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名前で人を判断してはいけない・・・(まほろ駅前多田便利軒/りんご)

 ども、ビューティフル・ネーム(*1)を持つブロガー者、たいちろ~です。
 先日、三浦しをんの”まほろ駅前多田便利軒”を読みました。実は何の根拠もなく、三浦しをんって、キリスト教系の小説を書く人だと思ってました。だって、名前のシオン(*2)って、エルサレムにあるユダヤ教、イスラム教の聖地”神の神殿”の別名だし、苗字の三浦も”三浦綾子(*3)”を連想させるし。
 ということで、なかなかに期待を裏切ってくれる本、”まほろ駅前多田便利軒”のご紹介であります。

20090202
写真はたいちろ~さんの撮影。
近所のスーパーに売っていたリンゴです。






【本】まほろ駅前多田便利軒(三浦しをん 文藝春秋)
 多田啓介はまほろ駅前で”多田便利軒”というラーメン屋もとい、便利屋を営んでいる三十半ばの男。ふとしたきっかけで高校時代の同級生、行天春彦と生活をともにすることになり・・・
 2006年に、直木賞を受賞しました。
【花】りんご
 バラ科リンゴ属の落葉高木樹。原産地は中央アジアの山岳地帯。
 リンゴといえば、旧約聖書のアダムとイヴが食べた果実を思い出しますが、旧約聖書の舞台となった当時のメソポタミア地方にはリンゴは分布していなくて、食用に適さなかったので、この話は後に創作された俗説とのこと(Wikipediaより)。今さらそんなこと言われてもねぇ・・・

 さて、この”まほろ駅前多田便利軒”という作品、確かに面白いんですが、なんで面白いのか説明に困ってしまうシロモノです。

表紙がなぜリンゴなんだ?(*4)〕
 表紙の写真はリンゴのヘタのところにタバコを立てているものです(下の写真をご参照ください)。主人公の二人がヘビースモーカーなのでタバコはわかるんですが、なぜリンゴなんだ? 小説の中になんのエピソードもないのに?
 でも、なんとなくイメージに合ってるのが不思議。

友情の物語でもなければ、ボーイズラヴでもない
 多田と行天は高校の同級生という間柄ですが、高校時代はちょ~無口だった行天と、行天にケガをさせたというトラウマを抱える多田の間に友情らしきものがあるのか不明。
 かといって、ボーイズラヴするのは二人ともおっさんすぎるし。
 単行本のイラストを担当されている下村富美の絵はちょっと耽美っぽいですが、本文中の二人に怪しげな雰囲気は皆無です。コミック化した山田ユギのイラスト(*5)だけ見ると、相当怪しげですが・・・

推理小説でもなければ、ハードボイルドでもない
 いろいろ事件があって解決するんですが、そんなに深い推理をやってるわけでもないし。あえて言うなら、探偵役は行天のほう。といっても多田がワトソンってわけでもないし。行天はケンカとかナイフで刺されたりとかハードボイルドな展開もありますが、健康サンダルにハイビスカス柄のアロハに竜の刺繍のジャンバーにとハードボイルドとはかけ離れたファッションセンスだし。
 でも、あえてジャンル別けするならこのあたりしかなさそうだし・・・

屈折しているくせに、以外と素直
 妻の不倫と子供を病気で死なせた末に離婚した多田と、偽装結婚で一回もエッチしていないのに実の子供がいる行天と二人とも屈折した人生を送っています。でも想いはけっこうストレート。本書の締めくくりはこんな言葉。

  今度こそ多田は、はっきりと言うことができる。
  幸福は再生する、と。
  形を変え、さまざまな姿で、
  それを求めるひとたちのところへ何度でも、そっと訪れてくるのだ。

 ま、読後感で言うなら、フリーターが希望と共に語られた時代(*6)の若者たちのその後を描いた青春小説といったところでしょうか。
 直木賞を受賞した小説ですが、”何で?”と思うのと”なるほど!”と思うのとないまぜになった不思議な小説です。

《脚注》
(*1)ビューティフル・ネーム
 1979年にゴダイゴがリリースした歌。”国際児童年”の協賛歌だったそうです。
  Evrey child bas a beautiful name, A beautiful name,butiful name
  呼びかけよう名前を、すばらしい名前を
 歌うと、結構元気の出る曲。最近ではつるの剛士によってカバーされました(”つるのおと”に収録)
(*2) シオン
 英語で書くと”Zion(ザイオン)”。ちなみにガンダムに出てくるのは”Zeon(ジオン)”、インテルのCPUは”Xeon(ジーオン)”です。お間違えのないように
(*3)三浦綾子
 クリスチャンの信仰に根ざした小説を書いておられる小説家。2006年に石原さとみ主演で放映された”氷点”の作者です。
 この人の作品は読んだことありませんが、昭和のおぢさんにとっては遠藤周作と並んでキリスト教系の作家として有名な人でした。
(*4)表紙がなぜリンゴなんだ?
 単行本版の表紙です。文庫版はタバコがたくさん立っている写真です。
(*5)コミック化した山田ユギのイラスト
 ポプラ社の雑誌”ピアニッシモ”に連載中。本書は読んでないので、雑誌の表紙を見た感想です。
 でも、ポプラ社って、”かいけつゾロリ”とか児童書専門の出版社じゃなかったっけ? いつの間に?!
(*6)フリーターが希望と共に語られた時代
 今でこそ、生活不安定な非正規雇用労働者の代名詞のような扱いですが、元々はミュージシャンなどを目指す若者が、時間を拘束される正社員ではなくアルバイトなどで生活することをさした言葉。逆に言うと、そんな生活が許容できるほど社会が豊かだったということです。
 出典はリクルート社のアルバイト情報雑誌”フロムエー”から。バブル期である1987年のことです。
 ちなみに、多田、行天とも元々はちゃんとしたサラリーマンでした。

 奥様ブログ 「フラワークラフト作家”Ann”のひとりごと」はこちら

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