« 2010年4月25日 - 2010年5月1日 | トップページ | 2010年5月9日 - 2010年5月15日 »

2010年5月2日 - 2010年5月8日

青春の二人で一つのコート(長門有希ちゃんの消失/サボテン)

 ども、孤高の本の読み手、たいちろ~です。
 最近、気のせいか文芸部を舞台にした小説をよく読んでいる気がします。”涼宮ハルヒの憂鬱シリーズ(*1)”とか、”文学少女シリーズ(*2)”とか、”青年のための読書クラブ(3)”とか。
 今の高校で、そんなに文芸部ってはやっているんでしょうか? もっとも、みんな部員不足のようですけど。
 ということで、今回ご紹介するのは文芸部員の登場する”涼宮ハルヒの憂鬱”から、アナザーストーリーの”長門有希ちゃんの消失”であります。


0075


写真はたいちろ~さんの撮影。近所の園芸店のサボテンです。けっこうかわうい。


【本】長門有希ちゃんの消失(ぷよ 角川書店)
 県立北高校でただ一人の文芸部員の長門有希、おかんなキャラの朝倉さん、近所の世話焼きなおばちゃん化している先輩の鶴屋さん、あいかわらず突っ込み役のキョン。本編”涼宮ハルヒの憂鬱”のキャラを別設定で描いた”ぷよ”版コミック。
 一昔前なら、完全に同人誌ネタです。
【花】サボテン
 サボテン科に属する植物の総称で、その多くが葉、茎または根の内部に水を貯蔵する多肉植物。まん丸や平べったい形とか、とげがあるとか、特異な印象の植物ですが、それゆえかけっこうマニアが存在するとのこと。
 花言葉は、これも以外なことに”温情、温かい心、内気な乙女”など。


 ”長門有希ちゃんの消失”に出てくる長門さんは、本編とちがって、キョンくんに憧れる普通の内気な高校生。てれたり、落ち込んだりしてるのがかわいい人です。
 同じくぷよの”涼宮ハルヒちゃんの憂鬱(*4)”では、完全にいじられキャラのあちゃくらさんが、ここでは完全にいじり側のキャラに。本編では壮絶なバトルを繰り広げるお二人ですが、本作品では親友という設定です。
 本編の長門有希は、サボテンほどトゲトゲしていませんが、ちょっと近寄りがたいキャラ。でもこんな切り口の作品にもできるんですね。サボテンの花言葉がその外見から想像できないような”内気な乙女”ってあるように、けっこう意外な展開ではあります。

 さて、”長門有希ちゃんの消失”の第一巻でのメインエピソードは文芸部員を中心にクリスマスパーティを開くお話。キョンくん一人に美女4名ととってもうらやましいぞっと。
 この中で印象的だったのが、一人外で佇む有希ちゃんに、キョンくんがコート(ただし、サンタさん仕様)をかけるシーン

  キョン:ちょっと休んだら部室戻るからな。
      こんなトコに座ってても、風邪ひくだけだしな
  有希 :これ、いいの・・・
  キョン:羽織っとけ、寒いし
  有希 :無理しないでこれ着たほうが
  キョン:いやでも、それだと格好がつかないから
  有希 :じゃ・・ じゃあ
       (そういって、一つのコートをふたりで羽織る)
  キョン:あの、長門さん?
  有希 :何?
  キョン:これ、恥ずかしくないか?
  有希 :うん、でもあったかい

 いや、いいですよね、若いって・・・
 このシーンを見て、思い出したのが伝説のスターカップル山口百恵と三浦友和

 グリコのセシルチョコレートのコマーシャルで、たぶん1970年代の後半ですからリアルタイムで見たことある方は、それなりにご年配のはず。でも、当時の高校生にとって、このシチュエーションはとっても憧れでしたねぇ。
 ”寒くないかい”といって、さりげなく百恵ちゃんにセータをさしかける友和、やせがまんをしてますが、このさわやかさこそが青春スターの証です。
 高校時代の友人みんなで遊びに行った時に、このマネが出来たときは嬉しかったですねぇ(遠い目・・・)

