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2010年2月

はたして賢か愚か?(のぼうの城/梅モドキ)

 ども、会社では単なる愚か者のおぢさん、たいちろ~です。
 私にしては珍しく、TVかなんかの書評で面白いというのがあって、この本を読みました。”のぼうの城”であります。
 いや、面白かったですよ、この本!

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 左の写真はたいちろ~さんの撮影。近所の園芸店の梅モドキです。

【本】のぼうの城(和田 竜 小学館)
 攻め手、石田三成、大谷吉継率いる2万3千人の大軍。守り手、”のぼう様”こと成田長親、その友人正木丹波の率いる武士+農民混成軍3740人。
 圧倒的な戦力差の中(*1)、始まった忍城攻防戦の結果は?。
【花】ウメモドキ(梅擬)
 9月頃に赤い実のなるモチノキ科の落葉小高木。
 ”XXモドキ”っていうのも失礼なネーミングですが、それ以前にどこが梅なんでしょう? 南天や、万両ならまだ分かるんですか・・・
 花言葉は”知恵、明朗”など。

 ”のぼうの城”のネーミングの由来は、主人公”成田長親”のあだ名。これは”木偶の坊”の”のぼう”なんですね。今風に言うと”天然系”。この手の人間の何が怖いかというと、”何を考えているか分からない”、”空気が読めない”、”何を言い出すか分からない”。つまり、行動が読めないんですね、これが。

 会社なんかでも、多少仕事上付き合っていると、だいたいの人は行動パターンや思考回路というのがなんとなく分かってくるものです。こういう人は”どこをどういじれば、どういうリアクションが返ってくるか”の想像がつくので、ツッこみどころがわかります。 ところが、これがわからない人ってのもたまにいます。この”わからない”ってのも2パターンあって、一つ目は”底の見えない人”つまり、こちらの予想していたリアクションを超えた反応を返す人。もうひとつは”いざという時に大バケする人”。普段は別になんということはないのに、緊急事態が発生すると意外なパワーを発揮するタイプ。逆に普段はリーダーシップを発揮するのにイザというとき、行動が型にはまって上手くとりまわしのできないタイプ。いわゆる”平時の将”と”緊急時の将”というやつです。

 ”のぼうの城”って歴史モノなんですが、読書感があんまりそんな感じがしません。戦国武将って有能な人は(結果はともかく)有能で、小才子はなにをやらせても小才子ってパターンが多いですが、この平時の将と緊急時の将の組み合わせで難局を乗り切るってパターンだからかも。

〔攻め手 豊臣軍〕
・大将 石田三成
 のちに関が原の戦いを画策した人。豊臣秀吉は”理財には長けている、軍略に乏しい”と指摘していますが、長大な堤を作成して水攻めをしたりとダイナミックなこともやっています。結果的には敗北しますが、全体として見れば有能な人です。
・参謀 大谷吉継
 豊臣秀吉をして「吉継に100万の兵を与えて、自由に指揮させてみたい」と言わしめた武将。関が原の戦いでは石田三成は勝てないと先が読めていながら、友誼のために共に戦うといった熱い一面もあります。
・小才子 長束正家
 軍使として忍城に赴き、横柄な態度とムチャぶりで、開城に決まっていた成田側の意見をひっくり返して戦端を開くきっかけを作った人。

〔守り手 成田軍〕
・大将 成田長親(のぼう様)
 普段は百姓仕事にあこがれながら、百姓にすらじゃまにされる不器用さ。武術もまったくダメダメという無能を絵に描いたような人ですが、この人の”戦いまする”の一言で忍城攻防戦が開始されることになります。
・参謀 正木丹波
 武道に秀で、騎馬鉄砲なんていう戦術を考え出すなど知略も持っている人。おそらく忍城側ではもっとも有能。ただ、子供のころ見た上杉謙信ような武運が自分にはないというコンプレックスと、まとめ役という立場から行動に枠をはめがち。
・小才子 成田氏長
 北条家に味方するように見せながら、豊臣軍に内通した人。のぼう様が”戦う”なんて言い出さなければ”有能”と評価された可能性もあります。

 で、のぼう様を”賢者か愚者か”という分類で言うと明らかに愚者。でも、底の見えない愚者なんですね。ところが、賢者であるはずの三成&吉継はというと、自分のモノサシでモノを考えるので、かえって混乱をきたしてしまいます。

  敵の勝利を痛快がっていた三成でさえ、
  なにか得体の知れぬ男を敵に回してしまったかのような心地がしていた
   「どう思う」
  三成は、思わず吉継にきいていた。
   「でくの坊と呼ばれ平然としている男か
  吉継は、深刻な顔でつぶやいた。
   「果たして賢か愚か

 小説をよく読んでみると、軍略上でのぼう様がやった重要なことって、戦うことを決めたのと、敵前で田楽を踊ったのと、敗戦交渉をやったことぐらいで、軍事上の差配はほとんど参謀役の正木丹波がやってるんですね。結局、この二人の組み合わせがあったからこその勝利。ですが、のぼう様のもっとも決定的なところは何かというと、意外な人望があったことだと思います。
 しぶる百姓たちを城に篭城させて戦力化しようと説得する正木丹波。”誰が戦うと決めたんだ”という百姓の問いに対して”長親だ”と答えると

  しょうがねえなあ、あの仁も
  のぼう様が戦するってえならよう、
  我ら百姓が助けてやんなきゃどうしようもあんめえよ。なあ皆。

 いみじくも三成が評しているように、”のぼう様は何もできないから、家臣も領民も世話を焼きたくなる”。つまり、賢か愚かといった問いひょいと飛び越えたところにこの人の持ち味があるんでしょうね。
 以前、何かの本で読みましたが、仕事における最上の人間関係って、”この人にモノを頼まれると(強制的ではなく)やらないといけない”という気持ちにさせることだそうです。

 普段はリーダっぽく振る舞いながら、いざという時にものが決められない”リーダもどき”とか、知識はあっても知恵がない”参謀もどき”が跳梁跋扈する昨今、”もどき”ではない本物のコンビの活躍が望まれます。
 ”戦国BASARA(*3)”とは違った意味で今風の歴史モノ。さわかやな読後感が味わえます。

《脚注》
(*1)圧倒的な戦力差の中
 一対一の戦闘の場合、戦闘力が優勢な方が勝利し、勝利側の損害は劣勢の戦闘力と等しくなる。一人が多数に対して攻撃ができる場合、戦闘力を2乗した上で戦闘力が優勢な方が勝利する。(ランチェスターの法則)
(*2)戦国BASARA
 戦国時代を描いたアクションゲーム。アニメ化もされています。有能な人は超人的なまでに有能、無能な人はどうしようもなく無能と、その極限にまでデフォルメされたキャラクター設定が笑えます。
 詳しくは、こちらのブログでどうぞ!

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雛飾りを桃の節句が過ぎてもしまわないと、婚期が遅れると言われている(四季おりおりっ!/花桃)

 ども、お年頃の娘の父親、たいちろ~です。
 前回、”四姉妹”のネタでブログを書きましたが(*1)、その続き。というか、この本を読んで四姉妹モノを書く気になった4コママンガ”四季おりおりっ!”であります。
 最近の4コママンガの中では、けっこうお気に入りです

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 左の写真はたいちろ~さんの撮影。近所の花桃(相模枝垂(シダレ))です。

【本】四季おりおりっ!(稲城あさね 一迅社)
 元ヤンの長女 春菜、完璧超人の次女 夏希、元気がとりえの三女 秋乃、食欲魔人の四女 冬香の四姉妹を描いた4コマ漫画。ほのぼのできるお話です。
【花】花桃
 「桃の花」は3月下旬~4月上旬頃に薄桃色に咲くので春の季語。ひな祭りは旧暦の桃の花が咲く季節になるため”桃の節句”になったそうです。
 ちなみに、桃の花が咲き始める頃を七十二候(*1)では”桃始笑”と言います。

