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”あっしにゃあ、関わりのないことで”って言えないんだよな~(木枯し紋次郎/クロモジ/アオモジ)

 ども、ニヒルな渡世人たいちろ~です。
 先日、藤田 まことさんがお亡くなりになったのをきっかけに”必殺仕置人”のブログを書きました。で、そういえば、この頃、”必殺シリーズを見るか、木枯し紋次郎を見るかで迷ったな~と思い出しました。
 ということで、前回の”必殺仕置人”に続いて今回は1970年代の名作”木枯し紋次郎”の紹介であります。

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 左の写真はたいちろ~さんの撮影。千葉県野田市清水公園のクロモジ。
 右の写真と作成は奥様。アオモジのリースです。他の作品もHPに掲載しているので、よければこちらものぞいてみてください
 ”あっしにゃあ、関わりのないことで”って言えないので・・・

【本】木枯し紋次郎(笹沢 左保 光文社文庫)
 世間との係わり合いを避けようとするニヒルな渡世人”木枯し紋次郎”を主人公とする股旅小説。道中合羽に三度笠、頬の古傷に長楊枝がトレードマーク
 今回のエピソードは第一巻”赦免花は散った”に収録。
 主演 中村敦夫、監督 市川崑で1972年のフジテレビ放映は、奇しくも必殺シリーズ第一作”必殺仕掛人”と同じ年のスタート
【花】クロモジ(黒文字)/アオモジ(青文字)
 クロモジ、アオモジともクスノキ科の植物。ともに楊枝の材料になります。クロモジは、和菓子などを食べる時に使う黒い樹皮がついている高級品の楊枝、アオモジはレモンのような香りがするそうです。

 ”木枯し紋次郎”は中学校のころTVで見て、それから原作を読んだんだったと思います。DVDがなかったので本の1巻目を久しぶりに読み返しましたが、子供のころ記憶と、原作の紋次郎ってけっこうギャップがあったんですね、これが。

 

〔意外と人にちょっかいをかけている〕
 紋次郎といえば、”あっしにゃあ、関わりのないことで”。このセリフのインパクトと、中村敦夫のクールな雰囲気で”人と係わり合いにならない”という印象が強かったんですが、実は意外と人の頼みごとを聞いたり、断った頼まれごとをいつの間にか受けてみたり。
 最初の作品”赦免花は散った”では、幼馴染の左文治の身代わりに三宅島の流人になっています。それも”老い先短い母親の死に目を看取りたいから”という左文治の言葉に流されて。
 他にも、賭場で出会った人のお金をその人の奥さんに届けたり、さらわれたお嬢さんを助けるために地元のヤクザとことを構えたり、子供の間引きをしそうな女性にお金を渡したり、(*2)。
 普通の人でもそのままスルーしてしまうような場面でも、自分からちょっかい出しているとしか思えないように、状況に巻き込まれて行ってます。
 ”こんなにおせっかいな人だったっけ?!”と思うぐらい実はいい人

〔意外に名探偵〕
 紋次郎の殺陣は、他の時代劇のように”斬る”ってイメージではなく、長脇差(ドス)を力任せに振り回したり突き刺したりと、剣道というよりケンカ殺法。なので、あんまり知的な印象はなかったんですが、実は数少ないヒントから、事の真実を見抜く洞察力と推理力に優れた人です。
 ”流れ舟は帰らず”では、倒した相手の傷口から、その人間が身代わりであることを見抜いたり、”水神祭に死を呼んだ”ではどうやって娘がさらわれたトリックを見破ったりしています。名探偵っぽくないのは、ナゾ解きをほとんど口にしないこと。”名探偵、皆を集めてさてと言い”なんてのは、この人には当てはまりません。

〔意外にフォークソング〕
 同じ時代に始まった”必殺シリーズ”のエンディングはド演歌。というか、水戸黄門にしろ何にしろ、演歌のほうが当たりまえに使われています(*3)。
 ところが、紋次郎のオープニング”だれかが風の中で”を歌ったのはフォーク歌手の上條恒彦(*4)。作曲はフォークシンガーの小室等(*5)。つまり、ばしばしのフォークソングなんですね。
 放映された1972年といえば連合赤軍によるあさま山荘事件や、テルアビブ空港で日本赤軍乱射事件があった年。さすがにその頃大学生ではなかったですが、学生運動の終焉を迎えた一種の挫折感というのは子供ながらに感じていて、そういった虚無感と、かすかな期待っていうのは、時代にマッチしていたんでしょうかね。

  どこかで誰かが きっと待っていてくれる
  雲は焼け 道は乾き 陽はいつまでも 沈まない 心は昔死んだ
  微笑には 会ったこともない 昨日なんか知らない 今日は旅を一人
  けれども どこかで お前は待っていてくれる
  きっとお前は 風の中で 待っている

 紋次郎といえば楊枝。楊枝を咥えて吹く口笛が木枯らしのように聞こえることから”木枯らし”の異名がつきました。ほかにも、楊枝を飛ばして武器にしたりとか。
 おぢさん世代の人は子供のころ、焼き鳥の串を咥えてマネしたことあるはず。楊枝になる木といえば、クロモジ、アオモジなんかがありますが、こちらは高級品。紋次郎の楊枝は竹を削ったものですが、あの長楊枝ってのがやはり捨てがたいです。短い楊枝を咥えてるのでは、居酒屋帰りの安っぽいサラリーマンぽくっていけません。クロモジなんて、お上品過ぎて似合わないし。

 ”木枯し紋次郎”はTVもそうですが、原作もけっこういけます。
 虚無的でありながら、結局人とのかかわりを持ってしまうヒーロー像って、逆説的な意味で今の時代にあっているのかもしれません。ぜひご一読のほどを。

《脚注》
(*1)赦免花は散った
 ”赦免花”とは三宅島の蘇鉄(そてつ)のこと。この花が咲くと赦免船がやってくるという流人のいい伝えから。こっちのネタで”蘇鉄”を扱ってもよかったんですが、TVでは映像化されていないようなので、”楊枝ネタ”のほうにしました。
(*2)賭場で出会った人のお金をその人の奥さんに届けたり~
 前2つのエピソードは”水神祭に死を呼んだ”、3つ目は”童歌を雨に流せ”から。
 他にも、暴れ馬に踏み殺されそうになった娘を助けてケガをしたり(湯煙に月は砕けた)なんかしています。
(*3)演歌のほうが当たりまえに使われています
 ”ちょんまげ天国~TV時代劇音楽集~(ソニー・ミュージックハウス)なんかを聞くと、やはり演歌がメインストリーム。
(*4)上條恒彦
 六文銭というグループ時代にも”出発の歌(たびだちのうた)”で、ポピュラーソング・フェステバル’71のグランプリを受賞しています。
(*5)小室等
 六文銭のリーダーにして、井上陽水、吉田拓郎、泉谷しげるらが設立した”フォーライフ・レコード”の初代社長。

 奥様ブログ 「フラワークラフト作家”Ann”のひとりごと」はこちら

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コメント

安保の活動でろくに勉強してない団塊の世代は尊敬できない

木枯らし紋次郎て、けっこうお茶目な面もあったりする。探偵物語の工藤ちゃん(松田優作)に似たところがあったりするんだな。今でも時々串カツの串をくわえて飛ばしたりしてる私。飛ぶわけないけどね。

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