 まあ、今やったら”おじさん臭い!”とかいって、コートごとポイ捨てされるんでしょうけど。まあこういった、昭和の時代の香のするラブコメってのもいいもんかもしれません。
 本編を読んでいないと内容はわかりにくい話ですので、ぜひあわせてどうぞ。

 今回のおまとめ

  「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ

     ”サラダ記念日(*5)”より

《脚注》
(*1)涼宮ハルヒの憂鬱シリーズ
 ”宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶこと”を目的に結成されたSOS団団長、涼宮ハルヒを中心とした非日常的学園ドラマ。ここでの長門有希は唯一の文芸部員にして、無口な対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。
(わからない人はスルーしてください)
(*2)文学少女シリーズ(野村美月 ファミ通文庫)
 食べちゃうぐらい文学を愛している遠子先輩(読む専門)と、元美少女覆面作家(♂)の井上心葉(書く専門)の分業体制の確立した聖条学園文芸部の活躍を描くライトノベル。
(*3)青年のための読書クラブ(桜庭一樹 新潮社)
 名門女学校「聖マリアナ女学園」の読書クラブの歴史を描いた桜庭一樹の連作小説。
 ここに登場する文芸部の中で唯一アクティブな活動をするクラブです。(涼宮ハルヒシリーズでアクティブに行動するのはSOS団のほうで、長門有希の所属する文芸部はな~んもしていません)
(*4)涼宮ハルヒちゃんの憂鬱(ぷよ 角川書店)
 ”涼宮ハルヒの憂鬱”のキャラをベースにした4コマギャクマンガ。シュールなボケをかます有希ちゃんと、ちっちゃなあちゃくらさんの掛け合い漫才が笑えます。
(*5)サラダ記念日(俵 万智 河出文庫)
 1987年に発表された時は、古い短歌という形態で表現される新しい感性って、衝撃的でした。出版されてすぐに買いましたが、よもやあんなに大ブームになろうとは思いませんでした。
 あまりに気に入ったので、会社の女の子に貸してあげたら
  ”あんたのキャラには合わん!”
 とつっこまれましたが。

雑木林を見て、パソコン業界のことを考えてみる(スティーブ・ジョブズ革命/植生遷移)

 ども、人生沈んだりもぐったりのおぢさん、たいちろ~です。
 栄枯盛衰、七転び八起きといい時もあれば悪い時もあるのが人生。とは言いながらいったん沈むと浮き上がってくるのがたいへんなのも事実です。再ブレークした有吉さん(*1)もまたどっかいっちゃいそうだし・・
 そんな中で、華々しい再ブレークをしたのが、今回ご紹介するスティーブ・ジョブズであります。


0440


写真はたいちろ~さんの撮影。近所の森林公園の林。すらっと伸びているのがヒノキ、下はアオキや笹なんかが育っています。


【本】スティーブ・ジョブズ革命(村山 恵一 日本経済新聞出版社)
 サブタイトルは”IT帝国の興亡”。ジョブズはアップルの創立者の一人にして、ピクサー(*2)のCEO、今やiPodなど新しいビジネスの創造者でもあるコンピューター業界のカリスマ。アップル創立のころの本も面白いですが、これは最近のアップルや、マイクロソフト、ヤフー、グーグルなんかを交えたビジネス書です。
【自然】植生遷移(しょくせいせんい)
 植物が土地で生育することによる、環境形成作用が主な原因となり、時とともに場所の環境が変化して行く現象を植生遷移という(Wikipediaより)


 話は突然飛びますが、学校で”植生遷移”って習ったの覚えていますか?
 簡単にまとめるとこんな感じです。

  1)まず、コケ類が生えてきて、それを土壌にして草が生え始める。
  2)背の高い草が生え始めて草原になる
  3)やがて背の低い木による低木林が形成される
  4)陽樹という生育に光が多量に必要な木が大木となって森林が形成される。
  5)森林が出来ると、その下は湿度が高く光の量が少ないので、
   光が少なくても育つ陰樹林になる。

