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2009年1月11日 - 2009年1月17日

戦闘用アンドロイドのメイドさん(まほろまてぃっく/桔梗)

戦闘用アンドロイドのメイドさん

Kikyou
写真は”名所旧跡めぐり(清明神社)”より




【本】まほろまてぃっく(原作:中山 文十郎, 作画:ぢたま某)
【DVD】まほろまてぃっく(監督: 山賀博之、GAINAX ジェネオン エンタテインメント)
 宇宙からの侵略者と戦う戦闘用アンドロイド”まほろさん”が、残された1年の寿命をかつて自分が殺してしまった司令官の遺児”すぐるくん”のメイドとして生活する・・・。基本はラブコメですが、しっかりSFしています。
【花】桔梗(ききょう)
 紫色で星型の上品な花が咲きます。陰陽師”安部清明”の五芒星は形が似ていることから”清明桔梗紋”とも呼ばれており、弾除けとして帝国陸軍の軍帽に刺繍されていたそうです。

 表題の”戦闘用アンドロイドのメイドさん”と聞いて、たぶん、前のめりになる人と、思いっきり引く人とに二分されるのではないかと思います(*1)。でも、ストーリー自体はけっこうハードな設定のSFです。主人公のまほろさんは、外宇宙からの侵略者”セイント”と戦うためのに生み出された”ヴェスパー”の戦闘用アンドロイド。そんでもって、地球を影で支配する”管理者”が出てきて、サイボーグを作っていたり、とか、とか。でも、そんな中でちゃんとラブコメしているところがすごい。

 アニメ版を作成した”GAINAX(*2)”は、源流をたどると関西地方の大学に在籍しているSF研究会のメンバに行き着きます。監督の山賀博之を始め、GAINAXの創設メンバーはちょうど私と同世代で、青春時代に、ヤマト、ガンダム、スターウォーズ(*3)といった、SFの拡大期(*4)を過ごしています。で、大人になって”ビジュアルとしてのSF”、”ジャンルを超えたSF”の作品を数多く生み出すはめになりました。

 桔梗の花は、亡くなったすぐるくんのお父さんの墓前にお供えしている花。すぐるくんは、だれがその花を供えているのか知らないので”桔梗の人”と呼んでいます。それ以外にも、挿入歌の”紫陽花(あじさい)の咲く庭で(*5)”とか花の話題もけっこうあります。まほろさんのCVの川澄綾子さんが、オープニングの”かえりみち(*6)”やこの曲を始め、いくつかの曲を歌っています。叙情的な詩とメロディラインで名曲ぞろいです。
 ちなみに、私のメールの着メロ(*7)はこの”かえりみち”です。

 戦闘美少女の系譜ですが、職業がメイドさんとなると一味違うんでしょう。

 ところで、気になるんですが、まほろさんって、戦闘用アンドロイドなのに、アシモフの”ロボット工学三原則(*8)”にあんまり準拠してません。恋のライバル?の式条先生をけっこうぼこぼこにしているし。平気で身分詐称(つまりウソ)をしているし。コンピュータ関係者(*9)の立場で言えば事前のプログラミングなしに、とっさの状況判断でウソをつくのはかなり高度な知識処理が必要です。そういう点では、鉄腕アトムより高度なAI機能を持っていると言えるでしょう。