 前回のブログで四姉妹の属性を書きましたが、この4人を別けるとこんな感じ。

〔長女 春菜〕
 元ヤンキーながら、そうは見えないおっとりした性格の大学生。でも怒らせると元ヤンの気合が・・
 妹3人を見守る”お母さん属性”の人。最近は本を読んでいるシーンはありませんが、子供のころは本が好きな”文学少女属性”もあった様子。属性って変わるんですね。
次女 夏希
 文武両道の完璧超人の高校2年生。よく妹二人の勉強を見てあげたりもしてます。感情表現が苦手で、学校の先生いわく”天才朴念仁”
 みゆきさんに匹敵する(*3)物知りな”文学少女属性”の人。
三女 秋乃
 ”夏希お姉ちゃん、大好き”の元気だけがとりえのおバカキャラ。高校1年生。
 走っている自動車を追い抜くほどの体力をムダに使う”元気属性”の人
四女 冬香
 家庭では家事一般を受け持っている小学生。”食欲魔人”といえるほどの大食いながら、なぜか身長が伸びないのが悩み。
 あんまり極端な属性を持たないバランスのとれた良い子

 四姉妹の中では、最年長の独身女性ということで、一番いじられやすいネタが”結婚”。仲の良い姉妹っていう設定のせいか、恋人がいるって話があんまり出てこないんですよね。みんなモテそうなのに。
 冬香が”どうして、ひな祭りの後にすぐ雛人形を片付けないといけないの?”との質問への会話です。

 夏希:一般的に、雛飾りを桃の節句が過ぎてもしまわないと、
    婚期が遅れると言われている・・・・
    もともとは、子供の躾や親の心構えを戒めるための俗説だ・・・

 秋乃:んーーー、婚期かぁ
    (と言って、春菜を見つめる)
 春菜:何かな~~~、秋乃ちゃん。何が言いたいのかな~~~?
 秋乃:いえ、何も!

 春菜さん、笑いながら秋乃さんにアイアンクローかけてます。優しそうなお姉さんが、元ヤンの姉御に・・・
 次の年のひな祭りの時も、秋乃さんが”姉さんが行き遅れないようね!”と言いながら雛人形の片付けをしているシーンで、後ろには

  秋乃ちゃん、ちょっとこっちへいらっしゃい・・・

と呼びかける怒りのオーラバリバリのさん春菜さんが。
 春菜さん、まだ大学生なんで、そんなに気にするとこないと思うんだけどねえ(*4)。

 夏希さんが言ってる”親の心構えを戒めるため”っていうのも、女の子はいつか結婚するのだから、子供のころから気構えをしておくっていう意味は分かります。年頃の娘を持つ父親としては。いつまでも独身でいられるのもどうなのよと思っているので、娘には”早く結婚するのはかまわない”と言っています。ただ、”できちゃった結婚(*5)”だけはヤメておくれ。

 来週はひな祭り、桃の花も咲くころです。
 でも、ちょうど翌日が息子の高校入試なので、気の休まらない毎日でもあります。
 桜だろうが桃だろうが、なんでもいいから早く咲いておくれ!

《脚注》
(*1)”四姉妹”のネタでブログを書きましたが
 ”よき娘たちは、よき言葉から”です。取り上げたのは”若草物語 (ルイーザ・メイ・オルコット)”と、”かしましハウス(秋月りす 竹書房文庫)”です。
 よろしければ、こちらもどうぞ。
(*2)七十二候(しちじゅうにこう)
 古代中国で考案された季節を表す方式。立春や、春分といった”二十四節気”をさらに3つに分けたものです。”桃始笑”は啓蟄(けいちつ)の次候(2つ目)。
 ”桃始笑”は「ももはじめてさく」と読むんだそうですが、難読漢字だな~。
(*3)みゆきさんに匹敵する
 ”らき☆すた”に登場する容姿端麗、成績優秀、品行方正とこちらも完璧超人の人。
”みゆきペディア”といわれるほどの物知りの人。
(*4)まだ大学生なんで~
 今や、”結婚適齢期”なんて放送禁止用語扱い。会社で言ったら、女性陣からぶっとばされます。
 ”結婚するのだから”て言うこと自体もスレスレでしょうかね?
(*5)できちゃった結婚
 一時期、アイドルや歌手の結婚のニュースで”妊娠はしてません”というのがくっついてましたが、それもいかがなものかと。
 子供ができること自体はおめでたいことですが、計画性が無いのはねぇ。

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”あっしにゃあ、関わりのないことで”って言えないんだよな~(木枯し紋次郎/クロモジ/アオモジ)

 ども、ニヒルな渡世人たいちろ~です。
 先日、藤田 まことさんがお亡くなりになったのをきっかけに”必殺仕置人”のブログを書きました。で、そういえば、この頃、”必殺シリーズを見るか、木枯し紋次郎を見るかで迷ったな~と思い出しました。
 ということで、前回の”必殺仕置人”に続いて今回は1970年代の名作”木枯し紋次郎”の紹介であります。

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 左の写真はたいちろ~さんの撮影。千葉県野田市清水公園のクロモジ。
 右の写真と作成は奥様。アオモジのリースです。他の作品もHPに掲載しているので、よければこちらものぞいてみてください
 ”あっしにゃあ、関わりのないことで”って言えないので・・・

【本】木枯し紋次郎(笹沢 左保 光文社文庫)
 世間との係わり合いを避けようとするニヒルな渡世人”木枯し紋次郎”を主人公とする股旅小説。道中合羽に三度笠、頬の古傷に長楊枝がトレードマーク
 今回のエピソードは第一巻”赦免花は散った”に収録。
 主演 中村敦夫、監督 市川崑で1972年のフジテレビ放映は、奇しくも必殺シリーズ第一作”必殺仕掛人”と同じ年のスタート
【花】クロモジ(黒文字)/アオモジ(青文字)
 クロモジ、アオモジともクスノキ科の植物。ともに楊枝の材料になります。クロモジは、和菓子などを食べる時に使う黒い樹皮がついている高級品の楊枝、アオモジはレモンのような香りがするそうです。

 ”木枯し紋次郎”は中学校のころTVで見て、それから原作を読んだんだったと思います。DVDがなかったので本の1巻目を久しぶりに読み返しましたが、子供のころ記憶と、原作の紋次郎ってけっこうギャップがあったんですね、これが。

 

〔意外と人にちょっかいをかけている〕
 紋次郎といえば、”あっしにゃあ、関わりのないことで”。このセリフのインパクトと、中村敦夫のクールな雰囲気で”人と係わり合いにならない”という印象が強かったんですが、実は意外と人の頼みごとを聞いたり、断った頼まれごとをいつの間にか受けてみたり。
 最初の作品”赦免花は散った”では、幼馴染の左文治の身代わりに三宅島の流人になっています。それも”老い先短い母親の死に目を看取りたいから”という左文治の言葉に流されて。
 他にも、賭場で出会った人のお金をその人の奥さんに届けたり、さらわれたお嬢さんを助けるために地元のヤクザとことを構えたり、子供の間引きをしそうな女性にお金を渡したり、(*2)。
 普通の人でもそのままスルーしてしまうような場面でも、自分からちょっかい出しているとしか思えないように、状況に巻き込まれて行ってます。
 ”こんなにおせっかいな人だったっけ?!”と思うぐらい実はいい人

〔意外に名探偵〕
 紋次郎の殺陣は、他の時代劇のように”斬る”ってイメージではなく、長脇差(ドス)を力任せに振り回したり突き刺したりと、剣道というよりケンカ殺法。なので、あんまり知的な印象はなかったんですが、実は数少ないヒントから、事の真実を見抜く洞察力と推理力に優れた人です。
 ”流れ舟は帰らず”では、倒した相手の傷口から、その人間が身代わりであることを見抜いたり、”水神祭に死を呼んだ”ではどうやって娘がさらわれたトリックを見破ったりしています。名探偵っぽくないのは、ナゾ解きをほとんど口にしないこと。”名探偵、皆を集めてさてと言い”なんてのは、この人には当てはまりません。

〔意外にフォークソング〕
 同じ時代に始まった”必殺シリーズ”のエンディングはド演歌。というか、水戸黄門にしろ何にしろ、演歌のほうが当たりまえに使われています(*3)。
 ところが、紋次郎のオープニング”だれかが風の中で”を歌ったのはフォーク歌手の上條恒彦(*4)。作曲はフォークシンガーの小室等(*5)。つまり、ばしばしのフォークソングなんですね。
 放映された1972年といえば連合赤軍によるあさま山荘事件や、テルアビブ空港で日本赤軍乱射事件があった年。さすがにその頃大学生ではなかったですが、学生運動の終焉を迎えた一種の挫折感というのは子供ながらに感じていて、そういった虚無感と、かすかな期待っていうのは、時代にマッチしていたんでしょうかね。