 この遷移のポイントは4)と5)。陽樹の下は日が射さないので陽樹は育たないが、陰樹は日が射さなくても育つので、最終的には陰樹が優勢になります。このような陰樹林は育っている木は変わらなくなるので、これを極相(クライマックッス)と言います。
 雑然と木が生えているような雑木林でも、ちゃんと大自然の理にそって動いているんですね。

 なぜ、長々と植物の話を書いているかというと、これってパソコン業界にと~ってもよく似てるんです。
 まず、今考えると何の役に立つのかわからないようなコケ類のごときワンボードマイコンが登場し、その後、いろんなメーカーからパソコンが雑草のように販売されます。富士通のFM、シャープのMZ、そしてNECのPC98etc,etc。その中で日本という環境にもっとも適応したのが、一世を風靡したPC98シリーズ。でも、このパソコン林の中で他のパソコンと関係のなく独自の進化をとげたのがアップルのマッキントッシュです。
 やがて、DOS-Vの登場によって日本でのPC98の優位性がなくなるとデル、コンパック、IBM等の外来種を含めた陰樹林が形成され、外見上は複数メーカによる一定のシェアを分け合うような安定期に入ります。この中で最も大木に育ったのが、ビル・ゲイツのマイクロソフト。つまり、ビジネスの主体としては、新しい分野のモノが巨木に育ったってこと。しかも、ネットスケープのブラウザビジネスを枯れ死させるなど、周りの陽樹を駆逐していく点もよく似ています。

 このように見ていくと、環境に合った植物が優位性を確保して相を変えていくように、ビジネス環境に最適化したメーカがその時代のトップに立っていくというまさに相似形のように思われます。まあ、どの産業も同じようなモンでしょうが、あまりに環境変化が早く際立っているのが、この業界の特徴でしょう。

 で、アップルはこの間なにをしていたかと言うと、ジョブズを放逐して以来、なかずとばずというか、一定のマーケットを確保しつつも拡大できない状態にはまり込んでしまいます。ここから抜け出したのが、本書で書かれているジョブズのアップルへの復帰。

 iMacによるマックブランドの復活
 iPodとiTunesによる、”音楽を聴く”というスタイルの変革
(*3)
 iPhoneによる、新しい携帯電話のスタイルの提案(*4)

 などにより今日のアップルの盛隆を決定づけました。

 植生遷移の戻ると、ここにも”ギャップダイナミクス”というのがあります。安定している極相林が、大木が倒れて日照条件が変わるなどして、新しい植物が出てくる状態のこと。ここででてくるのをパイオニア的樹木と言います。
 パソコン業界でのギャップが”インターネットの爆発的普及”、パイオニアがグーグル、ヤフー、アマゾンなど、ネットのコンテンツや、インフラを提供するプレーヤー。現在のアップルもどちらかというとこのカテゴリーに近いかも。

 強引にまとめると

  

ハードウェアの時代->ソフトウェアの時代->ネットワーク・コンテンツの時代

 環境に最も適応した代表選手がハードウェアのIBM,ソフトウェアのマイクロソフト、ネットのグーグルとアマゾンあたりでしょうか。アップルはそれぞれの時代でうまく適応した稀有な例なのかもしれません。

 これから先はわかりませんが、あえて予想するならバーチャルの時代3D技術(*5)とサイコミュ(*6)あたりが普及レベルになれば、また新しいプレーヤーが登場するかも・・・
 なんてことを、この本を読みながら考えてしまいました。

