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2009年5月31日 - 2009年6月6日

木星は海、火星は荒野、でも好きなのはジュピターかな(さよならジュピター/木星)

 ども、中年スペースノイド(*1)、たいちろ~です。
 今回のお題は”あなたが好きな太陽系の惑星は何?”ですが、いや~迷いました。生粋のSFファンとしては、光瀬龍の火星シリーズ、スター・レッド、宇宙戦艦ヤマトの古代進(*2)と、火星も捨てがたいんですが、今回は涙をのんで木星ということで。

Jupiter1 Jupiter2
左の写真は木星、右は大赤斑
ともにボイジャー1号が撮影したものです。
NASAの公式ホームページより



【DVD】さよならジュピター(原作、脚本、総監督:小松左京)
 1984年に公開されたSF映画。エネルギー問題の解決策として木星を太陽化しようとする太陽系開発機構と環境保護団体の対立、さらに太陽系にマイクロブラックホールが接近し・・・
【自然】木星
 太陽系の内側から5番目の惑星であり、太陽系内で最大の惑星。ガスを主成分とするガス惑星。別名「恒星になり損ねた星」。


 私にとって火星は、赤茶けて乾いた大地、嵐、水の干上がった運河(*3)など、荒野のイメージがありますが、反対に木星のそれは”海”。大赤斑の動きとかみてるとそんな気がします。でも、こんなイメージを受けてかSFでの扱いもずいぶん違ってますね~。火星には基地や都市を作ったりしますが、木星はヘリウム3の供給源(*4)などマシなほうで、太陽にされたり(*5)、ブラックホール爆弾にされたり(*6)とけっこう受難の惑星です。

 で、その受難の代表として”さよならジュピター”をご紹介。
 SFブームのまっさかりに小松左京が私財をなげうってまで作成したSF特撮映画です。参加したSF作家が、豊田有恒、田中光二、山田正紀、野田昌宏、鏡明、伊藤典夫、井口健二、横田順彌、高千穂遙、石原藤夫と80年代のSFシーンを知るオールドファンとしては、驚愕のラインナップです。

 主題歌”VOYAGER~日付のない墓標”は松任谷由実。松任谷が手がけた映画音楽としては、”守ってあげたい”、”時をかける少女”(*7)に比肩する名曲だと思っています。

 特撮技術としても、モーション・コントロール・カメラ(*8)を日本で最初に使用した映画です。確かに、それまでの怪獣映画に代表される特撮シーンと比べると、格段の進歩を感じたのを覚えています。現在のコンピューター・グラフィックス全盛の映画を見慣れた若い人には理解しにくいかもしれませんが、日本の特撮映画でセンス・オブ・ワンダーの表現をステップアップした技術だったんですよ。

 上記のあらすじだけ見るとトンデモ話のように見えるかもしれませんが(私の文書力のいたらなさです)、さすがに原作は小松左京だけあって、ストーリーは骨太のSF。甘々なラブストーリーもちょっと混じってますが。

 ”Wikipedia”の解説では”映画作品としての評価は低い”、”制作費の回収も未達という興行的失敗”と酷評さえていますが、個人的には気に入っています。
 当時の”スターウォーズ”を見た人の目でアラ探しをしだすときりがありませんが、あのころ日本のSFに携わる人たちの思いは確かに感じられます。なんにしても、日本のSF映画史を語る上では一度は見ておきたい作品です。

