« 昔、冒険に憧れたおぢさんたちに・・・(カールじいさんの空飛ぶ家/ゴムの木) | トップページ | 運命の扉を開くのは”歓喜の歌”かな?(ベートーヴェン 交響曲第九番「合唱」/合歓の木) »

木星は太陽にならなさそうだけど、素晴らしい事が起こる年でありますように(2010年/ゴクラクチョウカ)

 ども、今年ももうすぐ終わりでそわそわしているたいちろ~です。
 今年は娘が大学入試だったり、会社では組織変更でほとんど総務課長状態だったりと、公私にわたってどたばたしていた2009年でしたが、それももうすぐ終わりです。
 いろんな意味で”Change”の年でしたが、2010年も良い年であればいいな~~と思いつつ、今回は映画”2010年”のご紹介であります。

0242


写真はたいちろ~さんの撮影
北海道大学植物園のゴクラクチョウカ(極楽鳥花)です




【DVD】2010年(主演 ロイ・シャイダー ワーナー・ホーム・ビデオ)
 2001年、木星軌道上のモノリスを調査に向かったディスカバリー号は謎の事故を起こした。そして2010年、米ソが一触即発の戦争の危機の中、ソビエトの宇宙船レオーノフ号に乗り、フロイド博士は調査に向かう。
 アーサー・C・クラーク原作の不朽の名画”2001年宇宙の旅”の続編
【花】ゴクラクチョウカ
 ”極楽鳥”の名を持つ南アフリカの花。花言葉は”万能”。
 長い首、燃えるようなオレンジの羽、フェニックスといえば、こんなイメージでしょうか。このような美しい花を生み出した進化の妙技には感嘆の念に耐えません。

 遥か昔、人類の進化を促した謎の物体”モノリス”。そして、2001年、このモノリスの謎を調査するため、宇宙船ディスカバリー号は木星へ向かう。しかし、船長のデビッド・ボーマンは行方不明、コンピュータ”HAL9000(*1)”は謎の反乱を起こし、調査計画は失敗する。
 ”2001年宇宙の旅”のあらすじですが、木星軌道上に漂流中のディスカバリー号の調査を推進するところから、”2010年”は始まります。

 調査に向かうソビエトの宇宙船に乗るのが、ディスカバリー計画の責任者だったフロイド博士、ディスカバリー号の設計担当者カーノウ博士、HAL9000を設計したチャンドラー博士の3人。
 チャンドラー博士がコンピュータ”SAL9000(*1)”とHAL9000の修復計画を話し合うときにつけた名前が”フェニックス”です。”フェニックス”意味を聞かれたSAL9000の答えが”アキレスの家庭教師?”なんて会話をしているのもおしゃれですが、HALの修復にあたって、SALに協力を要請する時の会話がまた知的です。

 SAL9000 :一つ質問を
 チャンドラー博士:いいとも
 SAL9000 :私は夢を?
 チャンドラー博士:見るとも。知的生物は皆 夢を見る

 宇宙ではアメリカとソ連が協力して調査を進めていますが、地球上では戦争直前まで危機がたかまっていることが背景になっています。
 ”2010年”が公開されたのは1984年のことで、米ソ冷戦の真っ只中(*2)。ベルリンの壁の崩壊、ソビエト連邦の解体、宇宙では米ソ協力の宇宙開発(*3)と、現在から見ればこっけいな設定と思われるかもしれませんが、当時としては、それなりにリアリティのあるものでした。

 ”モノリス”により木星が太陽化され、エウロパ(*4)に生命が満ち溢れるシーンで終わるんですが、それにいたるシーンがまた寓意的。
 危険がせまっているので、木星から2日以内に退去するよう警告にきたボーマン船長とフロイド博士との会話。

 ボーマン船長:あることが起こる、立ち去れ
 フロイド博士:何が? 何が起こる
 ボーマン船長:Something Wonderful(すばらしいことだ)

 そして、アメリカとソ連が協力して、木星を脱出するんですが、その時に地球に送られたボーマン船長からのメッセージかこれです。

  ALL THESE WORLDS ARE YOURS
  EXPECT EUROPA
  ATTEMPT NO LANDING THERE
  USE THEM TOGETHER
  USE THEM IN PEACE

  これらの正解はすべてあなた方のもの
  ただしエウロパは除く
  エウロパへの着陸を試みてはならない
  すべての世界を皆で利用するのだ
  平和のうちに利用するのだ

 今から思うに、アーサー・C・クラークを始め、世界が平和であることを夢見た人達はこの映画を作らせたんではないかと考えてしまいます。
 84年から四半世紀、この映画が望んだような世界が実現したとは必ずしもいえませんが、夢見ることこそ、前進の原動力なのかもしれません。

 それでは、皆さん、よい夢を見られんことを。
 そしてよいお年を!

《脚注》
(*1)HAL9000、SAL9000
 ”HAL9000”は知性を備えたコンピュータ。SAL9000はその姉妹機。
原作では”Heuristically programmed ALgorithmic computer(発見的プログラミングをされたアルゴリズム的コンピュータ)”の略になっていますが、IBMを1文字ずつ前にずらしたという冗談のほうが好感が持てます。
 コンピュータに関わるものにとっては、理想でありかつ悪夢でもある存在。
(*2)米ソ冷戦の真っ只中
 1980年のモスクワオリンピックの西側諸国のボイコット、84年のロサンゼルスオリンピックの東側諸国のボイコット、イラン・イラク戦争の軍事介入などがあった時代でした。
(*3)宇宙では米ソ協力の宇宙開発
 2009年12月23日、野口聡一さんら日米ロ3カ国の飛行士が搭乗するロシア宇宙船”ソユーズ”が国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングしました。
 今の若い人にはピンとこないかもしれませんが、84年当時であれば考えられないことです。
(*4)エウロパ(Europa)
 木星の第2衛星。氷の存在が確認されており、生命も存在しているのではないかと考えられているファンタスティックな天体。発見者は、天動説を唱えたガリレオ・ガリレイ。

 奥様ブログ 「フラワークラフト作家”Ann”のひとりごと」はこちら

« 昔、冒険に憧れたおぢさんたちに・・・(カールじいさんの空飛ぶ家/ゴムの木) | トップページ | 運命の扉を開くのは”歓喜の歌”かな?(ベートーヴェン 交響曲第九番「合唱」/合歓の木) »

映画・テレビ」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/528774/47150671

この記事へのトラックバック一覧です: 木星は太陽にならなさそうだけど、素晴らしい事が起こる年でありますように(2010年/ゴクラクチョウカ):

« 昔、冒険に憧れたおぢさんたちに・・・(カールじいさんの空飛ぶ家/ゴムの木) | トップページ | 運命の扉を開くのは”歓喜の歌”かな?(ベートーヴェン 交響曲第九番「合唱」/合歓の木) »

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

無料ブログはココログ