  どこかで誰かが きっと待っていてくれる
  雲は焼け 道は乾き 陽はいつまでも 沈まない 心は昔死んだ
  微笑には 会ったこともない 昨日なんか知らない 今日は旅を一人
  けれども どこかで お前は待っていてくれる
  きっとお前は 風の中で 待っている

 紋次郎といえば楊枝。楊枝を咥えて吹く口笛が木枯らしのように聞こえることから”木枯らし”の異名がつきました。ほかにも、楊枝を飛ばして武器にしたりとか。
 おぢさん世代の人は子供のころ、焼き鳥の串を咥えてマネしたことあるはず。楊枝になる木といえば、クロモジ、アオモジなんかがありますが、こちらは高級品。紋次郎の楊枝は竹を削ったものですが、あの長楊枝ってのがやはり捨てがたいです。短い楊枝を咥えてるのでは、居酒屋帰りの安っぽいサラリーマンぽくっていけません。クロモジなんて、お上品過ぎて似合わないし。

 ”木枯し紋次郎”はTVもそうですが、原作もけっこういけます。
 虚無的でありながら、結局人とのかかわりを持ってしまうヒーロー像って、逆説的な意味で今の時代にあっているのかもしれません。ぜひご一読のほどを。

《脚注》
(*1)赦免花は散った
 ”赦免花”とは三宅島の蘇鉄(そてつ)のこと。この花が咲くと赦免船がやってくるという流人のいい伝えから。こっちのネタで”蘇鉄”を扱ってもよかったんですが、TVでは映像化されていないようなので、”楊枝ネタ”のほうにしました。
(*2)賭場で出会った人のお金をその人の奥さんに届けたり~
 前2つのエピソードは”水神祭に死を呼んだ”、3つ目は”童歌を雨に流せ”から。
 他にも、暴れ馬に踏み殺されそうになった娘を助けてケガをしたり(湯煙に月は砕けた)なんかしています。
(*3)演歌のほうが当たりまえに使われています
 ”ちょんまげ天国~TV時代劇音楽集~(ソニー・ミュージックハウス)なんかを聞くと、やはり演歌がメインストリーム。
(*4)上條恒彦
 六文銭というグループ時代にも”出発の歌(たびだちのうた)”で、ポピュラーソング・フェステバル’71のグランプリを受賞しています。
(*5)小室等
 六文銭のリーダーにして、井上陽水、吉田拓郎、泉谷しげるらが設立した”フォーライフ・レコード”の初代社長。

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俺たちゃ、ワルよ。ワルで無頼よ、なあ鉄(必殺仕置人/ハナニラ)

 ども、”てなもんや三度笠(*1)”をリアルタイムで見た世代のたいちろ~です。
 先日、藤田 まことさんがお亡くなりになりました(2010年2 月17日)。名優がまだ一人いなくなるのはさびしいことです。
 名優と書きましたが、アラフィフのおぢさん世代にとって、”藤田まこと”って、やっぱりコメディアンなんですよね。”必殺仕事人”の”中村主水”にしても、表のうだつの上がらないコミカルな同心役があってこそ、裏の殺し屋としての顔が引き立っていると思います。そのへんがニヒルOnlyの”木枯し紋次郎(*2)”との違いかと。
 ということで、今回は”中村主水”が初登場する”必殺仕置人”であります。

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 写真はたいちろ~さんの撮影。近所の園芸店のハナニラです。

 

【DVD】必殺仕置人(キングレコード)
 1973年に朝日放送より放映された”必殺シリーズ”の第2弾。山崎努演じる”念仏の鉄”(*3)、沖雅也の”棺桶の錠”(*4)、藤田まことの”中村主水”ら5人の殺し屋たちが、法で裁けぬ悪を倒すという時代劇。
 改めてDVDを見ましたが、けっこうえっちいシーンもたくさんあったんですね。
【花】ハナニラ(花韮)
 葉がニラのようなにおいがしますが別属。ニラはネギ属で白く小さな花が夏から秋にかけていっぱい咲きますが、ハナニラはハナニラ属で、星型の花が春に咲きます。
 花の形からか、英名は”Spring star(春の星)”。

 

 藤田まこと演じる仕置人時代の”中村主水”というキャラクター、今、改めて見るとサラリーマンの心を鷲づかみにしたのが良くわかります。晩年の中村主水は嫁姑にいびられているのは変わりませんが、それなりに私生活は安定しているし、今の殺しのシーンではニヒルな演技が目立ちますが、若いころはもっと情けないキャラクター。”あっ、中村主水が走ってる!”と思うぐらいアクティブだし。

〔表の顔〕
 うだつの上がらない同心。
 うっすらと無精ひげを生やしてるとこなんかあまりもてそうにない感じ。
 小遣い稼ぎに袖の下をあつめたりする小悪党的な面も。
 姑のせんと嫁のりつのいびりも今以上に激しくて、出世への圧力もすごいです。
〔裏の顔〕
 今では闇討ちで一撃で相手を殺すイメージがありますが、若い時はけっこう大立ち回りなんかも演じています。
 必殺技もそうですが、どっちかというと知恵を出すタイプ。
 最近はリーダ的な役回りですが、仕置人チームのリーダは”念仏の鉄”。エンドロールのトップも山崎努です。

 会社では昼行灯、家庭では濡れ落ち葉のおぢさんとしては、昼はともかく裏ぐらいヒーローになってみたいものです。
 ただ、他のヒーローと違うのは”自分たちがワルでロクデナシ”という自覚を持っていること。1回目の最後のシーンで棺桶の錠に仕置料を渡すときにこんな風に言っています。

  念仏の鉄:俺たちゃな、これからもずっと今度みたいな
       仕置きをしていくことに決めた。
  中村主水:これは、先の長い汚ねえ仕事だ。向こうがワルなら
       俺たちゃその上をいくワルにならなきゃいけねえ
       俺たちゃ、ワルよ。ワルで無頼よ、なあ鉄。
  念仏の鉄:ああ
  中村主水:磔にされてもしょうがねえぐらいだ へへへへ
       だが、こお悪い奴らをお上が目こぼしするとなりゃ
       そいつら俺たちがやらなきゃならねえ
       つまり、俺たちゃみたいなロクデナシでなきゃできねえ仕事なんだ
  念仏の鉄:おめえみたいに世の為人の為なんて綺麗ごと言ってたんじゃ
       すぐへたばってちまうんだよ
       俺たちといっしょにやる気があるんだったら、この金とれ
       やる気がねえんだったら、どこかへ行っちまえ

 悪人をなぎ倒すカタルシスと、正義の味方ではなく、あくまで金で動く殺し屋というストイシズムが、必殺シリーズが時代劇としては異端でありながら(*6)、長い人気を誇っている理由ではないかと思います。

 上記の”ハナニラ”の花言葉は”恨み”。英語の名前は”スクリングスター”。恨みを晴らす殺し屋でスターになった藤田まことへの献花にしたいと思います。

 藤田まことのご冥福をお祈りいたします。 合掌

《脚注》
(*1)てなもんや三度笠
 1962年~68年に朝日放送で放映された時代劇コメディ。
 藤田まこと演じるあんかけの時次郎のギャグ、”俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー!”は、スポンサーだった前田製菓から。
 前田製菓のホームページのトップには藤田まことへのお悔やみが掲載されています(2010年2月21日現在)。
(*2)木枯し紋次郎
 ニヒルな渡世人”木枯し紋次郎”を主人公とする時代劇。主演 中村敦夫、監督 市川崑で1972年のフジテレビ放映は、奇しくも必殺シリーズのスタートと同じ年。原作は笹沢左保。
 次回のブログで木枯し紋次郎のネタを書いてますので、よろしければこちらもどうぞ。
(*3)山崎努演じる”念仏の鉄”
 山崎努は、今でこそ”世界の中心で、愛をさけぶ(映画版)”の重じぃとか、NTTCocomoのCMで成海 璃子のちょっとかわったおじいちゃんとかを演じていますが、当時は異相の怪優。どっちかというと”念仏の鉄”のほうが合ってるような気がするんですが。
 ”念仏の鉄”の必殺技は骨外しですが、女性にとっては”魔物の指”という加藤鷹(*5)のような人。
(*4)沖雅也の”棺桶の錠”
 沖雅也は、”太陽にほえろ!”のスコッチ刑事、”俺たちは天使だ!”の麻生探偵など時代を代表する二枚目俳優でしたが、1983年、『おやじ、涅槃でまってる』という遺言を残して自殺。
 ”棺桶の錠”の必殺技は手槍と琉球空手。
(*5)加藤鷹
 ”ゴールドフィンガー”の異名を持つAV男優。
 女性がメインの業界にあって、男優の名前でDVDがリリースされる稀有な人。
(*6)時代劇としては異端でありながら
 正統派としての”水戸黄門”や”暴れん坊将軍”なんかはカタルシスはあるんですが、あくまで権力の側としての世直しなんで、ストイックさはないですよね。それはそれで面白いんですけど。

