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あんたより高潔で役に立つ医者のために死ねって言ってんのよ!(天冥の標/ローズマリー)

 ども、新型インフルエンザBCP(*1)担当のおぢさん、たいちろ~です。
 冬にカゼをひいてぐじゅぐじゅしていたら、そのまま花粉症に移行、ほとんど半年近くマスクが手放せない状態が続いております。さすがに、この季節に新型インフルエンザが大流行することはないとは思いますが、季節はずれの寒さが続いている昨今、油断はできません。
 ということで、今回はパンデミックを扱った”天冥の標Ⅱ”のご紹介であります。

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 左の写真はたいちろ~さんの撮影。清水公園のローズマリーです


【本】天冥の標(てんめいのしるべ)(小川 一水 ハヤカワ文庫)
 国立感染症研究所の児玉圭伍と矢来華奈子はパラオで発生した謎の疫病の調査に向かう。そこで発見したのは大量の死亡者とわずかに生き残った2人、女子高校生 檜沢千茅(アイザワチカヤ)と黒人のジョプだった。
 死に至る病”疾病P(ディージスP)”に立ち向かう医者と、感染能力をもったままの回復者の苦悩を描いたSF小説。
【花】ローズマリー
 青く小さな花の咲くシソ科の常緑性低木。独特の香りと、針状の葉っぱという特徴があるので、公園なんかで探しやすいハーブです。以前、料理に使いたくて(*1)1本植えたんですが、園芸店で買ってきた時は小さかった苗がけっこう育って、ハーブとしては使いきれないぐらいでかくなりました。


 まじめな話、BCPってのは”災害への対策”という意味では理解できますが、”実際に何をやるか”となるとかなり難しいんですね、発生する災害のパラメーターが広範囲すぎて。”○○が発生した場合にXXになるので△△をする必要がある”ということを議論するわけですが、ほとんど前提のあやふやなところで”たられば”をやるので、ちゃんとコントロールをしないと議論の無限ループになりかねません。

 ”家族に新型インフルエンザが発生した場合、ほかの人への感染を防ぐために○日は自宅待機をする(*3)”といったルール決めをするわけですが、何日だったら安全かなんていうのは、発生してから専門化がデータを集めて分析をしてみないとわからないもんです。休んだ人の代わりに誰かが仕事をしないといけないので、むやみに長くすればいいというものでもないですし、対応によっては設備などのコストも発生します。あえて暴論で言うと”誰かが、えいやっと”決めないと話が進まないわけです。

 ”休んだ人の代わりに誰かが”とさらっと書いていますが、実はこれもやっかいな問題。病気が蔓延してる可能性のある場所へ”誰が行くか”は難しい課題です。私の義理の兄は芦屋消防署に勤務していて、阪神大震災の時には自分の家族も被災者だったにもかかわらず、災害救助に出かけました。しかし、これは職業的倫理観の賜物であって誰にでも要求できるものではありません。

  まだ、余震の収まらない中、けがをして怯えている家族を置いてまで
  あなたは、会社に行きますか?

 という質問に対し”Yes”と答えられるかどうか? 逆に言うと、上司としてそれでも会社に出て来いと命令できるかどうか? 
 これって、結論の出ない命題なんですよね。
 お題の”死ねって言ってんのよ!”はこんな会話です

  圭伍 :こっちの都合、何も聞かねえのな。
  華奈子:今聞いているじゃない。どうなの、あんたがいいのよ。
  圭伍 :クズ医者だからか
  華奈子:クズ医者だからよ! あんたが死んでも誰も泣かないからよ!
      あんたより高潔で役に立つ医者のために死ねって言ってんのよ!

 まあ、信頼しあっている二人だからいいですが、マジで会社の上司部下でこんな会話をやったら、パワハラどころの騒ぎじゃありません
 その時の状況にもよるので、事前に誰が行くかを決めておくことも難しいく”その時に動ける人が動く”ぐらいのラフなやり方しかないのが現実的なところです。それでいいのかというご意見もあるかもしれませんが、まあ、仕方がないとの割り切りをするかどうかです。

 気休めかもしれませんが、ハーブの本によく出て来る話題に”盗賊の酢”ってのがあります。1630年にペストが大流行したさい、感染せずに盗みを働いていた4人組がいて、逮捕して”なぜ感染しなかったのか”を尋ねたところ、”酢にセージ、タイム、ラベンダー、ローズマリーのエキスを抽出して全身にぬっていた”とのこと。これらには殺菌能力があるので、まあ、効果はあったんでしょうね。
 セージ、タイム、ローズマリーは料理使いにもできますので、植えておくと重宝しますが、使いきれないぐらい収穫できます(*4)。ま、BCPを兼ねてと思って育ててみてはいかがでしょうか。


《脚注》
(*1)BCP
 Business Continuity Planの略。日本語では”事業継続計画”と訳されます。簡単に言うと、災害が発生しても、会社の業務を継続するために必要なことを整理して対策を計画することです。
 なので、”実際に災害が発生する前に立てる”のが基本。
(*2)料理に使いたくて
 ”鶏とじゃがいものローズマリー焼き”を作りました。肉とじゃがいもをオリーブオイルでいためて、ローズマリー、にんにく、塩コショウで味付けするだけなのでとっても簡単。けっこうドイツ料理っぽくなります。
(*3)○日は自宅待機をする
 いわゆる潜伏期間への対応です。”天冥の標”では24時間という設定ですが、モノによっては年単位の病気もあるそうで予防措置的にはこっちのほうがやっかいとのこと。
 ちなみに、私の会社の場合は業務命令で”自宅待機”をさせるのでちゃんと給料は出ます。
(*4)使いきれないぐらい収穫できます
 ローズマリーには”ハンガリアンウォーター”という美容によい化粧水も作れます。まあ、おぢさんには縁はありませんが、女性の方にはこんな使い方もありますよ。

 奥様ブログ 「フラワークラフト作家”Ann”のひとりごと」はこちら

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