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2010年8月29日 - 2010年9月4日

グループ・タックはこの手に抱かれて消えゆく(ルパン三世)

 朝のニュースで”グループ・タックが破産手続き開始(*1)”を知りました。
 必ずしも今風とは言いませんが、けっこう良質のアニメを作る会社だったのになぁ。
 初めてこの会社の名前を見たのはルパン三世だったっけ。もう40年近く前だもんなあ。

 ルパン三世(TVシリーズ第一シーズン)のエンディング(YouTubeより)
 意外とそのままのものがなくて、初音ミク版です。
 からみつくようなチャーリーコーセイの歌声はこちらでどうぞ


【DVD】 ルパン三世(TVシリーズ第一シーズン)
 説明不要の日本を代表するアニメーション。演出として宮崎駿、高畑勲らが参加。
 第一シーズンは大阪万博の翌年、1971年10月放映開始ともう40年近く昔ですが、今だに続編が作成されているのというのはガンダムやスーパー戦隊シリーズをしのぎ、仮面ライダーに匹敵する長寿のコンテンツです(*2)


  ワルサーP38 この手の中にだかれたものはすべて消えゆく
  さだめなのさ ルパン三世

   ※ルパン三世 エンディングテーマ(TVシリーズ第一シーズン)
    チャーリー・コーセイ 作詞 東京ムービー企画部 作曲 山下毅雄

 ルパン三世を見てたのはまだ小学生のころ。放送が日曜日の19:30だったので、楽しい日曜日のエンディングテーマでしたね。で、テロップの中に”グループ・タック”ってのがあったのをなぜか覚えてました(*3)
 今回を機に調べてみたところ、そうそうたる作品に関わってる会社なんですね。主だったところを上げると

 昔話系    :まんが日本昔ばなし、まんが偉人物語、
 童話系    :銀河鉄道の夜、あらしのよるに
 SF・ホラー系:宇宙戦艦ヤマト、ふしぎの海のナディア、吸血鬼美夕
 あだち充系  :陽あたり良好!、タッチ、ナイン
 ライトノベル系:半分の月がのぼる空、しにがみのバラッド

などなど。ニュースだと「タッチ」、「まんが日本昔ばなし」が取り上げられてますが、若い人もおぢさんも他にも何本かは見たことあるんじゃないでしょうか?
銀河鉄道の夜、あらしのよるに、タッチなんかは創設者の一人である杉井ギサブロー(*4)が監督も務めてます。
 私も全部を見てるわけではありませんが、最近だと”半分の月がのぼる空(*5)”ははまりました。これも担当してたんですねぇ。

 ちょっと気になったのは倒産の理由。ニュースだと”少子化の影響でテレビアニメのスポンサー撤退が相次ぎ、受注が減少”とのこと。元々スポンサー収入の低いビジネスモデルの日本アニメ、最近は製作委員会方式での資金調達とか、オタク向けにDVD化による資金回収とかが多いようですが(*6)、グループ・タックの作品リストを見ていると、こういうのとはちょっと別の流れみたい。やはり純粋に子供向けのアニメ番組だけだときついんでしょうかね。
 萌え~とかいうアニメもいいけど、こういった子供に安心して見せられるコンテンツを作製する会社や、その枠が確保されないのはなんだか心配になります。”まんが日本昔ばなし”なんかは核家族化した時代にあって確かにおばあちゃんの代わりであったんじゃないかと。あと何十年かたって、私たちの時代が子供たちに語れるようなアニメって残せているのかななどど、改めて思ってしまうのであります。

