« あと、女子アイドルが美味しくいただけるようになりました(となりの801ちゃん/百合) | トップページ | アメリカ海軍さま~~、アメリカ海軍さま~(荒野の七人/七人の侍/横須賀 アメリカ海軍第七艦隊) »

日本そのものがデスマーチだからなぁ・・・(デスマーチ/ドクニンジン)

 ども、品質改善活動推進事務局のおぢさん、たいちろ~です。
 これでも一応コンピュータの会社に勤めておりまして、先日、品質改善活動ミーティングってのがありました。
 コンピューターをご購入いただいた方には申し訳ありませんが、コンピューターは必ず故障します。まあ、故障しても止まらないようにいろいろ手は打つんですが、絶対に故障しないハードウェアってのはありえないし(*1)。ソフトウェアも人間が作るので、何がしかのバグが入り込む確率は相当高いです。まあ、低予算、短納期、残業につぐ残業でプログラムを作っていればいたしかたない面もありますが・・・
 ということで、今回はシステム開発者必読の本”デスマーチ”のご紹介であります。


Dokuninjin
写真はドクニンジン。”身近な野生植物のページ”から。作成は帝京大学薬学部の研究者、木下武司氏です。さすがにおいそれと撮影できそうにないので使わせていただきました。


【本】デスマーチ 第2版(エドワード・ヨードン 日経BP社)
 サブタイトルの”ソフトウエア開発プロジェクトはなぜ混乱するのか”とあるように、システム開発にかかわるトラブル発生原因と対処法を分析した本。
 初版は1998年、第2版は2006年の出版ですが、状況はあんまし変わってないような気が・・・
【花】ドクニンジン(毒人参)
 セリ科の有毒植物。名前のとおり毒性アルカロイドであるコニインという神経毒を含んでいます。
 ソクラテスの処刑に毒薬として用いられたことでも有名。


 ”デスマーチ(死の行進)”と言われてもピンとこないかもしれませんが、

  常識的に見積もった開発期間を半分以下に圧縮したプロジェクト
  通常必要な人数の半分以下しかエンジニアを割り当てられないプロジェクト
  予算やその他の必要資源が半分に削られたもの。
  開発するソフトウェアの機能、性能、その他の技術的要素が通常の倍以上のプロジェクト

 のことで、失敗する確率が50%を超えるもののことです。
 まあ、”常識的に”とか、”通常必要な”とかの数字を出すのも難しいんですが(*2)、”そりゃ、ムチャぶりやろ~~~”という感覚は確かにあります。帰社時間間際になって上司から”このレポートまとめといてね、明日の朝一番の会議で使うから。あとパソコン壊れてるから手書きでね♡”みたいな。

 まあ、ステークホルダー(*3)が山ほどいて、予算も限られている中で、こうならないようにプロジェクトマネージャーしてはなんとかせんといかんワケです。
 本書の中で印象的だったのは”トリアージ(Triage)”という考え方。元々は大事故、大規模災害などで多数の傷病者が出てるにもかかわらず、医者、薬などのリソースが圧倒的に不足している状態で、重症度と緊急性によって傷病者を分別し治療の優先度を決定することです。感情論でいえば重症者を最優先する所ですが、現状の医療リソースで救命ができないなら優先度を落として、救えそうな人に医者や薬を割り当てるということです。非情な割り切りのように聞こえますが、これができないと、結局みんな救えないという事態になりかねません。
 今の日本みたいに”子供手当ては出します、法人税減税はやります、消費税は上げません。財源確保? 後は四露死苦!”はトリアージが出来てない状態。デスマーチまっしぐらです。

 まあ、言うは易く、行うは難しで、実際にやるのは大変。
 で、重要になるのがプロジェクトマネージャーの手腕。自ら望んでドクニンジン喰らう必要はないので、始まる前なら断るという選択肢もありますが、受けちまったらやらないといけないのがサラリーマンの辛いところ。でも、間違いや欠陥はそれとして、ちゃんと指摘し改善しないと問題は解決しません
 本書ではナポレオンのこんな言葉を引用しています。

