« 「神戸新聞の7日間」に思う(神戸新聞の100日/神戸港震災メモリアルパーク) | トップページ | 別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい(植物図鑑/忘れな草) »

究極のババ抜き、「JAL祭り」(ネット金融維新伝/キョウチクトウ)

 ども、マネーゲームにはとんと縁のない貧乏人、たいちろ~です。
 ここんとこ、新聞をにぎわしている日本航空ですが、株式市場でも大商いになっている模様。このブログを書いている最新状況では、2010年1月15日の出来高が5.5億株、売買代金が55億円。初値が一株8円、高値が10円ですから、上手く売り抜けていれば1日で125%の値上がり益があったはず。
 その代わり、売れなくて最後まで持っていると、上場廃止で0円になる可能性も高いので、ひと財産賭けたババ抜きをやっているようなモンです。
 さて、こんなことが出来るようになったのは、手数料の自由化とネットトレーディングのおかげですが、今回ご紹介するのはネット証券会社を作った人たちのお話”ネット金融維新伝”であります。

Photo
写真は”花々のよもやま話”のHPより。
キョウチクトウです。





【本】ネット金融維新伝 (大下 英治 日本証券新聞社)
 日本でネット証券会社を起業したSBI証券の北尾吉孝、マネックス証券の松本大ら、5社7人の伝記。サブタイトルは”リスクテイカー”。
 NSJ日本証券新聞の連載を1冊にまとめたものです。
【花】キョウチクトウ
 漢字で書くと”夾竹桃”。葉が竹に、花が桃に似ているからこの名前がついたそうです。
 大気汚染等に強く、きれいな花が咲きますが、反面、花、葉、根、果実のすべてに毒性があるとのこと。なので、花言葉は”危険

 私自身は株はやってませんが、その理由はリスクテイク、つまりリスクをとってまでなんかしようと思わないから(*1)。プロ中のプロが何十億円単位で相場を張っているのに対し、素人がそうそう勝てるとは思ってません。
 ただ、世の中には、デイトレーダーとして個人で利益を上げている人もいらっしゃるようですが、これはこれで専念しないと勝てないんじゃないかと。
 このデイトレーダーの登場は比較的新しく、まだ10年と立っていませんが、これは、今回ご紹介するネット証券会社が個人向けのサービスを始めたからです。

 ネット証券が登場した背景としては金融ビックバン(*2)とインターネットの爆発的な普及がありますが、全然別々の事象を結びつけてビジネスにした人がいたわけで、それが本書で紹介されている人たちです。
 ほぼ同時期にサービスを始めたんですが、それぞれの成り立ちや事情や違っていて比べて読んでると、けっこう面白いです。

〔松井証券〕
 社長の松井 道夫は元々は日本郵船に勤めていましたが、奥さんの親が松井証券の社長で、結婚を期に松井証券に入社し社長になったという金融機関では異例の経歴の持ち主。言ってみれば、アウトサーダーです。社長の後ろ盾があるとはいえ、営業店舗を廃止してネットに特化するなど、通常では考えられない大改革を行っています。
 社内では、「何もわからないくせに」、「こんな馬鹿と付き合えるか」など相当な軋轢があったようですが、当たり前。でも、こういう人でないと思い切ったことは出来ないんでしょうね(*3)。

〔楽天証券〕
 社長の國重 惇史は東京大学卒、住友銀行入行、MITのMBA取得と銀行の出世街道を絵に描いたような人。住友グループの各社に声をかけてDLJディレクトSFG証券(楽天証券の前身)を立ち上げました。
 キラーコンテンツである”マーケットスピード”というサービスをアメリカのDLJディレクト証券から持ってきたり、大胆な取引手数料設定をしたりと楽天証券の拡大に尽力しました。

 この2人が面白いのは、松井 道夫が”ベンチャービジネスの起業家”的な性格が強いのに対し、國重 惇史がグループ企業の力を集めてビジネスを立ち上げる”企業内起業家”の様相を呈しているところ。
 なので、松井が大胆なビジネス改革を行える半面、グループ企業としての広がりを持たず、個人取引に重点を置かざるを得なかったようです。かたや、國重は住友グループ力を利用できた半面、親会社(住友銀行、アメリカCSFB証券)の都合で会社の株を売却するという意向には逆らえませんでした。

 まあ、利用する方から見ればサービス第一なので、どうでも良いような話かもしれませんが、新しい産業黎明期の歴史で、けっこうリアルタイムで見ていた世界なので、5社それぞれに面白いエピソードもあって、楽しめる本であります。

 ただ、「JAL祭り」で一儲けした華やかな面ばかりに気をとられていると、財産を失ってしまう危険も。キョウチクトウの花に見とれていると、毒を含んでいるように。
 なにせ、金融ビックバンの大前提は”自己責任”ですから・・・

《脚注》
(*1)リスクをとってまでなんかしようと思わないから
 リスクは日本語では”危険”と訳しますが、実際は”不確実性”に近いものなので、利益を上げることもリスクの中に含まれます。なので、不倫はリスクですが、麻薬はリスクではありません(どんなたとえや?!)
 もっとも、株をやらない最大の理由は”金がないから”でありますが・・・
(*2)金融ビックバン
 日本では1996年から2001年度にかけて行われた金融自由化の制度改革。3原則としては、
  Free  :市場原理が機能する自由な市場
  Fair  :透明で信頼できる市場
  Global:国際的で時代を先取りする市場
 金融機関のお客様を集めてセミナーなんかもやってました。
 でも、たった10年ちょっと前の出来事なんですねぇ
(*3)こういう人でないと~
 以前、”新しいビシネスは愚者にしかできないのかも(異業種競争戦略)”というブログで書きましたが、その業界で育った人って、どうしても業界ルールとか常識とかにとらわれていて、ブッとんだ発想でモノを考えるのが苦手になってしまうようです。

 奥様ブログ 「フラワークラフト作家”Ann”のひとりごと」はこちら

« 「神戸新聞の7日間」に思う(神戸新聞の100日/神戸港震災メモリアルパーク) | トップページ | 別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい(植物図鑑/忘れな草) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/528774/47316724

この記事へのトラックバック一覧です: 究極のババ抜き、「JAL祭り」(ネット金融維新伝/キョウチクトウ):

» 株式注目銘柄レポート [2週間無料]
毎週日曜日、株の上昇銘柄だけでなく、売買根拠・投資理論まで教えてくれる松下誠の株式注目銘柄レポート。最初の2週間は無料です。 [続きを読む]

» 先物取引無料動画 [野川徹のトレードスクール]
現役プロのトレーダー育成にも使われている 野川徹のトレードスクールの一部が無料で公開中です。コレで相場の本質が分かります。 [続きを読む]

» JAL,ANA株主優待券 販売専門店【GAI-NET】- 国内航空券が格安に! [JAL,ANA株主優待券 販売専門店【GAI-NET】- 国内航空券が格安に!]
JAL・ANA株主優待券 売ります! 株主優待券1枚で国内全路線の普通運賃(片道)が50%割引でご購入できます。株主優待割引は航空会社の割引きのないピーク期間もいつでもご利用可能です。 [続きを読む]

« 「神戸新聞の7日間」に思う(神戸新聞の100日/神戸港震災メモリアルパーク) | トップページ | 別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい(植物図鑑/忘れな草) »

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

無料ブログはココログ