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そんなに基地が欲しいというのなら、東京に作ればいいじゃないか(東京に原発を!/ニガヨモギ)

 ども、ついつい電気をつけっぱなしで寝てしまうおぢさん、たいちろ~です。
 なんだか、すったもんだの上、菅直人が新首相になりました(*1)。
 鳩山前首相の辞任は、普天間基地問題の右往左往が直接のトリガーみたいですが、結局”基地は必要だ”という前提に立ってしまうと”じゃあどこに持ってくんだ?”という問題は必ず出てきます。街のゴミ処理場から基地まで、必要なのは判るけど自分ん家の近くには持ってきて欲しくない施設ってのは確かにあります。
 ”そ~言えば、昔に同じようなテーマの本があったな~”ということで、今回ご紹介するのは広瀬隆の ”東京に原発を!”であります。


Nigayomogi2

写真は”植物園へようこそ!”のHPより。ニガヨモギです。


【本】東京に原発を(広瀬 隆 集英社文庫)
 チェルノブイリ、スリーマイル島の原子力発電所事故を始め、核燃料リサイクルに秘められた危険性などを告発したノンフィクション。
 集英社文庫版は初版のJICC版(1981年)を、チェルノブイリ原発事故を受け大幅に加筆修正。
【花】ニガヨモギ
 キク科ヨモギ属の多年草。アブサンやベルモットなどのお酒の香り付けに使われるハーブの一種。調べてみると”英名(absinthe)はエデンの園から追放された蛇の這った後に生えたという伝説に由来する”とか”北欧のバイキングの間では死の象徴”とか、あんまりいいイメージはないみたい。その割に花言葉は”冗談、からかい、平和”など。

 ”便利な暮らしを支えるには電気が必要だ”という意見に異議を唱える人は、まあそんなにいないでしょう(*2)。良くも悪くも現代社会ってのは電気に支えられています。ブログだって電気がなければありえないシロモノです。で、電気が供給されているってことは、その電気を作ったり送ったりする人が当然のことながら存在します。
 資源エネルギー庁の統計によると2009年度の総発電量、9,254億KWhの内、火力が61%、原子力が30%、水力が8%、地熱、風力、太陽光などがチョロ。なので、原子力発電所を閉鎖するという議論は、安価でクリーンな代替エネルギー源を確保しない限り単純にいうと”電気の消費量を1/3にする生活を許容する”ということになります。また、もしそんなものが出来ても、安定供給という観点から適当に分散をさせておかないと”アンチ・シズマドライブ(*3)”に対応できないリスクもあります。

 では、ここまで依存しちゃっている原子力発電が”安全”かというのが本書の本題。結論から言うと、でんでん安全じゃない。よく話題になる原子炉もそうですが、発電しおわった廃棄物(つまり”死の灰”)や、寿命の来た発電施設そのもののお片づけなど問題は山積み。そういえば、この前テレビでウラン採掘時の残土を、ほかの土とまぜてレンガにして売るってのもありましたね。
 問題は、このような問題が根本的に片付かないままにどんどん原子力発電が進んでいることと、それを”安全だ”と言い切ってしまうエネルギー行政の問題。安全かどうかも”判らない”というのもけっこうあるみたいです。

  そんなに安全で便利だというのなら東京に作ればいいじゃないか。
  新宿西口に建ててみたらどうだ!

 これは、集英社文庫版の解説文より。ケンカの売り文句としてはけっこう良いデキだと思います。実際に原子力発電所の施設自体の面積だけでいうと東京都内だけでも30ケ所はあるとのこと。送電によるロスや廃熱のエコ利用を考えると、地産地消というか東京に作ったほうが合理的ではあります。
 つまり、”どこに建設するか”は政治的な問題であります。この前の基地問題でも”辺野古と書いたら政府方針の署名しない”と言っていた某党首がいましたが、”だったら、どこって書いたら署名する?”ってなんで誰も聞かないんだろう? 
 沖縄の人に

  そんなに基地が欲しいというのなら、東京に作ればいいじゃないか

 と問われたら、みんななんて答えるか聞いてみたい気がします。まあ、空港であればいいんなら、赤字の地方空港なんて山のようにあるんだし(*4)、税金使うなら基地だどうがなんだろうが採算がとれるようにしろって選択肢もありそうな気がするんですが・・・

 どうすればいいかと聞かれても、さして良いアイデアがあるわけじゃないんですが、こういったネガティブな施設の負担を応分に受け持つっていう観点でいうと、それぞれの施設のリスクをポイント化して(*5)、各県に割り振るってのはありでしょうか? 補助金の額に比例させるとか、選挙権の一票の格差の逆数に比例させるとか。

 ところで、上記の”ニガヨモギ”ですが、この名前を由来とする街があります。その名は”チェルノブイリ(*6)”。冗談のようですが、暗示的な話ではあります。

 本書は、1986年の発刊とほぼ四半世紀前に書かれた本。現在どうなっているかとっても気になります。”温故知新”という意味も含め、今読んでみるのも良いかと。他の問題も含めて2010年度版も見てみたいのであります。

《脚注》
(*1)菅直人が新首相になりました
 2010年6月4日に第94代内閣総理大臣に指名されました。
 てか、第8代民主党代表のほうが驚き。現民主党(1998~2010年)の12年間で8人も変わってるんだ(内3回が菅直人)。首相が短命なので気がつきませんでしたが、実はこっちもみんな短期政権。
(*2) ”便利な暮らしを支えるには電気が必要だ”という意見に~
 まあ、”安全保障のために基地は必要だ”という意見には異議を唱える人はいるでしょうが、”平和と正義のための軍事力”みたいな議論をやってる限りなくせはしないんでしょうなぁ・・・
(*3)アンチ・シズマドライブ
  完全リサイクル可能で完全無公害なエネルギー源”シズマドライブ”。シズマドライブのみの働きを止める”アンチ・シズマドライブ”により地球規模のエネルギー静止現象を引き起こされる。この事態の中、唯一可動できるのが原子力で動く”ジャイアント・ロボ”のみであった・・・
 ”ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日”(横山光輝 バンダイビジュアル)より。
(*4)赤字の地方空港なんて山のようにあるんだし
 どこがどうとはいいませんが、”赤字 空港”で検索するといっぱい出てきます。
(*5)それぞれの施設のリスクをポイント化して
 これはこれで難しいんですけどね。オシャレな建物の代表みたいなテレビ局だってテロや軍事目標たりうるので、いざ有事になれば市街戦に巻き込まれる可能性は否定できません。
(*6)チェルノブイリ
 正確にはオウシュウヨモギ(ロシア語で「チェルノブイリニク」)だそうですが、ニガヨモギと言われるのが多いので、こちらから。この話を知ったのは清水玲子の”月の子(MOON CHILD)”(白泉社文庫)でした。

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