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世界征服ってのは意外と報われないもんらしいです(「世界征服」は可能か?/六本木ヒルズ)

 ども、”愚民ども、我の前にひざまずけ”のおぢさん、たいちろ~です。
 以前、六本木ヒルズで開催されたセミナーに行きました。休憩時間にタバコを吸いながら、
  見ろ、人がごみのようだ(*1)
 なんかつぶやいていると、世界征服をしたような気になります(*2)。勘違いっちゃ勘違いなんですが、それなりにハイな気分には浸れます。
 ということで、今回ご紹介するのはオタキング、岡田斗司夫の”「世界征服」は可能か?”であります。

六本木ヒルズ・52階その2
六本木ヒルズ・52階その2 posted by (C)itokoichi

写真はフォト蔵から。六本木ヒルズ52階から眼下を見下ろした写真。
こんなブログを書くことになるなら、自分でも写真とっとけば良かった・・・


【本】「世界征服」は可能か?(岡田 斗司夫 ちくまプリマー新書)
 男と生まれたからには、一度は夢見る”世界征服”。では、何のために世界征服をするのか? 世界征服は実現可能か? という根源的な理由をアニメ、マンガ、特撮から紐解いた書。
【旅行】六本木ヒルズ
 日本の不動産王”森泰吉郎”が創業した”森ビル”が再開発した複合施設。上記のセミナーは超高層ビル”六本木ヒルズ森タワー”で開催されました。
 単独で立っているビルなので、とても見晴らしが良いです。


 本書で開設されている世界征服の手順としては
  1)目的設定 : 実現する目的の明確化
  2)人材確保 : 目的を同じくする人材の調達と組織化
  3)資金調達と設備投資 : 資金確保と秘密基地作り
  4)作戦と武装 : 実行計画の策定と実行手段の確保
  5)部下の管理と粛清 : 人事政策
  6)世界征服とその後 : 体制の定着化
 が上げられています。”:”の左側が本書の記載ですが、内容を右側のように読み替えると、あることが見えてきます。つまり、世界征服のプロセスというのは会社なんかで言うところの”マネジメント(*3)”なんですね。

 特に重要なのは”なぜ世界征服を行うか?”、つまり目的の明確化です。会社なんかの場合だと”当社の提供するソリューションを通じて、お客様の成長と社会への貢献、それを通じて会社の継続的な成長”云々のきれいごとが通じますが、世界征服を企む悪の組織としてはそうはいきません。本書では例として

 ・人類の絶滅  : 地球への移住を意図する宇宙戦艦ヤマトの”ガミラス人”
 ・お金が欲しい : 非合法な手段で富を集める初期007の悪役”スペクター”
 ・支配されそうだから逆に支配する :機動戦士ガンダムの”ジオン公国”
 ・悪を広める  : 自分の信念に忠実なドラゴンボールの”ピッコロ大魔王”
 ・目的が不明  : 仮面ライダーの悪の秘密結社”ショッカー”(*4)

なんてのを上げています。

 あと、私のほうで追加するなら、”地位復権のため”。まあ、地位を取り戻した後に何をするかという別の目的があるので、”中間目標”といってもいいかもしれません。意外なことに世界征服を実現しているのこのパターンでもあります。代表例としては、

悪魔神サタン
 永井豪の傑作マンガ”デビルマン”に登場する神。神々との戦いに勝利し、次なる戦いのために冬眠についている間に勝手に地球を占拠した人類を滅亡させます。まあ、サタンからしてみると、寝てる間に自宅に繁殖していたゴキブリを駆除するようなもの。
 目的は、神々との戦いに勝利することなので、邪魔者を片付けるのは中間目標ではあります。

アルカンフェル
 高屋良樹の長編マンガ”強殖装甲ガイバー”に登場する秘密結社”クロノス”の長。おそらく、もっともスマートに世界征服を成し遂げた人です(*5)。
 最終目的は自らの軍団を率いて、”降臨者(ウラヌス)”に戦いを挑む事。

 どうも、このパターンは世界征服が成功しないと次の段階に行かないというドラマ的な都合もあるんでしょうか、根底には”貴種流離譚(*6)”といったところにロマンを感じるのかも。

 ところで、現実社会で一番ありがちなのがこれ。世界征服までいかなくても、国のトップに返り咲こうとするパターン。物語なら”めでたし、めでたし”もありですが、現実では、それが幸福(誰にとって?)になるかはまた別。正義と悪という二項対立が成り立つほど現実は簡単ではなく、複雑に絡み合ったステークホルダーの利益調整が政治の役割なら、だれがやってもどっかに不満は出てきます。本書でも”征服者の欲望の充足”の観点で考えると、世界征服は苦労の割には報われないもんだといってます。ま、紆余曲折の末に日本のトップに立った鳩山総理を見てると判らんでもないですが。

 フィクションであれば笑ってみてられますが、タイの混乱を見ていると(*7)いろいろ考えてしまう今日このごろであります。

《脚注》
(*1)見ろ、人がごみのようだ
 宮崎駿の”天空の城ラピュタ”に登場する世界征服を企む”ムスカ”の名セリフ。本名はロムスカ・パロ・ウル・ラピュタとラピュタ王家の末裔。
 声を担当するのは、仮面ライダーWで秘密結社“ミュージアム”の長、園咲 琉兵衛を演じる寺田農。
(*2)世界征服をしたような気になります
 勝ち組の代名詞だった”ヒルズ族”ですが、ライブドアの堀江貴文や、村上ファンドの村上世彰、グッドウィル・グループの折口雅博と、成功の後にずっこける人が多いのはこの勘違いのせいかもしれません。
(*3)マネジメント
 マネジメントにご興味のある方は”もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら”なんかが入門書としてはお勧め。こちらのブログもどうぞ。
(*4)悪の秘密結社”ショッカー”
 悪の秘密結社の代名詞のようなショッカーですが、確かに言われてみると何のために世界征服をするのかはわかりません。まあ、それはそれで納得して見ていられた時代というのは、シンプルな世界観ではあったんでしょうが。
(*5)もっともスマートに世界征服を成し遂げた人です
 力押しというより、自分の部下を各国に潜入させクーデターに近い形で政権を奪取しています。また、全体としては民生面を含む政権維持がわりと上手くいっている例でもあります。
(*6)”貴種流離譚(きしゅりゅうりたん)
 日本の民俗学の泰斗、折口信夫が日本の物語文学の原型として論じた概念。
 「高貴な生まれの、弱く、力ない人間が、遠い地をさすらう苦悩を経験する」(Wikipediaより抜粋)というもの。世界征服ではないですが、ディズニーの”美女と野獣”や、”かぐや姫”なんかもこの系統です。
 上記の例でいうとサタンは神様だし、アルカンフェルは司令官(王)として調整された人です。
(*7)タイの混乱を見ていると
 タイ王国の第31代首相タクシンは、クーデターにより首相の地位を追われましたが、タクシン元首相派勢力が暴徒化しバンコクなどが大混乱しました。とりあえずは正常化しつつあるようですが、まだまだ予断を許さない状況みたいです(2010.5.22)。

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もう見ました、面白いですね

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