« 2009年2月8日 - 2009年2月14日 | トップページ | 2009年2月22日 - 2009年2月28日 »

2009年2月15日 - 2009年2月21日

YouTube化するお笑い?(YouTubeはなぜ成功したのか/牡丹)

【本】YouTubeはなぜ成功したのか(室田泰弘 東洋経済新聞社)
 「YouTube」の誕生から、社会における意味、著作権との係わり合いの変化などがわかりやすく解説されています。別に知らなくてもいい知識ですが、知ってると「YouTube」がより楽しくなるかも。
【花】牡丹(ぼたん)
 花言葉は「富貴」、「壮麗」、「恥じらい」、「誠実」など。古来より”花の王”として愛好されています。芍薬(しゃくやく)を使用した接ぎ木が考案されてから、急速に普及したそうです。

2009021502
写真は、たいちろ~さんの撮影。鶴岡八幡宮(鎌倉)の牡丹。



 先日、鶴岡八幡宮を訪問したところ、牡丹が綺麗に咲いておりました。普段、あまり見る機会がなかったのですが、こんなに大きい花だとは思っていませんでした。
 ということで、今回は牡丹のお話。

 今回”牡丹”から連想するのは、3つあります。
 ひとつ目は、美女のイメージ。「立てば芍薬(しゃくやく),座れば牡丹,歩く姿は百合の花」です。
 二つ目は、任侠のイメージ。”唐獅子牡丹(*1)”に”緋牡丹博徒”です。
 ”唐獅子牡丹”は高倉健主演「昭和残侠伝」の主題歌。(YouTubeの動画はこちら
 ”緋牡丹博徒”は藤 純子(現富司 純子)主演「緋牡丹博徒シリーズ」に登場する「緋牡丹のお竜」こと矢野竜子のこと。(YouTubeの動画はこちら)。ともに、「東映ヤクザ映画」の一大看板映画です。

 さて、3つ目ですが、フラワーショウ(*2)の”ぼたんさん”。と、いっても、ほとんどの方はご存知意ないでしょうね。1960年代ごろに活躍した、漫才師です。当時の関西の小学生にとっては、土曜日に学校から帰ってきて(*3)テレビで見る吉本新喜劇(*4)、道頓堀アワー(*5)は何よりの楽しみでした。

 ”フラワーショウ”の画像をみていただくとわかりますが(YouVの動画はこちら。真ん中が”ぼたんさん”)、フラワーショウの芸は”浪曲漫才(ろうきょくまんざい)”といわれるジャンルになります。

 ようこそ~ 皆さま~ ご機嫌宜しゅう~ 歌って~ 笑って~ フラワーショウ~

は、フラワーショウのテーマソング(道頓堀行進曲)。

 当時は、
  かしまし娘(*6):ウチら陽気なかしまし娘 誰が言ったか知らないが
  宮川左近ショウ(*7):毎度 皆様 お馴染みの お聞き下さる 一節は~
 といった、テーマソングから始まって、があって、歌としゃべくりの漫才はけっこう人気がありました。

 ところで、この手の芸は、少なくとも最近のお笑い番組では絶滅種になっています。
なぜかというと、今のテレビで悠長にテーマソングを歌っているほど時間がないんですね。昭和の時代のお笑い番組は演芸場の舞台をそのままオンエアするタイプでした。”舞台=放送”だったので、それなりの芸を見せる時間(10分近くはあったかな?)がありました。
 感覚で申し訳ありませんが、MANZAIブーム(1979年~1981年頃)でネタがテレビ的になってから、漫才師のしゃべくりが早くなってきたような気がします。ツービート、紳助・竜介、B&B(*8)などが代表格。

 話は飛びますが”YouTubeはなぜ成功したのか”という本を読みますと、YouTube文化は「ビデオ・ハイク(俳句)」という縮み志向が特徴で、短縮された時間が本質を読む鍵とのこと。たしかに、私が見ている感じでは、3~5分がほとんどで、10分もあるのは相当長いほうだと思います。
 「多くの場合、長大なメッセージというものは、メッセジの持つ本来の強さを殺いでしまいます」ので、俳句のように、長いはずのメッセージや世界観を意識的に凝縮させることでメッセージの鋭さ・強さを増加するとの主張です。
 まあ、言っていることはまっとうですが、今のお笑いって本当にそうでしょうか? 俳句のように17文字に世界観を圧縮するのであればいいんですが、もともと1分しか持たない芸を大量消費しているのではなかいと危惧します。今年(2009年)、正月のお笑い番組を見ていると・・・

 まあ、メディアはメッセージなので(*9)、YouTubeのように興味のままに映像をはしごして観るようなやり方には短いものが適しているんでしょうが、TVのお笑い番組がそれでいいのかな?
 いいかげん、脊髄で感じるだけのお笑いは長続きしないと思うぞ!(*10)