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もし、受験生のお父さんがトレーダーだったら?!(なぜ金融リスク管理はうまくいかないのか/マーガレット)

 ども、高校受験生の父親、たいちろ~です。
 いよいよ、公立高校の入学試験がま近に迫ってきました。まあ、その前に志望校選びってのがありますが、これがまた大変な作業でして。この作業を小難しく言うと”不確実性の下での意思決定”になります。
 で、この作業のプロフェッショナルというと、究極の博打打ち”トレーダー(*1)”。
 ということで、今回のお題は”もし、受験生のお父さんがトレーダーだったら?!
 ご紹介するのは、”なぜ金融リスク管理はうまくいかないのか”。
 って、見るからに不安になりそうだな~~

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 写真はたいちろ~さんの撮影。近所の公園のマーガレットです。

【本】なぜ金融リスク管理はうまくいかないのか (リカルド・レボナト 東洋経済新聞社)
 ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの市場リスク統括者による金融リスク管理を扱った本。
 原題は”Plight of the FortuneTellers”。
 直訳すると”占い師の苦境”(*2)。
【花】マーガレット
 キク科の半耐寒性多年草。花びらがたくさんついていて、ひとつづつちぎっていく”花占い”に使われます。なので、花言葉は”恋占い、秘めた愛、真実”など。
 余談ですが、イギリスの金融自由化(ビックバン)と共に語られるイギリス首相は”マーガレット・サッチャー”です。


 問題1:偏差値の異なる志望校Aと志望校Bの2つがあります。
     あなたの成績を踏まえて、望ましい志望校を決定しなさい

 これを、トレーダーのお父さんに置き換えると

 問題2:リスクとリターンの異なる株式Aと債権Bの2つがあります。
     あなたの資産を踏まえて、望ましい投資金額を決定しなさい

 話を単純化すると(*3)こんな感じです。
 誤解されがちですが、”偏差値”というのは、平均値からの乖離のことで、偏差値60というのは上から数えて15.9%あたりに位置するということ。志望校の偏差値は合格の難しさの指標で、個人の学力の指標にはなりますが、実際には”ある程度の範囲を持って(分散)、そのあたりに集まっている”ぐらいの意味です。
 ただ、偏差値計算には前提条件があって、”母集団の数値の分布が正規分布(*4)に近い状態”であること。学校の成績分布とか、今日と明日の株価の変動幅が経験的にこうなることが多いといってるだけで、”必ずこうなる”というシロモノではありません

 問題1の場合、3つの偏差値(それぞれの志望校の偏差値、受験生の偏差値)を比較することになるんでしょう。
 受験生の偏差値というのは”今回のテストで70点とった受験生は、次回のテストでも65~75点あたりの点数が取れそうで、30点とかはあまり取らないだろう”程度のことでしかなく、けっこう幅があるんですね。テストでも”ヤマが当たった、外れた”といった偶然に左右されるなんてのはよくあることです。
 学校の偏差値も、”昨年、この学校を志望した模擬テストの結果を見ると(実際に受験したかは別)、合格した受験生はある範囲でどれぐらいの確率で存在した”ことを表しているだけ。これにはさらに、”受験環境がほとんど変化しない”という前提条件があって、私の子供が受験する宮城県のように男女別学から共学化に急速にかわっている状況では、過去のデータの信憑性は???になります。

 問題2の場合も同様で、株式も債権も、再現性のない中で過去データを分析して未来のリスク・リターンを推計しています。過去のデータをたくさん集めると信頼性が上がるとシロウト目には思ってしまいますが、50年分のデータを集めたとしても、固定相場制化での為替レートなんて意味ないですし、だいたい会社自体が存在しないケースも多いです(*5)。
 こんな状況で”発生確率99.97%の確率で発生する損失”なんてのを計算しようとするんだから、リスク管理者ってたいへんな仕事なんでしょう。

 話を戻すと、志望校の選択っていうのは、”どちらを受けたほうがより勝ち目(合格)があるか”なんですが、やっかいなのは、”どちらに合格したほうが、より満足できるか”というのもあります。合格しても意に染まない学校に行くのはどうなのよ? ということです。学校が面白くないからといってグレられても困るし・・・
 これは、私立高校の第一志望に通ったかどうかによって、参照点(*6)が変化するので問題をさらに複雑にします。つまり、第一志望校に合格していれば、強気のギャンブルに出れますが、不合格だとそれ以上に臆病な選択になってしまうということ。

 つまり、”偏差値”という小数点以下まで提示される確固たる数字は、実はかなり幅があって、そんな不確定性の高い状況で、合格した嬉しさを加味しながら、志望校を決定しないといけないのは、たいへんな意思決定を迫られるわけです。受験生とその親としては。

ラプラスならぬ我が身としては(*7)、マーガレットで占いをして志望校を決めてみようかって気持ちになります。

 トレーダーお父さんの正しい選択肢としては

 ”自分の志望する学校に行きたかったら、四の五の言わずに勉強しろ!”

 と言うことなのかもしれませんね。

 それにしても、合格が決まるまでは落ち着かない毎日です。不安だ・・・

《脚注》
(*1)トレーダー
 株式や債券、通貨、商品などに投資して利益を得る人や会社のこと。
 ”株式が上がるか下がるか”という不確実な未来にお金をかけるということは本質的な点では”博打打ち”と変わらないんでしょうが、”究極の”とつけたのは掛け金がハンパでないこと。100億円単位のディールなんてのもざらにありあそうです。
 博打としては”俺の空(本宮ひろ志 集英社)”で超一流ホテルを賭けてのポーカ一発勝負ってネタがありましたが、リアルにこんなのがあれば間違いなく社会面のトップでしょうね。
(*2)占い師の苦境
 ”FortuneTellers”は占い師ですが、”Fortune”には資産、金持ち、運命、幸福、”Teller”には銀行の窓口係という意味もあるので、ダブルミーニングかもしれません。
(*3)話を単純化すると
 実は、この”単純化”自体もクセモノです。志望校も投資先も選択肢は乗数的に増えていきますし、志望校の場合は公立高校だと1校に絞る必要がありますが、投資の場合は複数に分散投資するポートフォリオが組めます。
 まあ、ブログ上のお遊びということで・・・。
(*4)正規分布
 並べると、平均値を中心に釣鐘状(ひとこぶラクダの背中みたいな形)になることです。
 コイントスで表と裏の出現回数みたいなのはこれに近くなりますが、テストのような社会現象では、必ずこうなるとは限りません。実際に子供のテスト成績を見ると、点数の分布が二極分化(ふたこぶラクダ状)になっているケースがままありました。
(*5)50年分のデータを集めたとしても~
 円やドルなど通貨の交換レートがマーケットで決まる変動相場制が導入されたのは1973年以降。
 日本を代表する企業のメガバンクだって、今の体制になったのはせいぜい10年ぐらいの歴史です(三井住友銀行 2001年、みずほ銀行 2002年、三菱東京UFJ銀行 2006年の誕生です)
(*6)参照点
 行動経済学では、現状の位置を”参照点”として、参照点から利益が増えると増加する価値がゆるやかに上昇し、損失が増えると価値が急速に低下するという非対称なグラフを描きます。経済学というより心理学的なアプローチです。
(*7)ラプラスならぬ我が身としては
 ”ラプラス”とは、フランスの数学者、ラプラスによって提唱された”ラプラスの悪魔”のこと。不確実なことが何もなく、未来のことが分かるという架空の存在
 本書の中でも、いくつかこの表現を使っています。

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よき娘たちは、よき言葉から(若草物語/かしましハウス/エリカ)

 ども、二人の子供の学費でひ~こら言っている、たいちろ~です。いや、マジで。
 長女の大学費用、下宿代、長男の入学金の支払い等でお金が出て行く一方です。
 これで、四人も娘がいたらど~なるんでしょうか? ということで、今回は四姉妹のお話、”若草物語”であります。
 前から読みたかったんだよね、これ。

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 写真はたいちろ~さんの撮影。
 上は近所の園芸店のエリカ、下は同じくジャノメエリカです。

