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2009年12月20日 - 2009年12月26日

比較政策論的ネット選挙のススメ(いなかのねずみと町のねずみ/菊)

 ども、最近はでんでん選挙に行っていないたいちろ~です。
 昔はちゃんと行ってたんだけんどな~。行かなくなった理由はただひとつ。私が単身赴任だからです。
 さすがに、選挙にあわせて帰省までせんわな~~~
 ということで、今回のお題”ネット選挙、賛成?反対?”ですが、投票も含めてネットでぜひやって欲しいものです

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写真はたいちろ~さんの撮影
二本松菊人形の宣伝です。JR福島駅にて。






【本】いなかのねずみと町のねずみ(イソップ寓話集 岩波文庫他)
 いなかに住んでいるねずみのところに、町のねずみが遊びにきました。
 町のねずみは言いました。”きみは粗末なものを食べているんだね、ごちそうしてあげるから、今度町へ遊びにおいでよ”・・・
 イソップによる有名な寓話。
【花】
 キク科の観賞用植物。皇室や、国会議員バッチの意匠は菊ですが、皇室のは16枚の花びら、国会議員のは11枚の花びら。そんなとこで差別化せんでも。
 花言葉は”高貴、高潔”ですが、いい年したオヤジが兄弟そろってオカンに億単位のこづかいもらってるのを、高貴と言われてもなぁ。

 ”ネット選挙”を希望するもうひとつの理由は、政策の比較をして欲しいこと。それも民主党と自民党とかではなく、都会と田舎の議員の
 私自身が東京で働いて自宅が仙台という、いわば都会と田舎の二重生活をしていますが(*1)、仙台に帰って地元紙なんかを読むと、”なんじゃ、この論調は?!”と思うことがままあります。

 で、思い出したのがイソップの”いなかのねずみと町のねずみ”であります。

  いなかに住んでいるねずみのところに、町のねずみが遊びにきました。
  町のねずみは言いました。
   ”きみは粗末なものを食べているんだね、ごちそうしてあげるから、
    今度町へ遊びにおいでよ”

  町では、おいしいものがいっぱいありましたが、人間もいっぱいいて
  いなかのねずみはさんざんな目にあいました
  いなかのねずみは言いました。
   ”こんなにたくさんのごちそうがあるけど、危険もいっぱいだ。
    僕は貧しくてもいいから、いなかでのんびり食事をするんだ”

 モノが溢れているけど住みやすいところではない都会と、モノは少ないけど安心して暮らせる田舎をテーマにした寓話ですが、これを書いたイソップは紀元前619~564年と、古代ギリシアの人。昔から変わっていないんですねぇ。

 東京と仙台、両方に暮らしてみて思うんですが、東京はモノが溢れていて(お金がないから買えないけど・・・)、刺激がいっぱいありますが、通勤とか物価の高さとか住みやすいとこではないです。仙台はちょっと車で走ると田園風景がひろがっていて、のどかな暮らしができますが、市外を離れたところの利便性という点では東京と雲泥の差です(*2)。

 都会は都会、田舎は田舎でそれぞれ長所と短所があるので、それそれに良いとこを認めて満足してればいいんですが、なかなかそうはいかないのが人間の常。別に”不便を我慢しろ”といってる訳ではないんですが、何が問題かというと、その格差を税金で埋めようとしすぎること

 地方交付税や道路を作る議論で”この道路は必要です”とかいってる議員がいますが(地方紙でも同じ)、別にその道路が必要なのかどうかが重要ではなく、”限られた財源をどのように使えば一番合理的か(*3)”を全国レベルで考えないといけないんじゃないかなあ。
 賛否両論ありましたが、事業仕分けというのは”大衆の面前で、税金の使い方の重要度を横断的に議論した”という点では評価できると思います。都会に住んでいる人間の立場から見ると”地方交付税は事業仕分けになじまない”的な既得権益の発想はどうなんですかねぇ。良くも悪くも都市部での税収で地方の財源不足を補っている構造の中、毎日毎日ぎゅうぎゅうの満員電車で通勤をしている都会の人としては、ほとんど車も通らない道路に金をかけて作るよりは、都市部のインフラを整備するのに投資したほうがええんではないかいと思っちゃうわけであります(*4)。

 結局、議員の公約というのは、有権者の主張の代弁な訳です。なので、ネット選挙で個々の議員の意見をもっとおおっぴらにして、”いなかの議員と町の議員”みたいに比べてみるほうが、民主党vs自民党なんかよりよっぽど面白いと思うんですけどねえ。
 実際にやってみたら誰かが、比較サイトなんかを立ち上げちゃいそうだしね。