《脚注》
(*1)グループ・タックが破産手続き開始
  帝国データバンクによると、「タッチ」「まんが日本昔ばなし」「ふしぎの海のナディア」など人気アニメを手掛けたアニメ制作会社グループ・タック(東京都渋谷区)が8月31日、東京地裁に準自己破産を申請し、9月1日に破産手続き開始の決定を受けた。負債総額は6億5000万円。(Yahooニュース 2010年9月3日より)
(*2)ガンダムやスーパー戦隊シリーズをしのぎ~
 第一シリーズの放送開始を並べると、こんな風になります
  1969年 サザエさん
  1971年 仮面ライダー
  1973年 ドラえもん
  1979年 機動戦士ガンダム
  1975年 秘密戦隊ゴレンジャー(スーパー戦隊シリーズ第一作)
(*3)なぜか覚えてました
 数秒でるだけなのになぜでせう。この記憶力が勉強に活かせていたらもっとまともな人生を歩めたと思うんですが・・・
(*4)杉井ギサブロー
 1961年、手塚治虫率いる”虫プロダクション”の設立に参加し、鉄腕アトムの演出にも加わったという、日本アニメ創世記メンバーの一人。
(*5)半分の月がのぼる空
 橋本紡のライトノベル。のちにアニメ、実写化。
 不治の病の少女と、同じ病院に入院した少年とのボーイミーツーガールの物語。病弱ツンデレ美少女、ヘタレ少年、妻を亡くした屈折医師、元ヤン看護婦と登場人物は今風ながら、物語自体はいたって古典的です。詳しくはこちらをどうぞ
(*6)元々スポンサー収入の低いビジネスモデル~
 安い制作費を著作権収入や海外輸出で補うというビジネスモデスを考えたのが前述の手塚治虫。
 製作委員会方式とは、幹事会社が複数の会社に対し出資を募り利益が出た場合はこれを出資比率に準じて分配するという資金リスク分散のやり方。
 深夜アニメはDVD、関連グッズ販売が主な収入源。

正しいライトノベルの書き方、中年編(メイド・ロード・リロード/オムライス)

 ども、ライトノベル作家志望のおぢさん、たいちろ~です。
 先日、今年度入社の新人と懇親の飲み会がありました。で、新人の一人から”飲み物が美味しくなるおまじない、知ってますか?”と言われたので、”どんなの?”と聞いたら、

  萌え、萌え、キュン♡(ハート)!

 おま~な~、関西から就職で東京出てきて、いきなりメイド喫茶かよ?!(*1)
 ということで、今回ご紹介するのはメイドさんとライトノベル作家のお話”メイド・ロード・リロード”であります。


0379


写真はたいちろ~さんの撮影。冷凍ピラフの上に卵をのっけたオムライスです。
これを作った時点で、おぢさんとして何か大切なものを失った気が・・・(*2)

【本】 メイド・ロード・リロード(北野 勇作 メディアワークス文庫)
 売れない中年SF作家湯浅は、出版社の都合でなんの因果かメイド喫茶地縛幽霊作家(言葉のママ)としてライトノベルを書くはめに・・・
 編集者の槇原、出版社二世社長、謎のメイドさんを巻き込んでのドタバタ系中年ライトノベル。
【グルメ】 オムライス
 チキンライスやバターライスを卵焼きでオムレツのように包んだ料理。メイド喫茶ではメイドさんがお絵かきしてくれるのがお約束らしいです。行ったことないから知らんけど・・・
 調べて初めて知りましたが、オムレツ(omelette)はフランス語、オムライス(omelet+rice)は和製英語です。


 さて、ライトノベル(和製英語)とは何ぞや? という話でありますが、まずこんな会話から。

  槇原:たしかちょっと前に、いったいそのラノベの定義っていうのは何なんだ?
     なあんて聞いてたじゃないですか。
     あのね、そこらへんからして、もう感覚が違うんですよ
      (中略)
  湯浅:ジュブナイルとは違うのか?
  槇原:明らかに違うでしょう
  湯浅:どのへんが?
  槇原:表紙の女の子とか
  湯浅:それはイラストレーターの仕事だろ
  槇原:イラストレーターじゃなくて、絵師って言うんですけどね

 いや、初めてラノベを読んだ時に(*3)”ジュブナイルとは違うのか?”は、おぢさんも同じこと思ってしまいました。むしろ今の若い人には”ジュブナイル”のほうがわかんないでしょうから、こっちの説明を。
 ジュブナイルあるいはヤングアダルトというのは1970~80年代あたりに流行したジャンル。今や古典となった”時をかける少女(筒井康隆)”とか、ソノラマ文庫(*4)とか、コバルト文庫(*5)なんてのを良く読みましたね。当然、絵師なんて言葉はなくて漫画家やアニメーターが表紙を描く例が多かったような気がします(*6)。
 おぢさん世代が中学・高校ぐらいだったので、現在のライトノベルとちょうどターゲットとしては同じようなもんです。

 ”メイド・ロード・リロード”で出てくる話題ってのが、”菊池桃子のら・むー(*7)”とか、”バビル二世(横山光輝)”とか”シャイニング(*8)”とか。まさにおぢさん世代のというかおぢさん世代でないと突っ込めない話題が満載。でも考えてみると、作者の北野勇作って1962年生まれとおぢさんとほぼ同じ世代(*9)。話題が合うはずです。
 もともと、本書を出している”メディアワークス文庫”っていうレーべルは

