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2009年8月

うなじの色香は清楚な君にこそ似合う(”文学少女”と月花を孕く水妖/ナデシコ)

 ども、女性のしぐさにドキッとしても、そこからの未来が見えないたいちろ~です。
 今回のお題は”ドキッとする異性のしぐさ、表情は?”ですが、髪をかき上げてうなじを見せるしぐさですね。ただし、さらさらのロングヘアに隠れた白いうなじでないといけません。最近はショートヘアか、髪の毛をくくっている女性が多いので、できる人少ないのが残念ですが。
 マニアックなチョイスで申し訳ない。


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写真はたいちろ~さんの撮影。
植木市のナデシコ(トコナツ)。








【本】”文学少女”と月花(げっか)を孕(だ)く水妖(ウインディーネ)
  (作 野村 美月 イラスト 竹岡 美穂 ファミ通文庫)
 「悪い人にさらわれました。着替えと宿題を持って、今すぐ助けに来てください」
 そんな”文学少女”こと遠子先輩に呼ばれて行った先では80年前の殺人に端を発する因縁の事件だった。
 泉鏡花(*1)の”夜叉ヶ池”(*2)をモチーフにしたライトノベル系推理小説。
【花】ナデシコ(撫子)
 万葉集や枕草子などにも出てくる古くから日本でも愛でられていた花。秋の七草の一つでもあります。
 花言葉は”いつも愛して、思慕、純愛”など。というより、キョンキョンのほうが有名かな?(*3)


 実は高校の時に、このうなじの髪のかき上げるしぐさがとっっても色っぽい友人(ただし男)がおりまして、もはや芸の粋(*4)に達しておりました。けっこう女の子からも人気があって、頼まれるとよく披露をしておりました。
 今でこそ、髪の毛があるだけで感謝するおぢさん世代ですが、高校時代は1970年代半ばですから、男もみんなロン毛(*5)。こやつも肩にかかるぐらいのロングで、元々色白だったのでとってもせくすぃ~なポーズでした。あくまで男ですけど・・・

 で、うなじを見せるシーンですが、たまたま読んでいた「”文学少女”と月花を孕く水妖」に登場する大金持ちのお嬢様、姫倉麻貴先輩がこれをやっております。足までとどくロングヘアをかきあげてうなじにあるうろこのような痣を見せるために。遺伝的に現れる一族の証なのだそうですが、物語のキーワードになっています。
 余談ですが、私の首にも小指の先ほどの薄い痣がありますが、娘にも同じようなのがあるので、確かに遺伝するんでしょうね。

 ”文学少女シリーズ”の作者、野村 美月さんはロングヘアーにこだわりがあるのか、主人公の遠子先輩も足までとどく、こちらはツインの三つ編み。

  文学少女ののシンボルの乙女の黒髪が、
  心葉くんの目には、
  白く見えるって言うのね、そうなのね?

 今や絶滅に瀕している三つ編みですが、竹岡 美穂さんの水彩画っぽいイラストではとても美しく描かれています。

 で、作品の中にそっと登場するのが一輪のナデシコ。本書の中でなにも説明がないのでなぜ出てくるのか不思議でしたが、花言葉の”いつも愛して、思慕”というので納得しました。こういった細やかな配慮というのもいいですね。

  ”文学少女シリーズ”は主人公の遠子先輩が文字通り文学に精通しているだけあって、人間失格(太宰治)、オペラ座の怪人(ガストン・ルルー)、銀河鉄道の夜(宮沢賢治)など古典の名作がモチーフになっています(*6)。
 ジャンルでいうと推理小説になりますが、むしろ古典文学から犯人たちの心のひだを読み解くのがこのシリーズの魅力。あまり本を読まない若い人たちにもお勧めのシリーズです。

 ところで、会社の女性に”うなじを見せて”とか言ったらセクハラになるんでしょうね、きっと・・・

《脚注》
(*1)泉鏡花の”夜叉ヶ池”
 泉鏡花は”高野聖”、”婦系図”などを書いた、明治後期~昭和初期の小説家。ペンネームの”鏡花”は”鏡花水月(鏡に映った花や水に映った月のように、目には見えながら手にとることができないもの)”から。なので小説の表題に”月花”が入ります。
(*2)夜叉ヶ池
 地元の娘・百合と、萩原晃、物の怪の白雪、封じ込められた竜神による悲恋の物語。今、図書館から借りてきて読んでます。
(*3)キョンキョンのほうが有名かな?
 1982年にデビューしたなんてったってアイドル”小泉今日子”のこと。”ヤマトナデシコ七変化”を1984年9月にリリース。私が入社した年です。最近は”グーグーだって猫である”に主演されているので、いかに息の長いアイドルかがわかります。
(*4)芸の粋
 ゲイではありません。念のため。
(*5)男もみんなロン毛
 吉田拓郎が「僕の髪が肩までのびたら結婚しようよ」と歌ったのが1972年のことです。、武田鉄矢が”3年B組金八先生”でロンゲの先生を演じたのが1979年です。
(*6)古典の名作がモチーフになっています
 人間失格は"文学少女と死にたがりの道化(ピエロ)”に出てたので久しぶりに読み返しました。ブログはこちらから


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うちの奥様がね、(刑事コロンボ/蘭)

 ども、”うちの奥様がね、ブログを始めました”のたいちろ~です(*1)。
 そんなことより、今回のお題は”あなたが好きな「名探偵」は誰ですか?”ですが、私のイチオシは中年の星、”刑事コロンボ”であります。


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写真はたいちろ~さんの撮影。
胡蝶蘭(こちょうらん)です。
近所の園芸店にて。








【本】刑事コロンボ(W・リンク、R・レビンソン) 
 ロサンゼルス市警察署(*1)のコロンボ警部を主人公としたアメリカのTVドラマ及び小説。テレビドラマではコロンボ役をピーター・フォークが好演しました。推理モノとしては1970年代を代表する作品のひとつです。
【花】蘭(ラン)
 鑑賞、贈答に用いられるラン科植物。英語名は「Orchid(オーキッド)」。胡蝶蘭やカトレアなどがが有名です。花言葉は”美人、優雅な女性”など。
 前から不思議に思ってたんですが、どうしてスナックの開店祝いというと蘭なんだろう?