【本】若草物語 (ルイーザ・メイ・オルコット)
 19世紀後半、南北戦争期のアメリカに住むピューリタンであるマーチ家の四人姉妹(メグ、ジョー、ベス、エイミー)とお母さん(*1)の日常を描いた少女文学の名作。
 私はイラストと解説の多いあすなろ書房版で読みました。
 名作アニメシリーズの定番(*2)なので、子供のころに観られた方も多いかと。
【本】かしましハウス(秋月りす 竹書房文庫)
 ひとみ、ふたば、みつえ、よもぎの四姉妹を描いた4コマ漫画。こちらはお母さんが亡くなっていて、お父さんとの五人家族の父子家庭。
 まったりした癒し系なので、時間があるときなんかよく読み返します。
【花】エリカ(Erica)
 ツツジ科エリカ属の花。英語ではヒース(heath)。
 花言葉は”良い言葉、孤独、博愛”など

 けっこう四姉妹モノが好きで、定番のコミック”かしましハウス”、最近だと”四季おりおり(*3)”なんてのも読んでます。小説でも”四季・奈津子(*4)”も読んだな~

 ところで、女性の人って、こういう四姉妹にはやはり自分と同じタイプを重ね合わせて読むんでしょうか? 若草物語とかしましハウスををみると

〔お母さん属性〕
 家事をこなし、常に姉妹のことを気にかける母親的性格。
 若草物語では長女のメグ、かしましハウスでは同じく長女のひとみがこれにあたります。
〔お父さん属性〕
 家族を積極的にひっぱっていくアクティブな性格。
 長女がお母さん属性になるせいか、若草物語では次女のジョー、かしましハウスでは四女のよもぎ。リーダー的性格が必ずしも長女でないところが面白いです。
〔守って上げたい属性〕
 虚弱体質で、なんとなく守って上げたくなる人。
 若草物語では三女のベス、かしましハウスでも三女のみつえ。ベスは猩紅熱にかかって一命を取り留めますが、内面的にはけっこう強かったりします。みつえも要領よくバイトを探したりクジ運が強かったりとしたたかな一面も。
〔元気属性〕
 体力いっぱいの体育会系女子。
 若草物語では次女のジョー、かしましハウスでは次女のふたば。元気なようでいて、ジョーは料理が壊滅的だったり、ふたばが本番に弱いタイプだったり、けっこう弱点があるのもご愛嬌。
〔お嬢様属性〕
 レディに強い憧れを持つ人。
 若草物語では社交界に憧れる長女のベスと、貴婦人らしく振舞うのが好きな四女のエイミー。かしましハウスではあえて言うなら、ガーデニングやお菓子つくりが趣味の長女のひとみ。社交界自体が死語の現在、中流家庭が舞台のお話では書くのが難しいキャラでしょうか?
〔文学少女属性〕
 本を読むのが好きだったり、書いたりする人
 若草物語では小説家志望の次女のジョー、かしましハウスではジュニア小説家(*5)のひとみ。
 面白いのは、ジョーは体育会系でありながら文学少女属性も併せ持ってるとこ。”四季おりおり”の次女 夏希のように、物静かな女性が文武両道の万能の人っていう設定はけっこうありますが、アクティブに走り回っている人が文学少女属性っているのはギャップがありすぎてちょっと意外。

 で、若草物語が名作たりうる理由って、この四姉妹がただ単に”よい子”でないことでしょうか。社交界に憧れていても、自分とのギャップにへこんでしまうベスとか、妹のいたずらにつらくあたってしまうジョーとか。四姉妹とも、お母さんがいなくなって、最初はがんばってても、すぐ家事をさぼりだしちゃうし。

 そこで、娘たちを暖かく導くのがお母さん マーチ夫人。
 マーチ夫人の暖かいお言葉。

  わたしは大きな夢をもっています。でも、それは世俗的な夢ではないの。
  あなたたちがお金持ちと結婚して欲しいとか、大邸宅に住んで欲しいとか
  そんなことではありません。
  どれほどお金があろうが、愛のない家庭はさびしいものです。

   (中略)
  たとえ貧しくとも、愛され、幸せであって欲しい。
  いくら女王様のような暮らしをしていようが、自尊心と心の平和がなければ
  決して幸福にはなれないのですからね。

 ”良い言葉”という花言葉を持つ花に”エリカ”があります。でも、沢尻エリカ女王様のように、不機嫌に「別に・・」、「得にないです」とか言ってると相手の胸に響かないんですよねぇ(*6)。

 ”若草物語”は、若い女性に読んで欲しい本。子供向けと思わず、大人が読んでも心洗われる名作です。

《脚注》
(*1)マーチ家の四人姉妹とお母さん
 お父さんは従軍牧師として出征しているので、今風にいうと単身赴任。
(*2)名作アニメシリーズの定番
 何作か作成されていますが、すごいのは1980年の東映動画版。声を担当してるのが、増山江威子、杉山佳寿子、麻上洋子、小山茉美の四姉妹にお母さんが池田昌子、ナレーターが吉永小百合。 見ればよかった!!!
 若い方にはピンとこないかもしれませんが、これは四姉妹が平野綾と釘宮理恵と水樹奈々と川澄綾子で、お母さんが井上喜久子で、ナレーションを藤原紀香が担当するぐらいすごいことです。
 いや、分かる方だけで結構ですので・・・
(*3)四季おりおり(稲城あさね 一迅社)
 元ヤン(そうは見えない)の長女 春菜、完璧超人の次女 夏希、元気がとりえの三女 秋乃、食欲魔人の四女 冬香の四姉妹を描いた4コマ漫画。こちらはお母さんが海外でお仕事中(お父さんは亡くなられているようです)の子供だけの家族。
 けっこうみんなかわいいぞっと!
(*4)四季・奈津子(五木寛之 集英社)
 波留子、奈津子、亜紀子、布由子の四姉妹の物語。上記と違って大人の女性の物語。
 1979年出版なので、読んだのずいぶん昔です。
 ほかにも谷崎潤一郎の”細雪”ってもありますが、こっちはまだ読んでません。
(*5)ジュニア小説家
 今風に言うなら”ライトノベル作家”。
 ジュニア小説といわれると往年のコバルトシリーズ(集英社)を思い出してしまうのはおぢさん世代の現れでしょうか?
 昔は新井素子なんかよく読んでたんですけどね。
(*6)相手の胸に響かないんですよねぇ
 心に愛がなければどんなに美しい言葉も相手の胸に響かない(聖パウロの言葉より)
 ラジオのカトリック系布教番組”心のともしび”、早朝ラジオ派ではおなじみのフレーズです。

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さて問題です。コサージュとブーケの違いはなんでしょう?(サードガール/コサージュ)

 ども、奥様にコサージュなんぞ送ったことのない、たいちろ~です。
 奥様がフラワークラフト作家なるものをやっておりまして、ブログに作品を掲載しております(*1)。で、今回 掲載しているのがコサージュ
 コサージュなんてのは、おぢさんには縁のないシロモノですが、今日はバレンタインデー。ホワイトデーのお返しにはいいかなと思いつつ、今回ご紹介するのは”サードガール”に出ていたコサージュとブーケのお話であります

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写真は”フラワークラフト作家"Ann"のひとりごと”のhpより
作成及び撮影は奥様です。

【本】サードガール(西村しのぶ 小池書院)
 建築会社にお勤めの涼さん、ブティックにお勤めの美也さん、美也さんの勤めるブティックのオーナーで友人のまりをさんたちの織り成す神戸を舞台にしたラブストーリー。
 ちなみに、美也さんは”神戸っ子”、まりをさんは”関西商人”です。
【花】コサージュ
 女性が用の小さい花束や花飾り。写真は淡いピンクのバラに、シフォンのリボンをあしらったらものです。

 さて、お題の”コサージュとブーケの違い”ですが、Web版大辞泉によると

ブーケ  :生花や造花の花束
コサージュ:女性が胸・襟・肩などに留める小さい花束や花飾りのこと。

 両方とも花束です。大きめなのがブーケ、ちっちゃいのがコサージュぐらいの違いでしょうか? でも、料理に使うのはブーケガルニ(*2)なので、そうでもないのかな?

 まあ、おじさん的には、”花嫁さんが持つのがブーケ、装飾に使うのがコサージュ”ってのが一番の違いでしょうかね?

