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節水厳守、雪はあるが水はない(南極料理人/南極観測船”しらせ”)

 ども、自炊派単身赴任のおぢさん、たいちろ~です。
 単身赴任というと、夜の楽しみはもっぱら食事ということになります(*1)。外食ばっかりだと栄養のバランスと、お金もかかるのでできるだけ自炊をするようにしています。
 これが、男Onlyの閉鎖空間となると、食事がおいしいかまずいかはまさに死活問題になるんでしょう。
 ということで、今回ご紹介するのは、究極の単身赴任者にして、至高の料理人のお話(*2)”南極料理人”であります。

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横須賀海上自衛隊基地に停泊する”南極観測船 しらせ”です。
よこすか開国祭(2009年)に開催された基地祭で撮影しました。
しらせ以外にもイージス艦に潜水艦、軍用ヘリコプター、近所ではアメリカ軍基地の見学と、その手のマニアには垂涎のイベント。2010年も開催されるようでしたら、ぜひお越し下さい

【DVD】南極料理人(出演 堺雅人、監督 沖田修一、バンダイビジュアル)
 ”にしむら君”こと、南極観測隊員のひとりである西村淳のお仕事は、南極大陸のドームふじ基地(*3)で隊員8名分の食事を用意するコックさん。限られた食材で隊員たちを満足させるために悪戦苦闘の毎日です。
 元南極観測隊員である作家”西村淳”の原作を映画化したドラマです。
 (”南極料理人公式サイト”はこちら)
【乗物】南極観測船”しらせ(初代)”
 ”しらせ(初代)”は1982年就役、2008年退役と第25次~49次越冬隊員を輸送した、3代目南極観測船。
 映画では登場しませんが、1997年の南極越冬隊のエピソードですので、たぶんこの船に乗って行ったのでしょう。

 実は、”ドームふじ基地”の料理人のことを始めて知ったのは”第六大陸(*4)”という小説。料理はみんなで交代にやるものだと思っていたので、基地の専属料理人というのはフィクションだと思っていたんですが、実際にいらっしゃんですね。
 ”第六大陸”では月面基地の料理人を探しているんですが、その中で求められている資質がこんな感じ。

  1)和食、フレンチ、イタリアン、なんでもおいしく料理できる腕前
  2)質のよくない保存食を、文句も言わずに料理する忍耐力(*5)
  3)限られた食材でレパートリーを増やす創作能力
  4)他人を制する豪胆さ

 で、これらの条件を満たしているのが、ドームふじ基地の料理人というわけです。
 ヴェフールや、トゥール・ダルジャンだろうがダメだししてますが、まあ料理の腕だけで勤まる仕事じゃないんでしょうなぁ。

 それに、”究極の単身赴任”という条件が重なるし。おそらくこの仕事は”どうしてもやりたい”という人と”絶対にやりたくない”人にわかれるんでしょうね。映画の中でも最初に選ばれた人は”20年越しの夢”といっていますが、この人の代わりにいくことになった”にしむら君”は涙目でいやがっているし
 ちなみに私は”やってみたい派”です。

 映画にぐっと来たのは、冒頭のシーンで洗面所にある”節水厳守”、”雪はあるが水はない”の張り紙。おそらく、雪山でキャンプをしたことのある人でないとわからないかもしれませんが、寒冷地で水を確保するのって、けっこう大変なことです。
 雪山で水を作るとなると、

  1)踏み荒らされていないような、きれいな雪のある所を探す
  2)氷になっている所か、雪を踏み固めて、切り出す
  3)コンロで雪を溶かす
  4)溶けた水をふきん等でこす
  5)再度凍らないようにシェラフ(寝袋)等でくるんで保存

 すこし説明をすると、雪を踏み固めるか氷を使うのは持ち込むかさを少なくするため。ふかふかの雪のほうが早く溶けそうですが、雪は溶けると量がかなり少なくなるので、けっこうな量を使わないと必要な水が確保できません。
 水をふきん等でこすのは、不要なものを取り除くため。雪自体もほこりを含んでいるし、取ってきた雪に落ち葉や枯れ枝が混じっている場合も多いので、料理に使うには”ろ過する”ことが必要になります。

 コンロで雪を溶かしたり凍らないように保温をするには燃料がいりますが、これも輸送しないといけないので無駄にはできません(*6)。映画の中で”水”に関するエピソードがいくつも出てくるのはこういった理由です。
 なので雪山経験者としては、”雪はあるが水はない”の張り紙にこめられたリアリティに感動してしまうわけであります。

 ”南極料理人”は、極端にドラマティックな事故が起こったりはしませんが、厳しい環境でもがんがっている隊員たちによるほのぼのしたドラマです。
 どちらかというと4コママンガのような感覚で見れますので、ぜひご覧下さい。

《脚注》
(*1)夜の楽しみはもっぱら食事~
 別の楽しみを持たれている方もいらっしゃるようですが、私は品行方正な生活を送っています。いや、本当ですってば。
(*2)究極の単身赴任者にして至高の料理人のお話
 この映画のキャッチコピーが”究極の単身赴任”。料理のネタで”究極”とくれば”至高”。ところで”美味しんぼ(雁屋哲原作、花咲アキラ作画)”の決着はどうなっておるのだ? 最近、読んでないけど。
(*3)ドームふじ基地
 映画の中では、ビールをがばがば飲んだり、けっこうな食材を使っていますが、実際は昭和基地から約1,000Kmも離れているので、かなりの輸送コストがかかっているはずです。
(*4)第六大陸(小川一水 ハヤカワ文庫)
 一言でいうと”月面に結婚式場を作る”とういうお話。
 このエピソードは施工主の妙さん(18歳、美少女)が、ドームふじ基地に料理人をスカウトに行く時のものです。
(*5)質のよくない保存食を~
 食材は、冷凍食品、缶詰、レトルト、フリーズドライなど。
 それ以外にも、ドームふじ基地は富士山より高い標高3,800mなので、水は85℃で沸騰します。この温度で普通にご飯を炊くと芯が残ります。
(*6)無駄にはできません
 登山ですと、当然ながら担いで上らないといけないので、持って行く量には限界があります。よく”山で寝たら死ぬ”みたいなシーンが出てきますが、これは体温を確保するだけの食料と熱源がなくなった場合。ちゃんと暖かいものを食べて、コンロでテントの室温を確保できる分にはそんなに死ぬことはありません
 逆に言うと燃料がなくなると死につながる事故になりかねませんが・・・

 奥様ブログ 「フラワークラフト作家”Ann”のひとりごと」はこちら

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