 ”有権者をねずみ扱いするのか!”とお腹立ちの方もいらっしゃでしょうが、いいじゃありませんか、どうせみんな自分のことを”チュ~産階級”だと思ってるんだし

《脚注》
(*1)いわば都会と田舎の二重生活をしていますが
 東北のニューヨーク”仙台”を田舎扱いするには異論もあるでしょうが、宮城県という文化圏で考えると、やっぱり田舎だと思います。
(*2)利便性という点では東京と雲泥の差です
 ”コンビニまであと○○キロ”っていう看板を見た時は、ちょっとしたカルチャーショックでした。
(*3)合理的か
 ”合理的”という言い方がよくないなら、”最大多数の最大の幸福が実現できるか”と言い換えてもいいです。民主主義の根本原則だと思うんだがなぁ。
(*4)都市部のインフラを整備するのに~
 私自身はガーデナー(田舎派)なので、田舎のインフラに投資するのに反対をしてる訳ではありません。ただ、他人のお財布を当てにしてそれをするのがなんだかな~~と思ってるだけであります。

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この大空にお家を浮かべ、飛んでゆきたいよ♪(空とぶ家/ココア)

 ども、”カールじいさんの空飛ぶ家(*1)”はまだ見に行けてないたいちろ~です。
 ぜひ、見に行きたいんだけどな~~、でも昨日は一日大掃除だったし・・・
 そういえば、子供のころ、空を飛ぶ家の話が大好きだったな~~ということを思い出しつつ、今回はウォルター・ホッジス版”空とぶ家”のご紹介であります。

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写真はたいちろ~さんの撮影
ココアはやっぱり森永でしょう
1919年(大正8年)発売という超ロングセラー商品だそうです。




【本】空とぶ家(著 ウォルター・ホッジス、イラスト 久里 洋二、学研)
 ニッキィとリンダは発明好きのベンおじさんの家に遊びに行きました。
 今回のベンおじさんの発明は大型気球用のガス。ちょっとだけ試してみるはずが、うっかりガスが止まらなくなって、家が浮き出しちゃった!!!
 久里 洋二(*2)の表紙が素敵な童話です。
【グルメ】ココア
 カカオ豆を主原料とした飲料。みのもんたが健康食品として紹介したことで、大ブレークしました。あんまり飲むと太りそうなんだが・・・

 ”空とぶ家”は初版が1965年ですから、たぶん小学生のころでしょうね、読んだの。以前からもう一度読みたいな~~と思ってましたが、絶版になっているので図書館で借りました。改めて読みましたが、何もかもみな懐かしい・・・

 ”空とぶ家”は、10歳のニッキィ、9歳のリンダ、そしてベンおじさんの3人が、新発明のために浮き上がった家に乗ってジャングルまで飛んでいってしまうお話。発明好きのおじさんとか、空を飛ぶ家とか、ほうきに乗った魔女とか、双頭のワシとか、男の子が大好きなネタが満載です。

 私が好きだったのは”ココザルのつぼ”と、どこかマヌケな魔女と、丸い虹のエピソードです。

 ”ココザルのつぼ”っていうのはベンおじさんがココアを入れている入れ物で、笑い顔をして座ってる猿の形をした壷です。首のところに”ココ”って書いてある久里 洋二さんのイラストがとってもかわうい!
 当時の小学生にとって、ココア自体がハイカラな飲み物で、高級品でもありましたから(*3)そうそう飲めるものでもなかったですし。
 あったかいココアを作るのが、ベンおじさん発明の”とくべつ大発電機”。手回しで電気を起こす機械ですが、イラストには真空管(!)やアナログのメーターなんかがついていて、これだけでも昔はけっこうSFぽかったんですよ。

 ”ココザルのつぼ”欲しさに手伝いをさせられるのは、マヌケな魔女。最初は煙突から息を吹き込んで、ベンおじさんを煤だらけにしたりとかしますが、鷲の大群につつきまわされたり散々な目にあっています。
 けっこう大口をたたいているわりには、ホウキに乗って空を飛ぶ以外に魔法が使えないという落ちこぼれで、魔法つかいの学校でびりっかすだったって告白する時はなさけなさそうにするとこなんて人間味のある人です。
 別れ際にベンおじさんに名刺を渡すとこなんか、律儀な人でもあります。

 丸い虹というのは空飛ぶ家がとても高いところに昇って、まん丸の虹が二重に見えたっていうエピソード。私も山登りをしていて、とんがった山の頂から丸い虹を見たときはこの本を思い出して本当に感動しました。久里 洋二さんの雲海の上を飛ぶ家、山の頂に立つ鹿のイラストも、とっても素敵です。

