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仲間の誰かが行方不明になって、そのままほっとくようなハルヒじゃない(涼宮ハルヒの消失/甲南病院)

 ども、クリスマスに一人で”涼宮ハルヒの消失”を見てたおぢさん、たいちろ~です。
 やっと出ましたDVD! ということでT○T○AYAに借りに行きました。クリスマス・イブも、土曜のクリスマスも、な~んも華がなく、単身赴任寮で一人ハルヒを見てる人生ってどうなのよ?!というご意見もあろうかと思いますが、しょうがないじゃん、そういう人生を選んじゃったんだから・・・

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写真は”近代建築Watch”のHPより。甲南病院です。近影はこちらのHPでどうぞ。


【DVD】涼宮ハルヒの消失
     (平野綾、杉田智和、茅原実里 総監督:石原立也、京都アニメーション)
 クリスマス真近なある日、登校したキョンは驚くべき現実に直面する。いるはずの涼宮ハルヒや古泉一樹がいない、いないはずの朝倉涼子がいる。朝比奈みくるは他人になっており、長門有希は恥ずかしがり屋の文芸部員になっていた・・・
 キョンは失われた”現実”を取り戻すために動き出す。
 大ヒットしたライトノベル&アニメ”涼宮ハルヒの憂鬱”の映画版。2010年公開。
【旅行】甲南病院
 1934年(*1)に設立された神戸市にある総合病院。
 六甲山の山の手(神戸市東灘区鴨子ヶ原)に建っているため、最寄駅は阪急御影駅ですが、かなりの急坂ですのでバスかタクシーを使ったほうが無難です。
 ”近代建築Watch”のHPによると戦前の建物ということで、なかなかに風格のある建築物です。
 あくまで、普通の病院ですので、聖地巡礼とかでお医者さんや患者の方にご迷惑をおかけしないように


 ”涼宮ハルヒの消失”は、SFのジャンルでいうとパラレルワールドモノであり、タイムトラベルモノであり、狂った人工知能モノなんでしょうが、印象でいうと長門有希の”初恋の物語”かなあ。袖をつまんで引っ張る長門有希とか、やおびえる顔で「やめて」ってつぶやく長門有希とか、キョンとの初めての出会いを告白する長門有希とかを見ることができるとはねぇ。ちょっとメガネを上げる顔もかわういし。
 それにこの世界の長門有希はかなりのSFオタクらしく、ハイペリオン(*2)はともかく、机の上には早川の”世界SF全集”(*3)が山積みに。裏表紙だけ見て”世界SF全集”ってわかるおぢさんがライトノベル好きってのはどうなのよ? って気もしますが。

 ”涼宮ハルヒの消失”の見どころはやはり甲南病院でのシーンでしょうか。
 目覚めたキョンが寝袋で寝ているハルヒを見つけての一言。

  古泉一樹 :とにかく今は、あなたが真っ先にしないといけないことがあるでしょ
  キョン  :寝顔に落書きか?
  古泉一樹 :それは気が付きませんでした。おやりになりますか?
   (中略)
  涼宮ハルヒ:あたしの顔に、いたずら書きとかしてないでしょうね?
  キョン  :したかったけどな

 以外と、この二人の発想って同じなのかも。

 それと長門有希が甲南病院の屋上でキョンに真相を告白するシーン。 
 甲南病院の夜景、ちょっとけだるげなエリック・サティのジムノベティ第1番をBGMに、キョンのセリフも素敵です。

  長門有希 :私の処分が検討されている
  キョン  :誰が検討しているんだ?
  長門有希 :情報統合思念体
        私が再び異常動作を起こさないという確証はない
        私がここに存在し続ける限り、私の内部のエラーは蓄積しつづける。
        それはとても危険なこと。
  キョン  :くそったれと伝えろ。お前の親玉に言ってくれ。
        お前が消えるなりいなくなるなりしたら、いいか、俺はあばれるぞ!
        なんとしてでもお前を取り戻しにいく。俺にはなんの能もないが
        ハルヒをたきつけるぐらいならできるんだ。

         (中略)
  キョン  :長門はおれたちの仲間だ。
        仲間の誰かが行方不明になって、そのままほっとくようなハルヒじゃない。
        涼宮ハルヒはそういうやつだ。
        身勝手で自己チューで他人の都合を考えない、ハタ迷惑な俺たちの団長様だ

 きっと、この瞬間に長門有希の初恋は成就したんでしょうね。

 甲南病院から見える神戸の風景、風格のある病室、歴史を感じる廊下や扉、エレベーターを取り巻くように設置されたエレベーターなど、とてもよく雰囲気が出ています。
 実を言うと、私の娘と息子は両方とも甲南病院で生まれまして・・・
 その十数年後に、この病院でこんなドラマがあろうとはな~

 ”涼宮ハルヒの消失”は2010年度のアニメの中では最高傑作のひとつ。これだけでも面白いですが、やはりシリーズ通して見て欲しい作品です。

《脚注》
(*1)1934年
 満州国で溥儀が皇帝になり、ヒトラーが総統と首相を兼任し、スターリンの”大粛清”が始まり、日本がワシントン海軍軍縮条約の単独破棄を通告したという年です。
 俳優の長門裕之(有希のお父さんではない)、”虚構船団”の筒井康隆、”世界の中心で愛を叫んだけもの”のハーラン・エリスンもこの年の生まれ。
(*2)ハイペリオン(ダン・シモンズ ハヤカワ文庫)
 28世紀、宇宙に進出した人類を統べる連邦政府を震撼させる事態が発生した! 時を超越する殺戮者シュライクを封じこめた謎の遺跡―古来より辺境の惑星ハイペリオンに存在し、人々の畏怖と信仰を集める“時間の墓標”が開きはじめたというのだ。(Amazon.comより)
 ヒューゴー賞・ローカス賞・星雲賞を受賞したダン・シモンズのSF。
(*3)早川の”世界SF全集”
 1968年~71年に早川書房より刊行された全35巻+別冊1巻のSF大全集。68年はあの”ペリー・ローダンシリーズ”発刊開始(1971年)より前です。裏表紙の写真は”長門有希の100冊”のHPでどうぞ。
 ヴェルヌの”海底2万リーグ”、アシモフの”鋼鉄都市”、ハインラインの”夏への扉”、小松左京の”果てしなき流れの果てに”など、綺羅星のごとき名作の数々。昭和のおぢさんはこの本を読んでSFを学んだんですよ!

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コメント

また出たね、ハルヒ!娘が大学に行くような歳のオヤジが扱うと確かに危ないやつと思われるけど、それについていける俺もどうかと・・・。
ハルヒに関連してひとつおもしろい説を・・・。ハルヒに出てくるいろんな設定でいろんな霊現象や心霊に関することが説明できるというのがある。詳しく書くと長くなるのでかいつまんで書くけど、情報統合思念体を霊体・つまり実体を持たない生命体と考える・どちらも生きている人間(有機生命体)とは通常は直接のコンタクトはできないので、長門有希のようなヒューマノイドインターフェースが必要になる。霊に関して言えば、長門有希に相当するのが故・丹波哲郎だったり稲川淳二や江原啓之など霊からのメッセージを伝えてくれる人ということになる。その他細かい説明はいずれ改めてするとして、いろんな解釈もあるのだなぁと感心するやらおもしろいやら。形態の異なる生命体と考えると、霊もそんなに怖くは無くなる・・・いや、やっぱり怖い!
多少のこじつけ感も無くはないが、怖がりのくせに心霊話も好きな私は結構納得できるところがある。こんな話、いかが?

もう見ました、面白いですね

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