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実践!無農薬家庭菜園入門(実践!行動ファイナンス入門/虫食い)

 ども、い~かげんに家庭菜園をやってるたいちろ~です。
 仕事柄、経済書も読むんですが、最近はまっているのが”行動ファイナンス”という学問です。一言で言うと”人間は時として非合理的な行動をとる”ことを前提とした経済理論ですが、けっこう面白いんですよ、人間がいかにこりない生き物かということがわかって。
 ということで、今回の本のご紹介はバブルの高い授業料の果てに生まれた入門書”実践!行動ファイナンス入門”であります。

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写真はたいちろ~さんの撮影。
庭のバジルとバッタ(真ん中やや右)。
いっぱい虫に喰われてしまいました。





【本】実践!行動ファイナンス入門(真壁 昭夫 アスキー新書)
 著者は信州大学経済学部ですが、元々は第一勧業銀行、メリルリンチに勤めていた人(*1)。そのせいか、行動ファイアンスの本としては、初心者向けにかなりわかり易い内容になっています。
【家庭菜園】虫食い(虫喰い)
 文字通り虫に食われるものから、病気などまで原因はさまざま。見た目は悪いし、収穫量も減るなどガーデナーを悩ませる虫食いですが、無農薬の証でもあります。最近は野菜も高いので贅沢も言ってられません。

 いちおうこれでも経済学部の出身なんですが、経済学の前提条件は”人は、あらゆる情報を知っていて、合理的な行動をとる”というものです。非合理の極みであるバブルを経験した今なら”嘘やろ~”と思われるでしょうが、当時としてはこれが当たり前だったんですね。そうしないと分析できないから。
 その当時からひねくれいていた私は、”ゲームの理論の金融への応用”(*2)なんてどっちかというと異端の卒論を書いていましたが。

 ”合理的な行動をとる”というのはコンピュータとなじむのか、その後の金融工学に発展するわけですが、その結果が望ましいかどうかは別問題。行き過ぎちゃったのがLTCM(*3)です。でも、ブラックマンデー(*4)で同じような失敗をしているのに、けっこう懲りていないんですよね、これが。

 従来の経済学に対して”人間は非合理的な行動をとる”という、どちらかというと心理学的なアプローチが”行動ファイアンス”になります。

 うちの庭にあるバジルの例をとると、こんな感じです。
①バジルの葉っぱが2枚増える嬉しさより、2枚虫に喰われるほうが悲しみが大きい。
②バジルの葉っぱが20枚の時と40枚の時では、同じ2枚でも虫に喰われた悲しみが異なる。
③家族ありと独り者ではバジルの葉っぱ1枚ごとの満足度が異なる

Photo
 ①というのは価値関数といって、図を見ていただければわかる様に、マイナスとプラスでは満足度の増減が非対称になるという考え方です。株式なんかで”損切りして早くしたほうがいいのになかなかできない”というのがこれで、悲しみが大きいので損切りして手仕舞えないとか。時間がたてば元に戻るとか(マイナスした点からの上昇は喜びが大きい)思って問題を先送りにしちゃったりします。
 ②はリファレンスポイント(参照点)といって、考えの基準になる点のこと。バジルだと大きく育ったあとだと2~3枚ぐらい虫に喰われても鷹揚に構えていられますが、買ってきたすぐの5~6枚しか葉っぱがないときには慌てて虫とりするようなもの。

③はフェア・バリュー(公正価格)といって、”これぐらいの価値があるはず”ぐらいの意味。金融工学なんか、これを算出するための学問のようなものです。
 ただ、これも前提条件によっていろいろで、バジルの例だと、”この日当たりだとこの程度の大きさ”という外的要因もあれば、”家族4人だから20枚程度欲しい”、”独りモンだから10枚もあれば充分”とか、立場での違いもでてきます。

 学問ですので、ちゃんと理論的、統計的な説明はされますが、根本は人の感じ方がどうかといったもの。数理統計学というより、心理歴史学(*5)に近いでしょうかね。

 ”ごちゃごちゃ言ってる前に農薬をまかんかい!”と言われそうですが、これはこれで体に対するリスクがあるので、どっちを選択するかでまた考えどころとなるわけです。
 私の場合は、単身赴任でかつ週に1回もバジルを使う料理をするればいいほうなので、(つまりフェア・バリューが低い)ので、虫に喰われるままにしています。単にめんどくさがりという意見もありますが・・・

 ほとんど理系化していた経済学ですが、文系に揺り戻しがあったようなものです。行動ファイアンスの本が増えてきていますので、ビジネスマンとか株とかを買おうかと思っている人は読んでおいたほうが良いかと思います。

 

《脚注》
(*1)第一勧業銀行、メリルリンチに勤めていた人
 第一勧業銀行はみずほフィナンシャルグループに統合、メリルリンチはバンク・オブ・アメリカに吸収されました。昔の銀行員は”安定した職業”の代表だったんですけどね・・・
(*2)ゲームの理論の金融への応用
 ゲームの理論とは”制約された条件の下で、複数の人々が目的を達成するためにどのように行動するか”を研究する学問です。当時の経済学部ではあんまり話題になりませんでした。元祖はコンピュータの基礎理論を確立したフォン・ノイマン。
 私の卒論のテーマはかっこよく言うと”非規制状態における金利決定メカニズムの分析”ですが、内容はチープ。よくこれで卒業させてくれたものです。
(*3)LTCM
 LTCMはノーベル経済学賞のマイロン・ショールズとロバート・マートンが加わった金融工学のスペシャリスト集団によるヘッジファンド。1998年に破綻。
(*4)ブラックマンデー
 1987年に発生した世界的な株安現象。コンピュータのプログラム売買による連鎖的な売り注文が株価暴落を加速させた理由の1つと言われています。
(*5)心理歴史学
 SF作家アイザック・アシモフの”ファウンデーションシリーズ”に登場する架空の学問。
  ランダムに行動する人間が、社会的、経済的な刺激に対する感情や反応に規則性を見出し、人類全体の行動を予測するというもの。アシモフは気体の分子運動論をヒントに考えたものだそうです。


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