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雑木林を見て、パソコン業界のことを考えてみる(スティーブ・ジョブズ革命/植生遷移)

 ども、人生沈んだりもぐったりのおぢさん、たいちろ~です。
 栄枯盛衰、七転び八起きといい時もあれば悪い時もあるのが人生。とは言いながらいったん沈むと浮き上がってくるのがたいへんなのも事実です。再ブレークした有吉さん(*1)もまたどっかいっちゃいそうだし・・
 そんな中で、華々しい再ブレークをしたのが、今回ご紹介するスティーブ・ジョブズであります。


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写真はたいちろ~さんの撮影。近所の森林公園の林。すらっと伸びているのがヒノキ、下はアオキや笹なんかが育っています。


【本】スティーブ・ジョブズ革命(村山 恵一 日本経済新聞出版社)
 サブタイトルは”IT帝国の興亡”。ジョブズはアップルの創立者の一人にして、ピクサー(*2)のCEO、今やiPodなど新しいビジネスの創造者でもあるコンピューター業界のカリスマ。アップル創立のころの本も面白いですが、これは最近のアップルや、マイクロソフト、ヤフー、グーグルなんかを交えたビジネス書です。
【自然】植生遷移(しょくせいせんい)
 植物が土地で生育することによる、環境形成作用が主な原因となり、時とともに場所の環境が変化して行く現象を植生遷移という(Wikipediaより)


 話は突然飛びますが、学校で”植生遷移”って習ったの覚えていますか?
 簡単にまとめるとこんな感じです。

  1)まず、コケ類が生えてきて、それを土壌にして草が生え始める。
  2)背の高い草が生え始めて草原になる
  3)やがて背の低い木による低木林が形成される
  4)陽樹という生育に光が多量に必要な木が大木となって森林が形成される。
  5)森林が出来ると、その下は湿度が高く光の量が少ないので、
   光が少なくても育つ陰樹林になる。

 この遷移のポイントは4)と5)。陽樹の下は日が射さないので陽樹は育たないが、陰樹は日が射さなくても育つので、最終的には陰樹が優勢になります。このような陰樹林は育っている木は変わらなくなるので、これを極相(クライマックッス)と言います。
 雑然と木が生えているような雑木林でも、ちゃんと大自然の理にそって動いているんですね。

 なぜ、長々と植物の話を書いているかというと、これってパソコン業界にと~ってもよく似てるんです。
 まず、今考えると何の役に立つのかわからないようなコケ類のごときワンボードマイコンが登場し、その後、いろんなメーカーからパソコンが雑草のように販売されます。富士通のFM、シャープのMZ、そしてNECのPC98etc,etc。その中で日本という環境にもっとも適応したのが、一世を風靡したPC98シリーズ。でも、このパソコン林の中で他のパソコンと関係のなく独自の進化をとげたのがアップルのマッキントッシュです。
 やがて、DOS-Vの登場によって日本でのPC98の優位性がなくなるとデル、コンパック、IBM等の外来種を含めた陰樹林が形成され、外見上は複数メーカによる一定のシェアを分け合うような安定期に入ります。この中で最も大木に育ったのが、ビル・ゲイツのマイクロソフト。つまり、ビジネスの主体としては、新しい分野のモノが巨木に育ったってこと。しかも、ネットスケープのブラウザビジネスを枯れ死させるなど、周りの陽樹を駆逐していく点もよく似ています。

 このように見ていくと、環境に合った植物が優位性を確保して相を変えていくように、ビジネス環境に最適化したメーカがその時代のトップに立っていくというまさに相似形のように思われます。まあ、どの産業も同じようなモンでしょうが、あまりに環境変化が早く際立っているのが、この業界の特徴でしょう。

 で、アップルはこの間なにをしていたかと言うと、ジョブズを放逐して以来、なかずとばずというか、一定のマーケットを確保しつつも拡大できない状態にはまり込んでしまいます。ここから抜け出したのが、本書で書かれているジョブズのアップルへの復帰。

 iMacによるマックブランドの復活
 iPodとiTunesによる、”音楽を聴く”というスタイルの変革
(*3)
 iPhoneによる、新しい携帯電話のスタイルの提案(*4)