 ”サードガール”のエピソード”ピンク・ブーケ”の中で、結婚式に出席した涼さんと、美也さんとまりをさん。
 花嫁さんは美也さんとまりをさんの縫ったウエディングドレスに、ウェディングブーケを持って登場。
 花嫁を見つめる美也さんの胸には、涼さんに買ってもらったコサージュ。
 同じく花嫁を見ながら、涼さんのモノローグ

   美也とまりをちゃんの縫ったドレスだ
   いったい何を考えながら縫っていたのか

    (中略)
   自分は着たくないのかな、オレなら美也に着せたいよ

 そんなことを考えつつ、美也さんにさりげなく

  涼さん :美也、ああいう風なブーケ欲しいだろ?
  美也さん:ブーケ?
       (と、涼さんにもらったコサージュを見せながら)
       間に合ってますわ

 涼さん、さりげないプロポーズにさりげなく断られてるんじゃない?!
 実際、このお二人、そのあといっしょに住んでいるので、実質的な夫婦になるんですが、どうも最後まで正式な結婚はしていないご様子。
 一緒に住むようになって、涼さんの出勤を見ながらの美也さんのモノローグ

  可もなく、不可もない、決定的なものもない
  少年と少女の生活ね 馬鹿みたい
  でも --- 一緒なら 
  しばらくこのままでもいいわ・・・

 あくまで、神戸っ子(*3)の美也さんです

 そこへいくと、まりをさんの結婚観はストレート
 ウェディングドレスを縫いながらダンナさんのパンツを洗濯する話をしている美也さんと、まりをさんにツッコミを入れた涼さんへの反論。

  まりをさん:生活に洗濯は不可欠!! とゆーことは
        ”相手のパンツを洗ってあげたい”とゆー感情は
        結婚への愛情と判断できるのよ

  涼さん  :はっきり言って、私は美也のパンツ洗いたいですがっ
  まりをさん:それは単なるフェティシズム
        悔い改めよ戒めよ

 ”リアリスト関西商人”、まりをさんらしい発言です。

 と、いうことで、バレンタインデーにチョコレートをもらったイケメンの皆さん、ホワイトデーのお返しにコサージュなどいかがでしょうか? お返しのコサージュを渡しながら、

 ”こんどはブーケもプレゼントさせてもらえないかな?

 ぐらい、さりげなくプロポーズしてみたらどうでせう
 ただし、義理チョコもらったぐらいで、これをやったらどん引きされるでしょうから、ご注意を・・・

(などど、ブログを書きながらさりげなく商売している私も、”関西商人”だったりして?!)

《脚注》
(*1)ブログに作品を掲載しております
 一時期、”アクセス数が増えない”とぶ~たれておりましたが、最近は悔い改めて頻繁に更新しているので、なんとか検索エンジンにひっかかるようになりました。
 ”アトリエアン 松田敦子”で検索すると出てきます
(*2)ブーケガルニ
 料理に使うハーブ(セロリ・丁子・月桂樹の葉など)をくくって束にしたもの。シチューなんかを作るときに使います。入れる入れないで香がぜんぜん違います。
(*3)神戸っ子
 涼さんいわく、”ごーまんで贅沢な性格”。
 神戸のお嬢さんって、異国情緒とファッションセンスとヨシモトのノリが程よくブレンドされてると思います。あんまし、付き合ったことないけど・・・

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爆発炎上は男のロマンだぞー(キケン/究極超人あ~る/さいたまスーパーアリーナ)

 ども、理系女子の父のたいちろ~です。
 この春から、長女が某理工学部に通うことになりました。
 メカトロニクス系の学問とのことなので、参考にと思って成南電気工科大学機械制御研究部の出てくる小説を読んでみました。
 で、今回ご、紹介するのは有川 浩の”キケン”であります。


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写真はたいちろ~さんの撮影。特撮の聖地”さいたまスーパーアリーナ”です


【本】キケン(有川 浩 新潮社)
 成南電気工科大学機械制御研究部。略称”機研(きけん)”。
 クラブ説明会ではやぐらを吹き飛ばし、ロボコン(*1)ではロボットを吹き飛ばし・・
 その危ない行動から”キケン= 危険”と呼び恐れられていた伝説のクラブの物語。
【本】究極超人あ~る(ゆうきまさみ 小学館)
 春風高校に転校してきたアンドロイド”あ~る”を中心に、鳥坂(とさか)先輩、さんご、しいちゃんたちを中心とした青春SFコメディ。第19回星雲賞(1988年)と、けっこうSFマインド満載の作品です。
【旅行】さいたまスーパーアリーナ
 JRさいたま新都心駅にある日本でも最大級の多目的ホール。コンサートやスポーツイベントで使われていますが、もっともメジャーなのが仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズの戦いの場所です。


 さて、機械制御研究部のメンバーは
  上野先輩:2回生。機研部長。大学きっての危ない人
  大神先輩:2回生。機研副部長。通称”大魔神”。迫力の人
  元山くん:1回生。家が喫茶店なので通称が”お店の子”。機研の常識人。
  池谷くん:1回生。多少のことでは動じないおおらかな人。時々裏目に。

 で、この中で最もキャラが立っているのが”成南のユナボマー(*2)”の異名を持つ上野先輩です。で、この先輩、どっかで見たよ~なキャラクターだな~と思ったら、究極超人あ~るに出てくる鳥坂先輩そっくり! こちらは、もう20年以上前の作品ですが、こういったワクにはならない人って、いつの時代でも魅力的なんですね

〔上野先輩〕
・機械制御研究部の部長にして暴君
・後輩のいやがる方向に無理やり話をもっていくノリの人
・特撮の爆発シーンを自分でやってみたくて火薬好きになった人
・ロケット花火装填の改造エアガンで戦うバイオレンスの人
・オフローダーのバイクをウイリーで顔の横すれすれに止めるライダー

〔鳥坂先輩〕
・春風高校光画部(*3)の部長にして暴君
・後輩のあ~る君をしょっちゅういじめるし、ノリだけで物事を決める人
・特撮好きで、ここ一番ではヒーローのポーズを決める人
・サブミッションを得意とするバイオレンスの人
・東京と京都を毎日オフロードバイクで往復しちゃうライダー

 上野先輩といい、鳥坂先輩といい、”特撮・爆発・バイク”は男のロマンですよね~
 ただ、火薬にいっちゃうと危険人物だけど。

  上野先輩:爆発炎上は男のロマンだぞー
       戦隊ものから始まって男子向けロボットアニメ
       ハリウッド映画に至るまで
       爆発に燃えない男など、男と呼べるか!
       お前は一瞬たりとも爆発炎上銃撃砲撃ビームサーベルに
       燃えたことがないと言えるのか!? どうだ!

 いや、まさにその通りです。
 最近のスーパー戦隊や仮面ライダーは、さいたまスーパーアリーナとか近未来っぽい建物+コンピュータグラフィックスの爆発シーンの組み合わせ(*4)。それなりに迫力はあるんですが、何かが欠けています。かつて、造成地でのリアルな爆発シーンを知る世代としては”特撮はバクハツだ!(*5)”といいたいところです。リアルでケガをするリスクを犯してまで映像に命を吹き込んでいた気合みたいなものでしょうかね?!
 爆破シーン満載の仮面ライダーディケイドの初回オープニングなんか、リアルのバクハツとCGの組み合わせ。でも、よく見ているとやっぱりリアルなバクハツはリアリティが違うぞっと!

 私も上野先輩ほどではないですが、水道管と爆竹を使って銃を作ったことがあります(時効ですよね?(*6)) 玉は鉛筆を輪切りにして詰めただけなので、殺傷力とか以前のレベルですが、オモチャの銀球鉄砲とは音といい硝煙の香といい迫力が違います。ゲームの世界でバーチャルな爆発しか知らない男の子に未来はないぞ!

 話があらぬ方向に行きましたが、理系男子には読んで欲しい一冊。でも、理系女子の父には役に役にたたんかったのでは?

