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ハードボイルド探偵って意外にツンデレ属性なのかも・・・(私が殺した少女/スナップドラゴン)

 ども、ハードボイルドなおぢさん、たいちろ~です。
 ”仮面ライダーW”にはまっているせいか(*1)、最近、ハードボイルド探偵小説をちょこちょこ読んでます。で、今回ご紹介するのはチャンドラー(*2)の系譜を継ぐ日本の名作”私が殺した少女”であります。

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写真はたいちろ~さんの撮影。
近所のスナップドラゴンです。





【本】私が殺した少女 (原 尞 早川書房)
 日本のハードボイルド作家原尞による”私立探偵沢崎シリーズ”の第2作。
 私立探偵沢崎は、行方不明の家族の捜索依頼を受けるために真壁脩の家を訪ねる。そこで、自分が脩の娘、清香の誘拐事件に巻き込まれたことを知る。
 第102回直木賞を受賞した名作。
【花】スナップドラゴン(snapdragon(*3))
 地中海沿岸部を産地とする花。名前は口をあけた竜の頭に見えるからだそうです。
 花言葉は”推理、仮定”、”でしゃばり、おせっかい”、”大胆不敵”、”清純な心”など。ここまでばらばらな花言葉を持つ花もめずらしいかも。

 さて、主人公の私立探偵”沢崎”ですが、”トラブル・イズ・マイ・ビジネス=やっかいごとは俺の仕事だ”の人です。探偵なのでお仕事ではあるんですが、自分からわざわざトラブルに巻き込まれていくタイプ。しかも、けっこうおせっかい。
 今回の”私が殺した少女”にしても、とっかかりは誘拐犯の一味に仕立てられそうになりますが、その後は第一容疑所扱いにもかかわらず被害者に協力してるし(でも、警察には協力的ではないけど)。事件を解決するために依頼以上のことをしています。

 口では、突き放した言い方をしてるけど、実は子供を思いやるやさしい人でもあります。
 沢崎と訪ねてきた殺された少女の中学生の兄慶彦と、ヤクザの相良の会話

  慶彦:ぼくは、あの日妹を送っていかなかったことを考えると
     じっとしていられなくなるんだ

      (中略)
  沢崎:だから、一緒に探偵ごっこをしようってわけか。
     小林少年になりたかったら、明智探偵事務所に行ってくれ

      (中略)
  沢崎:そこから一歩も入るな! 忙しくて暴力団なんかに会っている暇はない
  相良:これは・・・ おまえの息子か?
  沢崎:いや、今度新しく雇った助手だ

 その後、いったん断っていながら結局、ヤクザの相良の頼みごとをOKしちゃうし。
 ハードボイルド探偵って意外にツンデレ属性なのかも・・・(*4)

 ハードボイルドのハードボイルドたるゆえんは、”自分の生き方、矜持に忠実であること”。そのための苦労や、自分が不利になることをいとわないタフネスさ、ときおり見せる優しさ。これが魅力の原点。
 ”仮面ライダーW”の翔太郎にしても、命がけで敵と戦う強さと(*5)、依頼人(だいたい美人)への思いやりが魅力かと。ただ、亜樹子さんとのどつき漫才がハーフボイルド(半熟)なんだけどね。

 今回の花”スナップドラゴン”、上の写真にあるように名前に似合わずかわいい花です。というのも、この花の和名は”キンギョソウ”。花の見た目が金魚に似ているからだそうですが、同じものを見てもけっこう感じ方が違うものです。
 ハードボイルドはともするとタフネスさだけが語られますが、本当はやさしさのほうが大切だったりします(*6)。キンギョソウのような二面性に似てるのかもしれませんね。

 ”私が殺した少女”は日本におけるハードボイルド小説の傑作です。ぜひご一読のほどを。
 でも、決して腐った目で見ないでください・・・

《脚注》
(*1)”仮面ライダーW”にはまっているせいか
 2009年よりテレビ朝日で放映中の平成仮面ライダーシリーズの11目。
 肉体労働の左 翔太郎と、頭脳労働のフィリップ、つっこみ役の鳴海 亜樹子のトリオ漫才、もとい探偵事務所です。
 ところで、亜樹子さんの関西弁スリッパ、どっかに売ってませんか?
(*2)チャンドラー
 アメリカを代表するハードボイルド作家の一人。
 チャンドラーが生み出した私立探偵”フィリップ・マーロウ”のシリーズを読むと”男のダンディズムはハードボイルドだ!”と思ってしまいます。
(*3)snapdragon
 ”snap”はプツンと切れる、パチンとしまる、パクッとかみつくなど。
       His dog snapped at me.
    彼の犬が私にかみついた
(*4)意外にツンデレ属性なのかも・・・
 ハードボイルドをそんな腐った目で見てはいけません。
 もっとも、沢崎は40代のよれよれのおっさんなので、萌えの対象になると思いませんが・・・
 いやいや、801の人は何でもありだし・・・
(*5)命がけで敵と戦う強さと
 ところで、仮面ライダーWでの探偵の依頼料って、おいくらなんだろう?
 結果的に命がけで戦うことになりますが、1日2万円+必要経費とかではわりに合わんと思うのだが・・・
(*6)本当はやさしさのほうが大切だったりします
  男はタフでなければ生きていけない。
  やさしくなければ生きていく資格がない。
 角川映画”野生の証明”のキャッチコピーより。主演の高倉健さん、渋いです!

 奥様ブログ 「フラワークラフト作家”Ann”のひとりごと」はこちら

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コメント

暮れに部屋を掃除していたら、生島治郎の本が出てきた。”汗血流るるはてに”だったかな?イランがまだパーレビー王朝の時代の話だから、えらい古い本だな。チャンドラーもいいけど、今は亡き生島治郎をまた読み返してみるのもまた一興かも。

もう見ました、面白いですね

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