 前回、”奥様、ブログを始めました!”のブログを書くときに、”私のブログに時々登場する正体不明の「奥様」”という紹介をしたんですが、このネタモトが”刑事コロンボ”。
 コロンボ警部はロサンゼルス市警察署・殺人課勤務。よれよれのレインコートと安葉巻、ボサボサの髪の毛と斜視が特徴で、一見すると冴えない中年のおっさんですが、これが、超一流の犯人達が実行した完全犯罪をささいなヒントから暴いていくというストーリー。
 で、コロンボ警部の口癖が”うちのカミさんがね、”。ほとんどどうでもよさそうな雑談ですが、その中かからヒントを見つけだすのはさすがにコロンボ警部。うだつのあがらない中年のおっさんだとおもって油断してたら痛い目にあいます。でも、カミさん、一度も画面に出たことないんですね~(*2)、スティーブのようなお方です(*3)。

 ちょうど、ブログネタに読んでいたのが”悪の温室(原題 The Greenhouse Jungle)”。犯人はお金持ちの蘭の収集家です(*4)。蘭を育てるために大金が必要になって犯行を企てるんですが、お金持ち、蘭を”娘たち”と呼ぶ紳士、60歳のナイスミドルとけっこうなセレブルイティです。

 余談ですが、花の趣味ってジャンルによってはお金かかるんですよね~。私のように会社の寮の庭で適当に野菜なんぞ作っている分にはしれていますが、モノによってはとんでもなく高いものもあります。
 私の奥様は、テーブルコーディネータのお手伝いをしていたことがありますが(*5)、花の値段を聞いて”マジですか!”と言ったことがあります。その後、トレンディドラマで独身OLの部屋にとても大きな花をディスプレイしているのがありましたが(*6)、”いったい幾ら給料もらってるん?”とつっこんでしまいました。

 話はもどって、力の抜けたコロンボ警部と、スタイリッシュな犯人の会話がこの作品の魅力。中年のおやじ(*7)をピーター・フォークが好演。それに、日本語吹き替えを担当した小池朝雄(*8)がまたいい。飄々とした語り口がとてもピーター・フォークとあいまってコロンボ警部のキャラクターを魅力的なものにしています。

 40年近く昔の作品ですが、小説は作品によっては現在でも入手可能。無くても図書館とかをさがせばたぶんあると思います。TVシリーズは”完全版 コンプリートDVD-BOX(しかも小池朝雄版)”等がありますので、ぜひご覧ください。推理小説としても、エンタテインネントとしても楽しめる気軽に楽しめる作品です。

《脚注》
(*1)ロサンゼルス市警察署
 三浦和義のロス疑惑事件、マイケル・ジャクソンの死亡事件を担当するなど、日本でも意外とおなじみです。
(*2)一度も画面に出たことないんですね~
 ”ミセス・コロンボ”という作品もありますが、原作者のW・リンク、R・レビンソンによると別物とのこと。
(*3)スティーブのようなお方です
 ”世界の料理ショー”で顔を見せない謎のスタッフ。グラハム・カーの会話の中にしかでてきません。詳しくはこちらのブログからどうぞ。
(*4)犯人はお金持ちの蘭の収集家です
 推理小説で犯人をバラすのは、たこ殴りにされてもしかたのない行為ですが、刑事コロンボは倒叙物というまず犯人が描かれて探偵がいかに犯人と犯行(トリック)を明らかにしていくかを楽しむ形式。”悪の温室”では最初の12ページ目に犯人が出てきます。
(*5)テーブルコーディネータのお手伝い~
 テーブル上に花や食器をディスプレイするお仕事。デパートなどの食器売り場などにあるテーブルセッティングなどをされています。この説明で合ってますか、奥様。
 当時お世話になっていたのは”丸山洋子テーブルクリエーション”を主宰されている食空間プロデューサー、丸山洋子さんです。
(*6)トレンディドラマで~
 今井美樹主演の”あしたがあるから”だったかな~。まじめに見たわけではないのでうろおぼえです。突然フラワーアレンジメント事業の部長に抜擢されたOLのお話。
 1991年とバブル期にTBSで放映されてましたが、それでもそんなに給料高かったのかな?。私が安月給だっただけかもしれませんが。
(*7)中年のおやじ
 中年、中年言ってますが、ピーター・フォークがコロンボを演じ始めたころはまだ40代前半です。
(*8)小池朝雄
 日本の俳優、声優。ピーター・フォークのほかにジーン・ハックマンなども担当されています。1985年に54歳の若さで亡くなられました。
 ちなみに、亡くなられた後のコロンボ役は声が似ているということで石田太郎が担当しましたが、やはりオールドファンには小池朝雄が忘れられません。
 YouTubeより”刑事コロンボ/策謀の結末”。コロンボ警部は5分過ぎに登場。


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実践!無農薬家庭菜園入門(実践!行動ファイナンス入門/虫食い)

 ども、い~かげんに家庭菜園をやってるたいちろ~です。
 仕事柄、経済書も読むんですが、最近はまっているのが”行動ファイナンス”という学問です。一言で言うと”人間は時として非合理的な行動をとる”ことを前提とした経済理論ですが、けっこう面白いんですよ、人間がいかにこりない生き物かということがわかって。
 ということで、今回の本のご紹介はバブルの高い授業料の果てに生まれた入門書”実践!行動ファイナンス入門”であります。

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写真はたいちろ~さんの撮影。
庭のバジルとバッタ(真ん中やや右)。
いっぱい虫に喰われてしまいました。





【本】実践!行動ファイナンス入門(真壁 昭夫 アスキー新書)
 著者は信州大学経済学部ですが、元々は第一勧業銀行、メリルリンチに勤めていた人(*1)。そのせいか、行動ファイアンスの本としては、初心者向けにかなりわかり易い内容になっています。
【家庭菜園】虫食い(虫喰い)
 文字通り虫に食われるものから、病気などまで原因はさまざま。見た目は悪いし、収穫量も減るなどガーデナーを悩ませる虫食いですが、無農薬の証でもあります。最近は野菜も高いので贅沢も言ってられません。

 いちおうこれでも経済学部の出身なんですが、経済学の前提条件は”人は、あらゆる情報を知っていて、合理的な行動をとる”というものです。非合理の極みであるバブルを経験した今なら”嘘やろ~”と思われるでしょうが、当時としてはこれが当たり前だったんですね。そうしないと分析できないから。
 その当時からひねくれいていた私は、”ゲームの理論の金融への応用”(*2)なんてどっちかというと異端の卒論を書いていましたが。