  作戦に欠陥があると思いながら強行する指揮官は重大な誤りを犯している。
  欠陥があると思う理由をきちんと主張し、作戦の変更を求め、
  最後の手段として自分の兵隊を犠牲にするのではなく、
  自分の職をなげうつ覚悟が必要だ

 ともすると部下にしわ寄せをしがちな中、リーダーとしてはもって銘すべき言葉です。
 まあ、逃げ出したいことも多いでしょうか、”逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ”と唱えながらやるしかないんでしょうかね。絶対逃げるなと言ってるワケではありませんが、ダチョウじゃあるまいし(*4)闘わないで目をふさいでいても問題は片付かない。

 私から、追加で一言

  逃げないのが勇気のある者なのではなく、
  そこに留まり、敵に立ち向かうのが勇気のある者である。

  He is a man of courage who does not run away(*5),
  but remains at his post and fights against the enemy.

                 ソクラテス

 ”デスマーチ”はシステム開発者必読と書きましたが、本来は経営者や利用者に読んで欲しい本。好き勝手を言ってるだけでは決して良い結果に結び付かないという意識をみんなで共有すべきです。

《脚注》
(*1)絶対に故障しないハードウェアってのはありえないし
 高品質の例としてはアポロ計画などで使われた”シックスナイン”ってのがあります。これは99.9999%(9が6個並ぶ)の精度の意味ですが、この精度の部品を100ケ使って1万台の機械を作ると1台は故障する計算になります。
 でも、”シックスナイン”で検索するとエッチ系しか出てこないんだよなぁ。
(*2)”常識的に”とか、”通常必要な”とかの~
 過去の類似のプロジェクトとの比較とか、ファンクションポイント法(機能数や複雑さによって重みづけした点数で評価)とか、いろいろありますが、最初にすべての要件を決めるのも難しいので、やってみなければわからないという面があるのも確かです。
(*3)ステークホルダー(Stakeholder)
 利害関係者のこと。システム開発の場合はクライアントである企業の経営者、システム担当者、利用者をはじめ、値引き攻勢にあっているベンダ側の営業担当者も含まれます。まあ、敵、敵、敵、敵、味方、敵・・・・ってな感じでしょうか。
(*4)ダチョウじゃあるまいし
 ダチョウは危機が迫ると頭を地面や砂地の砂に突っ込んで危機をやり過ごそうとする習性があるそうです。ここからその場凌ぎの危機回避行動を”オストリッチ・コンプレックス”という言葉になりました。
 そういえば、”オストリッチ・コンプレックス”(エリオット・ワイナー 廣済堂出版)って本もあったなぁ、昔読んだけど。
(*5)run away
 ”run away”は「逃げる、逃走する」という意味。真人間だったころの田代まさしもいたシャネルズ の曲です。覚えてますか?
 ちなみに、”run away”の間は離すこと。”runaway”だと”暴走した、止めどもなく進む”という形容詞になります。

« あと、女子アイドルが美味しくいただけるようになりました(となりの801ちゃん/百合) | トップページ | アメリカ海軍さま~~、アメリカ海軍さま~(荒野の七人/七人の侍/横須賀 アメリカ海軍第七艦隊) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

コメント

確かに壊れないコンピューターもなければ不具合のないソフトもないのかもしれません。けど最近は後でパッチ当てればいいやみたいな商品が多い気がします><

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/528774/50331626

この記事へのトラックバック一覧です: 日本そのものがデスマーチだからなぁ・・・(デスマーチ/ドクニンジン):

« あと、女子アイドルが美味しくいただけるようになりました(となりの801ちゃん/百合) | トップページ | アメリカ海軍さま~~、アメリカ海軍さま~(荒野の七人/七人の侍/横須賀 アメリカ海軍第七艦隊) »

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

無料ブログはココログ