《脚注》
(*1)有吉さん
 元猿岩石の有吉 弘行(ありよし ひろいき)のこと。
 1996年、”進め!電波少年”のヒッチハイクで大ブレイク、その後低迷期を経て、あだ名芸人で再ブレーク。一発やならぬ二発屋。
(*2)ピクサー
 1986年に、ジョブズがルーカスフィルムのコンピュータ関連部門を買収して作った会社。現在はディズニーの完全子会社としてディズニーのアニメ部門を支えています。
 詳しくは、”メイキング・オブ・ピクサー”でどうぞ。
(*3)”音楽を聴く”というスタイルの変革
 この変革の先駆者がソニーのウォークマン。”音楽は家で聴くもの”といったライフスタイルから”外でも音楽を聴く”ものに変えました。1980年代初頭のことです。
 ウォークマンは”どのカセットテープを持って行こう”という感覚だったのに対し、iPodは”自分のコレクションをまるごと持って歩く”ことを可能にしました。
(*4)新しい携帯電話のスタイルの提案
 あと、おサイフ携帯機能をくっつけてくれたらな~~ これがネックでまだ手が出ずにいます。
(*5)3D技術
 つくば博(1985年)の富士通パピリオンで上映しているぐらいなので、割と古くからある技術ですが、当時は赤青の2色ですら汎用大型コンピュータが必要でした。先日、”カールじいさんの空とぶ家”の3D版を映画館で見ましたが、かなりのレベル実用化されています。
(*6)サイコミュ
 ガンダムシリーズに登場する脳波で機器を制御するシステム。ここまですごくはありませんが、ブレイン・マシン・インタフェースとして、まじめに研究されています。

ボンカレー的、貧困なる精神(我が心はICにあらず/セリ)

 ども、あいかわらずぐだぐだブログを書いているおぢさん、たいちろ~です。
 ブログというものは内容はともかく、まがりなりにも”書く”という行為なわけですが、やはり影響を受けた作家というものが存在します。一人目はマンガ家の”いしかわじゅん(*1)”、二人目が今回ご紹介する”小田嶋 隆”であります。
 テクニカルライター(*2)の草分けの人ではありますが、屈折していて、不平家で、オタクで、斜に構えていて、毒舌で、一言でいうとヤなヤローなんですが、この男が後に天下の”ASAHIパソコン”(*3)のコラムニストに成り上がろうとは・・・
 でも、面白いんですよ、この人の書く文章って


0387


写真はたいちろ~さんの撮影。近所のスーパーで売っていたセリです。


【本】我が心はICにあらず(小田嶋 隆 光文社文庫)
 ”遊撃手(ラ・ポート(*4))”、”月刊BUG NEWS(ビー・エヌ・エヌ)”に掲載されたエッセイを集めた本。オリジナルのビー・エヌ・エヌ版の出版は1988年。
 ”ハッカーの花かんざし”、”ハッカーの金銭感覚”、”パソピア7からの発想(*5)” など、エッセイの題名からして、内容はそんな話です。
 ちなみに、”我が心は石にあらず(*6)”の誤植ではないので念のため。
【花】セリ(芹)
 春の七草の一つ。1月ごろにはスーパーマーケット等で束で売っています。川のそばなどに自生しているようですが、ドクセリ(日本三大有毒植物の一つ)と似ているので注意が必要。


 ここに掲載されているエッセイは1985年ごろと、パソコン界がカンブリア爆発(*7)を迎えた時代に書かれたもの。やっと、MS-DOSやソコン通信(ただし300~2400bps)の出始め、Windowsの普及はまだまだ先(*8)。そんな時代はまさにハッカーの黎明期でもありました(*9)。でも、ハッカー感ってそのことからあんまり変わっていないんですよね。そんな中でも、今でも通用しそうなスルドイ分析を”ハッカーの金銭感覚”から引用。

 私の考えによれば、貧困は単なる経済生活の一状態を示す述語だが、貧乏は文化的、生理的、精神的な背景までをも含む、より包括的な概念だ。それ故、貧困は遺伝しなくても貧乏は遺伝するのである。
 もっと分かりやすく言えば、貧困とは昼食にボンカレーを食べるような生活のことで、貧乏というのはボンカレーをうまいと思ってしまう感覚のことである。ついでに言えば、中流意識とは、ボンカレーを恥じてボンカレーゴールドを買おうとする意思のことだ。
(*10)

 どんな経済書より、これほど貧困と貧乏をテキカクに表わした記述はありませんぜ!
 ちなみに私はセブンイレブンの冷凍エビピラフ、肉のハナマサの”プロ仕様激辛カレー”(ともに100円)を愛食しておりますが、なんか負けた気がする・・・

