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2010年9月26日 - 2010年10月2日

本を読むってすばらしい、そんな気持ちになれる作品です(劇場版“文学少女”/モクレン)

 ども、“文学中年”なおぢさん、たいちろ~です。
 やっとDVDで劇場版“文学少女”見ました。

  これは、ぼくと”文学少女”の物語
  何故ぼくが再び書きはじめたのか
  それはあの日、木蓮の木の下で彼女に出会ってしまったからだった

 いや~、近所の木蓮の花が咲くたびにこの物語を読みたくなります
 今や絶滅に瀕しているいる”文学少女”ですが、ぜひ映像でお楽しみください。


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写真はたいちろ~さんの撮影。近所の木蓮です。木蓮はコブシの花と似ているんですがたぶん間違いないと思います。


【DVD】 劇場版“文学少女”

  (原作:野村美月 キャラクター原案:竹岡美穂 アニメーション制作:プロダクションI.G)
 物語を食べるほど文学が好きな少女・天野遠子、その遠子に”おやつ”=三題噺を書かされる井上心葉(このは)、心葉の幼馴染で心葉の心に暗い影を落とす朝倉 美羽。
 野村美月の人気ライトノベルシリーズをアニメ化した青春学園ミステリー。
 オタク少女にして本の神様(*1)”平野綾”の演じる朝倉 美羽の二重人格さが秀逸。
【花】木蓮(モクレン)
 モクレン科モクレン属の落葉低木。
 映画の中で咲く白い花は”ハクモクレン”。近所で咲くのはここまで見事ではありませんが、ひとつひとつの花でも可憐で美しいものです。


 原作の”文学少女”シリーズの特徴は古典文学をモチーフにしていることですが、劇場版のは宮沢賢治の”銀河鉄道の夜”。ストーリーは知らずに見てたんですが、物語のオープニングで川面に映る星ぼしと電車の明かりが”銀河鉄道みたいだな~”と思ってたら当たりでした。街中を走る普通の電車なのに(*2)こんなにファンタジックに見えるなんて、なかなか捨てがたい演出です。

 劇場版のお話ですが、文芸部のポスト(*3)に入れられた1枚の絵から。鳩にネコの顔と角をくっつけたようなヘンな落書きですが、これは宮沢賢治の”敗れし少年の歌へる”という詩に書いてあった落書き。特典映像に出てたましたが本物です。しかし、遠子先輩ってすごいな~。絵を一目見て何かわかった上に、この詩をそらんじてるし。”失恋し心傷ついた少年が助けを求めている”詩と解説していますが、今回の物語って確かに傷付いた心が救済を求める話ではあります

 もう一人の主人公であり、屈折した愛憎の持ち主朝倉 美羽は問いかけます。”ジョバンニの望みはなに?”

 そして、凍てついた美羽の魂を溶かすきっかけになるのが”物語”。降るような星の中、遠子先輩は美羽にこう語りかけます。

  一人でさみしいと感じたら本を読んでみて
  その人が何を考えていたのか、何を伝えたかったのか、想像してみて
  そうしたら素敵なものをうけとれるかもしれない
  ねえ美羽ちゃん、顔をあげて空を見てみて
  この世界に本や想像は、星の数ほどあるのよ

 本を読むってすばらしい
 そんな気持ちになれる素敵なフレーズです。

 そして、過去への呪縛からの解放は一つの恋の終わりでもあり、新しい恋の始まりでもあります。

 ”文学少女”シリーズって、ジャンルとしては推理小説なんですが、恋愛小説としてみると実に不思議な作品です。遠子先輩と心葉の関係って、恋人同士でもないし、先輩後輩でもないし、ダメダメだけどいざというとき頼りになるお姉さんと、けなげだけどちょっとヘタレな弟って感じ。恋人になるって最終巻のエンドまぎわだもんなぁ。

 劇場版での最後のシーンで二人が初めて恋人としてキスをするシーン。原作でも同じような場面がありますが、劇場版ではあえて駅に舞台を変えています。

  キスのあと電車に乗り込む遠子先輩。
  電車の窓からホームに残る心葉を見つめる遠子先輩。
  ホームで電車を追いかける心葉。
  遠ざかる電車を見つめる心葉。

 このシーンはもう一つの銀河鉄道、”銀河鉄道999(*4)”のエンディングへのみごとなオマージュになっています。

 劇場版“文学少女”はジンジャエールの上にプレーンヨーグルトを浮かべて、ひと匙のラズベリージャムを落としたような、そんな物語です。
 劇場版もいいですが、ぜひ原作のほうも読んでみてください。名作です。

《脚注》
(*1)オタク少女にして本の神様(*1)
 オタク少女はアニメ版”らき☆すた”の泉こなた、本の神様はドラマCD版”今日の早川さん”に登場します。両方ともなかなかにディープな内容。
 声を演じているのはアイドル声優、平野綾。 
(*2)街中を走る普通の電車なのに
 鉄オタではないのでこっち方面はあまり詳しくはないですが、見覚えがあるので調べてみると東京急行電鉄(東急)の8590系のようです。大井町線とかで走ってました。
(*3)文芸部のポスト
 表には”あなたの恋を叶えます”と書いてありますが、どう見てもゲゲゲの鬼太郎の妖怪ポストにしか見えません。
(*4)銀河鉄道999
 松本零士原作の劇場版アニメ”銀河鉄道999”より。
 こちらもアニメ史に残る名シーンなのでぜひ見比べてください(YouTubeの映像はこちら

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