《脚注》
(*1)ロボコン
 ロボットコンテストの略。ルールは様々ですが、ロボットの性能/操作技術を競う実在の競技会です。本書では”ロボット相撲大会”ですが、こっちは多分架空の大会。
(*2)ユナボマー
 1978年から95年に全米の大学と航空業界関係者に爆発事件を起こした実在の爆破犯人。本名はセオドア・カジンスキーですが、”ユナボマー”のほうが爆弾魔の代名詞になるほど有名。
(*3)光画部
 いわゆる写真部です。私の高校の写真部もヘンな人がいっぱいいて、変人の巣窟。フィルムカメラの時代ですが、あの漆黒の暗室が人間性を歪めるのか??
(*4)コンピュータグラフィックスの爆発シーンの組み合わせ
 そりゃ、スーポーアリーナで爆薬セットするわけにゃいかんでしょうが
 でも、1回ぐらいはリアルでバクハツさせて欲しいな~ マジで
(*5)特撮はバクハツだ!
 オリジナルは”太陽の塔”の製作者、芸術家”岡本太郎”による日立マクセルのCMから(1981年)
 ”芸術はバクハツだ!”
(*6)時効ですよね?
 一応、”良い子はマネをしてはいけません”と言っときます。
 でも、子どもの内に多少危険なことをしとかないと、リスクに対する判断ができなくなるのも確かで、闇雲に禁止するのもどうかと思う気持ちもありますし・・・

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守銭奴けっこう! 金は正義だ!(シアター!/スタンドフラワー)

 ども、演劇にはとんと縁の無い、たいちろ~です。
 奥様は昔、某市の文化ホールにお勤めでしたので(*1)、こっちには素養があるみたいですが、私は全然。会社の同僚にも小劇団のファンがいて”面白いですよ!”と言ってるんですが・・
 ということで、小劇団を扱った小説”シアター!”のご紹介であります。

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写真は”k’sflower novo Webshop”のhpより
スタンドフラワーの例です。

【本】 シアター! (有川 浩 メディアワークス文庫)
  債務者 :小劇団「シアターフラッグ」、主宰 春日巧。別名”泣き虫主宰”
  負債総額:300万円。
  債務者 :春日司。別名”鉄血宰相”。春日巧の兄。
  返済条件:2年間で劇団の収益から300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ。
 はたして「シアターフラッグ」は借金を返済できるか?
【花】スタンドフラワー
 開店祝いや、コンサートなどで送られてロビーなど飾られる花のこと。”笑っていいとも”のテレフォンショッキングでゲストの後ろに飾られるあれです。
 お値段はおおむね2万円ぐらいから、3万円、5万円、10万円以上と応相談。

 「シアターフラッグ」は、主宰で脚本家の春日巧、プロ声優で新人女優の羽田千歳、俳優の早瀬牧子、黒川勝人ら個性的な10名の小劇団。演劇に夢をかける人たちですが、金勘定はまったくだめで、300万円の借金を背負う羽目に。で、金を貸すかわりに上の条件を突きつけたのが、巧のお兄ちゃん”鉄血宰相”こと春日司であります。


  春日司 :無利子で二年も猶予をやるのに返済できないなら
       お前らに才能なんかない!
       二年間 死にものぐるいでやれ!
       自分の無力を思い知って死ね!
       借金できりきり舞いして 夢も希望も枯れ果ててしまえ!
  黒川勝人:畜生、この守銭奴
  春日司 :守銭奴けっこう! 金は正義だ

 夢を見るのは良い事なんでしょうが、夢だけを食べては生きていけないのが世の常。ところが、往々にして金勘定ができない人って多いんですよね。
 私もコンピュータの会社で企画モノに携わったことがありますが、分業体制になっているせいか、”損益の責任者って誰?(*2)”っていうケースがままあります。
 で、「シアターフラッグ」では、この金勘定はお金に細かい春日司のお仕事になります。本人は中小企業にお勤めとのことですが、演劇にはシロウトながら、とんでもないスーパーバイザー(*3)。会社でも、なかなかこんな仕切りのできる人はいません。

  収益=収入-支出
  収入=入場料×入場者数 + 販売物単価×購入者数 + その他収入
  支出=舞台構築費用 + 人件費 + 委託費 + 販売物作成費 + 雑支出

 簡単に書くとこんな感じですが、春日司がすごいのは、いじっていいパラメータとそうでないものをちゃんと分けて指示をしているところ。人気声優の羽田千歳にブログを書かせて(*4)入場者数を増やす宣伝をしたり、舞台構築費用を押さえる脚本を春日巧に指示したり。反面、スピード優先でコストUPでも販売物作成を指示したり。
 会社なんかでよくやる失敗は、原価=開発費の膨らんだ分を、販売価格をあげるとか、購入者数を増やしたりとかで、収益の見かけを確保する説明を始めることです。だいたい市場価格とか競争があるので、販売価格なんてそんなに高く設定できるはずもなく、根拠もなく購入者数が増えないなんて、ちょっと考えればわかりそうなものですが。最優先にやるべきは原価を削減することなんですけどねぇ。

 スタンドフラワーやアレンジメントが送られてくるのを春日司が見て”花なんて食えるわけでもないしかさばるだけだろう”と思ってしまうのはご愛嬌。それでもイベントが華やかになるし、メジャー感が演出できるという理由で受付に飾っています。

  商談のときでもハッタリは大事だ。雑な身なりをしていると舐められる。

 どこまでもクールな春日司であります。

 ”シアター!”はラブコメっぽい展開で、こんなナナメの読み方をする人はいないんでしょうが、まあ、こちらもご愛嬌ということで。まだ、1回目の公演が終わっただけで、借金が返せるかどうか分かりませんし、ぜひ続編をお願いします。

 ところで、春日司さんのような人、どっかにいませんか?
 ぜひ私のプロジェクトでお雇いしたいんですが・・・

《脚注》
(*1)奥様は昔、某市の文化ホールにお勤めでしたので
 楽屋で”チャゲ&飛鳥”におしぼりを渡したのが、今でも自慢だそうです。
(*2)損益の責任者って誰?
 この質問に事業部長とか、本部長とか答える人がいますが、これは形を言っているだけで”会社の事業の全責任は社長にある”ってのと同じこと。無責任体質の表れです。
 なので、このような答えが返ってきた場合は質問の内容を変えます。
  ”このプロジェクトが失敗した時に飛ぶのは誰の首か?”
 この答えが実質的な責任者です。答えてくれる人はほとんどいなせんが・・・
(*3)スーパーバイザー
 監督・管理の責任者のこと。肩書きが偉いかどうか以前に、この人が優秀でないと現場が回らないという要のポジジョン。
(*4)人気声優の羽田千歳にブログを書かせて
  初めまして、羽田千歳です。
  文章を書くのが苦手なのですが、
  悪い大人に騙されてブログを始めることになってしまいました。
   (羽田千歳のブログより)

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松島にいいオイスター・バーがあるのになあ、タダだし(サードガール/松島のかき祭り)

 ども、松島のかき祭りにいってきました、たいちろ~です。
 単純にかきを食べたかっただけなんですが、奥様から”ブログのネタになって好かったね”と言われたもんですから、急遽ブログのネタになりました。
 いちおう”本”のブログなので、急に言われても困るんだよな~~
 まっ、いいか! と思いつつ牡蠣のエピソードの出てくる”サードガール”のお話であります。

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 写真はたいちろ~さんの撮影。松島のかき祭りの風景です。

【本】サードガール (西村しのぶ 小池書院)
 建築会社にお勤めの涼さん、ブティックにお勤めの美也さん、高校生の夜梨子ちゃんたちの織り成す神戸を舞台にしたラブストーリー。
 今回ご紹介するエピソードは”ア・リトル・オブ・ユー”の中で、ダンナ様の涼さんとケンカした美也さんが、再会した元愛人の広瀬さんとのデートシーンの中にあります。
【旅行】松島のかき(牡蠣)祭り
 日本三景のひとつ、宮城県松島で行われる冬のイベント。毎年2月最初の土日に開催されます。今年は2010年2月7日に行きました。
 焼き牡蠣の無料試食とか、牡蠣鍋牡蠣めし牡蠣雑炊と牡蠣のオンパレード。炉を設置してあるので、会場で買って(15ケ1000円とお買い得!)自分で焼いて食べることもできます。ただし運転する人はアルコール厳禁。

 宮城県はこのようなフード系のイベントがけっこういっぱいあって、春の”南三陸しおさい祭り”とか、秋の”女川さんま祭り”なんてのは我が家の恒例になっています。単なる食い意地がはっているだけですが・・・
 で、冬の定番が”松島のかき祭り”。今年の仙台は4年ぶりの大寒波で、会場の松島海岸グリーン広場は雪景色一色。かなり寒かったですが、牡蠣のためならなんのその!
 と、書くと牡蠣が大好きのようですが、実は牡蠣が食べられるようになったのは最近のことです。大概、好き嫌いはしないほうなんですが、子供のころから牡蠣だけはだめで、ず~と食べてませんでした。どうも、小学校の給食に出たカキフライがどうしようもなく不味くて、それがトラウマになっているようです。
 なのに、10年近く前に仙台に引っ越してきて、ふと出かけた松島のかき祭りで食べたのがあまりに美味しくて、それから大好物になりました。
 やはり、食べ物は地元に限ります。