 ”合理的な行動をとる”というのはコンピュータとなじむのか、その後の金融工学に発展するわけですが、その結果が望ましいかどうかは別問題。行き過ぎちゃったのがLTCM(*3)です。でも、ブラックマンデー(*4)で同じような失敗をしているのに、けっこう懲りていないんですよね、これが。

 従来の経済学に対して”人間は非合理的な行動をとる”という、どちらかというと心理学的なアプローチが”行動ファイアンス”になります。

 うちの庭にあるバジルの例をとると、こんな感じです。
①バジルの葉っぱが2枚増える嬉しさより、2枚虫に喰われるほうが悲しみが大きい。
②バジルの葉っぱが20枚の時と40枚の時では、同じ2枚でも虫に喰われた悲しみが異なる。
③家族ありと独り者ではバジルの葉っぱ1枚ごとの満足度が異なる

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 ①というのは価値関数といって、図を見ていただければわかる様に、マイナスとプラスでは満足度の増減が非対称になるという考え方です。株式なんかで”損切りして早くしたほうがいいのになかなかできない”というのがこれで、悲しみが大きいので損切りして手仕舞えないとか。時間がたてば元に戻るとか(マイナスした点からの上昇は喜びが大きい)思って問題を先送りにしちゃったりします。
 ②はリファレンスポイント(参照点)といって、考えの基準になる点のこと。バジルだと大きく育ったあとだと2~3枚ぐらい虫に喰われても鷹揚に構えていられますが、買ってきたすぐの5~6枚しか葉っぱがないときには慌てて虫とりするようなもの。

③はフェア・バリュー(公正価格)といって、”これぐらいの価値があるはず”ぐらいの意味。金融工学なんか、これを算出するための学問のようなものです。
 ただ、これも前提条件によっていろいろで、バジルの例だと、”この日当たりだとこの程度の大きさ”という外的要因もあれば、”家族4人だから20枚程度欲しい”、”独りモンだから10枚もあれば充分”とか、立場での違いもでてきます。

 学問ですので、ちゃんと理論的、統計的な説明はされますが、根本は人の感じ方がどうかといったもの。数理統計学というより、心理歴史学(*5)に近いでしょうかね。

 ”ごちゃごちゃ言ってる前に農薬をまかんかい!”と言われそうですが、これはこれで体に対するリスクがあるので、どっちを選択するかでまた考えどころとなるわけです。
 私の場合は、単身赴任でかつ週に1回もバジルを使う料理をするればいいほうなので、(つまりフェア・バリューが低い)ので、虫に喰われるままにしています。単にめんどくさがりという意見もありますが・・・

 ほとんど理系化していた経済学ですが、文系に揺り戻しがあったようなものです。行動ファイアンスの本が増えてきていますので、ビジネスマンとか株とかを買おうかと思っている人は読んでおいたほうが良いかと思います。

 

《脚注》
(*1)第一勧業銀行、メリルリンチに勤めていた人
 第一勧業銀行はみずほフィナンシャルグループに統合、メリルリンチはバンク・オブ・アメリカに吸収されました。昔の銀行員は”安定した職業”の代表だったんですけどね・・・
(*2)ゲームの理論の金融への応用
 ゲームの理論とは”制約された条件の下で、複数の人々が目的を達成するためにどのように行動するか”を研究する学問です。当時の経済学部ではあんまり話題になりませんでした。元祖はコンピュータの基礎理論を確立したフォン・ノイマン。
 私の卒論のテーマはかっこよく言うと”非規制状態における金利決定メカニズムの分析”ですが、内容はチープ。よくこれで卒業させてくれたものです。
(*3)LTCM
 LTCMはノーベル経済学賞のマイロン・ショールズとロバート・マートンが加わった金融工学のスペシャリスト集団によるヘッジファンド。1998年に破綻。
(*4)ブラックマンデー
 1987年に発生した世界的な株安現象。コンピュータのプログラム売買による連鎖的な売り注文が株価暴落を加速させた理由の1つと言われています。
(*5)心理歴史学
 SF作家アイザック・アシモフの”ファウンデーションシリーズ”に登場する架空の学問。
  ランダムに行動する人間が、社会的、経済的な刺激に対する感情や反応に規則性を見出し、人類全体の行動を予測するというもの。アシモフは気体の分子運動論をヒントに考えたものだそうです。


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これを見ずしてガンダムを語ってはいけない!(ガンダム30周年記念オフィシャルブック/お台場1/1ガンダム)

 ども、パソコンを赤く塗ったら3倍早くなるか悩んでいるたいちろ~です(*1)。
 先日、お台場に行ってきました。目的はもちろん”全長18m、1/1ガンダム”を見にです。
 いや~感動しました。アニメや特撮の設定って”身長XXm”なんてよくありますが、実際に目の前で見せられるとやはり迫力が違います小型機に属するガンダムでさえ(*2)これなんですから、ほかのロボットはどんだけ~っていう感じです。

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写真はたいちろ~さんの撮影。
左から全景、バストアップ、お台場側から見た後姿です

【本】ガンダム30周年記念オフィシャルブック
    (GUNDAM 30th ANNIVERSARY OFFICIAL BOOK)
 ”機動戦士ガンダム”の放映30周年を記念して作成された公式パンフレット。実物大ガンダムのメイキングや、富野監督と科学者等の対談を収録。定価2,500円。
【旅行】お台場1/1ガンダム
 そのまんま18mの全長を誇るガンダム。首が動くとか胸から霧がでるとか意外に芸が細かい設定も。


 ゆりかもめの”台場”で降りて潮風公園へ向かいましたが、最初のポイントは夕陽の塔から見えるガンダムの後姿。ちょうど森の木越しに腰から上が見えますが、ここからの眺めがガンダムの巨大さを最も感じさせます。アニメの演出でもあるアングルですが、対比物があるというのは、すっごくわかりやすいですね。普段は”下から見上げる=大きな”木をさらに超えて見えるってのは感動モノです。

 そこから、ガンダムの立つ太陽の広場へ。さすがにでかい! ガンダムの足もとが抜けれるようになっていますが、人間がほとんどガンダムのくるぶしぐらいの高さしかありません。全長18mということは、ほぼ人間の10倍強になりますが、もっとありそうに感じます。もちろん、並んでくぐらせてもらいました。足元では係の人が”下では写真を撮らないでください!”と注意をしてますが、守る人は皆無。みんなカメラとか携帯電話で写真撮りまくり。もちろん私も撮りましたともさ。