 そういえば、”ジュピター2号(*9)”というネタもあったな~。古すぎるけど・・・

《脚注》
(*1)スペースノイド
 スペースコロニーに移住した宇宙居住者のこと。ガンダムネタです。
(*2)光瀬龍の火星シリーズ、スター・レッド、宇宙戦艦ヤマトの古代進
 光瀬龍は”東キャナル文書(ハヤカワ文庫他)”などで火星を舞台にした小説を書いています。”スター・レッド(小学館)”は火星を舞台にした萩尾望都の漫画。宇宙戦艦ヤマトで、古代進がサーシャから波動エンジンの設計図を受け取るのが火星です。
 ほんとは”火星年代記(レイ・ブラッドベリ ハヤカワ文庫)”や、”火星人ゴーホーム(フレドリック・ブラウン ハヤカワ文庫)”なんぞを書くべきなんでしょが、まだ読んでいないので・・・
(*3)運河
 元々は観測された模様を溝(canali)と表現したのがcanal(運河)と誤訳され、”運河を作った人=火星人がいる”になったとか。
(*4)ヘリウム3の供給源
 ”機動戦士Ζガンダム”に登場するニュータイプ”パプテマス・シロッコ”は熱核反応炉の主燃料であるヘリウム3を採取する宇宙船”ジュピトリス”の責任者です。
(*5)太陽にされたり
 有名なのは、”2001年宇宙の旅”の続編”2010(原作 アーサー・クラーク 監督 ピーター・ハイアムズ)”で、モノリスにより恒星にされています。
(*6)ブラックホール爆弾にされたり
 ガイナックスのアニメ”トップをねらえ!”では、カルネアデス計画で超巨大ブラックホール爆弾にされています。ちなみに”カルネアデス”とは古代ギリシアの哲学者であり、”カルネアデスの舟板”という”緊急避難”の考え方の基になった問題を提起した人です。
(*7)”守ってあげたい”、”時をかける少女”
 ”守ってあげたい”は”ねらわれた学園(主演:薬師丸ひろ子 監督:大林宣彦)、”時をかける少女”は”時をかける少女(主演:原田知世 監督:大林宣彦)”のそれぞれ主題歌。”魔女の宅急便(監督:宮崎駿)”の”やさしさに包まれたなら”もいいんですが、これは、シングルのリリースが先なので除外。
(*8)モーション・コントロール・カメラ
 コンピュータ制御によるカメラ。複雑で正確な動きを繰り返すことができます。NC工作機械の一種と考えていただければいいかと。(画像は共立工芸をご参照)
 海外では”未知との遭遇”、”スターウォーズ”で初めて開発されたそうです。

(*9)ジュピター2号
 ”宇宙家族ロビンソン(原題 Lost In Space)”に登場する宇宙船。ドクタースミス(声優は熊倉一雄)とロボットのフライデーの掛け合い漫才が秀逸です。

元祖、二世将軍の行方は?(右大臣実朝/鶴岡八幡宮の大銀杏)

 ども、地縁にも血縁にも縁のないたいちろ~です。
 前回、”地価融解”という本を扱ったブログの中で”アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ”という太宰治の”右大臣実朝”の一節を引用したので、今回はこの本をご紹介。

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写真はたいちろ~さんの撮影。
鶴岡八幡宮の大銀杏(2009年2月15日)。




【本】右大臣実朝(太宰治 ちくま文庫 他)
 太宰治による、鎌倉幕府の第三代征夷大将軍”源実朝”をモデルとした小説。
amazon.comの紹介では”強い憧洒と新近感をもって精神の貴族のすがたを描いた長篇”とありますが、武家の棟梁が”貴族”と呼ばれること自体が堕落ではないか?
【旅行】鶴岡八幡宮の大銀杏(いちょう)
 鶴岡八幡宮は鎌倉市にある神社、武家源氏の守護神。大銀杏は樹齢千年余といわれる大木で、源実朝はこの木の陰に隠れていた源頼家の子公暁に殺害されたとされています。

 ”源実朝”のプロフィールを簡単に紹介するとを
   鎌倉幕府を開いた”源頼朝”と、初代執権 北条時政の娘”北条政子”の子
   12歳で鎌倉幕府の第三代征夷大将軍に就任(世襲による二世
   武士として初めて右大臣に任ぜられる
   歌人としても知られ(*1)、家集として金槐和歌集を編纂
   鶴岡八幡宮で兄の源頼家の子”公暁”に襲われ死亡、享年28歳。
   源氏直系の最後の将軍となり、以後、執権の北条氏が幕府の実権を握る

 日本史と古文の時間で習いましたが、覚えてますか?(*2)

 太宰治の小説では、源実朝が17歳のころから、公暁に暗殺されるまでを描いています。確かに、”私人”としては教養人であり、人間的にはいい人なんでしょう。太宰自体はかなり好意的な書き方をしています。しかし、武家の棟梁という、”政治家=公人”としてみると、堕落していく様子のように私は読めました。

  アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ。
  人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ。


 これは、冒頭近くで平家の物語を聞きながら”平家ハアカルイ”に続く言葉。源実朝に言わしめています。
 のちに、右大臣就任というが外見的には明るさの絶頂期(*3)の直後である建保7年(1219年)1月27日に源頼家の子公暁に殺害されます。まさに、明るさは滅びの色だったわけです。

  祖母上(*4)だって言っている
  あの子は生まれつき、白痴だったのです、と言っていた
(本書より)

 公暁の言葉です。実の母がわが子を白痴扱いするのもどうかと思いますが、人間的な聡明さと、政治家としての資質はまた別なのかも。本書中に源実朝が宋(中国)へ渡る計画をたてるエピソードが出ていますが、1年の将軍の不在をいさめる人に対し、

  タッタ一年ノオ留守番モデキヌヨウデハ、重臣ノ甲斐ガアリマセヌ(本書より)

と答えるようでは、政治家の発言としては問題でしょう。北条政子という人は、母親としてではなく政治家としての冷徹さが勝っていたのかもしれません。

 昨今、二世議員をどうするかとの議論がいろいろ出ていますが、問題は本人ではなく周辺にあるのでは? 私個人としては、職業選択の自由が保障されている以上”政治家になるな”という議論には賛成しかねますが、かといって政治家の資質が遺伝するとも思っていません。”息子、娘だから”といって無条件に世襲を受け入れるほうが問題ですし、それを公約で縛らざるを得ないという実態こそがもっと問題だと思います。

 結局、公暁に殺害されるわけですが、その場所が鶴岡八幡宮の大銀杏。本殿に上がる石段の横にあります。たまたま今年の2月に訪れた時にとった写真ですが、ぜんぜんそんなこと知りませんでした。源実朝が殺されたのは1月なので、こんな大木ではないにしても季節的にはほぼこんな感じだったんでしょうか。

 余談ですが、太宰治という人、自殺未遂、心中未遂、薬物中毒と無頼派の作家として有名ですが、意外にも青森県下有数の大地主の息子で、政治家を輩出している名家の出身です。本人も東京帝国大学(現東京大学)文学部に入学しているので、できが悪かったわけではないんでしょうが、人間的にはいろいろあったんでしょうね。

 私が読んだのは図書館で借りた”ちくま文庫”に収録されたもの。たまには、昭和初期の名作に触れるのもいいかも。ただ、読まれるのであれば新字体、現代かなづかい版のほうをお勧めします。これより前に旧漢字版を読みかけましたが、挫折してちくま版を借り直しました。

 まあ、なんだかんだ、偉そうに書いていますが、この言葉を知ったのは実は”キャプテンハーロック(*5)”の最終回だったりして・・・


《脚注》
(*1)歌人としても知られ
   世の中は  常にもがもな  渚漕ぐ  あまの小舟の  綱手かなしも(新勅撰集)
  小倉百人一首より
(*2)覚えてますか?
 私はほとんど忘れてました。
(*3)外見的には明るさの絶頂期
 この時点で、政治の実権は執権である北条家に移っていました。ある意味丸投げ状態です。
(*4)祖母上
 源実朝の母、北条政子のこと。
(*5)キャプテン・ハーロック
  松本零士のマンガ、及び登場する宇宙海賊。自由に生きる男のかっこよさを体現しています。ここで言っているのはTVアニメ版(チーフディレクター りんたろう)の最終回のこと。

アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ(地価融解/わく植え)

 ども、投資する金なぞ持っていないたいちろ~です。
 仕事がら、金融関係の本は良く読みますが(*1)、今回は”地価融解”という本のご紹介です。住宅ローン返済の参考にはなりませんが、新聞等でサブプライム問題に関心のある方はしばしお付き合いのほどを。

0113
写真はたいちろ~さんの撮影。
ワク植えの例。左はラズベリー、右はみょうがです。




【本】地価融解(太田康夫 日本経済新聞出版社)
 副題は”不動産ファイナンスの光と影”。1980年代のバブル前夜から現在のサブプライム問題に至る不動産にまつわるお金の話がわかりやすく解説されています。
【家庭菜園】わく植え
 ミントやラズベリー、みょうがなど、地下茎を広げる繁殖力の強いものは露地植えにするとどんどん広がるので、仕切り板や穴のあいたバケツ等で地中を囲います。これを”わく植え”と言います。