 余談ですが”貧乏”というキーワードで花言葉を探すと”セリ”ってのが引っかかってきます。”清廉潔白”てのが多いんですが、”貧乏だが高潔”というのも。まあ、名前が芹(セリ)だけに、鴨(カモ)にされているのかもしれません(*11)。

 実はこの本、オリジナル版が本箱のどっかに入っているはずなんですが見つからなくて、B○○K○FFの105円棚で先日やっと見つけてました。もちろん絶版ですが、Amazon.comで中古品なら2,000円近くするんですぜ、これ。もし古本屋で見かけたら絶対に買いです。
 できれば、岩波文庫で復刊してもいいぐらいの名著なんだがな~。まっ、無理だと思うけど。

《脚注》
(*1)いしかわじゅん
 一般の人にはNHKの”BSマンガ夜話”のコメンテーター・漫画評論家と思われているかもしれませんが、本業は漫画家。初期の”憂国”、”約束の地”、”至福の街”や、週刊プレイボーイに連載されたトレンディ風マンガ”東京物語”など名作が多いんですよ、マイナーだけど。
(*2)テクニカルライター
 パソコン黎明期に雨後の竹の子のごとく誕生したカタカナ職業の一つ。”わかりにくいパソコンのマニュアルをわかりやすく解説する本”を作るというお仕事。当時のマニュアルがいかに不親切な作りだったかがわかりますが、最近はほとんど(本の形では)マニュアルを添付することすら放棄しているんだから、まだマシか?!
(*3)天下の”ASAHIパソコン”
 1988年(あの『AERA』創刊の年だぜ、おい)、に天下の朝日新聞社から発刊されたパソコン初心者向け雑誌。技術情報より、時事記事やコラムのほうが面白かったです。2006年に休刊。
(*4)ラ・ポート
 アニメ雑誌『アニメック』や投稿雑誌『ファンロード』を出版していた会社といえば、その筋の方なら分かっていただけるかと・・・
 過去形なのは、会社自体は2003年に倒産したから。
(*5)パソピア7からの発想
 ”パソピア7”は1983年に東芝から発売されたホビー用8ビットパソコン。コマーシャルキャラクターはお元気だったころの横山やすし師匠・木村一八親子
 CPUはザイログのZ―80A。詳しいスペックは”高島平パソコン倶楽部”のHPでどうぞ。知っても役には立たない知識ですが。
(*6)我が心は石にあらず
 高橋 和巳の小説。”邪宗門”や”悲の器”を書いた小説家でもあります。この人の本読んだことないので詳しいことは割愛。
(*7)カンブリア爆発
 ”カンブリア爆発”とは、およそ5億4200万年前~5億3000万年前に突如として今日見られる動物が登場した現象のこと。その理由は新井素子の”ネプチューン”に詳しい
 パソコン界でも、この時期前後から”マイコン”と呼ばれる今思うとおもちゃ並みの機能から、ディスプレイ付き、BASIC内臓とまがりなりにも個人が遊べるレベルに進化し、いろんなメーカーから提供されるようになりました。
(*8)Windowsの普及はまだまだ先
 WindowsがデファクトになったVer3.1は1992年の登場。インターネットの拡大とともに売れたWindows 95は1995年の発売であります。
(*9)ハッカーの黎明期でもありました
 それまでは、ざっくり感でいうと技術者の時代。あこがれのVAXで遊ぶとか、TK80にアセンブラでプログラムを組むとか・・
 説明すると長くなるので、スルーしてください。
(*10)貧困とは昼食にボンカレーを食べるような生活のことで~
 別にボンカレーに恨みがあるわけではありませんので、念のため。
 ちなみに、1985年当時のボンカレーの値段は分かりませんでしたが、2010年現在ではボンカレー(沖縄限定)、ボンカレーゴールド21とも168円(税込み)です。
(11)名前が芹(セリ)だけに、鴨(カモ)にされている~
 新選組の悪役、芹沢鴨(せりざわかも)のダジャレです。単にそれだけです。申し訳ない。

植木屋さん、鯉の洗いたべてか(青菜/南三陸潮騒まつりの鯉のぼり)