 ちょうど3時でしたので、音楽とともに動くイベントが! 胸や足から霧が出るとかもありますが、首も動くぞ! 左右を睥睨するような回転とか、宇宙を見上げるようなポーズとか! 動くたびにまわりから”おぉ~~”というどよめきが起こっていました。
 立っているだけ、首が動くだけでこれだけの迫力なんだから、実際に歩いたり戦ったりしたら、もっとすごいんだろうな~~

 オフィシャルブックは当然買いました。見所は富野由悠季監督とロボットクリエイターの高橋智隆氏(*3)の対談であります。
 日本を代表するアニメ監督と、米タイム誌で「最もクールな発明」に選ばれたロボット”クロイノ”の作者が、お互いのデザインセンスに対しガチンコ勝負をかけるなんで普通はありえませんぜ!
 高橋智隆氏のロボットデザインはPanasonicの電池”EVOLTA”のCMといえば、ご存知のかたも多いかと。私は個人的には女性型ロボット”FT(エフティ)”のデザインが好きです。私の知る限り実際に二足歩行をするロボットの中ではもっとも美しいフォルムとセクシーな動きをします。
 高橋智隆氏の経営する”ロボガレージ”のホームページに画像、動画が掲載されていますので、ぜひご覧ください。


 対談の中で、高橋智隆氏が

 今、開発されている介護ロボットや家事をしてくれるロボットなんかの多くは嘘っぱちなんですよ。
 気づかずにやっているか、開発のための補助金が欲しいからそう言っているかのどちらかです。


 という発言をしていますが、至言ですね。
 1/1ガンダムは”GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト”の一貫として財団法人東京都公園協会や、東京オリンピック・パラリンピック招致委員会なんかが参加していますが、たぶん最初に企画を考えた人は、”緑あふれる都市東京の再生”なんかじゃなくて、純粋に”実物大のガンダムが見たい!”と考えただけじゃないでしょうか? それを実現するためにお役所の偉い人をだまくらかし、もとい、説得して予算を付けさせたんじゃないかと・・・
 こういった、マット・サイエンストっぽいのって大好きです(*4)。


 このイベントの開催は2009年8月31日までですが、ニュータイプとして進化する人類としてはぜひ見ておくべきモノです。オタクの人とかおぢさん世代が多いかと思っていましたが(*5)、カップルや外人もたくさん来ていました。
 デートコースとしてもOKですので、ぜひご覧ください!!!
 私の会社の同僚もそそのかされ、いえいえ、アドバイスを受けて、昨日行ってきましたとさ。


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ガンダム30周年記念オフィシャルブック。
表紙は手のひらに赤ん坊を乗せるガンダム。でもこれって、どっちかつ~とイデオンのモチーフでは?(*6)







《脚注》
(*1)パソコンを赤く塗ったら3倍早くなるか~
 ネタモトはもちろんガンダムのシャアですが、私の勤めている某コンピュータ会社ではめっちゃ盛り上がった話題です。いいのか?!
(*2)小型機に属するガンダムでさえ
 インターネットで調べた有名なロボットの全長は以下のとおり。
   イングラム(機動警察パトレイバ):8m
   バトロイドバルキリー(超時空要塞マクロス):12.68m
   マジンガーZ:18m
   ジャイアントロボ:30m
   ゲッター1(ゲッターロボ):38m
   エヴァンゲリオン初号機:44m
   キングジョー(ウルトラセブン):55m
   ザンボット3:60m
   伝説巨人イデオン:105m
   メカゴジラ(3代目):120m
   ガンバスター(トップをねらえ!):240m
(*3)高橋智隆氏
 一般の方はあまりご存知ないかもしれませんが、ロボットに興味がある方にはカリスマ的な人気を誇るロボットクリエイター。Wikipediaでは”日本一のおもちゃ制作者”になっていますが、その言い方はないと思うぞ!
 ポピュラーサイエンス誌選出の「未来を変える33人」の一人。
(*4)マット・サイエンストっぽいのって大好きです
 私にとっての最大の賛辞です
(*5)オタクの人とか~
 一番多かったのが、子供づれの家族。もちろん一番熱心なのはおとうさんです。コスプレしてた人はいませんでしたが、プラモデルを山ほど抱えたおにいさんはいました。
(*6)イデオンのモチーフでは?
 ファーストガンダム終了直後に富野喜幸が監督したTVアニメ。
 ソロ星の遺跡である巨大人型メカ”イデオン”が、赤ん坊の恐怖心や純粋防衛本能に反応して伝説の無限エネルギー”イデ”を発動するという設定。哲学的な内容に加え、”皆殺しのトミノ”の名を遺憾なく発揮して主人公を全員殺してしまった祟りか、なかった事にされがちな作品。面白いと思うんだけどな~

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何のロマンもないままに夏が終わってしまいました(夏の思い出/水芭蕉/仙台七夕祭り)

 ども、夏休みの宿題にかまけてブログの更新をさぼっていたたいちろ~です(*1)。
 今回のお題は、”あなたにとって、夏終了は「何月何日」?”ですが、関西から仙台に引っ越してずいぶん変わりましたね。関西に住んでいた時は9月一杯は夏でしたが、仙台だと8月8日までの七夕祭りが済めばもう秋。今年(2009年度)なんかは、梅雨明けする前に夏も終わってしまいました。結局今年の夏も、心ときめくおねいさんとの出会いもないままに・・・
 ということで、今回のテーマは”夏の思い出”の花、水芭蕉であります。


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写真はたいちろ~さんの撮影。

左は仙台の公園に咲く水芭蕉、右は仙台駅の七夕飾りです。


【CD】夏の思い出(作詞 江間章子、作曲 中田喜直)
 夏を代表する日本の唱歌。私は鮫島有美子のCDで持っていますが、石井好子、藤島一郎から松浦亜弥まで歌っている人は多数。
 動画は倍賞千恵子バージョンです。
【花】水芭蕉
 湿地に自生するサトイモ科の多年草本。花言葉は”美しい思い出、変わらぬ美しさ”など。
【旅行】仙台七夕祭り
 仙台市で8月6日~8日に行われる東北三大祭りのひとつ。アーケードを中心に3000本近い七夕飾りを愛でるという、どちらかというと静的なお祭りです(*2)。


  夏が来れば 思い出す
  遥かな尾瀬 遠い空
  霧の中に 浮かび来る
  優しい影 野の小道
  水芭蕉の花が 咲いている 
  夢見て咲いている 水のほとり
  石楠花(シャクナゲ)色に 黄昏(タソガレ)る
  遥かな尾瀬 遠い空

 ”夏の思い出”は1949年に放送された日本を代表する抒情あふれる名曲です。私もこの曲にあこがれて尾瀬に行きましたが、いや~、この花ほど期待を裏切ってくれるのも珍しいです

 私が尾瀬に行ったのは確か8月だったと思いますが、尾瀬沼で水芭蕉が咲くのって実際には5月末ごろだったんですね。この歌のイメージでてっきり夏だと思っていました。調べてみましたが、開花するのは低地では4~5月ごろ、高地では融雪後の5~7月ごろなんだそうです。上の水芭蕉の花は5月上旬に撮影したものです。季語も”春”と”夏”の両方の扱いがありました。どっちなんだ、いったい!