 昨今、”メイドさん”の一言で色眼鏡で見られがちですが、間違いなく名作です。エンタテインメントという観点では、同じGAINAX作品のエヴァンゲリオンを凌ぐかも

《脚注》
(*1)二分されるのでは~
 99対1を二分と言い切ればですが。マイノリティの尊重は民主主義の基本です。
(*2)GAINAX(ガイナックス)
 アニメーション作成会社。”エヴァンゲリオン”を作った会社といえば、おわかりになるなる方も多いかと。”王立宇宙軍 オネアミスの翼”、”トップをねらえ!”は、SFアニメの秀作。最近では”天元突破グレンラガン”が放映されています。
(*3)ヤマト、ガンダム、スターウォーズ
  ヤマト:宇宙戦艦ヤマトの最初の放映版。1974年放映
  ガンダム:機動戦士ガンダム(ファーストガンダム)。1979年放映
  スターウォーズ:ここでは、エピソード4を指します。日本では1978年公開
 今でこそですが、ヤマト、ガンダムは放送回数が短縮されるほど視聴率がとれない作品でした。
(*4)SFの拡大期
 それまでのSFは文学の中でも一段下のジャンルと見られており、”士農工商、SF作家。早川コケたらみなコケた”といわれていました。”早川”はSFを専門に出版していた早川書房のことです。
(*5)紫陽花の咲く庭で
 すぐるくん家は、庭付き一戸建て。バーベキューパーティのできるほど広い庭で、紫陽花が植えられていますし、ぐりという名の犬も飼っています。うらやましい・・・
(*5)かえりみち
 作詞 くまのきよみ、作・編曲 増田俊郎
 ねえ、きっと「願い言葉」は空へと届いて、後悔も涙も、思い出になるはず
(*7)着メロ
 音声の着メロは”Fly Me to the Moon(フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン)”。ジャズのスタンダード・ナンバーにして、エヴァンゲリオンのエンディングテーマ。やれやれ・・・
(*8)ロボット工学三原則
 SF作家アイザック・アシモフの提唱したロボットが従うべき3つの原則。
 自立思考のできるロボットで、正義の味方の側はほぼ従っています。
 第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
 第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
 第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない
(*9)コンピュータ関係者
 一応、コンピュータ関連の会社に勤務しています。

幸せな高校生活ということ(あずまんが大王/ラズベリー)

幸せな高校生活ということ

Raspberry
写真は”悠遊館”より



【本】あずまんが大王(あずまきよひこ メディアワークス)
【DVD】あずまんが大王(原作:あずまきよひこ、監督:錦織博、キングレコード)
 「月刊コミック電撃大王」に連載された4コママンガ。後にアニメ化。
 ちよちゃん、よみちゃん、ともちゃん、大阪さん、神楽さん、榊さんといった普通の女子高校生の普通の高校生活が描かれています。楽しかった高校時代が思い出されます。
【花】ラズベリー
 バラ科キイチゴ属 に属する低木。フランス語ではフランボワーズ。赤くて甘酸っぱい実がなり、そのまま食べたり、ジャムにしたりします。

 @Niftyココログの”コマネタ”のテーマで”大好きなアニメソングは何?”というのがありましたので、今回は”あずまんが大王”をご紹介。
 エンディングテーマソングが”Raspberry heaven”。直訳すると”ラズベリー天国”ですが、”heaven”には、天国のほかに大変な幸せという意味があるので、”ラズベリー味(色)の幸せ”といったほうが、曲の雰囲気には合ってます。

 世間的にはマイナーな作品ですが、06年の日本のメディア芸術100選のマンガ部門(文化庁)に入ったり、作中の”シュークリーム分(*1)”が『現代用語の基礎知識』に載ったりと、ビミョ~なところで高い評価を受けています。
 原作のあずまきよひこは、なぜかヒット作の”よつばと(*3)”の作者でもあります。アニメ版の音楽担当は栗コーダーポップスオーケストラ(*4)。ソプラノリコーダーの音色に癒されます。

 小学生から飛び級で高校生になったちよちゃん、グループの委員長的存在のよみちゃん、暴走女子高生のともちゃん、のんびり屋の大阪さん、スポーツ万能の神楽さんといった愛らしくて個性的なキャラクターたちが楽しい高校生活を送っています。
 個人的には、クール&ビューティな榊さん(*5)のファンです。キーホルダーにつけているぐらい。

 サザエさん時空(*6)ではなく、学年も1年から3年までちゃんと進級しています。文化祭、体育祭、修学旅行とかのイベントの話題もあるし、夏にみんなで泳ぎに行ったりとか本当に楽しそうです。ちゃんと受験勉強もしてます。でも、ボーイフレンドの話題だけは出ないんですよね、みんなかわいいのに。

