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2009年7月12日 - 2009年7月18日

孤高の東京タワーは孤独なのだろうか?(東京タワー/東京タワー)

 ども、母親をガンで亡くしたたいちろ~です。
 今回、”東京タワー オカンとボクと、時々、オトン”を読みました。実はぜんぜん別のネタのために読んだんですが、こんないい話だったんですね。今まで読んでなくて損しました。
 単身赴任も長くなりまして、あたしンちはほとんど母子家庭状態です。月に1回帰るかどうかぐらいですので、まさに”時々オトン”状態。別にいっしょに住めばいいわけなんですが、この年齢になると奥様といい子供たちといいなにがしかしがらみがあるので、なかなか引越しと言うのが難しくなります。子供達がまだ小学校のころに単身赴任を始めたので、その時無理してもつれてくれば良かったんでしょうが、今さら言っても詮無い事です。

200907090051
写真はたいちろ~さんの撮影
会社の窓から見た”東京タワー(*1)”です。




【本】東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(リリー・フラキー 扶桑社)
 オカンと母とボクのほとんど母子家庭の2人、そして実質離婚状態のオトンによる家族の物語。200万部を超えるベストセラーながら、予備知識なく読んだので、最初はエッセイ集かと思って読んでました(*2)。
【旅行】東京タワー
 東京都港区芝公園にある電波塔というより東京の観光シンボル的存在。1958年完成と、私とほぼ同い年。だから”老朽化”というのはやめてください。


 正直、けっこう応えましたね、この小説。”東京タワー”に登場するオカンの栄子さんがガンで亡くなっていますが、実は私のオカンもガンで亡くなりました。一度治ったんですが、再発しました。亡くなったのはJR福知山線脱線事故(*3)の直後のことです。臨終に立ち会うことができましたが、最後は吐血とかを繰り返して、本当にしんどそうでした。

  こんなに苦しむぐらいなら、天国に召されたほうがよっぽど楽だろうに・・・

 不謹慎のそしりを免れ得ない発言だとは重々承知していますが、そばにいてもなんにもできない無力な息子としては、それぐらいしか思いつきませんでした。医療には素人ながら、治療して治ることと、延命することは別のことと思っています。直る見込みがあるのであればがんばって治療しますが、見込みがないのであれば、苦しい時間を長引かせるよりいかに楽にしてあげるかという考え方も重要ではないかと思います。少なくとも私自身についてはそうして欲しいと考えています。


 生きている人間の話をします。
 
 子供達から観れば、月に1回帰るだけのオトンです。

  ボクを育ててくれたのは、オカンひとりなのだから。
  オトンは面倒を見てくれるけど、
  ジョン(*4)のように育ててはくれなかった。
  そのための時間は持ってくれなかった。
  口と金では伝わらない大きなものがある。
  時間と手足でしか伝えられない大切なことがある。

                   (本文より)

 まあ、どう言い訳したところで子供達との時間があまり取れていないことは確かです。子供達もやはりこう思っているのでしょうか。子供達が別の土地の大学に行って就職してしまえば、ますます共有する時間もとれなくなりでしょうに。だからといって何かどうできるかというと難しいんですけどね・・・

 本書では東京タワーは都会の象徴のように描かれていますが、建設当時のタワーはまだ数少ない高層建築であったはず。オトンも大きな存在であるかもしれませんが、けっこう孤独であるのかもしれないと、ふと思ったりしました

 この本を読んで書きたいことはいろいろあったんですが、意外と文章にまとまりませんでした。こんなことは珍しいんですけどね。暗い話題になってしまいましたが青春の苦悩と楽しさとか、面白い話題も入っている本です。ベストセラーなので今さらですがご一読をお勧めする一冊です。


《脚注》
(*1)東京タワー
 かつては、高いものの代名詞(高さ332.6m)でしたが、こうやって見ると東京って本当に高いビルが多いですね。写真には写ってないですが、会社の窓からは新宿新都庁とか六本木ヒルズ森タワーなんかも見えます。
(*2)最初はエッセイ集かと思って読んでました
 実際、連載開始時(創刊号)は”連載長編エッセイ”だったそうです。
(*3)JR福知山線脱線事故
 2005年4月25日にJR尼崎駅近くで発生。107名の死者を出した事故。病院の待合室のTVではこのニューズばかりやっていました。
 この事故のすぐ後に、奥様が乗ろうとしていた大阪発仙台行きの夜行バスでも死亡事故が発生していています。奥様は”おばあちゃんが乗るの止めてくれたんやろね”と言っていました。
(*4)ジョン
 ビートルズのジョン・レノンのこと。この文章の前にジョン・レノンの子育てのこと、凶弾にたおれたこと(1980年12月8日)のエピソードが書かれています。

戦国武将のホンネ?!(殿といっしょ/戦国武将のララバイ/関興寺)

 ども、戦国武将の生まれ変わりでないたいちろ~です。
 前回、歴史マンガ”風雲児たち”のブログを書いたんですが、いろいろ調べてみると戦国武将といっても、さまざまなキャラクターがいるんですね。ひょっとしてヒーロー然としたあの人だって、ひょっとしたら・・・みたいなことがあるのかも。
 ということで、そんなネタを2本ご紹介。"殿といっしょ"、"戦国武将のララバイ”です。
 歴史にロマンを求める歴女の皆さんにはお勧めできないネタです。