 で、気をとりなおしてほかの場所で水芭蕉を見ましたが、”なんだ、このでかい花は!(*3)”というのが第一印象。歌のイメージから可憐な小さい花だと思ってた私の思い込みではありますが、でも、”夢見て咲いている”といわれればちっちゃい花っぽく思うじゃありませんか、普通・・・
 西遊記には、火焔山の火を消すほどの風を巻き起こす”芭蕉扇(ばしょうせん)”というルストハリケーン(*4)のようなアイテムが出てきますが、むしろこっちのほうを思い出してしまいましたね。

 さて、写真をよく似ていただきたいんですが、実は私が花だと思っていた白い部分は仏炎苞(ぶつえんほう)(*5)と呼ばれる葉の変形したもの。仏炎苞の真ん中にある円柱状のところにある黄色いつぶつぶ見たいなのが花です。


 と、まあ、突っ込みどころ満載の花ですが、綺麗なのは間違いありません。尾瀬沼ならずとも湿原などで見かけることができますので、訪れてみられれば良いかと。ただし、ガイドブックを見てちゃんと季節を選んでください


《脚注》
(*1)ブログの更新をさぼっていた~
 おかげで、アクセス数がガクッと減りました。
(*2)どちらかというと静的なお祭り
 東北三大祭りのうち、青森ねぶた祭は大型のねぶた人形を引きながらハネトが踊るにぎやかなお祭り。秋田竿燈まつりは巨大な竿燈(=ちょうちん)行列です。今年訪れたねぶた祭りのブログはこちらから。
(*3)なんだ、このでかい花は!
 花も大きいですが、葉はさらに大きくて長さ80cm、幅30cmになるんだそうです。
(*4)ルストハリケーン
 永井豪原作のスーパーロボット”マジンガーZ”の必殺武器のひとつ。口のスリットから強酸の混じった強風を出し敵を錆びさせて粉々にするというもの。子供心に”なぜマジンガーZの口は錆びないのか”が不思議でした。
(*5)仏炎苞(ぶつえんほう)
 苞は「つと」と読みます。わらなどを束ねて、その中に食品を包んだもののことで、昔の納豆のわらづとがこれ。まあ、言われてみれば見えないこともないですが、ちょっとね~~


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奥様、ブログを始めました!(花時間/フラワークラフト)

 ども、家庭内IT担当のたいちろ~です。
 先日、奥様がブログを始めました。いや~、始まるまでの幾星霜、ここで会ったが優曇華(うどんげ)の華咲く春の心地して、あっ、このネタ昔やったか・・・
 ということで、会社の夏休みを使って作りました、奥様ブログ編であります。


写真は奥様の作成と撮影
左からドライフラワー、プリザーブドフラワー(*1)、木の実(*2)を使った作品です

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【本】花時間(角川 (エス・エス・コミュニケーションズ)) 
フラワーアレンジメントをメインテーマにした女性向けの月刊誌。男性から見ても美しい本です。写真が多用されているのに1050~1250円はお得。
【花】フラワークラフト(flower craft)
 ”craft”は”手工芸品、民芸品、工芸品)ですので、花を使った手工芸品。奥様はドライフラワー、木の実、プリザーブドフラワーなどを使って作品を作っています。フラワーアレンジメントとか、フラワーデザインとかいろいろ言い方はあるようですが素人に違いは良くわかりません。ま、いいじゃないですが、綺麗であれば。


 さて、私のブログに時々登場する正体不明の”奥様”ですが、仙台で”フラワークラフト作家”なるのものをやっております。なせ、”なるもの”なのかといいますと、別に資格試験を通らないとできないような仕事ではないので、本人曰く”言ったもん勝ち(*3)”だそうです。
 ”花時間”というフラワーアレンジの専門誌にも作品を投稿して、何回か掲載されておりますし、委託販売したり教室を開いたりと、人様からいくばくかのお金をいただいておりますので、まあプロとは申せましょう

 で、作品を発表する場としてホームページかブログを作ろうという話が数年前からあったんですが、根っから文系の奥様ですのでITリテラシーにはいたって不自由しておりまして(*4)のびのびに待っておりました。まあ、ダンナの方がこんなてきと~なブログを書いているのを見て”こんなんだったら私でもできる!”と思われたのでしょうか、今回開設の運びとなりました。
 実を言いますと、本来は奥様のホームページを作る話が先にあって、このブログが後になるはずでした。ホームページの検索を増やすには、頻繁に更新するのが鉄則ですが、作品が週に何個もできるわけはなく、私がページを更新するための、まあエッセイみたいなものを書いて場つなぎをしようかな~と思っていたんですが(*5)、なかなか本来のホームページが立ち上がらなくて、このブログだけがどんどんを先に進んでしまった次第です。
 このブログのほうは、本来の趣旨と外れてマニアックな話題が多くなってしまいましたが、ブログ紹介に書いてあります”花と本”はその当時の名残であります。まあ、自業自得ではありますが、このブログを花の名前で検索される方はほとんどいらっしゃらないので(*6)、今さら相乗効果はなさそうですけどね。

 というわけで、奥様ブログ「フラワークラフト作家”Ann”のひとりごと」が始まりました。袖振り合うも多少の縁(*7)ですので、このブログを見てご興味をもたれた方はぜひとも覗いてみてください