 ライトノベル系の文庫として創刊した『電撃文庫』を読んで大人になった読者の方々ずっと面白い小説を読み続けたいと思っている大人の方々へ向けて、アスキー・メディアワークスが贈る世代を超えたエンタテインメント・ノベルです。

 というコンセプト(アスキー・メディアワークスのニュースリリースより)。少年ジャンプに対するヤングジャンプ的な位置づけみたいなものです。なので、おぢさん受けするのももっともかも。考えてみるに、おぢさん世代(1960年前後生まれ)って、アニメ特撮といったサブカルチャーの第一世代みたいなもんなので、うまく育てればけっこう大きなマーケットなのかもしれません。

 ”メイド・ロード・リロード”はメイド喫茶のメイドと冥途を引っかけた、ただそれだけで1冊本を書いてみましたみたいな本。メイド喫茶にどん引きする中年作家がけっこうかわういです。

PS.最初は別のライトノベルの書き方みたいなのを読んでいて、流れでこの本を見つけました。決してメイド服絶対領域の表紙イラストで買った訳ではないので念のため。

《脚注》
(*1)関西から東京出てきて~
 これは、メイド喫茶のお約束だそうです。行ったことないから知らないけど・・・
 ちなみに、この新人は私の高校時代の先輩の大学での教え子だったとか
(*2)おぢさんとして何か大切なものを失った気が・・・
   You can't make an omelet(te) without breaking eggs.
  卵を割らなければオムレツはできない ⇒ 犠牲は目的達成にはつきもの

(*3)初めてラノベを読んだ時に
 ラノベとして意識して読んだのは”涼宮ハルヒの憂鬱”で、高校時代の友人のお子さんの紹介でした。その時はまさかこんなにヒットするとは思いませんでしたが・・・
(*4)ソノラマ文庫
 朝日新聞出版より1975年に創刊。”クラッシャージョウ(高千穂遙)”、”宇宙戦艦ヤマト(石津嵐)”、”機動戦士ガンダム(富野由悠季)”などSF系、”吸血鬼ハンターD(菊地秀行)”、”キマイラ・吼 シリーズ(夢枕獏)”などのホラー系なんてのをよく読みました。
(*5)コバルト文庫
 集英社より1976年に創刊。少女向きの作品が多かったですが、”星へ行く船シリーズ”の新井素子にはけっこうはまりました。
(*6)漫画家やアニメーターが表紙を描く例が~
 上記だと、クラッシャージョウはの安彦良和、機動戦士ガンダムは大河原邦男、吸血鬼ハンターD、キマイラ・吼は天野喜孝、星へ行く船は竹宮恵子とそうそうたるメンバーでした。
(*7)菊池桃子のら・むー
 本書に出てくる雑誌”ら・むー”は小学館のオカルト雑誌”ムー”のパロディーでしょうが、”ら・むー”はムー大陸の帝王の名前にして、当時トップアイドルだった”菊池桃子”を中心としたロックバンドの名前。1988~89年の活動なので、おぢさん世代しか知らんわなぁ。
(*8)シャイニング
 1980年に制作されたホラー映画。原作 スティーヴン・キング、監督 スタンリー・キューブリック、主演 ジャック・ニコルソン。
 主人公の小説家のジャックが、ホテルで書いている小説は
  仕事ばかりで遊ばない ジャックは今に気が狂う
 という文章が延々繰り返されているもの。けっこう怖い映画です。
(*9)作者の北野 勇作って1962年生まれと~
 Wikipediaで生年月日のわかるラノベ系作家をあげるとこんな感じ
  1960年生まれ 新井素子  グリーンレクイエム
  1960年生まれ 吉岡平   宇宙一の無責任男シリーズ
  1961年生まれ 野尻抱介  ロケットガールシリーズ
  1967年生まれ 橋本紡   半分の月がのぼる空
  1970年生まれ 谷川流   涼宮ハルヒの憂鬱
  1970年生まれ 三雲岳斗  アスラクライン
  1971年生まれ 桜庭一樹  私の男、赤朽葉家の伝説
  1973年生まれ 奈須きのこ 空の境界
  1977年生まれ 冲方丁   マルドゥック・スクランブル
  1981年生まれ 西尾維新  戯言シリーズ
  1986年生まれ 日日日   狂乱家族日記

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