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俺たちゃ、ワルよ。ワルで無頼よ、なあ鉄(必殺仕置人/ハナニラ)

 ども、”てなもんや三度笠(*1)”をリアルタイムで見た世代のたいちろ~です。
 先日、藤田 まことさんがお亡くなりになりました(2010年2 月17日)。名優がまだ一人いなくなるのはさびしいことです。
 名優と書きましたが、アラフィフのおぢさん世代にとって、”藤田まこと”って、やっぱりコメディアンなんですよね。”必殺仕事人”の”中村主水”にしても、表のうだつの上がらないコミカルな同心役があってこそ、裏の殺し屋としての顔が引き立っていると思います。そのへんがニヒルOnlyの”木枯し紋次郎(*2)”との違いかと。
 ということで、今回は”中村主水”が初登場する”必殺仕置人”であります。

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 写真はたいちろ~さんの撮影。近所の園芸店のハナニラです。

 

【DVD】必殺仕置人(キングレコード)
 1973年に朝日放送より放映された”必殺シリーズ”の第2弾。山崎努演じる”念仏の鉄”(*3)、沖雅也の”棺桶の錠”(*4)、藤田まことの”中村主水”ら5人の殺し屋たちが、法で裁けぬ悪を倒すという時代劇。
 改めてDVDを見ましたが、けっこうえっちいシーンもたくさんあったんですね。
【花】ハナニラ(花韮)
 葉がニラのようなにおいがしますが別属。ニラはネギ属で白く小さな花が夏から秋にかけていっぱい咲きますが、ハナニラはハナニラ属で、星型の花が春に咲きます。
 花の形からか、英名は”Spring star(春の星)”。

 

 藤田まこと演じる仕置人時代の”中村主水”というキャラクター、今、改めて見るとサラリーマンの心を鷲づかみにしたのが良くわかります。晩年の中村主水は嫁姑にいびられているのは変わりませんが、それなりに私生活は安定しているし、今の殺しのシーンではニヒルな演技が目立ちますが、若いころはもっと情けないキャラクター。”あっ、中村主水が走ってる!”と思うぐらいアクティブだし。

〔表の顔〕
 うだつの上がらない同心。
 うっすらと無精ひげを生やしてるとこなんかあまりもてそうにない感じ。
 小遣い稼ぎに袖の下をあつめたりする小悪党的な面も。
 姑のせんと嫁のりつのいびりも今以上に激しくて、出世への圧力もすごいです。
〔裏の顔〕
 今では闇討ちで一撃で相手を殺すイメージがありますが、若い時はけっこう大立ち回りなんかも演じています。
 必殺技もそうですが、どっちかというと知恵を出すタイプ。
 最近はリーダ的な役回りですが、仕置人チームのリーダは”念仏の鉄”。エンドロールのトップも山崎努です。

 会社では昼行灯、家庭では濡れ落ち葉のおぢさんとしては、昼はともかく裏ぐらいヒーローになってみたいものです。
 ただ、他のヒーローと違うのは”自分たちがワルでロクデナシ”という自覚を持っていること。1回目の最後のシーンで棺桶の錠に仕置料を渡すときにこんな風に言っています。

  念仏の鉄:俺たちゃな、これからもずっと今度みたいな
       仕置きをしていくことに決めた。
  中村主水:これは、先の長い汚ねえ仕事だ。向こうがワルなら
       俺たちゃその上をいくワルにならなきゃいけねえ
       俺たちゃ、ワルよ。ワルで無頼よ、なあ鉄。
  念仏の鉄:ああ
  中村主水:磔にされてもしょうがねえぐらいだ へへへへ
       だが、こお悪い奴らをお上が目こぼしするとなりゃ
       そいつら俺たちがやらなきゃならねえ
       つまり、俺たちゃみたいなロクデナシでなきゃできねえ仕事なんだ
  念仏の鉄:おめえみたいに世の為人の為なんて綺麗ごと言ってたんじゃ
       すぐへたばってちまうんだよ
       俺たちといっしょにやる気があるんだったら、この金とれ
       やる気がねえんだったら、どこかへ行っちまえ

 悪人をなぎ倒すカタルシスと、正義の味方ではなく、あくまで金で動く殺し屋というストイシズムが、必殺シリーズが時代劇としては異端でありながら(*6)、長い人気を誇っている理由ではないかと思います。

 上記の”ハナニラ”の花言葉は”恨み”。英語の名前は”スクリングスター”。恨みを晴らす殺し屋でスターになった藤田まことへの献花にしたいと思います。

 藤田まことのご冥福をお祈りいたします。 合掌

《脚注》
(*1)てなもんや三度笠
 1962年~68年に朝日放送で放映された時代劇コメディ。
 藤田まこと演じるあんかけの時次郎のギャグ、”俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー!”は、スポンサーだった前田製菓から。
 前田製菓のホームページのトップには藤田まことへのお悔やみが掲載されています(2010年2月21日現在)。
(*2)木枯し紋次郎
 ニヒルな渡世人”木枯し紋次郎”を主人公とする時代劇。主演 中村敦夫、監督 市川崑で1972年のフジテレビ放映は、奇しくも必殺シリーズのスタートと同じ年。原作は笹沢左保。
 次回のブログで木枯し紋次郎のネタを書いてますので、よろしければこちらもどうぞ。
(*3)山崎努演じる”念仏の鉄”
 山崎努は、今でこそ”世界の中心で、愛をさけぶ(映画版)”の重じぃとか、NTTCocomoのCMで成海 璃子のちょっとかわったおじいちゃんとかを演じていますが、当時は異相の怪優。どっちかというと”念仏の鉄”のほうが合ってるような気がするんですが。
 ”念仏の鉄”の必殺技は骨外しですが、女性にとっては”魔物の指”という加藤鷹(*5)のような人。
(*4)沖雅也の”棺桶の錠”
 沖雅也は、”太陽にほえろ!”のスコッチ刑事、”俺たちは天使だ!”の麻生探偵など時代を代表する二枚目俳優でしたが、1983年、『おやじ、涅槃でまってる』という遺言を残して自殺。
 ”棺桶の錠”の必殺技は手槍と琉球空手。
(*5)加藤鷹
 ”ゴールドフィンガー”の異名を持つAV男優。
 女性がメインの業界にあって、男優の名前でDVDがリリースされる稀有な人。
(*6)時代劇としては異端でありながら
 正統派としての”水戸黄門”や”暴れん坊将軍”なんかはカタルシスはあるんですが、あくまで権力の側としての世直しなんで、ストイックさはないですよね。それはそれで面白いんですけど。

 奥様ブログ 「フラワークラフト作家”Ann”のひとりごと」はこちら

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コメント

世代を超えて話が出来る話題がまたひとつ無くなっちゃった。平成になってもリメイクされてたし、表で冴えなくても裏ではカッコイイ!なんてのは、イケメンじゃない私みたいなやつにはちょっと憧れ。もう作れないかな?藤田まことあっての必殺シリーズだからなぁ。

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