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2010年3月14日 - 2010年3月20日

古くせえもなア、いざというとき間にあわねえ(おじいさんのランプ/しだれ柳)

 ども、頭が白熱電球ではない、たいちろ~です。いや、ちょっとアブナイかも・・
 先日、東芝ライテックが白熱電球の製造を終了したとのニュースがありました(*1)。
 東芝の源流をたどると、藤岡市助らが1890年(明治23年)に”白熱舎”を創設し、日本で最初の白熱電球の生産したという、まさに創業事業のひとつ。
 今でこそ、白熱電球といえば、CO2削減の槍玉に挙げられていますが、かつてはGEの礎を築き、パナソニックの原点となるハイテク技術だったんですよね(*2)。
 ということで、今回ご紹介するのは、白熱電球黎明期のお話”おじいさんのランプ”であります。

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写真はたいちろ~さんの撮影。北海道大学構内のしだれ柳です。

【本】おじいさんのランプ(新美南吉)
 かくれんぼをしていた東一君は、蔵の中から古いランプを見つけました。
 巳之助(みのすけ)おじいさんは、そのランプにまつわる昔の話を東一君に語り始めました・・・
 新美南吉による児童文学の名作。いろいろ出版されてますが”少年少女日本文学館”のシリーズで読みました。
 ご年配の方は、小学生のころ読んだ方も多いかと。
【花】しだれ柳
 柳はヤナギ科ヤナギ属の樹木の総称。日本で”柳”といえばシダレヤナギを指すことが多いです。
 川や池の周りに植えらるのは、張った根っこが水害防止対策になるからだそうです。

 身寄りのない少年、巳之助は町で見かけたランプの明かりに感動して、ランプを自分の村で売り始めました。巳之助にとって、だんだん商売が繁盛すると共に、今まで暗かった村々が自分の売ったランプで明るくなっていくのが楽しみでした。
 ところがある日、町に電気が引かれ、電球が灯り始めました。
 ”自分の商売ができなくなるんじゃないか?”と不安を感じる巳之助。
 やがて自分の村に電気を引かれることになり、それを決めた村長さんを恨んで、家に火をつけようと火打ち石を持って出かけていきました。

 おおまかなあらすじはこんな感じです。今回のお題の

  古くせえもなア、いざというとき間にあわねえ

 は、マッチが見つからずに、火ち打石で放火をしようとして、なかなか火がつかずに、火打ち石をののしる巳之助の言葉。ここで、マッチという便利なものと古い火打ち石を比べて、自分の職を失うことを恐れて新しいものを否定する自分の間違いに気がつきます。
 巳之助のカッコイイのはここから。
 売れていなかった50ケのランプを、池の岸にあるはんの木や柳にかけて灯をともします。

  わしの、しょうばいのやめ方はこれだ。
  お前たちの時世はすぎた。世の中は進んだ。

 と言いながら石をぶつけて割っていきます。
 木に吊るされた50ケのランプ。そして池にうつる50ケの灯り。幻想的でありながら、巳之助の覚悟の程がわかる名シーン。
 やはり一つに時代の滅びの風景とはこうありたいものです。

 巳之助おじいさんが、昔語りを終えて東一君に言います。

  わしが言いたいのはこうさ、
  日本がすすんで、自分のしょうばいがお役に立たなくなったら
  すっぱりそいつをすてるのだ。
  いつまでもきなたく古いしょうばいにかじりついていたり、
  自分のしょうばいがはやっていた昔の方がよかったといったり
  世の中のすすんだことをうらんだり、
  そんな意気地のねえことは決してしないということだ。

 ”おじいさんのランプ”は児童文学になりますが、こういう所は本当は大人が読むべき話ではないでしょうか。別に古いものがすべてダメだと言うつもりはないですが、雇用確保の為にあたら事業を継続していることってないでしょうかね・・・

 そして、巳之助は新しい商売”本屋さん”を始めることになりました。

 さて、東芝ライテックが白熱電球の製造を終了した記事が新聞に載った日、総務省、文部科学省、経済産業省が電子書籍の普及に向け統一規格作りに着手した旨の記事が掲載されました。キンドルやiPad(*3)といった電子書籍の普及に対応するといのが趣旨だそうですが、利用者の利便性というより”紙の本が売れなくなる”とか、出版社が中抜きされて破綻するとかを恐れて保護主義に走っているような気がしてなりません。