  奥様ブログ「フラワークラフト作家”Ann”のひとりごと


《脚注》
(*1)ドライフラワー、プリザーブドフラワー
 ドライフラワーは花々を乾燥させて長く保存できるようにしたもの。プリザーブドフラワーも長期保存ができますが、こちらは専用の溶液を使って加工することで生きた花のような柔らかさや瑞々しさが残ります。
 ドライフラワーはエジプトのピラミッドから見つかるほど長い歴史がありますが、プリザーブドフラワーの歴史は以外と新しく1991年にフランスで開発されました。
 この説明で合ってますか、奥様。
(*2)木の実
 杉とかヒノキなどの木の実、スパイスなどを使った作品のこと。こういうとありがたみがありませんが、ドイツでは”トロッケンゲシュテック”といって伝統的な飾り花です。
 この説明で良いですか、奥様。
(*3)言ったもん勝ち
 最初は”自称”と書こうかと思いましたが、のりPダンナの”自称プロサーファー”以降、印象が悪くなったのでやめました。
 ちなみに、厚生労働省のフラワー装飾技能士、文部科学省許可の日本フラワーデザイナー協会(NFD)の資格試験などいくつかの試験はあるようです。
(*4)ITリテラシーにはいたって不自由しておりまして
 ITリテラシーとはパソコンやインターネットを使う能力のこと。今やこれがないと就活すらできない時代です。だから、いい加減ファイルの開き方ぐらい覚えてください、奥様。
(*5)まあエッセイみたいなものを書いて場つなぎを~
 元々のこのブログのタイトル企画は”たいちろ~さんのえっ、Say”でした。
(*6)花の名前で検索される方は~
 唯一の例外として”デンドロビウム(ラン科の植物)”が検索キーワード第3位にありますが、これとて機動戦士ガンダムとセットになっています。
(*7)袖振り合うも多少の縁
 仙台市青葉区上杉にある”スペースen”というお店で委託販売をしています。クリスマスシーズン等で展示会もやっていますので、お近くの方はお立ち寄りください。

 enの縁 ”奥様の展示会の時のホームページ
 スペースenのお店紹介のホームページ

オレは嘘がつけるほど頭良くないぞ!(さらば長き眠り/ナツツバキ)

 ども、”私は嘘は申しません(*1)”のたいちろ~です。
 さて今回のお題は、”嘘がばれたときの言い訳教えて”ですが、私は嘘は言わないので言い訳はしたことありません(まあ、これ自体が嘘との話もありますが・・・)
 真偽の程はともかく、嘘をつくとは相当頭の良い人でも早晩ばれるのは必定。前後でつじつまが合わなくなるとか記憶が間違ってくるとか。二股がばれた友人のNがこう申しておりました(*2)
 ま、究極の言い訳は”言い訳せずに笑ってごまかす”でしょうかね。

Photo
写真は”イートハーブ・花めっせーじ”より
ナツツバキ(夏椿)の花です



【本】さらば長き眠り(原尞 早川書房)
 私立探偵沢崎は、元高校野球選手の魚住から11年前八百長試合の誘いがあったのが発端で自殺した義姉の死の真相の調査を請け負う。
 この事件により”長い眠り”についていた女性たちの真実とは・・・
 日本のハードボイルド小説の傑作、”沢崎シリーズ”の第一期完結編。
【花】ナツツバキ(夏椿)
 ツバキ科ナツツバキ属の落葉高木。別名はシャラノキ(娑羅樹)。仏教の聖樹、娑羅双樹(さらそうじゅ)に擬せられて、この名がついたとのことですが、娑羅双樹は耐寒性が弱く、日本のお寺では植えられているのはナツツバキのほうだそうです。


 さて、嘘をつく人もいれば、それをあばく人もいるわけで、そんなお仕事の一つが私立偵。先日、”さよなら、愛しい人(*3)”を読んだこともあり、今回は日本のハードボイルドとして”さらば長き眠り”をご紹介します。

 主人公の私立探偵沢崎は、おそらく日本のハードボイルドとしてはレイモンド・チャンドラーの生み出したハードボイルド系探偵”フィリップ・マーロウ”の衣鉢を最も強く受け継いだキャラクターではないかと思っています。
 二人に共通するのはその卓越した毒舌。ハードボイルド系の主人公はえてしてタフガイとのイメージがありますが、その本質は自分の言葉を押し通すための裏づけとしての肉体。殴られようがなにしようが自分の意思を曲げないことこそ本質かと。

 このように、私立探偵沢崎も、言葉で相手を怒らせたりするエピソードには事欠きませんが、でもかっこいいんですよね、その言い回しが

  魚住:監督の奥さんや、慶子叔母さんにまで
     つらい思いをさせることになってしまった
  沢崎:きみのせいではないと言ってほしいのか
      (中略)
  魚住:でも、彼女たちにそういう苦痛や嘆きを与えたのは誰です?
  沢崎:彼女たちの夫だろう。
     少なくとも、きみじゃない。
     悪いが、きみには彼女たちに対してそんな影響力はないよ
                        (本書より抜粋)

 突き放したようでいて、依頼人に対するさりげない優しさが感じられます。
 ストーリーについてはネタバレなのであまり書きませんが、男のダンディズムあふれる名言、至言の数々。ぜひ使ってみたい台詞の数々ですが、たぶんホントに使うと人間関係がギクシャクするんだろ~な~。

 今回の花である”ナツツバキ(夏椿)”はある女性が長い眠りについていた場所に植えられていた木。本書内では唐突な扱われ方をしていますが、ナツツバキの別名が”シャラノキ(娑羅樹)”と仏教に出てくる娑羅双樹の代わりに植えられている樹とのことですので、本書の結末とあわせると、意外と奥の深い使い方なのかもしれません。本書の中ではまったくそんな説明はありませんが、語られないことの中にも意味の重みがあるのは流石です。
 写真でしか見たことありませんが、美しい花です。


 最後に、友人のNへ

  沢崎:彼女は父親たちの手の届かないところで、死にたいという想いと
     戯れていただけかも知れないが、そこへ自分たちの居場所を
     知らないはずの父親の手先のような男たちが駆けつけてきたんだ。
     伝統的で厳格な家風---
     彼女にとっては煩わしくて疎ましい家風から生きてきたつもりが、
     すべて父親の監視下にあったことを理解した瞬間に
     思い知らされたはずだ。
                        (本書より抜粋)

 浮気がばれた瞬間って、こんな感じでしたか?