 ども、カキ、ホタテ大好きおぢさん、たいちろ~です。
 私んとこのゴールデンウィークの恒例行事に”南三陸潮騒まつりにホタテと牡蠣を食べに行く”というのがあります。ど演歌の流れるメインステージに、大漁旗のディスプレイに地元の水産業者による出店にと、決して吉永小百合が訪問するようなイベントではありませんが(*1)、なんでかほぼ毎年行ってます。
 ホタテ、牡蠣とも冬が旬なので、シーズン的にはほぼ最後になりますが、美味しくてとってもリーズナブルに食べることができます。


0325


写真はたいちろ~さんの撮影。南三陸潮騒まつりのこいのぼりです。


【DVD】青菜(あおな)
 ご隠居さんと仕事が植木屋さんが、家でお酒と鯉の洗いをあてに一杯飲むお話。青菜もあったはずと奥さんに頼みますが、青菜が切れていて・・
 元々は上方ネタの落語で、笑福亭仁鶴、桂枝雀なんかで聴きました。
【旅行】”南三陸潮騒まつり”の鯉のぼり
 ”南三陸潮騒まつり”は毎年ゴールデンウィークに神割崎キャンプ場(宮城県本吉郡南三陸町)で開かれるイベント。2010年は5月3~5日です。何故か、必ず鯉のぼりが道の上に泳いでいます。
 近くに”神割崎”という岬がスパっと断ち割られた景勝地もありますので、一度遊びに行ってみてください。(南三陸町観光協会のHPはこちら


 どうもゴールデンウィークに必ずここに行きたくなるのは、鯉のぼりがあることでしょううか? 一般の家で大きな鯉のぼりが少なくなっている昨今、勇壮に泳ぐ鯉のぼりに季節感を感じてしまうのかもしれません。

 で、鯉のぼりをみながら牡蠣なんぞを食べていると、どうも”鯉の洗いを食べてみたい”と思うのが人情(人情か?) ということで、今回のお話は落語から”青菜”であります。

  ご隠居:御苦労さんじゃな。植木屋さん、こっち来て一杯やらんかいな。
      どや、柳蔭飲まんか(*2)。
  植木屋:こら、えらいありがたいことでおます。うわあ、いい酒でんなあ。
  ご隠居:そうか、そうか。では鯉の洗いも食べてか。
  植木屋:へえっ!こらえらいもんを!鯉ちゅうたら、もうし、大名魚言うて、
      わたいらのようなもん、滅多に食べられまへんで。

 鯉の洗い”とは、鯉をおろして湯通しの上、冷水で締めたもの。しょうゆ、酢味噌などでいただきます。この落語を聴いて、”鯉の洗い”を食べて一度食したことがありますが、大変美味でありました。

 で、青菜の話、続きます。

  ご隠居:植木屋さん、青菜も食べてか。
      奥や!奥や!。青菜を持ってきておくれ。

       (その後、奥さんが青菜を持たずに出てきて)
  奥さん:鞍馬から牛若丸が出でまして名も九郎判官
  ご隠居:ああ、義経。

 奥さんのセリフは”名(菜)も九郎(食ろう)判官”=青菜は食ってしまってありませんという意味。ご隠居の”義(よし)経”はよしよしということです。
 まあ、お断りのしゃれっけでいうと、太田道灌のやまぶきの話(*3)と並ぶ名文句でしょうね。落語としては、ご隠居を真似て失敗する植木屋さんってのがオチになります。

 ま、鯉のぼりを見ながら食べ物を連想するってのはおかしな感覚しれませんが、牡蠣やホタテと醤油のこげる香ばしいかおりが食欲をくすぐるもかもしれません。
 それはそれとして、どうも貧乏花見とか、蛇含草(*5)とかB級グルメっぽい話の多い落語の演目の中で、これは美味しそうな食材の出てくる話
 笑福亭仁鶴師匠の話も捨てがたいですが、押入れの中から飛び出してくる植木屋のおかみさんのしぐさがユニークなので、DVDの桂枝雀師匠版でどうぞ。