 で、今回ご登場の美也さんも、実は牡蠣が嫌い

  美也さん:生牡蠣はキライ。知ってるくせに。生グサイよ
  広瀬さん:元町に いいオイスター・バーがあるのになあ
(*1)
       キミは食べず嫌いなんだ。一度 口にいれてごらん
        (といいつつ、美也さんの口に運ぶ)
  美也さん:??? 変なの

 この、元愛人の広瀬さんはリッチな歯医者さん。さりげなくオースター・バーだし、アルマーニのスーツだし、ベンツだし、プレゼントはアウディだし・・(*2) 
 で、美也さんへのくどき文句がこれ

  広瀬さん:昨日は驚いた
       すげーキレイな女だ ---と思ったら美也だった
       あわてたよ、嬉しくて
       「これはもう口説くしかない」と思って
       なんとか食事に連れ出そうと・・・

 いや、こんなセリフで美女を口説いてみたいモンです。縁もお金もないけど。
 かたやダンナ様の涼さんは、神戸の街を友人と一緒に美也さんを探して回るハメになります。
 それはそれで、かわいいんですが、こうなると女性のほうが大胆ですねぇ

  美也さん:ねえねえ広瀬さん きいて
       あのね 例えば北陸か山陰
       人影もまばらなひなびた温泉で 小さなつぶれかけた旅館に宿をとるの
       もちろん宿帳には偽名を記入してね
       わたしは先にひとりで来ていて 愛人を待っている・・・という
       やっぱり”逢い引き”は、こうありたいと!!

 以前、伊香保温泉に行った時に(*3)このフレーズを思い出しましたが、やっぱり逢い引きはこうありたいものです。 愛人、いないけど・・・

 松島は風光明媚で、特に冬は空気も澄んでいて、美味しい牡蠣もあわせてお勧めです。秋保温泉、作並温泉などもあるので、愛人との不倫旅行、もとい、彼女と遊びに行くにはGoodなスポット。
 ぜひ、お出かけのほどを!

《脚注》
(*1)元町に いいオイスター・バーがあるのになあ
 ”サードガール”の舞台は神戸。なので、ここで言ってる元町は神戸のことです。旧居留地や、北野異人館街へ通じる坂道、メリケンパークなどエキゾチックな好い街です。
(*2)リッチな歯医者さん~
 友人のわたなべ君いわく”アメックスのCMみたいな男”。
 歯医者ってそんなに儲かるのか??
(*3)伊香保温泉に行った時に
 群馬県にある温泉。石畳の階段や、近くに竹久夢二伊香保記念館があったりと、明治大正のロマン漂う名湯です。
 でも、社員旅行で行ったのでロマンもへったくれもありゃしませんでしたが。

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煙草の煙と吐き出したのは、我が内なる愚か者への悪態(愚か者死すべし/カクレミノ)

 ども、最近ハードボイルドにはまっている、たいちろ~です。
 ここんとこ、原リョウの沢崎シリーズというのを立て続けに読んでいます。ハーフボイルド(*1)ではなく、和製の正統派ハードボイルドで、主人公が40代のおぢさんってのも良い!
 ということで、今回は新沢崎シリーズ第一作”愚か者死すべし”であります。

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 写真はたいちろ~さんの撮影
 近所の公園のカクレミノです。

【本】 愚か者死すべし (原 リョウ 早川文庫)
 大晦日、新宿署地下駐車場に2発の銃声が轟いた。1発は暴力団組長襲撃事件の容疑者”伊吹哲哉”、もう1発は容疑者を護送する刑事”東海林秋彦”を打ち抜いた。これをきっかけに私立探偵沢崎は思いもよらぬ展開に巻き込まれていく・・・
”私が殺した少女”で第102回直木賞を受賞した原リョウの沢崎シリーズの新作。といっても、2004年発刊です。ほんとに、寡作な作家です。
【花】カクレミノ(隠蓑)
 ウコギ科の常緑亜高木。別名 テングノウチワなど。写真をご欄になるとわかりますが、葉が昔の雨具の蓑の形をしています(*1)。
 隠れ蓑は天狗などが身にまとう空想上の蓑で、自在に姿を隠すことができるもの。今風に言うとステルス機能の宝具。ここから、実体を隠すための手段、表向きの理由を指すようになりました。

 ストーリーとしては、組長襲撃事件、自首した組長襲撃犯人、政治家の秘密を握る謎の老人の拉致事件、その誘拐犯からの身代金強奪事件等、話が二重三重に錯綜していて、けっこうな伏線が入り組んでいます。
 ”政界の裏で暗躍する謎の老人”なんていうと、社会派ミステリーの松本清張っぽいですが、代議士の学歴詐称事件のエピソードなんかが出てくると(*3)、ハードボイルドながら社会派の香りがしてますし

 ”愚か者死すべし”の中で、”愚か者”という言葉が2回出てきます。
 一つ目は、沢崎が伊吹哲哉への銃撃を阻止するために行ったことで死亡した、東海林秋彦の葬儀の場所を田島警部補に尋ねるシーン。

 沢崎:東海林警部補の弔問には、どこに行けばいい
 田島警部補:えっ? 本気で言っているのか、あんた
       そんなことをしてもだれも喜ばんぞ(中略)
       詳しい事情を知る立場にいる人間は、
       あそこであんたが登場しなければ
       彼は死なずにすんだのではないかと思っている。
       当然のことだが、遺族もそのへんの事情を知る権利がある
 沢崎:だから、弔問するのだ

 基本的な性格として、実は沢崎はとってもおせっかいな人間で、かつ頑固。上記の事件にしても誰からか依頼を受けたわけでもないのに、いつの間にか事件に巻きこまれているし、自分が原因で死んだかも知らない人間の葬儀に行けばもめる事は分かっているのに(実際にもめましたが)、自分の矜持と真相への希求のために訪問しているし

 で、表題のモノローグが出るわけです

  午後のよどんだ空気の中に、私がタバコの煙といっしょに吐き出したのは、
  わが内なる愚か者への悪態だった。

 この、ダンディズムこそが、ハードボイルドの真髄です。

 二つ目は、この事件の犯人のセリフ。ネタバレになるので、あまり細かくかけませんが、こんなシーン。
 自分の職業倫理に反する犯罪行為を行い、部下の犯罪行為を恐喝に変えて成果をあげている犯人。沢崎と対峙する中、周りを警察にとりかこまれ、全容を解明されていることを知って。

  拳銃は私の目の前で反転するような動きをした。
  ○○(犯人)が何をしようとしているか気づいたときは、すでに遅かった
  「愚か者め」と、○○は吐きすてるように言った。
  拳銃の銃口が○○の顎の下にぴたりと当てられた瞬間、
  三発目の銃弾が発射された。

 いろいろな事件を隠れ蓑にしながら、その中の事実が明らかになる瞬間です。

 ふと思ったんですが、政治資金規正法違反の容疑で起訴されかかった某O沢幹事長なんか、もし起訴されていたら「愚か者どもめ」とか言いそうだよな~~~
 元秘書とか、土地購入代金とか隠れ蓑にして・・・

 沢崎シリーズは、細かいエピソードのオーバーラップはあるものの、どこから読んでも面白いハードボイルド小説。ぜひ、ご一読のほどを。


《脚注》
(*1)ハーフボイルド
 仮面ライダーWの主人公、中途半端なハードボイルド探偵、左 翔太郎のあだ名。元々、ハードボイルド(堅ゆで卵)は、感情に流されない、強靭な肉体、妥協を許さない等の記号なので、ハーフボイルト(半熟卵)は、中途半端っさって言う意味では意外と合っている用法かも。
(*2)蓑の形をしています
 といっても、若い方でお分かりにならない方はこちらをどうぞ。
(*3)代議士の学歴詐称事件のエピソードなんかが出てくると
 衆議院議員の古賀潤一郎による「ペパーダイン大学卒業」という学歴詐称事件が2003年ごろ、本書の発行が2004年ですので、タイムリーに話題を取り入れています。
 ちなみに代議士の経歴詐称は公職選挙法の定める虚偽事項の公表にあたるため、れっきとした法律違反です。

 奥様ブログ 「フラワークラフト作家”Ann”のひとりごと」はこちら

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