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ドバイって、どこバイ?(政府系ファンド/クロガネモチ)

 ども、オイルショック世代の生き残り(*1)のたいちろ~です。
 経済では時として、”XXショック”という言葉が使われます。上記のオイルショックを始め、ニクソン・ショック、リーマン・ショックなど(*2)。で、2009年のフィナーレを飾ったのが、2009年11月25日の”ドバイ・ショック”です。
 で、”ドバイって、どこバイ?(*3)”とくだらんシャレを言いつつ、今回のお題は”政府系ファンド”のお話であります。

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写真はたいちろ~さんの撮影。
近所のクロガネモチです。




【本】政府系ファンド (小原 篤次 日本経済新聞出版社)
 意外と知られていない”政府系=国営”のファンドを扱った本。サブタイトルは”巨大マネーの真実”。
 初版発行が2009年2月とドバイ・ショックの半年前とびみょ~な時期です。
【花】クロガネモチ
 モチノキ科の常緑高木。秋には”黒”なのに赤い実をつけます。縁起の良い木として庭木にも使われているとのことなので”黒金持ち”かと思ってましたが、漢字では”黒鉄黐”(黐はとりもちのこと)。
 英語では”Round Leaf Holly”で聖なる木かと思いましたが”Holly”はモチノキの意味で”聖なる”は”Holy”。こちらも勘違いでした。

 さて、”ドバイ・ショック”ですが、”アラブ首長国連邦のドバイ政府が、政府系持株会社ドバイ・ワールドの債務返済繰り延べを要請すると発表したことに端を発し、世界的に株式相場が急落した現象”です(Wikipediaより)。このせいか、世界一の高層ビル”ブルジュ・ドバイ”の名前が急遽”ブルジュ・ハリファ”に変わったりとかもありましたが、にわかに脚光を浴びたのが”政府系XX”。上記のドバイ・ワールドはアラブ首長国連邦の政府系持株会社ですし、資金の出し手として”アブダビ投資庁”なんてのも出てきました。
 ”投資庁”というと、日本ではあまりなじみのない言葉ですが、これが典型的な政府系ファンド(Sovereign Wealth Fund(*4)、略称SWF)であります。
 ”政府系ファンド”の本によると、上記のアブダビ投資庁(Abu Dhabi Investment Authority、ADIA)はアラブ首長国連邦の政府系ファンドで世界最大の8750億ドル(2008年10月現在)の資産運用残高を持っています。
 アラブのファンドというと”王族のおサイフか?”と思われるかもしれませんが、これは勘違い(たぶん)。将来、枯渇するであろう石油資源(*5)とそれに伴う収入減を見越して、現在のオイルダラーを蓄財しておいて金融立国を目指すというもの。”ふ○さ○創生基金”とかいって好景気でバラマキをやるよりよっぽどまともな発想です。

 で、なぜ日本であまり知られていないかというと、ひとつ目には主要な政府系ファンドが石油産出国(アラブ首長国連邦、サウジ、クェートなど)が多いこと(*6)。産油国に限らず基本的には余剰資金を確保できることが前提条件になってるようです。
 二つ目には巨大資金にもかかわらず、公開義務のないこと。実際に見てみるとけっこう国際企業や新興国にも出資をしています。メリルリンチ、バークレーズ、クレディ・スイス、シティグループといったそうそうたる金融機関グループの資金の出し手になってますし、身近なところだとヤフードームや恵比寿のウェスティンホテル東京の買収をシンガポール政府投資公社(GIC)がやったりなんかしています。
 三つ目には、日本に政府系ファンドがないこと。まあ、外貨準備(1兆ドル)とか、年金積立金(141億円 約1.4兆ドル)とか、原資がないわけじゃないんですが(金額は本書より)、いろいろ問題があって実現は難しそう。まあ、お役所仕事とは根本的に性格が違うんでしょうが、かといって、賃金の高いファンドマネージャーを国家公務員の給与体系で雇えるとも思えんし・・・ クロガネモチの木が赤い実をつけるのは鳥を呼ぶためだそうですが、果実も与えんでは鳥すら集まらんでしょう

 ただ、上記の運用資金200兆円の運用成績を1%上げると、消費税1%アップに相当するんだそうで、リスク覚悟でやってみる手はありかも

 ”政府系ファンド”は専門書とまでは言いませんが、それなりに経済知識は必要。でも、これからの国際社会を理解するには必要な本だと思いました。

《脚注》
(*1)オイルショック世代の生き残り
 1973年の第四次中東戦争により3ケ月で原油公示価格が1バレル3.01ドルから11.65ドルまで急騰(上昇率387%)。当時はトイレットペーパーが一斉いっせいに店から消えました。信じられないかもしれませんが、今でも新型インフルエンザでマスクが一斉になくなったりしているので、人間のやることはたいして変わってません。
(*2)ニクソン・ショック、リーマン・ショック
 ニクソン・ショック(別名ドル・ショック)は、1971年にアメリカ大統領リチャド・ニクソンが発表したドルと金との交換停止のこと。これにより変動為替相場制が始まりました。
 リーマン・ショックは2008年にリーマン・ブラザーズがリーマン・ブラザーズが破綻し、世界的な金融危機のトリガーとなったこと。
(*3)ドバイって、どこバイ?
 ドバイはアラブ首長国連邦の首長国のひとつで、ドバイ首長国の首都の名前でもあります。アラビア半島のペルシア湾の沿岸に位置しています。
(*4)Sovereign Wealth Fund(ソブリン ウエルス ファンド)
 ソブリンは”君主、統治者”、ウェルスは”富”なので、国家財産を扱うファンドといった意味。
 投資信託等で”ソブリン”というと政府機関が発行する債券(日本だと国債とか)の総称で、”グローバル・ソブリン”といえば、世界主要先進国のソブリン債券に分散投資するもの。ソブリン債権は一般的には、その国の最高位の格付けが付与されます。だからといって安心とは限りませんが・・・
(*5)将来、枯渇するであろう石油資源
 アラブ首長国連邦の石油の可採年数は91.9年、クウェートで105.9年(本書より)。まさに”国家百年の計”であります。
(*6)石油産出国が多いこと
 中国、シンガポーリ、ノルウェイなんかもやっていますけど。

 奥様ブログ 「フラワークラフト作家”Ann”のひとりごと」はこちら

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