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2010年10月24日 - 2010年10月30日

やっぱり、和子さんと深町くんの再開の物語だと思います(時をかける少女/古時計)

 ども、ややこしい昭和のおぢさん、たいちろ~です。
 楽しみにしていた”時をかける少女 2010年版”がやっとDVDになりました。主演の芳山あかり役の仲里依紗はかわういし(このタイプ好みです)、溝呂木涼太役の中尾明慶も1970年代の若者像をさわやかに演じているし。
 でも、見ていておそらく若い人とおぢさんではちょっと感じ方が違うのかな~ということで、今回はおぢさん的”時をかける少女”の感想であります。


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 左の写真はたいちろ~さんの撮影。青森の某旅館で見つけた古時計です。


【DVD】時をかける少女 1983年版(監督 大林宣彦、主演 原田知世)
 高校1年生の芳山和子は理科実験室でラベンダーの香りを嗅いで気を失った。その後、同じ時間を繰り返していることに気づいた和子は友人の深町一夫に相談する。一夫はそれを”タイムリープ”という能力を持ってしまったと話す・・・
【DVD】時をかける少女 2010年版(監督 谷口正晃、主演 仲里依紗、)
 薬学者 芳山和子は友人の浅倉吾郎から一枚の写真とラベンダーの花の入った封筒を受け取った。自分の過去を思い出した和子は1972年にタイムスリップしようとするが、交通事故にあってしまう。その思いをかなえようと娘のあかりはタイムスリップをするが、間違えて1974年に来てしまった!
 そして、この時代であったSF映画青年、溝呂木涼太とともに若き日の母、和子とその思い人をを探すことに・・・
 83年版の続編的な作品。
【道具】古時計
 83年版と、10年版の演出での一番の違いは”時を超える表現”だったりします。谷口監督が流れるような”数字”の崩壊で表現したのに対し、大林監督では制止したカットを次々切り替えていくやりかた。それと秒針の”コチ、コチ”いう音、なんだかアナログとデジタルが逆転しているみたいで不思議です(*1)。
 でも、いつから時計はこんなに静かになったんだろう?


 ”芳山和子”、この名前はなんと言うか時代を超えたおぢさん世代の永遠のヒロインなんですね。多くの人には大林版の原田知世だったり、コアな人には幻の浅野真弓だったり(*2)。原田知世も決して美人ってわけではないですが、清楚で守ってあげたいようなはかなさと、思いの純粋さってけっこうインパクトありました(*3)。

 で、その和子さんが大人になって娘を生んで、その娘が高校生になって、というとどうしても、こっちに思い入れがでちゃうんですね。

 2010年度版では、和子さんをめぐる3人のおぢさんが登場します。

 一人目は、あかりの実の父親のゴテツこと長谷川政道氏。
 昔はそれなりに和子さんとラブラブみたいですけど、あかりが生まれたあとほとんど音信不通だし、あかりとの会話もとっても他人行儀だし。ほとんど存在感のないお父さん。まあ、今風の娘と父ってこっちに近いのかもしれませんが。

 二人目は、和子さんの幼馴染、吾朗さん。あかりからも”吾朗ちゃん”といって慕われている実質的な後見人みたいな人。今でも和子さんに想いがあるようです。幼馴染が恋愛に結び付かなかった典型みたいな人ですが、きっととてもいい人なんだろうな~

 三人目が失われた和子さんの初恋のお相手、深町一夫。
 かつてのミステリアスな美少年が、今では素敵なナイスミドルに。演じる石丸幹二がいい味だしています。
 あかりのメッセージを受け取って、病床の和子を訪れる深町君。

  和子さん:伝言、とどいたのね。
  深町くん:ああ
  和子さん:深町一夫として来てくれたんだ。
  深町くん:ありがとう。
       (あかりは)君によく似てる

 とっても嬉しそうにほほ笑む、和子さん。
 おぢさんにとって別れた恋人の娘に”君によく似てる”てのはとっても想いのある一言。

   結ばれなかった恋人
   この人の娘”あかり”のお父さんになっていたかもしれない、もうひとつの未来
   この人と待ちえなかった、温かい家庭

 そういったことへの万感の想いをこめた言葉。
 おぢさん的にはこういうのに感動をしてしまうのであります。

 病室を出て、廊下を歩くシーンで言葉もなくあかりとすれ違うシーンなんて(*4)、大林版へのみごとなオマージュになっていて、このシーンだけで、大林版をもう一回見ようという気持ちになりました。

 やっぱり、10年度版の”時かけ”って、けなげにがんばるあかりちゃんのお話でも、涼太とのラブストーリーでもなく、和子さんと深町くんの再開の物語だと思ってしまうのであります。

 大林監督が”昔の「時をかける少女」と2本立てで見たら、きっと凄いぜ!”と言ってますが、ぜひ2本とも観て欲しい映画なのであります。

《脚注》
(*1)アナログとデジタルが逆転しているみたいで不思議です
 たとえば、時間を連続した針の動きで表現するのが”アナログ”、とびとびな数字で表現するのがデジタル。でも、昔の時計は機構的に秒針が止まって、動いてを繰り返す方式なので、カットの切り替えとあいまって、今見ると大林版のほうがデジタル的に感じてしまいます。
(*2)幻の浅野真弓だったり
 浅野真弓は1972年に放映されたNHK少年ドラマシリーズすがの第一作”タイムトラベラー”で芳山和子を演じた女優。出演当時は本名の”島田淳子”でした。2010年版で石橋杏奈が演じる若き日の和子は原田知世よりこっちのイメージに近いです。
 あかりがタイムリープしようとした先の時代が実はここ。
 映像が最終回を除いて現存しない幻の名作です。
(*3)原田知世も決して美人ってわけではないですが~
 原田知世ファンには申し訳ありませんが、改めて映画を見ると、そんなに美人ってわけでもないし、演技のうまい役者さんでもないですが、かえってそこに味があるんだよな~、なぜか。
(*4)廊下を歩くシーンで
 83年版のエンディングシーンでは、薬学部で研究をしている和子さんと深町君が廊下ですれ違って会話をするシーンになっています。
 こういったのを喜んでしまうのって、オールドファンならではかも。

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