 唐突ですが、家庭菜園の手法として”わく植え”というのがあります。普通、菜園にできる面積というのは決まっているので、ひとつの植物があまり際限なく広がっていくのは困りもの。特に地下茎で広がるものは芽が出るまでわからないので、わく植えなどで”範囲を限定=広がりを遮断”というコントロールをする必要があります。

 お金に関しても同じで、”儲かれば何でもあり”と言うわけではなく、リスクを合わせてコントロールする必要があります。バブルがなぜ起こったかというと、当時の日本経済は構造的に銀行にリスクが集中するという問題を抱えていました(*3)。
 で、銀行から不動産融資へのリスクを遮断する手法として使われたのが”証券化”。簡単に言うと、資産から上がる収入を金利に見たてて、小口に別けた”証券”にして売ること。不動産の場合、家賃などの収入などを裏づけとして証券化で行ったものが”REIT(リート 不動産投資信託)”です。買う側から見ると、高い利回りがあるし、売る側から見ると、リスクを自分で抱えるわけではないので安心できるわけです。ただし、”ちゃんと運用されている限りは”という前提条件が付きます。

 サププライム問題の諸悪の根源のような言われ方をしていますが、手法自体には経済合理性があるので間違ってはいないと思います。では何がいけないかというと運用面で”なにが混ざっているかわからない”状態のものを売ったり買ったりし始めたこと。
 サブプライムのように回収が怪しい層の債権を組み込んだり、そんなものが入っているかどうかもわからないのに、格付けが高いからといって売買したこと。毒入り餃子事件と比較するのわかりますが、ごくごく一部の製品に毒が入っているだけなのに、全部の製品が一斉に売れなくなります。
 
 さらに、CDS(*4)のようにリスクがさらに移転させるなど、はっきり言ってどこにどれだけのリスクがあるかわからなくなっていることが、問題を深刻化させています。
 金融機関にとって一番問題なのは、信用が毀損すること。豊川信用金庫事件(*5)のように何気ない女子高生の冗談が取り付け騒ぎに発展するように、何の問題もなくても取り付け騒ぎに発展する例もあります。
 ましてや、本当に問題が起こっていても損失がどれぐらいあるかわからない状態というのは、つまり疑心暗鬼を拡大させていきます。バブルの時に、発表のたびに不良資産額が拡大していって、だれも発表された金額を信じなくなったようなものです。
 
 あまつさえ、本来は銀行からのリスクを遮断するために証券化された商品を銀行が買っていたりと、わけのわからない状態も発生しているようです。

 投資信託の窓口販売で一番重視されているのは、”コンプライアンスチェック(法令遵守)”。ぶっちゃけ言うと、”理解できない人に投信を売ってはいけない”ということ。銀行ではコンプライアンスチェックシートというのがあって、"内容をちゃんと理解しました”という書類にサインしないと投資信託を買うことはできません(*6)。金融機関は”運用のプロ”ということで、内容を理解しているという扱いをされていますが、現実を見るとプロの目をもってしても、なかなか難しいようです。

 この本を読んで思ったのは、外から見てうまくいっている時にすでに滅びの遺伝子が組み込まれているということ。表題の”アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ”は太宰治の”右大臣実朝(*7)”から。源実朝が平家の物語を聞いての一言です。

 株や投信で損をされている方にはなんの役にも立ちませんが、最後にささやかな応援ということで全文を・・・

 アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ。
 人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ。