 ”空とぶ家”は1984年に学研から復刻されたようですが、現在は絶版になっているみたい。たぶん、図書館でさがせば見つかると思います。”カールじいさんの空飛ぶ家”がヒットしているようなので、ドサクサにまぎれて復刻してくれないかな~~(*4)
 小学生の子供さんと、そのお父さんにはぜひ読んでいただきたいお勧めの1冊です。

《脚注》
(*1)カールじいさんの空飛ぶ家
 ピクサーによる2009年公開のアニメ映画。
 愛する妻エリーを亡くしたカールじいさんは、子供のころ夢見た冒険の旅に出る。空飛ぶ家に乗って・・・
 行きたいな~~、行きたいな~~~
(*2)久里 洋二
 20世紀後半を代表する日本の洋画家、漫画家、イラストレーター、アニメーター。
 独特の画風なので、ご年配の方がみれば、”あぁ、あの絵の人”とわかると思います。アニメーションのアーカイブがジェネオンのHPに載ってますんでご覧ください。
(*3)高級品でもありましたから
 この本が出版された1965年は、森永の牛乳用ココアが150円(300g入り)。大学卒の初任給が約2万円という時代ですから、今の感覚からいうと、大体1500円ぐらいした計算になります(2009年度の大学卒/事務系の初任給は平均約19万4千円。日本労働組合連合会の調査より)。
 他に1965年の物価を見ると、公衆浴場 28円、ビール 120円、JALパックハワイ9日間 37万8千円なんてのが載ってました。
 童話の話なのにリアルな話で申し訳ない。
(*4)ドサクサにまぎれて復刻してくれないかな~~
 ”復刻ドットコム”で投票をやっています。
 読んでみたい方、子供にお勧めしたい方は投票してみてください。

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新しいビシネスは愚者にしかできないのかもしれない(異業種競争戦略/セイヨウオダマキ)

 ども、ニュービジネス企画担当のたいちろ~です。
 いちおう企画・拡販セクションにおりまして、ニュービジネスというと大げさですが、新しい売り物を考えるなんてことをやっております。
 事件は会議室で起きているんじゃないので(*1)、現場の人たちの要望なんかも聴くわけですが、なかなか新しいというか、ぶっとんだご意見というのが出てきませんねぇ
 世の中のビジネスでまったく新しいビジネスモデルを成功させているのはしばしば、その業界ではアウトサイダーだったりします。
 ということで、今回ご紹介するのは、ビジネス界の異種格闘技戦を分析した”異業種競争戦略”であります

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写真は”花づくし”のHPより
セイヨウオダマキです。










【本】異業種競争戦略(内田 和成 日本経済新聞出版社)
 流通vs銀行、家電vs光学機器など、本業でない”異業種”からの参入でビジネスモデルを変革した会社を分析した本。
【本】コマンダー0(富沢順 集英社)
 警視庁は、怪物や改造人間を使う謎の組織フェニックスに対し、武装警察JAPを設立した。フェニックスと戦うのは強化スーツを着た秘密戦士”コマンダー0”
 聖闘士星矢の作者、車田 正美のアシスタントをしていたそうで、ノリが良く似ています。
【花】セイヨウオダマキ(西洋苧環)
 キンポウゲ科の属の一つ。オダマキは機織りの際に麻糸をまいたもののことで、花の形が似ているから。
 花言葉は”愚者”

 最初に例として上げている”セブン銀行(*2)のATM戦略”ですが、これは仕事で多少調べたことがあるのですので補足を含めて説明します。
 従来の銀行とセブン銀行のビジネスモデルを簡単に書くと

  従来型銀行の収益=(預金-貸出)+手数料+運用益-コスト
  セブン銀行の収益=手数料+運用益-コスト(+ついで物販)

 従来型の銀行ですと預金-貸出(利ざや)が収益の大きい部分を占めていて、手数料(*3)は比率では少ないのが一般的。ところが、セブン銀行の場合はこの手数料、特にATM使用料が収入の大半を占めていて、2009年の経常収益898億円のうち約95%の855億円にもなります。
 銀行で出てこない”ついで物販”といのはATMでの現金出金のついでにタバコなりお弁当なりを買っていってくれる増加分で、正確には銀行収益にはなりませんが、セブンイレブンとしては増益要素になるので、カッコ付で記載しました。

 セブン銀行以前にも、店外ATMやステーションATM(駅ナカ)にATMを設置していた例もあるわけです。でも、今なら意外に思われるでしょうが、セブン銀行がこのサービスを開始した当時、私が話をした範囲の中で”セブン銀行のビジネスモデルが成功する”と言われた方はほとんどいらっしゃいませんでした