《脚注》
(*1)決して吉永小百合が訪問するようなイベントではありませんが
 JR東日本の”大人の休日倶楽部”のコマーシャルのことです。吉永小百合が訪れたというだけで行って見たいとおもうのはおぢさんの証拠でしょうか。まあ、入会資格が50才以上だし・・・
(*2)柳蔭飲まんか
 柳蔭(やなぎかげ)は甘味の強いみりんに焼酎を加えて甘味を抑え、飲みやすくしたものだそうです。飲んだことはありませんが、とっても美味しいらしいです。
(*3)太田道灌のやまぶきの話

七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき

 雨宿りをした太田道灌に蓑がない意図(蓑ひとつだに無きぞ悲しき)を伝える逸話。
 やまぶきの話はこちらのHPでどうぞ
(*4)貧乏花見
 貧乏長屋でお花見に行くことになりましたが、お金が無いので食べモノはみんな代用品。卵の巻き焼きは沢庵、尾頭付きの魚はダシジャコ、カマボコはご飯のおこげ(釜底)・・・
 シャレとバイタリティで楽しむ貧乏人たちをお楽しみください
(*5)蛇含草(じゃがんそう)
 餅が大好きなご隠居が、食べすぎた餅を消化をするためにこの蛇含草を食べると・・
 落語にしては珍しいブラックなオチの話。東京落語では”そば清”という餅がそばになった話もあります。

資産運用には役に立たない話ですが・・・(シティバンクとメリルリンチ/帰化植物)

 ども、相変わらず金欠病に苦しむおぢさん、たいちろ~です。

  資産価値、試算するほど資産なし

 そろそろ、年金生活をまじめに考えなきゃな~~という年になってきました。投資信託だとか、FX(*1)とか色々ありますが、相変わらず資産があるわけじゃなし。まあ、どんな金融機関と取引をすれば良いかということで、今回ご紹介するのは、外資系の金融機関をとりあげた”シティバンクとメリルリンチ”であります。


0052


写真はたいちろ~さんの撮影。自生しているのでネームプレートはないですが、セイヨウタンポポだと思います。


【本】シティバンクとメリルリンチ(財部 誠一、講談社現代新書)
 全米最大の不良債権を抱えたシティバンク、巨額の赤字を計上したメリルリンチは、いかに苦境を乗り越え、世界のトップ企業となったか。日本の個人資産 1200兆円市場を狙う両社の経営戦略を徹底解剖(Amazon.com「BOOK」データベースよりそのまんま転記)
【花】帰化植物
 単に国外から入った植物の意味ではなく、人為的な手段で持ち込まれた植物のうちで、野外で勝手に生育するようになったもののことである(Wikipediaより)。
 なので、入ってくるには人間が介在していて、広がるには人間か介在していないということみたい。セイヨウタンポポ(*2)、セイタカアワダチソウ(*3)、オナモミ(*4)などが有名。


 さて、世界で最も有名な銀行”シティバンク”と、世界で最も有名な証券会社”メリルリンチ”ですが、今回はメリルのほうの話がメインです。
 メリルリンチ創業者であるチャールズ・メリルは小口投資家がもっと取引に参加できるようにと考えた”リテール指向”の人。”金融機関のデパートたれ”ということで、マスマーケッティングによる広告と大量販売、コスト削減、投資家教育なんかを進めました。
 その後、事業を”法人顧客グループ、米国個人顧客グループ、国際個人顧客グループ、資産運用フループ”に再編成、さらに”よりグローバルに、よりローカルに”をスローガンに世界をアメリカ、カナダ・ラテンアメリカ、ヨーロッパ・中東・アフリカ、オセアニア、東南アジア、日本”の6地域に分割。この中で日本を担当するのがホールセールの”メリルリンチ日本証券”とリテールの”三菱UFBメリルリンチPB証券”です(*5)。
 メリルリンチの経営理念は下記の5つ
  顧客重視(Cliant Forchus)
  個人の尊重(Respect For The Individual)
  チームワーク(Teamwork)
  責任のある企業市民(Resiponsibul Citizenship)
  誠実さ(Integrity)