 などにより今日のアップルの盛隆を決定づけました。

 植生遷移の戻ると、ここにも”ギャップダイナミクス”というのがあります。安定している極相林が、大木が倒れて日照条件が変わるなどして、新しい植物が出てくる状態のこと。ここででてくるのをパイオニア的樹木と言います。
 パソコン業界でのギャップが”インターネットの爆発的普及”、パイオニアがグーグル、ヤフー、アマゾンなど、ネットのコンテンツや、インフラを提供するプレーヤー。現在のアップルもどちらかというとこのカテゴリーに近いかも。

 強引にまとめると

  

ハードウェアの時代->ソフトウェアの時代->ネットワーク・コンテンツの時代

 環境に最も適応した代表選手がハードウェアのIBM,ソフトウェアのマイクロソフト、ネットのグーグルとアマゾンあたりでしょうか。アップルはそれぞれの時代でうまく適応した稀有な例なのかもしれません。

 これから先はわかりませんが、あえて予想するならバーチャルの時代3D技術(*5)とサイコミュ(*6)あたりが普及レベルになれば、また新しいプレーヤーが登場するかも・・・
 なんてことを、この本を読みながら考えてしまいました。

《脚注》
(*1)有吉さん
 元猿岩石の有吉 弘行(ありよし ひろいき)のこと。
 1996年、”進め!電波少年”のヒッチハイクで大ブレイク、その後低迷期を経て、あだ名芸人で再ブレーク。一発やならぬ二発屋。
(*2)ピクサー
 1986年に、ジョブズがルーカスフィルムのコンピュータ関連部門を買収して作った会社。現在はディズニーの完全子会社としてディズニーのアニメ部門を支えています。
 詳しくは、”メイキング・オブ・ピクサー”でどうぞ。
(*3)”音楽を聴く”というスタイルの変革
 この変革の先駆者がソニーのウォークマン。”音楽は家で聴くもの”といったライフスタイルから”外でも音楽を聴く”ものに変えました。1980年代初頭のことです。
 ウォークマンは”どのカセットテープを持って行こう”という感覚だったのに対し、iPodは”自分のコレクションをまるごと持って歩く”ことを可能にしました。
(*4)新しい携帯電話のスタイルの提案
 あと、おサイフ携帯機能をくっつけてくれたらな~~ これがネックでまだ手が出ずにいます。
(*5)3D技術
 つくば博(1985年)の富士通パピリオンで上映しているぐらいなので、割と古くからある技術ですが、当時は赤青の2色ですら汎用大型コンピュータが必要でした。先日、”カールじいさんの空とぶ家”の3D版を映画館で見ましたが、かなりのレベル実用化されています。
(*6)サイコミュ
 ガンダムシリーズに登場する脳波で機器を制御するシステム。ここまですごくはありませんが、ブレイン・マシン・インタフェースとして、まじめに研究されています。

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コメント

人それぞれ、好みや考えの違いはあるとはおもいますが、私はアップルの製品は大嫌いで今後も絶対に買うことはありません。なぜそこまで嫌うのか?その理由のひとつが、マックユーザーの歪んだプロ意識。マックは万能だと思い込んでしまい、なんでもマックでやってしまうから、日本のCGは世界的にも遅れていることにも気づかない。それと、スティーブ・ジョブズの戦略にまんまと乗せられて、しっかりと洗脳されてしまったデザイナー・カメラマンの大半の異様なまでのウィンドゥズに対する攻撃性。本当に頭にくるよね。未だにウィンドゥズがマックをパクッたと言っているやつがいる。ユニックスベースなのに100%オリジナルだと言い張っているしね。
いろいろとダークな話も出てきているスティーブ・ジョブズ。相当敵をつくっているようですよ。

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