 最終回で、”もう、毎日みんなと会えなくなるんですね”というちよちゃんに、ゆかり先生は”まあ、そんだけのことだ。あんたらは大丈夫だろ”と答えています。卒業記念にみんなで遊園地に行く道すがらに、ちよちゃんがモノローグで”そっか、卒業しても、みんな一緒だ”と言っています。
 私も高校を卒業して30年以上たちますが、仲のよかったグループといまだに集まったり、メールしたりしています。今さらながらですが、きっと楽しい高校生活(*7)だったんでしょう。

 つけたしのようですが、私の庭にはベリー類としてブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリーが植わっています。ブルーベリーは目にいいので、最近目が悪くなった義理のお母さんにプレゼントできればいいんですが、なかなか実がなってくれません。ジャムにするほど実がなるとうれしいです。ちなみに、仲のよかったグループの一人がブルーベリーを販売している会社に勤めていました。

 Wikipediaによると、”後の萌え4コママンガに多大な影響を与えた(*8)”との記載がありますが、そんなことを気にせず読んで欲しい一冊です。

《脚注》
(*1)シュークリーム分
 シュークリーム分が足りなくなると疲労や集中力・思考力の低下等の症状が現れる。
 大阪出身の私は(*2)、お土産にシューリームをよく買って帰ります。
(*2)大阪出身の私は
 大阪のおとうさんのお土産といえは、ヒロタのシュークリーム、北極のアイスキャンデー、蓬莱の豚まんが定番です。
(*3)よつばと
 アスキー・メディアワークス。5歳の元気な女の子「よつば」と、「とーちゃん」の親子のお話。あずまきよひこの作品って、まったく知らないか、おもいっきりはまるかどちらかのような気がします。
(*4)栗コーダーポップスオーケストラ
 別名、”栗コーダーカルテット”でも活動しています。”ウクレレ栗コーダー”に収録されている、”ダース・ベイダーのテーマ”は名演。でも、リーダーの栗原正己が、”題名のない音楽会”に出ているのを見たときには驚きました。
(*5)クール&ビューティな榊さん
 勉強、スポーツも得意だが、人付き合いが苦手な無口キャラ。長門有希(涼宮ハルヒの憂鬱 谷川流)や、桜坂 葉月(乃木坂春香の秘密 五十嵐雄策)の先輩にあたります。
(*6)サザエさん時空
 何年たっても小学生のカツオくんとか・・・
(*7)きっと楽しい高校生活
 宇宙人も、未来人も、超能力者もいませんでしたが(涼宮ハルヒの憂鬱)、それなりにいろいろあった高校生活でした。
 昨日、クローズZERO(原作 高橋ヒロシ。小栗旬の出演で映画化)を見ましたが、あれはないと思いました。
(*8)後の萌え4コママンガに~
 海藍(トリコロ)、美水かがみ(らき☆すた)、むんこ(らいか・デイズ)、小箱とたん(スケッチブック)などの名前が。ちなみに4人とも読んでいます。

格付けしあうオトナたち(金融権力/りんご)

格付けしあうオトナたち

Dcf_0071
写真はたいちろ~さんの撮影



【本】金融権力(本山美彦 岩波書店)
 副題は”グローバル経済とリスク・ビジネス”。内容かなりの部分をサブプライム問題と、それに至る歴史的/思想的背景にさいています。
【花】りんご(林檎)
 やさしく白き手をのべて 林檎をわれにあたへしは
  薄紅(うすくれなゐ)の秋の実(み)に人こひ初(そ)めしはじめなり
  島崎藤村 ”若菜集 初恋”より
 甘酸っぱい味です

 あけましておめでとうございます。たいちろ~です
 本年もよろしくお願いします。

 冬まっさかりということで、りんごのおいしい季節になりました。メタボなおぢさんにはりんごダイエットというのもありますし。ということで、今回はりんごの話題。

 昨年末ですが、”所さんの目がテン!(*1)”で”りんごの科学(*2)”というのををやっておりました。面白かったテーマは”りんごの蜜を集めると甘いジューズができるか?”というもの。正解は”あまり甘くない”です。蜜のはいったりんごが甘いのは、”蜜自体が甘い”のではなく、”蜜が入っているのはりんご自体が甘いサイン”なんですね。(詳しい説明は”所さんの目がテン!”のホームページをご参照ください)
 りんごに限らず、甘さの目安として”糖度”というのもありますが、ものごとのランクを決める=格付けというのは、以外と難しいものです。上記のような知らない人にとっては思い違いもありますし。