 できうれば、巳之助に軽蔑されないような大人の対応をして欲しいと、一介の本読みとしては思うのであります。

《脚注》
(*1)東芝ライテックが白熱電球の製造を終了~
 東芝ライテック、白熱電球の製造を終了 120年の歴史に幕
 (2010年3月17日 Yahoo!ニュースより)
(*2)GEの礎を築き、パナソニックの原点となる~
 世界第二位の電機メーカー”GM(ゼネラル・エレクトリック General Electric)”も、元をたどれば1878年にトーマス・エジソンが設立した”エジソン電気照明会社”。
 大阪電燈(現関西電力)に勤務する青年が、簡単に電球の取り外しが可能な”電球ソケット”を発明、これを製造する会社を創業しました。この青年こそが”松下幸之助”、創業されたのがパナソニック(旧松下電器産業)であります。
(*3)キンドルやiPad
 キンドルはAmazon.comの、iPadはアップルの電子書籍用の端末。端末の向こうにある膨大な電子化された書籍を読むことができる”持ち歩けるブックセンター”みたいなモンです。
 現在は日本の書籍は対象ではありませんが、早く日本の本も読めるようになって欲しいと思っている愛書狂は多いはず。

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いたずらな小枝よ、もっと髪をからめれおくれ(ポーの一族/沈丁花)

 ども、美しきバンパネラ、たいちろ~です。(ウソです)
 暖かくなったり、寒の戻りがあったりと不安定な気候の昨今ですが、それでも春は一歩づつ近づいてきています。私の近所の公園でも沈丁花(じんちょうげ)の花が咲きました
 で、この花が咲いたらぜひ書きたかったのが今回ご紹介する”ポーの一族”であります。

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 写真はたいちろ~さんの撮影。近所の公園の沈丁花です。

【本】ポーの一族(萩尾望都 小学館文庫)
 ”ポーの村”に住む吸血鬼(バンパネラ)。少年の姿のまま、永遠の時を生きる運命。 エドガーとメリーベルの兄妹、そしてアランの3人が200年以上の時をさすらうという、1970年代を代表する少女マンガ。
 今回ご紹介するのは”メリーベルの銀のばら”に掲載されているエピソードです。
【花】沈丁花(じんちょうげ、ちんちょうげ)
 ジンチョウゲ属の常緑低木。春にはうすピンク色で星型の花が咲き、甘くて良い香りがします。
 花言葉は”不死、不滅、永遠”などと、バンパネラをイメージさせるものです。

 このブログのテーマは”本と花”なんですが、書く発想としては”本を読んで関連する花を探す”、”花を見て関連する本を探す”、”何かのお題があって、本や花を探す”の3つがあります。でも、実際は本から花を探すのが6~7割近くで、花が先の場合って1割ぐらいですかね(*1)。
 でも、今回の”沈丁花”はまず花があったケース。そのために”ポーの一族”を読み返ました。

 お屋敷の入り口に咲く沈丁花の小枝に、美少女メリーベルの髪がからみつく。そこへ通りかかる少年、ユーシスは困っているメリーベルを見つけて小枝から髪からはずしてあげます。

  ユーシス :待って!、動かないで・・・ からみついています
        すぐといてあげますから
  メリーベル:香りが・・・
  ユーシス :あなたの髪がからんでいる木の花の香りです
  メリーベル:なんの木?
  ユーシス :ジンチョウゲ
        陽だまりなので、どこよりも早くつぼみをつけるのですよ

 目を閉じてうつむくメリーベルに”ジンチョウゲの詩”が

  いたずらな小枝よ、もっと髪をからめておくれ
  この時が すこしでもつづくように、つづくように

 まさにマンガ史に残るこの名シーンです。
 始めて”ポーの一族”を読んだのは確か高校の時だったなか。美少年のユーシスに自分を重ねて、メリーベルのような美少女との出会いに憧れたもんです。
 このシーンは他のマンガ家にも影響を与えたようで、”笑う大天使(ミカエル)”にも”沈丁花娘”というのが出てきますし(*2)。

 この本を読んでから35年近く、沈丁花を見つけたときは嬉しかったですね。もっとも時すでに遅く、こっちはあらフィフのおぢさん。美少女など望むべくもなく・・・(*3)
 こういう時って、永遠の美少年たるバンパネラに憧れてしまう瞬間であります。

 ”ポーの一族”は発表後、40年近くたつ作品ですが、今でも小学館フラワーコミックススペシャルのシリーズで入手可能。
 ぜひ読んでいただきたい少女マンガの傑作です。

《脚注》
(*1)花が先の場合って1割ぐらいですかね
 おかげで、このブログにアクセスする検索キーワードはライトノベルの名前とか、アニメ系とか”聖地”とか。花で検索されるのは”デンドロビウム”ぐらいですが、これとてガンダムつながりです。
 ま、内容が内容ですから・・・
(*2)”笑う大天使”にも”沈丁花娘”というのが出てきますし
 ”笑う大天使(ミカエル)”は川原泉の少女マンガ(白泉社文庫)
 沈丁花の小枝に髪がからんだ1年生の美少女を、”オスカル様”こと猫かぶり2年生の和音さんが助けてあげるシーンがあります。
 いっしょにいた猫かぶり2人娘の史緒さんと柚子さんは”ポーの一族”の話でおおいに盛り上がってるのもお約束。
 何気に書いていますが、”メリーベルの銀のばら”の掲載が1973年、”笑う大天使”が1987年と15年近くあいているんだから、やっぱり名作の力ってすごいです。
(*3)美少女など望むべくもなく・・・
 今や、娘のほうがこの時のメリーベルの年を追い越してるんですから、真面目に望んだらロリコン扱いです。

