると、災害に見舞われた時って、意外に映画にでてくるようなパニックにはならなくて(*4)、むしろぼけ~っとしてしまうそうです。段階的に要約するとこんな感じ。

第一段階:否認
 発生していることを認めない(認めようとしない)状態
 緊急事態の場合だと立ち遅れ(逃げ遅れなど)につながって致命的になるし、避難勧告に従わない(根拠のない自信過剰)もこれ

第二段階:思考
 異常事態が起こってるのはわかったが、どうしたらいいのかわからない、どう決断すればいいのかわからないといった状態。
 重要なのは平常時とは異なった考え方や受け取り方をするそうです

第三段階:決定的瞬間(行動)
 危険な状況を受け入れ、選択肢を考えた後に行動を起こすこと。

 どうも、人間っていうのは緊急事態に遭遇すると自分で思っている以上になにも考えられなくなってかえって状況を悪くするみたいです。そのかわり、パニクるより従順になって従う傾向があるので、適切なリーダーがいて誘導すると回避できる確率が高くなりそうです。そのために訓練が必要。リーダ的立場の人が筋肉痛を恐れず防災訓練に率先して参加することが重要なんでしょうね。

 本書の結論で引用してる8つのPは示唆に富んだ言葉です

  適切な事前の計画と準備は、最悪の事態を防ぐ
   Prorer Prior Planning and Preparation
    Prevents Piss-Poor Performance

 この本を読む前はこんなことを考えていました

  もし、会社で大地震が発生した場合、
   1)会社にいれば、水、食糧などの備蓄があるので最低減生活はできる
   2)自宅まで帰るためには長距離を歩いて帰るのがたいへん(避難難民化)
     (単身赴任なので、家に帰ってもだれもいないし・・・)
   3)地震で1階まで避難すると再度あがってくるのはしんどい
  だから、(ビル火災の心配がない状態であれば)、そのまま様子をみたほうがよい
 と考えてましたが、これは間違ってるとわかりました。

 

早く正気に戻って、まずはとっとと逃げ出すのが正解みたいです。
 いったん安全な所に逃げ出してから、おちついてこの先どうすればいいかを考えても遅くないし、無駄骨だとか大げさだとか笑われてもなんでも、生きててなんぼの話です。
 それに1階まで避難しても安全が確認されれば時間がたてばエレベーターも復旧するでしょうから、仕事ばさぼれたと思えば気が楽ってもんです(幹部社員の言い草じゃないですが・・・)

 阪神・淡路大震災から15年、同時多発テロから10年近くと災害の記憶も風化しがちの昨今ですが、生き残るためにはいつまでも教訓としたいものです。
 防災担当者はもちろん、いざというときにリーダーとして部下を指揮する立場にある人には全員読んで欲しい本です。

《脚注》
(*1)ワールドトレードセンタービル
 2001年9月11日、国際テロ組織アルカイダがハイジャックしたボーイング767でワールドトレードセンターに自爆突撃、2749人の死亡者を出す大惨事となった。
(*2)ハリケーン・カトリーナ
 2005年8月末にアメリカ合衆国南東部を襲った大型のハリケーン。本書に記載されているニューオーリンズでは堤防の決壊により、市内の陸上面積の8割が水没したとのこと。
(*3)ビバリーヒルズ・サパークラブ火災
 1977年 5月28日、高級住宅街ビバリーヒルズにあるサパークラブで発生した火災により167名が死亡
(*4)パニックにはならなくて
 本書で紹介されているクウォランテリの研究によると、パニックは
  ・人が閉じ込められているかもしれないと感じる
   (確実に閉じ込められているとわかっている時は別)
  ・まったくどうすることもできないと感じること(無力感)
   周囲の人も同様の無力感を感じているとわかるとエスカレートする
  ・深い孤独感
の3つの条件が重なった時に起こるとのこと。

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