 考えてみるに、コンビニATMが成功した理由って、
①とにかく便利なところにある
 ”銀行を選ぶ理由”って”近くにある”ってのが一番です。実際、銀行の方に聞きましたが、”便利な場所に設置したATMでは、自分の銀行の利用者よりも他の銀行の取り扱い件数が多い”こともあるそうです。
 ただ、店舗を作るにはけっこうコストがかかるのでそうそう作れません。コンビニだとお店が既に便利な場所にあるコストは少なくて済みます。

②あんまり待たなくていいし、待ち時間に暇つぶしができる
 コンビニATMってあんまり待たなくていいですし、待ち時間に買い物が出来るので暇つぶしもできます。ここで何か買ってもらえればお店もオトク。
 コンビニATMは本棚の近くにあるケースも多いので立ち読みもできます。

③明るいので安全感がある
 お金を下ろすのに、明るいとこと暗いとこならやっぱり明るいほうが安全感があります。ポツンと駐車場の片隅にあるATMより、人がいて明るいコンビニに行っちゃうのはビジネスより心理の問題なのかも。
 そういえば、コンビニの本棚が窓際にあるのって、立ち読みする人がいるので防犯の牽制効果を狙っているんだそうです。

 まさに後知恵ですが、意外とよく考えてるんですね、こうやって見ると。

 私の会社もそうですが、銀行の人って頭のいい人は多いんですが、あまりぶっとんだ発想の人って少ないですね。業界のルールとか常識とかにとらわれていて、自由な発想でモノを考えるのが意外と苦手なのかも

 会社で”アイデアミーティング”なるものをやったことがあって、”新しいビジネスを考える”というテーマでディスカッションをしたんですが、私も含めてあんまり面白いアイデアが出てこない。むしろ、業界の常識にとらわれないのは異業種からの人のほうがぶっ飛んだこと行ってくれそうです。”なぜ、それが出来ないんですか?”とか。

 常識にとらわれないというのは、既存の分野の人にとっては”愚者”。”そんなことできるわけないだろ!”という先入観が”賢者”の視野をせばめているのかも。

 ”コマンダー0”というマンガの中で、後先考えずに戦いを挑む主人公の”ゼロ”をタロットカードの”愚者”に例えとこんなことを言っています。

  ソウデス、彼ハ マサニ”愚者”
   (中略)
  シカシ ソノ”愚者”ノ名ニ甘ンジテシマエバ 人ハドレホド自由デショウ
  彼ホド強ク マタ”真実”ニ近イ者ハ イナイノデハ ナイデショウカ

 意外ですが、タロットカードで”愚者”には”自由、型にはまらない、天才”という意味があるんだそうです。へぇ~

 ”異業種競争戦略”はこの分野をわかりやすく解説しているので、煮詰まってる人には参考になる本かと思います。

《脚注》
(*1)事件は会議室で起きているんじゃないので
 刑事ドラマ”踊る大捜査線”のCMで使われたコピー
  事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!
 より。現場を理解せずに机上論をやりだすと”会議は踊る”になります。
(*2)セブン銀行
 イトーヨーカドーやセブンイレブンを傘下にもつ”セブン&アイ・ホールディングス”の銀行。2001年開業と銀行では最後発のひとつ。
(*3)手数料
  専門用語では役務収益といいます
 為替手数料や、ATMの出金手数料105円なんかがこれ。銀行で資産運用として投資信託を勧めてくれるのも、投信販売手数料を上げたいからです。別にあなたの老後を心配してくれているわけではありません。

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ブログって灰も残らないんだ・・・(種田山頭火 うしろすがたのしぐれてゆくか/椿)

 ども、五十にしておちつけない心でブログを書いているたいちろ~です。
 先日、ツイッターと種田山頭火の話題でブログを書きましたが、その続きであります。
 山頭火の本を図書館で借りてきましたが、今回ご紹介するのはその内の1冊、”種田山頭火 うしろすがたのしぐれてゆくか”です。”影絵ものがたりシリーズ”のひとつですが、絵本です。
 ”え~歳したおぢさんが絵本ですか?”と突っ込まれそうですが、いい味出してるんですよ、この本!