 原尞による”沢崎シリーズ”はレイモンド・チャンドラーへのオマージュともいうべきシリーズ。この”さらば長き眠り”の題名にしても”さらば愛しき人よ”、”長いお別れ”、”大いなる眠り”(*4)を彷彿とさせる題名です。
 本書のほかにも”そして夜は甦る”、”私が殺した少女”、”天使たちの探偵”など名作が多数(ともに早川文庫)。”さらば長き眠り”は4作目ですが、ここから読んでもOKです。いずれ劣らぬ面白い作品ですので、ぜひご一読の程を。


《脚注》
(*1)私は嘘は申しません
 1960年代初期に総理大臣を勤めた池田勇人の名言。この人は”10年間で所得を倍増させる(所得倍増計画)”といって7年で達成させたことでも有名。
(*2)二股がばれた友人がこう申しておりました
 正確にいうと、こやつは四股かけておりました。ちなみにこの手の話は往々にして本人だったりしますが、本当に友人の話です。奥様。
(*3)さよなら、愛しい人
 レイモンド・チャンドラー作 村上春樹訳。私立探偵フィリップ・マーロウの登場するハードボイルドの傑作。詳しくはこちらのブログから
(*4)”さらば愛しき人よ”、”長いお別れ”、”大いなる眠り”
 ともにチャンドラー(早川文庫版他)。村上春樹訳での書名は”さよなら、愛しい人”、”ロング・グッドバイ ”ですが、表題の邦訳としては”さらば愛しき人よ”の方が気に入っています。

15532回目の夏休み!(涼宮ハルヒの憂鬱/アサガオ)

 ども、夏休みの宿題はとっとと片付ける派のたいちろ~です。
 でも、全部終わらせずにちょっとだけ残すんですね、これが。で、最後にあわてることになります。”三つ子の魂、百まで”と言いましょうか、仕事も同じで8割がた片付けて最後までやらないので、結局最後にわたわたします
 あと、毎日やる観察日記なんかも苦手。定番といえば”アサガオの観察日記”ですが、この手の宿題はいきなり時間がワープします
 ということで、今回ご紹介するのは夏休みの宿題ネタとして”涼宮ハルヒの憂鬱”から”エンドレスエイト”のご紹介。エイトは夏休みの8月であります。

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写真はたいちろ~さんの撮影
近所で撮影したアサガオです。組み合わせが面白いので写真とってみました。




【本】涼宮ハルヒの憂鬱(谷川 流 イラスト いとうのいぢ 角川スニーカー文庫)
 ちょ~パワフルな女子高生、涼宮ハルヒは「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶ」ために”SOS団”を結成。宇宙人、謎の転校生、時をかける少女にふつ~の高校生(*1)による非日常系学園コメディ。ある意味SF。
 平野綾(*2)のCVでアニメ化され、こちらも大ヒットしました。
【花】アサガオ(朝顔)
 ラッパ型の花を咲かせる夏の風物詩とも言える花。英語では”morning glory(朝の栄光)”、意外なことにヒルガオ科サツマイモ属です。
 花言葉は”短い愛、はかない恋、愛情のきずな、固い約束”など。


 子供のころ、夏休みといえばけっこう長く感じたものでした。さすがに残り2週間ぐらいになると子供ながらに”そろそろ終わりかな~”ぐらいは思いましたが。で、今回の”エンドエスエイト”は夏休みの終わりの2週間を延々15532回繰り返すというお話。なぜこんなことになったかというと、涼宮ハルヒが夏休みにやり残したことがあるから。この無限ともいえるループを抜け出すために”涼宮ハルヒがやりたがっていることを探して実行すること。そのために、彼らは夏休みを遊びまくります。でも、ちょっとは勉強せい、高校生たち!

 というわけで、優等生の謎の転校生、小泉くんですら夏休みの宿題が終わっていない状態。みくるさん、そろそろ受験勉強しなくていいのか? 主人公のキョンにいたっては何もやっていないと豪語するしまつ。
 でも、解決の糸口が”夏休みの宿題”です。あんまり書くとネタバレになるので、このへんにしておきますが、とっても面白いお話です。

 ま、人に意見ができるほどまじめな高校生の夏休みをすごしたわけでもないわけで、でなければ、大学受験に2回も失敗しませんって。そう思えば、今年受験の息子と娘のほうがよっぽどまじめな夏休みを送っております。

 ”エンドレスエイト”は涼宮ハルヒの憂鬱シリーズの”涼宮ハルヒの暴走((第5巻)”に収録されていますが、ブログを書こうと思って原作を探したんですが腐海に沈んでしまい(*3)この巻だけが見つからないぞ!
 ということで、インターネットで調べながら書きました。

 原作、アニメ、コミックと角川お得意のメディアミックスで展開されていますので、お好みのものをどうぞ。どれをとってもすっごく面白いです。


《脚注》
(*1)宇宙人、謎の転校生、時をかける少女にふつ~の高校生~
 長門 有希さんは、簡単に言えば宇宙人(アンドロイドかも)、古泉 一樹くんは転校してきた超能力者、朝比奈 みくるさんは未来から来たタイムリーパー(タイムパトロール?)。主人公のキョンはなんのとりえもないふつ~の高校生です。
 宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊んでいるんですが、涼宮ハルヒはそのことをぜんぜん知りません。このへんがお話を面白くしています。
(*2)平野綾
 写真集は出すわ、グラビアには出るわと、今やアイドル並の人気を誇る人気声優。他の代表作は”らき☆すた”の泉こなたさんとか。でも、”半分の月がのぼる空(ドラマCD版)”の夏目小夜子さん役も捨てがたいです。
(*3)腐海に沈んでしまい
 押入れという名の本棚。下の段はほとんど、上の段も半分以上本で埋まってしまいました。ほとんど未整理で突っ込んでいるので、ブログを書くにあたって本を探すのが一苦労です。本の整理も夏休みの宿題かな?
 余談ですが、先日の地震(2009年8月11日の駿河湾沖での地震)で、崩れてきた数千冊の本に押しつぶされて亡くなられた女性がいらっしゃいました。さすがに私もまだこのような神の領域には至っておりません。

己(おの)が信用を失いし時に死したり(銀行の墓碑銘/徒花)

 ども、銀行向け営業担当のたいちろ~です。
 ここのところ、経済関連の本がないので(*1)久々にこの分野から”銀行の墓碑銘”のご紹介であります。文字どおり、バブル崩壊後に消滅した銀行の経緯を集めた本ですが、まさか銀行が潰れるなんて思っても見ませんでした、バブルが弾けるまでは

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写真はたいちろ~さんの撮影
徒花のひとつ、みょうがの花です





【本】銀行の墓碑銘(有森 隆 講談社)
 三和銀行、大和銀行といった現在メガバンクに集約された都銀から、解体された北海道拓殖銀行、清算された第二地銀まで、死屍累々の銀行のノンフィクション。
 各章のタイトルが”見せしめ”、”実験”、”言いなり”、”同族”、衰弱”、放縦”。言いえて妙ながら、なさけなくなります。
【家庭菜園】徒花(あだばな)
 咲いても実を結ばずに散る花。転じて、実(じつ)を伴わない物事のこと。
 ニンニク、ヒガンバナ、ミョウガ、ナガイモ、キンモクセイなど。