《脚注》
(*1)仕事がら、金融関係の本は良く読みますが
 一応、銀行、信用金庫向けシステムの拡販なんぞをやってます。以前、投信窓販(*2)の支援システムも扱っていましたが、自分で投信を買った事ありません(お金ないから)。
(*2)投信窓販
 1998年から銀行窓口で投資信託の販売が解禁されました。顧客にとっては定期預金等に比べて高い利回り(うまくいけばですが)、銀行にとっては手数料収入とリスク分離の観点から拡大していきましたが、一般の銀行商品と違って元本保証はしていないので、損をすることもあります。
(*3)構造的に銀行にリスクが集中~
 ノンバンクや住専を通した迂回融資を含め、不動産業者への資金の出し手は銀行に限られていました。
(*4)CDS
 クレジット・デフォルト・スワップ (Credit default swap) の略。AさんはBさんから保証料を貰う代わりに、Bさんがお金を貸しているCさんからお金を返してもらえなかった場合にBさんの損失を補償するというもの。何もまければAさんは丸儲け、Bさんはリスクを回避できますが、Cさんかお金を返せなくなると、Aさんはとんでもないお金を負担することになります。
(*5)豊川信用金庫事件
 1973年に豊川信用金庫に就職が決まった女子高校生に友人が冗談で「信用金庫は危ないよ(強盗に襲われてあぶない)」とからかったことから、取り付け騒ぎが発生した、銀行員にとっては悪夢のような事件。デマがパニックに発展する過程が解明された珍しい事例としても有名。(詳細はWikipediaをご参照
(*6)"内容をちゃんと理解しました”という書類に~
 以前、奥様が投信を買いたいというので、銀行に付き合ったことがあります。どう見ても理解していると思えないのにサインしようとしたので、さすがに止めて私がサインしました。
(*7)右大臣実朝
 鎌倉幕府の第三代征夷大将軍”源実朝”をモデルにした太宰治の小説。

つまりはよき本読みとなれ(書店はタイムマシーン/どくだみ)

 ども、中年ビブリオマニア(愛書狂)、たいちろ~です。
 単身赴任でヒマをもてあましておりまして、相変わらずの読書三昧です(*1)。大体年間で図書館から借りる本が100~150冊、買っている本(*2)がその2~3倍ぐらいはあります。毎週、近所のB○○K○FFをこらしめに行くんですが、ついついこらしめられてしまうんですね(*3)。
 で、今回のお題は”本の置き場所”であります。

0052_2
写真はたいちろ~さんの撮影。
近所に咲いていたドクダミ




【本】書店はタイムマシーン(桜庭一樹 東京創元社)
 副題は”桜庭一樹読書日記”。2007年3月から2008年2月と、桜庭一樹が”赤朽葉家の伝説”で直木賞候補、”私の男”で直木賞を受賞したころに読んだ本を日記形式で書いた本。読書傾向が違うのかあまりかぶった本はありませんでしたが、面白いです。
【花】ドクダミ
 湿った半日陰地に自生する宿根草。花に見える白と黄色の部分は一見可憐ですが、特有のにおいがあります。乾燥させたものは十薬(じゅうやく)という生薬名で、煎液には利尿作用、動脈硬化の予防作用などがあるそうです。ベトナム料理ではザウザプカーという香草になります。(詳しくは”どくだみパラダイス”をご参照ください)


 桜庭一樹の”書店はタイムマシーン”という本を読みました。この人は年間400冊の本を読むそうです。知人との会話で、年間に読む本の数で私以上だった人は十指に満たないぐらいですが、それでも桜庭一樹はダントツに多いです。
 で、問題になるのは”本の置き場所”。桜庭一樹がちょうど直木賞をとった直後だったと思いますが”情熱大陸”のインタビューではこぎれいにしたテーブルを映していました。でも、実態は”魔窟の女”だそうです。
 部屋に本棚を置くと圧迫感があるので廊下において、カニ歩きで入っているとの事。巻末の座談会でも
  二度と読まないであろう本は処分しているんですけど
  さすがに限界なので広い部屋に引っ越そうと考えています。
と言っています。

 本読みにとっては笑えん話というか、切実な問題なんですね~
 お金さえあれば、書斎用にマンションを借りたいというのは本読みにとっての夢であります
 かく言う私も、結婚した時に2階に置いてあった本を処分したところ、1階の部屋の両親から”障子が開きやすくなった(*4)”と言われました。

 本がやっかいなのは、いつの間にか増殖していること
 植物にたとえると”ドクダミ”のようなものです。ドクダミは匂いがきついことを除けば花はきれいですし、生薬になるなど有益なんですが、意図せずに生えるとこんなやっかいな雑草はありません。強靭な生命力で、ちょっとでも根が残っているとあっというまに庭じゅう増殖します。