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まあ、サミュエル・ウルマン引っ張り出して説教たれなきゃ若いんでないかい(青春の詩/松)

 ども、あらふぃふのヤングマン、たいちろ~です。
 先日、会社の同期会がありまして、参加してきました。入社以来Over四半世紀、腹は出るわ、髪の毛は薄くなるわ、細かい字なんか眼鏡をはずさないと見えないんですぜ!
 でも、会ったら会ったで、20代前半の入社当時に気持ち(だけ)は戻るんですから、人間なんて便利なものです
 ということで、今回のお題は”「若い」って、いくつくらいまで?”ですが、まあ、気持ちしだいなんでしょうねぇ。

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 左の写真はたいちろ~さんの撮影。高松栗林公園の鶴亀松(黒松)です。


【本】青春の詩(サミュエル・ウルマン)
 サミュエル・ウルマン(Samuel Ullman、1840~1924年)はアメリカの実業家、詩人。この人の詩”YOUTH(青春)”は連合国総司令官ダグラス・マッカーサー元帥や、松下幸之助も座右の銘として有名。
【花】
 マツ科の針葉樹。花言葉の”不老長寿、永遠の若さ”にもあるように、長寿を表す縁起のよい木とされていますが、実際の樹齢はだいたい450年ぐらだそうです。
 実際には、越喜来の杉(推定 7000年)や屋久島の大王杉(推定 3000年)など杉のほうが樹齢は長いみたいです。

 ”気持ちしだい”ということは、逆もまた真なりで、若くてもおじいということもあります。李賀の詩のように(*1)20歳でも心が朽ちれば年寄り待ちですし。
 見た目だけでいえば、私だって入社早々、同期入社のお嬢さん方から”おとうちゃん”というあだ名をいただいてました(*2)。

 逆に、江田島平八(*3)のように90歳過ぎて高校生ぐらいの息子がいるような”生涯現役”のキャラクターもありなんでしょう。

 ところで、”若さは気持ちしだい”と言って、必ず出てくるのか、今回ご紹介するサミュエル・ウルマンの”青春”。(全文はこちら

  青春とは人生のある期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。
  優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、
  安易を振り捨てる冒険心,こう言う様相を青春と言うのだ。

   (中略)
  人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる
  人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる
  希望ある限り若く  失望と共に老い朽ちる

   (後略)

 まあ、この詩ほどプラスにもマイナスにも使えるものは珍しいでしょうね。

 ”だから、今の地位なんか若いヤツに譲って、私はもっと新しいことをするんだ!
 これはプラス。
 ”だから、まだ今の地位にしがみついて、もっと続けるぞ!”
 これはマイナス。

 本来は前者の意味で使うべきなんでしょうが、ともすると後者の意味で使われがち。だから、この詩を持ち出して説教たれだすオヤジがいたら、冷ややかな目で暖かく接してあげましょう。だいたい若者は、若さなんて考えないのが若者の若者たるゆえん。”若さとは何だ?”なんてこと言い出す高校生がいたら不気味です。

 くねくね曲がって育つ松より、まっすぐお日様に向かって伸びる杉のほうが樹齢が長いように、現実を直視した上でいつも新しい目標向かってまっすぐ進んでいるほうが、年齢に関係なく若いってことでしょうかね。

 まあ、いつまでたっても”若さゆえの過ち(*4)”を繰り返すのが人の常
 老成しないんだから、いつでも若いって言ってもウソじゃないと思えば気が楽です。

《脚注》
(*1)李賀の詩のように
 李賀(りが)は中国中唐期の漢詩人。
  『陳商に贈る
    長安有男児 ちょうあんにだんじあり
    二十心已朽 はたちにしてこころすでにくちたり
    (中略)
    祇今道已塞 ただいまみちすでにふさがる
    何必須白首 なんぞかならずしもはくしゅ(白髪頭)をまたん
(*2)”おとうちゃん”というあだ名を~
 担当していたお客さんのOLの方からも”あの人は30歳過ぎの子持ちかどうか”で賭けをしていたそうですから、まあ、万人の一致する評価だったんでしょうなぁ・・・
(*3)江田島平八
 宮下あきら作の漫画”魁!!男塾”などに登場する男塾の塾長。設定通りなら2010年現在で92歳。”曉!!男塾”で高校生の息子が登場しましたが、70歳台で産ませたことになります。確かにギネス級です。
(*4)若さゆえの過ち
  認めたくないものだな、自分の若さゆえの過ちというものを
 機動戦士ガンダムのシャア少佐の名言。
 もっとも、このアニメが放映されたのは30年前ですから、リアルタイムで見てた人はすでにおぢさん、おばさんではないかと。

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