《脚注》
(*1)唐獅子牡丹
 刺青(いれずみ)のイメージが強いですが、”あなたが安心して身を寄せられる安住の地は、どこに在りますか”との法話になってたりします。(臨黄禅ネットより)
(*2)フラワーショウ
  華(はな)ぼたん、ばら、ゆりの3人組漫才師。ゆりさんのおもいっきりスローな離し方にばらさんがつっこむというネタもありました。これも今ではTVで見かけない芸でしょうね。ちなみにゆりさんは、サカイ引越センターのコマーシャルでへんなおっさんの横にいる人です。
(*3)土曜日に学校から帰ってきて
 小学校で全部の土曜日が休みになったのは、2002年(平成14年)のことです(完全学校週5日制)。昭和の悪ガキのほうが勉強してました。でも、その分、今は塾なんかに行ってるんでしょうけど。
(*4)吉本新喜劇
 毎日放送テレビで放映された、ナンセンスギャク喜劇。うめだ花月(現在は閉館)の舞台をそのまま放映していました。吉本新喜劇のテーマ、”ふんわかふんわか”の曲名は”Somebody Stole My Gal(誰かがオイラの彼女を盗みやがった)”というのは今回調べて初めて知りました。ぜひ着メロに欲しい一曲。
(*5)道頓堀アワー
 朝日放送で放映された演芸番組。こちらは、松竹芸能系。松竹新喜劇の看板は藤山寛美(かんび)。今では藤山 直美のお父さんと言ったほうがわかりやすいかも。
(*6)かしまし娘
 正司歌江、照枝、正司の3姉妹漫才師。照枝さんの長男の妻は磯野貴理さん。
(*7)宮川左近ショウ
 宮川左近(四代目)をリーダーとする四人組の漫才師。
 宮川左近は、宮川大助(おじさんのほう 若いほうは大輔)のお師匠さんです。
(*8)ツービート、紳助・竜介、B&B
 ツービート(ビートたけし(北野武)とビートきよし)、紳助・竜介(島田紳助・松本竜介)、B&B(島田洋七、島田洋八)。このあたりになると、つっこみすら、ままならなくなってきています。のちに”きよし、竜介、洋八で”うなずきトリオ”を結成しました。
(*9)メディアはメッセージなので
 カナダ出身の文明批評家、マクルーハン(McLuhan)より。”メディア自体は情報伝達の媒体であるが、同時にメディア自体がある種のメッセージを既に含んでいる”と主張しました。
(*10)脊髄で感じるだけのお笑いは~
 原典は有川浩の”図書館戦争”から。”熱血バカ”笠原 郁への注意事項。
 ”お前は、脊髄で物を考えるクセをどうにかしろ!”


すこしの孤独は、ここちよいのだ(荒野/北鎌倉のうさまん)

【本】荒野(桜庭一樹 文藝春秋)
 日本人形みたいな女の子、山野内荒野(こうや)の中学生から高校生までを描いた恋愛小説。ブンガク作品っぽくしていますが、前半はファミ通文庫(*1)で発刊されたりっぱなライトノベルです。
【旅行】北鎌倉のうさまん
 茶寮”風花(KAZAHANA)”のメニューにあるウサギの形をしたお饅頭。ふかふか、あつあつの皮に包まれた白あんが美味。お饅頭というより上品な点心といった感じです。アイスコーヒーとセットで800円。お店は、JR北鎌倉から”あじさい寺”として有名な明月院へ行く道の途中にあります。(グルメWalkerでの紹介HP

2009021502 2009021502_2 2009021501







写真は、たいちろ~さんの撮影。左から鎌倉小町通り、うさまん、風花の看板。

 今日、鎌倉に行ってきました。目的は”うさまんを食べに”です。
 ”うさまん”は、桜庭一樹の”荒野”に登場する主人公の荒野さんがお友達と食べに行くスィーツ。 ”ええおっちゃんが、わざわざ鎌倉まで、お饅頭を食べに行くか?”という突込みがありそうですが、財力にまかせた聖地巡礼(*2)はオトナの特権です!(といっても電車賃 片道500円ちょっとですけど)

 お店のマスターに聞いてみたところ(聞くか、ふつー?)、桜庭一樹のサイン入りの”荒野”を持参された方もいらっしゃっとのこと。
 マスターの説明によると”荒野”に登場する”うさまん”は、鎌倉ニュージャーマンの”かまくらカスター”と、風花の”うさぎ饅頭”をあわせた桜庭一樹のオリジナルとのこと。ちなみに、”かまくらマスター”はブルーベリー味もありますが、うさぎの形はしていないそうです。小町通りの”かの鎌倉”では店内で食することもできるようです。

