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介護としてのロボットの未来(旅立つ船/ニワトコ)

 ども、カゼで4日間寝たきり状態だったたいちろ~です。
 単身赴任者にとってやはりつらいのが病気をすること。寮におじさんとおばさんがいるので、”困ったら言って下さい”とは言ってもらっていますが、なんでもかんでもお願いするワケにもいかないし。
 こんな時にメイドさん、もとい、お世話をしてくれるロボットなんかがいればいいな~と思ってしまいます。
 ということで、今回のお題は”介護とロボット”であります。

Photo
写真は”蓼科山麓阿呆陀羅日乗”のホームページより。
ニワトコの実の写真です。
”蓼科山麓阿呆陀羅日乗”は蓼科付近の写真がいっぱい載っていて素敵なホームページです。こんなとこ住みたいな~



【本】旅立つ船(アン・マキャフリー&ラッキー 創元SF文庫)
 7歳の女の子、ティアを襲った全身麻痺の難病から救う方法、それは”殻人(シェルパーソン)(*1)”として宇宙船に生まれ変わることだった・・・
 マキャフリーの名作”歌う船”の第二作目”歌う船”のブログはこちらから
【花】ニワトコ
 漢字で書くと”接骨木”。難読漢字なんでしょうね、きっと。
 昔は接骨の治療に”ニワトコの枝を黒焼きにして、うどん粉と食酢を入れて、練ったものを患部に厚く塗って、副木(そえぎ)をあてて押さえておく”というのがあったそうです。(e-yakusou.comより)

 これでも、元山岳系のクラブにいたので、骨折した時の対処というのも練習します。骨折部分を木の枝など硬いもので固定し、担ぐか担架で山を下ろすというのが基本。さすがにニワトコの木を探すまではしませんが。
 で、”この副木に関節とモーターを着ければ、骨折していても自分で歩けるのではないか”という発想が出てくるわけで、外骨格型のロボットというかサイボーグの原型(*2)になります。

 一言で介護のロボットとまとめていますが、正確には”介護するロボット”と”介護される人を支援するアシスト機構”に分かれます。上記の副木の例は後者の例ですし、今回ご紹介している”旅立つ船”の主人公のティアが使っている可動椅子(モトチェア)も後者の延長にあります。スペックとしては以下のとおり。

  制御方法:舌あるいは目の動きで制御するスイッチ。
       コマンドを出す時には”椅子”または”腕”と言う必要がある
  駆動部分:コマンドにより、視線の方向への前進
       事前にプログラミングで指定した動きを行う腕

 小説では、これが技術の限界とのこと。現実には筋電位や神経電位を測定することでもう少し進んでいるようですが、素人目にはどうも可動させることよりマン・マシンインタフェースの確立のほうが難しいように思われます。

 実際に介護をしたわけではありませんが、寝たきりの人を抱えてのベッドの移動とか、お風呂に入れたりするのは結構力仕事のようで、こちらの方向でも開発が進んでいるようです。筑波大学システム情報工学研究科の山海研究室で開発しているロボットスーツHAL(Hybrid Assistive Limb)なんかを見ているとかなり実現化が進んでいるようですし。技術的には介護をするのも、要介護者をアシストするのも同じようなものみたいです。

 ネタバレになりますが、”旅立つ船”の最終章では”殻人(シェルパーソン)”であるティナが遠隔操作する人間タイプのロボットが登場します。これは自分のためというより(*3)、相棒であるアレクサンダーのため。
 遠隔操作できる距離に制限はありますが、練習すれば人間のような動き、皮膚から完璧な入力ができる、どんなタイプでもお好みのままという優れもの。同じぐらいの女性より体重が”数キロ重たいぐらい”ってわざわざ説明するとこなんか、やっぱり女の子だな~ 面白いのが、下記のティナのセリフ

  ティナ:頭脳船の契約を清算するくらいの莫大な費用がかかるから、
      マーケットがないからって

       (中略)
  ティナ:私の計画が外にも伝わって、マーケットができたの!
      契約を清算できるのに、今の仕事に満足して
      解約しない殻人がどれだけいるか知ってる?

 コンピュータ屋の観点から言いますと、ハード、ソフトとも開発費用や生産設備などに莫大な固定費が必要ですが、物理的なハードの原材料やソフトの媒体費用などの変動費は単位当たりではあまり掛かりません。つまり、マーケットが存在して量産効果が見込めればこの手のものはかなり低価格で消費者に提供できます。
 介護される人用のロボットを個人で利用するなら、現在の年金などの状況を考えると、月額で数万円程度のコストでないと難しいかも(*4)。逆にいうとこのレベルの価格で普及できるなら膨大なマーケットボリュームが見込まれます(*5)。

 まあ、宇宙を飛び回るサイボーグ船というのは実現するまで相当かかりそうですが、介護用ロボットではSFが現実を追い越している部分もあって、古典SFを読んでいるとそういったことを知る楽しみもあります。

 ”旅立つ船”は前作の”歌う船”同様名作ですが、人間としてのティアが登場する分、映像化しやすいかも。ぜひアニメ化して若い人にもファンを広げてほしいものです。

《脚注》
(*1)殻人(シェルパーソン)
 ”歌う船”の世界では脳幹を取り出して金属のカプセルに収納し、シナプス接続して機械をコントロールするという技術が確立しています。これを宇宙船の制御として利用したものが”頭脳船(ブレインシップ)”です。
(*2) 外骨格型のロボットというか~
 皮膚にあたる部分に、重量を支える骨格と筋力を補助するモータなどの装置をつけたもの。SFでは、ロバート・A・ハインラインのSF小説”宇宙の戦士”に登場する”パワード・スーツ”が有名。
 なお、医療・介護分野で使われているものは、パワーアシストスーツと呼称されることもあるのだそうです(Wikipediaより)
(*3)自分のためというより
 前作の”歌う船”の主人公ヘルヴァは生まれてすぐ殻人になりますが、ティナは7歳まで肉体を持っていたので、それなりの想いはもあるのでしょうか。こういった微妙な違いがSFファンにはたまりません。
(*4)月額で数万円程度のコストでないと難しいかも
 月額2~3万円、保守料や消耗品の費用を月額の10%、耐用年数5年、税金などが発生しない前提で計算すると、本体価格を100~150万円程度で販売する必要があります。これは現在日本で販売されている軽自動車の価格帯に匹敵します。
 上記のHALは現実に大和ハウスでリースしてくれるそうですが、価格はわかりませんでした。
(*5)膨大なマーケットボリュームが見込まれます
 2009年度の日本人口の中で65歳以上の人は約2876万人。仮に5%の人がこのシステムを利用すると対象マーケットは約144万人。
 144万という数字は、ベストヒット商品であるトヨタ自動車のプリウスの08年度国内販売台数(約7.3万台)のおむね20倍弱に相当します。
 何気にこういうことを計算してしまうのが企画担当者の度し難いところ。わかっちゃいるんですけどね・・・

 奥様ブログ 「フラワークラフト作家”Ann”のひとりごと」はこちら

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コメント

映画の実写版のG・Iジョーに出てくるパワースーツみたいなのは、どうなんでしょう?ちょっと違うのかな?
メイドロボット、ちょっと前までGyaoで配信していた”イヴの時間”に出てくるようなのなら、ちょっとほしいかも。ロボットの基本原則を守りつつ、おもいっきり自我に目覚めちゃってたりするけど。

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