 これに対し日本の金融機関がとったのは提携戦略。日本興業銀行と野村證券、日興證券とトラベラーズ、住友銀行と大和證券、三菱グループ連合(東京三菱銀行/三菱信託銀行/東京海上/明治生命)、東海銀行とあさひ銀行、第一勧業銀行とJPモルガン、富士銀行と第一勧業銀行・・・

 と、ここまで読まれて”あれ?!”と思われた方は正解。実はこの本、1999年発刊とほぼ、10年近く前のものなんですよね。
 第一勧業銀行/富士銀行/日本興業銀行統合してみずほフィナンシャルグループに。
 東京三菱銀行/三和銀行/東海銀行は三菱東京UFJ銀行に。
 日興證券はシティグループ(シティコープとトラベラーズ・グループの合併会社)を経て現在は三井住友フィナンシャルグループの傘下に。
 今回のお話であるメリルリンチですら、2009年にバンク・オブ・アメリカに買収されています。

 こうやって見ると、金融機関にとって激動の10年だったんだな~と分かります。でも、日本の金融機関再編成を促したバブル崩壊といい、アメリカのサブプライム問題といい(*6)、やってることはあんまし変わっていないなぁというのが感想。

 もう一つ変わらないと思ったのは顧客サービスかな。投資信託の一般化とかはあったものの、本書で語られるような外資系金融機関による夢のような(ただしお金持ちにとって)サービスが普及したとは思えん・・・

 ところで、上にあるセイヨウタンポポですが、在来種に比べて生育可能場所が多くて繁殖力が高いから広がったようですが、こと金融機関に関して言うと在来種の勝ち。日本の金融機関のほうが生命力(=顧客サービス)が強かったのか、この10年間で日本というマーケットの魅力がそんなにないことがわかって、外来種がやる気をなくしなのか・・・

 本書は、現時点での資産運用を考えている人にはあまり役には立ちませんが、10年前にどんなことを言っていたかを振り返るには良い本かも。つまり、理想を語るほどには現実はあんまし変わっていのかなぁというとが認識できます。メリルリンチの経営理念なんて、今、日本の金融機関が作っても同じこといいそうだし・・・
 2020年に2010年に書かれた本を読み返して”多少は良くなった”と思えるようにするのは、おぢさん世代の責任かもしれません。

《脚注》
(*1)FX
 外国為替保証金取引のこと。為替差益、金利差益にレバレッジという手持ち資金よりはるかに大きい金額の取引ができることから、先行き見通しが当たると大儲け、外すと大損というリスクがあります。
(*2)セイヨウタンポポ
 タンポポは日本に生育していた在来種と外来種(セイヨウタンポポ)があります。在来種は開花時期が春の短い期間で、生育場所も限られていることから、よく見かけて夏でも咲いているのは概ねセイヨウタンポポだそうです。
(*3)セイタカアワダチソウ(背高泡立草)
 キク科アキノキリンソウ属の多年草。名前のとおり2m近くあるわ、毎年出てくるわと雑草の代名詞のような草ですが、元々は明治時代末期に園芸目的で持ち込まれた帰化植物。もっとも、大繁殖したのは第二次大戦後のアメリカ軍の輸入物資に付いていた種子によるものだそうです。
(*4)オナモミ
 カギ状のとげのある実をつける雑草。年配の方には”ひっつき虫”といった方がメジャーかも。ガキのころ、これをセーターなんかに投げつけて遊んだものです。
(*5)”メリルリンチ日本証券”と~
 前身は1997年に経営破たんした山一證券。これとて、最近の新入社員にとっては小学校時代の話ですから、あっという間に歴史化してるんでしょうね。
(*6)サブプライム問題といい
 バブル崩壊と発生メカニズムは違いますが、根本には”不動産価格はいつまでも上昇しつづける”という幻想があったことは共通だと思うんですがねぇ。

« 2010年4月25日 - 2010年5月1日 | トップページ | 2010年5月9日 - 2010年5月15日 »

最近のコメント

最近のトラックバック

無料ブログはココログ