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モザイクの向こう側(プロジェクトX/アダルトビデオ30年史/新子安のきしや)

 ども、風俗にはとんと縁のない人生のたいちろ~です(*1)。
 前回、中国史のブログを書いたので(*2)、今回は現代史のお話であります。

  ”科学技術を発達させるのは戦争とエロだ!

 という意見がありますが、私もそう思います。破壊と創造、エロスとタナトス、方向は反対ですが、人間本来の本能に根ざした行動ではあります。
 ということで今回は歴史を造った人たちの物語、”プロジェクトX”、”アダルトビデオ30年史”の豪華2本立てであります。

0309
写真はたいちろ~さんの撮影。
”きしや”ですが、お休みでした。






【VHS】プロジェクトX(NHKエンタープライズ)
【本】プロジェクトX(日本放送出版協会)
 無名の人々が直面する開発プロジェクトの苦悩と成功を扱ったNHKのドキュメンタリー番組及びその書籍化。全国のおと~さんが涙した名作です。
 今回とりあげる話題は”窓際族が世界規格を作った/VHS・執念の逆転劇”書籍版は第一巻に収録(*3)。
【DVD】アダルトビデオ30年史(ビデオバンク)
 アダルトビデオの創成期から現在に至る作品の中から選ばれた女優さんの総集編的な作品。言うまでもありませんが18禁です。
【旅行】新子安のきしや
 私も呑んだことがありますがふつ~の居酒屋さんです。
 この店が有名なのはビクターのVHS開発者たちが頻繁に利用したこと。”プロジェクトX”や”出没!アド街ック天国(*4)”でも紹介されました。

 私の記憶が正しければ、VHSが比較的気軽に買える価格になったのは1980年代の前半ぐらいだったと思います。レンタルビデオ屋がそこここにできたのもこのころ。VHSによってもたらされたのは”時間の変革”。映画館に行かないと見ることのできない映画がレンタルすれば格安で自宅で見られる、家にいなくても後からTV番組が見れる・・・
 今なら当たり前のことかもしれませんが、当時としては大きなライフスタイルの変化でした。で、この潮流を作り出したのが、日本ビクターの男たち。業務用ビデオメーカとしては弱小であり(失礼!)、その中でも存続すら危ぶまれていたVTR事業部を率いていたのがのちに”出るミスターVHS”と呼ばれた高野鎭雄。上記の”きしや”というのは、高野がVHSの未来を熱く語り、部品業者の社長たちに応援を要請した店です。どこにでもある普通の居酒屋。でも、どんな所にも歴史ってあるんですよね

 で、この後、ソニーのベータマックス(*5)との熾烈な規格戦争を勝ち抜くわけですが、この勝敗の大きな鍵を握ったのがアダルトビデオだったりなんかします。VHSとベータマックスの両方を持ってた友人に言わせると、画像等の性能ではベータマックスの方が上だったそうですし、企業規模、先行者メリット、ブランドイメージともソニーが上。
 にもかかわらず、VHSが勝利したのは、アダルトビデオの大半がVHSリリースされるようになったから(*6)。
 まさか、雌雄を決した原因はエロエロになろうとは、技術者たちは考えもしなかったでしょうねぇ

 ”アダルトビデオ30年史”に登場するのは桜樹ルイ、冴島奈緒、村上麗奈、夕樹舞子、後藤えり子、星野ひかる、白石ひとみ、菊池えり、金沢文子 などなど。キラ星のようなAV女優さんたちが登場します。

 うぁ~、何もかもみな懐かしい・・・

 お世話になった(何が?)女優さんたちの映像、よく残ってましたね!
 美少女シリーズの”処女宮”なんか、今だったら”萌え~~~”って言われるんでしょうね。お嬢さんたちの眉毛がすごく太かったり、男優さんがブリーフだったり、モザイク(*7)が異様に大きかったりしているのも歴史を感じます。
 モザイク越しに見えるナニのアップが実は明太子だったりのネタばらしもご愛嬌!

 この、”アダルトビデオ30年史”という作品、本来のアダルトビデオの目的(どんな目的だ!)から言うと、完全な失敗作。なぜなら、エッチな気分にならないんですね。若かったころ、ドキドキしながら見ていた嬉し恥ずかしの記憶が甦って、思わず見入ってしまいます。
 ”そんなことないやろ?”と思われる女性の方もいらっしゃるでしょうが、目の前に20年前の”CanCan”や”セブンティーン”を出されてみなさい。ファッションセンスがどうのという前にうぎゃ~~となります。

 この作品の意義は、アダルトビデオという業界の歴史を振り返って、そこに登場した女優さんのきらめき、エロを追及した監督さんたちの足跡をたどることで、現在のアダルトDVDの興隆の礎になった人たちを振り返ることにあると思います。

 中小企業の多い業界ですし(*8)、大宅壮一文庫や米沢嘉博記念図書館(*9)みたいなのが出来ると思えないので、こういったコンテンツはぜひ続きを出していただきたいものです。

 おぢさん世代にはお勧めの作品ですが、中高生にはNG。だって18禁ですから!

《脚注》
(*1)風俗にはとんと縁のない人生~
 これをいうと皆さん意外と思われるそうですが、ソープランドはおろかストリップすら行った事がありません。別に品行方正とか男のほうが好きなわけではなく、単なる貧乏なだけです。
(*2)中国史のブログを書いたので
 田中 芳樹の”蘭陵王”のことです。内容はこちらからどうぞ
(*3)書籍版は第一巻に収録
 このエピソードはVHS版のみに収録されていて、DVD版はないようです。
 まあ、気持ちはわからなくもないですが、DVDにも収録して欲しかったです。
(*4)出没!アド街ック天国
 テレビ東京で放映されている地域密着系都市型エンターテイメントバラエティ番組。面白い番組なんですが、放送されてない地域が多いのが残念。
(*5)ソニーのベータマックス
 ソニーが開発した規格。販売開始は1975年で、家庭用VTR市場を開拓した先駆者でもあります。おぢさん世代には当たり前の知識ですが、若い人には説明しないとわかんないだろうな~。
 ちなみにVHSの販売開始は1976年です。
(*6)アダルトビデオの大半が~
 当時のAVメーカーの大多数は小規模であり、両規格をリリースする体力がなかったため、1980年代前半からVHSがリードしていたという事情と機材が安価に調達できる環境が整っていったことから、AVのほとんどをVHSのみで供給した。結果、AVを見たいユーザーはVHSへ流れ、元々優位だったVHSがさらに優位に立ち、ビデオ戦争は事実上終結した(Wikipediaより抜粋)。
(*7)モザイク
 余談ですが、映像にモザイクをかける技術というのはNECの発明なんだそうです。
 何をすんねや、NEC!
(*8)中小企業の多い業界ですし
 業界大手のソフトオンデマンドでさえ、年商は150億円程度。これは”千と千尋の神隠し”1本のビデオ推定販売額の6割程度にすぎません。
(*9)大宅壮一文庫や米沢嘉博記念図書館
 大宅壮一文庫はジャーナリスト大宅壮一の雑誌のコレクションを基礎として作られた私立図書館。
 米沢嘉博記念図書館は、コミックマーケットの創設者であり評論家である米沢嘉博のマンガ・同人誌コレクションをもとに、明治大学に開設された図書館。
 サブカルチャー、社会史を残すには貴重なアーカイブです。

 奥様ブログ 「フラワークラフト作家”Ann”のひとりごと」はこちら

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もう見ました、面白いですね

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