 本も同じで、有益なんですが、意図せずに増えていくんですね~~~
 ましてや、”ブログで使うかもしれない”とか思うと処分もできなくなりますし。でも、結局こらしめられてしまうんですね、これが。

 文末ですが、本書の中で紹介されている、祖父と少年が本を買うのを見たときのエピソード。(本書より)

  君、なに何読んでいるの、なに何読んでいるの、
  と後ろから覗きもうとするが、ついに書名がわからなかった。
  わからないが、君よ、若い人よ、
  愉快で偏狭で頑固でおっちょこちょいな、
  つまりはよき本読みとなれ、
  と後ろから無言で、フンフン、フンフンと祝福する。


 さて、ブログも書き終わったことだし、B○○K○FFでもこらしめに行きましょうか!


《脚注》
(*1)単身赴任でヒマをもてあましておりまして~
 ”だったら、浮気でもすればいいじゃん!”というご意見もあろうかと存じますが、そんな金も度胸もありません。第一、お金があれば、ブログなんか書かずに遊びに行ってますって・・・
(*2)買っている本
 基本的には図書館で借りられる本は図書館で借りますので、勢い買うのはコミックということになります。ちなみに借りている分の本代を計算したところ、住民税をはるかに超える金額になりました。
(*3)こらしめに行くんですが
 ”一緒に遭難したい人(西村しのぶ 主婦と生活社)”より。
 「こらしめる」とは、商品を徹底的に見るだけ見て買わないこと。意に反して買っちゃった場合「こらしめられてしまったわね」とうそぶくことになります。
(*4)障子が開きやすくなった
 つまり家の梁(はり 横木のこと)が歪むほど本があったということです。

雨ニモマケズ、風邪ニモマケズ(宮沢賢治詩集/日々草)

 ども、”俺、体弱いねん(*1)”のたいちろ~です。
 2~3週間前から風邪をひいていて直りません。この時節、会社を休んだりしたら何を言われたもんかわかったものではありませんので(*2)、無理して出社していますが・・・ 
 今回のお題は”インフルエンザ予防してる?”ですが、一応マスクをしています。もっとも、予防というより人に風邪をうつさないためですね。


0067_40068_3写真はたいちろ~さんの撮影。
左は近所の園芸店の日々草
右はそのポップ広告



【本】宮沢賢治詩集(新潮文庫)
 岩手県出身の宮沢賢治(詩人・童話作家・農業指導家)の詩集。”春と修羅”等を収録。”雨ニモマケズ”は何かの詩集に収録されているのかと思っていましたが、没後に発見された遺作のメモなのだそうです。
【花】日々草(にちにちそう)
 マダガスカルが原産の一年草。抗がん剤の原料だそうですが、脱毛などの副作用があり、素人が扱うのは危険とのこと。花言葉は”友情、楽しい思い出”など。


 近所の園芸店で”日々草”が売っていました。
 ポップ広告がこれ。

  雨ニモマケズ夏ニモマケズ
   病気ニモマケヌ丈夫ナ
  日々草ヲワタシハ植エタイ


 オリジナルの宮沢賢治は

  雨ニモマケズ 風ニモマケズ
  雪ニモ夏ノ暑ニモマケヌ
  丈夫ナカラダヲモチ
  欲ハナク
   (中略)
  サウイフモノニ
  ワタシハナリタイ

 今回は、”風邪”と”風”をかけたネタです。
 ただ、それだけです。
 申し訳ない。


《脚注》
(*1)俺、体弱いねん
 今の若い人にはピンと来ないかもしれませんが、紳助・竜介の島田紳助のネタ。昔はつなぎにリーゼント姿で「ツッパリ漫才」をやってました。
 動画ではこのネタは出ませんが、今観てもおもしろいです!
(*2)会社を休んだりしたら~
 近所の私立洗足学園で女子高生がインフルエンザを発病しました(2009年5月20日)。今、インフルエンザにかかったといえば”女子高生と濃厚接触者した”と言われかねません・・・

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