 私は以前、”格付・自己査定”のシステムにかかわっていたことがあります。これは大まかに言って企業のリスク(金融機関から見て、貸しているお金が回収できるか)を”定量的”と”定性的”の観点で分析するものです。
 定量分析は財務諸表を中心に、数値化できるものを扱うもの、定性分析は社長の人柄、後継者、業界自体の成長性など、本来は数値化できないものを無理やり数値化して評価するものです。

 正月早々、硬い話ですいませんが、もうしばらくお付き合いのほどを・・・

 ただ、数値化できるといっても、ランクの範囲設定を変えればどうとでもなるし、定性分析にいたっては、かなり恣意的な部分に左右されるので、客観性においてはどうなんでしょうか。”格付けしあう女たち(*3)”をみれば、個人の意見と多数の意見が合うほうが難しいのかも。

 ということで、今回紹介の”金融権力”ですが、S&P,ムーディーズといった格付け会社が、”会社の命運を左右する権力”になっているとの主張からとっています。また、サブプライム問題の本質は、証券化にあたって、商品を無理やり安全なランクに見せかけたこと、いきなり格付けを下げたことにより資金の流動に急ブレーキをかけたことにあると言っています。
 かつての日本の不良債権問題で、不良債権額が膨らんだのは、現時点での額はわかっていても、そのうち持ち直すはずだとの期待感から公表しなかった側面がありますが、今回のサブプライムでは、”損失がいくらあるかわからない”、つまり、”今、この債権の価値はいくらなのかが決められない”ことが問題を大きくしています。

 サブプライムとセットで語られる”証券化”という手法も、それ自体はリスクを分散させることで、金融機関にリスクを集中させないというプラスの側面もありますが、運用とその精神を間違えるととんでもないことになる例です。そういった面では労働者派遣法の改正(*4)とよく似ています。

 経済学というのは、その人の立場、時代背景(*5)によって好き嫌い(*6)がありますので、一概にお勧めすることはできませんが、居酒屋で”サブプライム問題”に薀蓄(うんちく)をかたむけるおぢさんとしては、この手の本も読んどいたほうがいいかも。

《脚注》
(*1)所さんの目がテン!
 日本テレビ系で日曜朝(東京は7時、仙台では7時15分)に放映している体育会系科学番組。体をはって実験をしたり、変な料理を作って試食したりしています。オトナが見ても充分楽しめます。
(*2)リンゴの科学
 2008年12月14日の放映。
(*3)格付けしあう女たち
 テレビ朝日系で火曜日9時放映の”ロンドンハーツ”の人気コーナー。テーマを決めて順位を決めるというといシンプルなルールですが、回答者の主観と調査結果はほんど合いません。いわゆる”自分が見る自分”と”他人が見る自分”の違いです。
 忘年会あたりでやったら盛り上がりそうなゲームですが、しらふになったらきっと人間関係がギクシャクするでしょうね。
(*4)労働者派遣法の改正
 ここでは2004年3月の改正を指します。派遣期間を1年から3年に延長、物の製造の業務への派遣解禁など。働く側としては就業形態の多様化、企業側からは機動的な労働力の確保など、単なる悪法というわけではありません。ただし、景気がよければとの前提がつきます。
 むしろ、不景気時のセイフティネットをちゃんと整備しなかったことのほうが問題だと私は思います。
(*5)その人の立場、時代背景
 私の学生時代は”サプライサイドエコノミックス”華やかかりしころでした。
 ”価格は需要曲線と供給曲線の交差するところで決定する(社会の時間でやりましたが、覚えていますか?)”ので、供給側を増加させると経済成長するという考え方。レーガノミックス(レーガン大統領のとった経済政策。任期は1981年1月~1989年1月)の理論的バックボーンです。
 これでも私、経済学部卒業なんですよ。いちおう・・・
(*6)好き嫌い
 著者の山本教授はフリードマン(新自由主義の代表的な経済学者)がお嫌いなようです。

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