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写真はたいちろ~さんの撮影
”天地人(*1)”でおなじみになりました関興寺(関興庵)です。



【本】殿といっしょ(大羽快 メディアファクトリー)
 戦国時代を扱った4コママンガ。日経新聞だったか朝日新聞だったかにマンガの広告が載るのが珍しかったので読みました。まあ、歴史マニアから見れば1:9ぐらいに賛否両論に分かれそうな作品です(*2)。
【CD】戦国武将のララバイ(山本正之)
 中日ドラゴンズ応援歌”燃えよドラゴンズ!”の作詞・作曲、”タイムボカンシリーズ”の音楽を担当した脱力系フォークの巨匠”山本正之”の曲。まず聴いてみて下さい
 ”山本正之’88”(ダブリューイーエー・ジャパン)に収録
【旅行】関興寺(かんこうじ)
 新潟県南魚沼市にある臨済宗のお寺。上杉氏から寄進された大般若経を味噌樽の中に入れて守ったとの言い伝えから「関興寺の味噌なめたか(*3)」という言葉が生まれました。
 直江兼続、上杉景勝のゆかりのお寺でもあります。


 "殿といっしょ"は、戦国武将をちゃかしているマンガなんですがまた”いかにもありそうな”(あるのか?)話になっています。
 たとえば”天地人”の登場人物だと
  
  直江兼続:上杉景勝をあやつる(おちょくる)イケメンのに~ちゃん
  上杉景勝:いかつい顔だが、単なる無口、傷つきやすいおっさん
  前田慶次:突っ込みどころ満載のモヒカンのあんちゃん。意外といい人。
  仙桃院 :景勝の母親ながら、おミズファッション。巨乳。

 ほかにも、お笑いに命をかける豊臣秀吉とか、眼帯マニアの伊達政宗とか、正宗の突っ込み役の片倉小十郎(景綱)とか・・・

 で、これが行くとこまで行っちゃったのが、山本正之の”戦国武将のララバイ”。信長、秀吉、家康という戦国武将の3ヒーロが、実は臆病モノで戦争なんかしたくなたっかという曲。強引に言えば、”戦国武将の反戦ソング”。
 "YouTube版”では、某ゲームのかっこいい画面と、山本正之のコミカルな音楽のアンマッチが最高に面白いです。ゲームファンも歴史マニアも”それはないだろ~”と突っ込みありそうな仕上がり。


 でも、考えてみると、歴史モノって史料や遺物から物語を構成をしているわけで、本人にインタビューをしたわけでもなく、実際はどうだったかなんてぶっちゃけわかりません。どの作家の話だったか忘れましたが、”歴史小説とは、残された史料から欠落した部分を想像で埋めていく作業”といった趣旨のことを読んだ記憶があります。
 上記の”殿といっしょ”の作者、大羽快があとがきで”この漫画が存在する上での僕の役割が「話を考えて、作画する」だけに過ぎないことも思い知らされています”といったことを書いていますが、確かに架空SFでもない限り石田三成は関が原で勝っちゃいけないし、徳川家康は少なくとも記録に残される程度には”我慢の人”だと思われるエピソートなんかはあったはず。でも、このようなキャラクター設定の制約条件の中で、いかに物語を組み立てるかが作家の真骨頂だと思います。

 そういった意味では、司馬遼太郎と、大羽快、山本正之のやっていることは大差ないんでしょうね。自由と奔放の違いぐらいで(*4)。

 まあ、現代に生きる人だって強気イッパイのキャラクターと思われていた人でも実はビビリを隠す擬態だったりすることだってままあります。暦女の方々にしても、昔から歴史モノが好きだった女性の方はいっぱいいたはずですが、”おっさんくさい”と言われかねなかったので黙っていただけだったって人もいるんじゃないでしょうか?

 戦国武将の本音だって、意外と”こんなもん”だったのかもしれません。
 そう思ってみても、歴史って面白さに変わりはありませんし。



《脚注》
(*1)天地人
 作家火坂雅志による歴史小説。上杉家当主”上杉景勝”に仕えた家老”直江兼続”を主人公とする小説。2009年度のNHKの大河ドラマで放映していますが見てません。
 ちょうど関興寺を訪れたのは2008年11月でしたので、観光キャンペーンを一所懸命やっていました。
(*2)1:9ぐらいに賛否両論に分かれそうな作品です
 Wikipediaには”巷間にある戦国ギャグと比較しても歴史考証が堅実”とありますが本当??? 比べる対象が違うんじゃないか!
(*3)関興寺の味噌なめたか
 サランラップも無い時代にどうやって味噌の中に隠したんでしょうか? お寺の方に聞きそびれました。
(*4)自由と奔放の違いぐらいで
 辞書で引くと、”自由”とは強制・拘束などを受けない状態のことですが、自らを統御する自律性などの制限が内包している説明になっています。”奔放”は”世間の慣習などに束縛されず自分の思うままに振る舞うさま”(Web版 大辞林)。
 英語で自由奔放は”free and unrestrained”ですが、”unrestrained”は”restrained”=自制した状態の否定(un)”つまり抑制されない, 無制限の, 気ままなという意味です。

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