 さて、このお話の主人公の荒野さん。恋のお相手は悠也くん。悠也くんは、お父さんの再婚相手の連れ子にして、同級生です。中学校1年生にして、”青年は荒野をめざす(*3)”を愛読し、ジャズ好きなど、精神的には青年です。
 お父さんは(*4)、娘には”蜻蛉(かげろう)のようなと”いわれていますが、有名な恋愛小説家(ちょっと、えっち系)。でも、娘の名前が”荒野”というのは、ちょっとおかしなネーミングセンスだぞ。
 
 お父さんの再婚に伴って、荒野さんと悠也くんは同居することになりますが、裕也くんだけ離れ済むことに。最初は”年頃だしね、”って言われて怒っていますが、けっこう気に入ってしまったようす。そのあと、すぐにアメリカ留学、都内の全寮制の高校に進学。いっしょに住んでいた時間は短いですが、その分、二人でのデートが初々しくてよいです。
 まあ、ライトノベルなので、エッチな展開はありませんが、ちゃんとキスまでしているのはお約束。

 お題の”すこしの孤独は、ここちよいのだ”は、裕也くんが出て行ったあと、離れですごす荒野さんのモノローグ。

 十二歳の荒野には、まだわからなかった
 裕也が・・・ あの少年が、なぜ離れで心地よさそうにすごしていたか。
  (中略)
 いまはちょっとだけ、去年の、十二歳だったあの少年の思いがわかるような気がしている。
 つまり、すこしの孤独は、ここちよいのだ。


 ”酒と本の日々”の単身赴任のお父さんとしては、心にしみるフレーズです。
 お饅頭を食べに、気軽に鎌倉まで出かけていけるし。
 こうでも思っていないと、単身赴任はやっていけません・・・

 発行順では
  荒野の恋(荒野 第一部) 2005年 ファミ通文庫
  荒野の恋(荒野 第二部) 2006年 ファミ通文庫
  私の男(*5)        2007年 文藝春秋
  荒野(書き下ろし第三部) 2008年 文藝春秋
 になります。
 まあ、明るい”私の男”といったところでしょうか?(*6)
 ライトノベルとして読んでも好し、ブンガク作品として読んでも良しです。

《脚注》
(*1)ファミ通文庫
 ファミ通はエンターブレインが発行の家庭用ゲーム専門雑誌。ファミ通文庫は同社ライトノベル系文庫レーベルです。最近では、“文学少女”シリーズ(野村美月)がお勧め。
(*2)聖地巡礼
 コミックやアニメに登場した場所を散策することを聖地巡礼といいます。オタクな趣味と思われるかもしれませんが、今やその手の集客力は侮れません。”らき☆すた”に登場した鷲宮神社の初詣客は10万人単位で増加しますし、(2009年度は42万人で埼玉県内2位)、トトロの家のモデルが全焼(2009年2月14日)が全国ネットで放映される時代です。
(*3)青年は荒野をめざす
 五木寛之原作の小説。ただいま改めて読書中なので、詳細は別のお題で
 学生時代は、”蒼ざめた馬を見よ”、”青春の門”、”戒厳令の夜”、”四季・奈津子” など、五木寛之はよく読みました。まあ、青春のバイブルといったとこでしょうか。
  作詞 五木寛之、作曲 加藤和彦で、ザ・フォーク・クルセダーズが同名の曲を歌っています。
(*4)お父さんは~
 ”私の男”もそうですが、桜庭一樹の書く父娘関係はどっか歪んでいます。家で、娘のことを”黒猫ちゃん”と呼ばせているし。私んちでこんなことやったら、娘は口きいてくんないだろうな~。それに、
  恋知らぬ、猫のふりなり 玉遊び(正岡子規)
と言えるほど、お父さんはまだ、達観できてないぞ!
(*5)私の男(桜庭一樹 文藝春秋)
 第138回、直木賞受賞作。
 桜庭一樹はライトノベル作家を人前で堂々と言えるようにしてくれた功労者です。
 その喜びは”「桜庭一樹が好き」と言えるしあわせ”で書いてます。
 (このブログはココログニュース(@nifty)にも取り上げてもらいました!)
(*6)明るい”私の男”~
 ライトノベル(LightNovel)のライトは”軽い”のほかに、”明るい”という意味もあります。和製英語ですが、最近はinternationalに通用するとのこと(Wikipediaには英語のページが存在します)

« 2009年2月8日 - 2009年2月14日 | トップページ | 2009年2月22日 - 2009年2月28日 »

最近のコメント

最近のトラックバック

無料ブログはココログ