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写真はたいちろ~さんの撮影
寮の庭に咲く椿です。





【本】種田山頭火 うしろすがたのしぐれてゆくか
   (文 石 寒太、影絵 石井 昭 新日本教育図書)
 山頭火の俳句、短い紹介文、影絵で構成される句集。
 モノトーンで描かれる墨染めの山頭火とカラフルなバックの影絵が美しい絵本です。
【花】椿(つばき)
 冬から春にかけて赤や白い花の咲くツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹。
 ”乙女椿”、”雪椿”、”侘助(わびすけ)”など、詩情のある名前も多い花です。
 花言葉は”完全な愛、完璧な魅力”ということで、資生堂のシンボルマークとしても使われています。

 さて、この”うしろすがたのしぐれてゆくか”には山頭火の俳句20首が掲載されていますが、その中から私自身の思い出を含めてのご紹介。

〔うしろすがたのしぐれてゆくか〕
 この本の題名にもなっている、最も有名な俳句でしょうか。
 でも、この句を初めて読んだのって、たしか”がきデカ(*1)”の最終回だったんだよな~。手元に本がないので記憶ですが、たしかこまわり君が放浪の旅にでる最終ページにこの句があったと思います。
 山頭火は詩人としてはすごい人ですが、私人としては、けっこう破綻した人生を生きた人で、妻子を捨てたり、泥酔の果て出家、放浪の人生を送ってます。そこはこまわり君もいっしょ。変態の名をほしいままにやりたい放題で、最終回で突然の放浪の旅ですからね~
 そういえば、作家の山上たつひこも人気絶頂にもかかわらず”がきデカ”最終回の後、漫画家やめて小説家に転向しています。
 人間って、突き抜けるとすべてを捨てて今と違うどこかへ行ってしまうモンなんでしょうか?

〔笠へぽつとり椿だった〕
 私の住んでる寮の庭には椿とさざんかが咲いています。この二つの花はたいへんよく似てるんですが、管理人さんに名前を教えてもらったのがブログを書き始めるきっかけのひとつでもありました。
 見分け方としては
  椿   :開花は冬から春にかけて(春の季語)、花ごとぽとっと落ちる(落椿)
  さざんか:開花は秋から冬にかけて(冬の季語)、花びらが散る
 この句は3月の終わりごろ、落ちてきた椿の花に春を喜んでるもののようです。

〔六十にして落ちつけないこころ海をわたる〕
 山頭火という人は亡くなる直前まで旅をする俳人でした。で、電車とかではなく、食物やお金を人から恵んでもらいながらひたすら歩いています(行乞(ぎょうこつ)と言うんだそうです)。
 山頭火を主人公にしたマンガで、山頭火が人から”お前ではなく、僧衣にお金を恵んでいる”といわれて、僧衣を脱いでお経を唱えたら追い出されたといったエピソードを読んだ記憶があります。
 調べてみましたが(*2)、旭丘光志という人の描いた”ヒッピー俳人・山頭火”で”週刊少年マガジン”に1972年頃に4回連載されたもののようで、まさにピンポイントで読んでたんでしょうね。できればもう1回読んでみたいものです。

〔焼き捨てて日記の灰のこれだけか〕
 ”日記を焼き捨てる”という行為は山頭火にとっては”沈黙の懺悔”であり”過去のすべてを整理して焼き捨ててしまいたい”という気持ちだったそうです。
 でも、考えてみれば同じ日記でもブログって、クリックひとつで削除すると灰も残んないんだよな~。マメに更新していないとGoogle界の深遠に沈んでいっちゃうし。意外とはかないことをせっせとやってるのかもしれませんね。
 将来”恥の多いブログを書いてきました(*3)”とか言いながら削除しないように、まともなこと書いとこっと!

 文章を書いておられる俳人の石 寒太があとがきで”山頭火の俳句は、演歌である”といったことを書いていますが、言いえて妙です。そういった意味では山頭火の俳句を絵本にして子供に読ませて感動するかどうかはちょっと疑問。ただ、小説であれマンガであれ、子供のころ読んだものを大人になって読み返すと違った感動があったりしますので、まっ、いいか!

 この本は、大人にお勧めしたい大人のための絵本です。

《脚注》
(*1)がきデカ
 1974~80年に”少年チャンピオン”に連載された山上たつひこのギャグマンガ。
 主人公は自称少年警察官で、下ネタ満載のこまわり君です。
 「死刑!」、「あふりか象が好き!」、「八丈島のきょん!」なんてのはおぢさん世代には懐かしいギャグであります。
(*2)調べてみましたが
  びっけさんの”一晩眠ればケロリ”のブログを参考にさせていただきました。
 どうもありがとうございます。
 あまり人のブログって読まない方なんですが、このブログは面白かったです。
(*3)恥の多いブログを書いてきました
 元ネタは太宰治の”人間失格”より。”第一の手記”の冒頭のフレーズ
  恥の多い生涯を送って来ました。
 です。

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