  銀行は眠る。数奇なる運命にも生きし銀行、
  己(おの)が信用を失いし時に死したり。
  さあそれもみな自然の数ぞ、
  昼去りて夜の来るがごとくに。


 ヴィクトル・ユーゴー風に書いてみましたが(*2)、これだけやってりゃ信用をなくして潰れるのもあたりまえやな~というのが正直な感想。

 かれこれ四半世紀ほど銀行相手の商売をやっておりまして、実はこの本に登場する銀行を担当したこともありました。何名か直接お会いしたこともありますし、別の銀行ですが個人的なつながりのある銀行もあります。
 銀行の方の名誉のために申し上げますが、私の知る限り銀行の大半はまじめに仕事をされております。まあ、商売上ではかなりきつい要求をされるケースもありますが・・・  でも私的な利益のために何かをされるような方は一人もいらっしゃいませんでした。

 それでも銀行という組織で見た時には行くとこまで行っちゃったんでしょうね、あのバブルの時代ていうのは。
 銀行というところは典型的な規制業種(*3)で、非常に”他の銀行は何をしているのか?”を気にされます。商売の上でも、他の銀行の事例とか実績が非常に重要になります。逆に言うと突出したことをやるのを非常にいやがります(*4)。でも、他の銀行がやっていることを”自分のところだけはやらない”という決断もしにくい体質ですね。

 まあ、そういう業種ですので、あの時代はみんな似たり寄ったりだったのかもしれません。潰れたかどうかは言ってみれば程度問題だったのかも。そういった意味では同情の余地がないわけではないですし、行政側の対応も決して完璧であったとは言いがたい(*5)ですが、それでもひどすぎるぞ、この本での事例は!
 むやみに不動産融資につっこんだり、査定をごまかすために先のない追加融資をしたり、ノンバンク経由で総量規制をすり抜けたり、ヤ○ザ屋さんにいいように利用されたり。
 リゾート開発につっこんだ北海道拓殖銀行、機関銀行化した国民銀行、一族内紛の末もはや犯罪ともいえる平和相互銀行などなど、よくもまあ、こんな無茶苦茶ができたものだと思います。

 徒花(あだばな)という言葉があります。これは咲いても実がならない花のこと。私が植えている中ではみょうががこれにあたります。写真を見ていただければわかりますがみょうがの花は地面から直接咲きます。この下のつぼみたいなのが普段そうめん等の薬味になる部分なんですが、花が咲くとこの部分がすかすかになってしまいます。

 バブルという徒花に翻弄された銀行もこれによく似ています。悪の花が咲いたことで、本来国民経済に利用されるべき部分がすかすかになって、実もならずに終わってしまう・・・ 先人達が戦後復興をへて育ててきた銀行をこんな形で潰してしまうのは忸怩たるものがあります。
 私自身は銀行救済に公的資金を導入することに必ずしも反対する立場ではありませんが、せっかくお金を使うのだから今度はちゃんと育って欲しいものだと願います。


 会社員として、かれこれ25年以上銀行と付き合ってきました。ちょうど金融の自由化からバブルの萌芽、成長、崩壊を経て失われた10年、そして再度の”100年に一度の金融危機”まで。
 最近は景気が上向いてきたとの報道もありますが、バブルのころも同じ様なことを言っていました。決して楽観できるような状況ではないと思っています。
 あれだけ高い授業料を払ったんですから、少しは学習効果を発揮しましょう。そういった意味では過去の失敗を冷静に考えるには良い本です。

 でも、あと10年先にこれと同じ本を読みたくはないものです


《脚注》
(*1)経済関連の本がないので
 別に読んでいないわけではないんですが、ネタになりにくいのでパスしてただけです。
(*2)ヴィクトル・ユーゴー風に書いてみましたが
 この詩はユーゴー作”レ・ミゼラブル”の最後に出てくるジャン・バルジャンの墓碑銘の引用です。(豊島 与志雄訳 岩波文庫)
 原文は
  彼は眠る。数奇なる運命にも生きし彼、
  己が天使を失いし時に死したり。
  さあそれもみな自然の数ぞ、
  昼去りて夜の来るがごとくに。
(*3)規制業種
 許認可権を握る大蔵省(当時)が金利から店舗の出店までを徹底して管理をしていた時代です。その見返りとして護送船団方式という”銀行は潰さない”政策がとられていました。
 今は昔の話です。
(*4)突出したことをやるのを非常にいやがります
 かつて、城南信金が日本で初めて”懸賞金付き定期預金”を発売した時、よってたかってバッシングしましたが、ヒット商品になるとあっというまにみんな類似商品を発売しました。1994年のことです。
(*5) 行政側の対応も決して完璧であったとは言いがたい
 人には平時をうまくこなすタイプと乱世に強いタイプがありますが、国家公務員の大半は典型的に前者のタイプ。そうでなければ公務員なんかになりゃしません。
 すいません、偏見です。

まあ、山は逃げないから、オレみたいにアワてないのが一番だね(岳/大雪山のお花畑)

 ども、最近メタボで山に登れていない(*1)、たいちろ~です。
 今回のお題は”夏に行くなら、あなたは海派? 山派?”ですが、私は山派です。これでも、高校時代は”山岳スキー部”、大学では”ワンダーフォーゲル部”に所属しておりました。最近はどっちかつーと”温泉好き~部”ですけど・・・
 ということで、今回は山岳マンガの傑作”岳”をご紹介。

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写真は大学時代の友人より。
大雪山のお花畑です。


【本】岳(がく)(石塚真一 小学館)
 主人公の島崎三歩は世界の巨峰を登頂した人ですが、現在は山岳救助ボランティア隊員。住所は北アルプス三の沢のテント住まいという根っからの山バカ。
 山で事故にあった人を助ける話ではありますが、助けられなかった話も多々あります。でも、山を愛する三歩はとっても明るく生きています。
 マンガ大賞2008、平成20年度小学館漫画賞受賞。
【花】大雪山のお花畑
 大雪山は北海道を代表する名山。この写真は山で亡くなった友人の追悼文集を作ったときに送ってもらったものです(1981年頃)。後ろに見えているのはトムラウシ山。


 今回は少しまじめな話をします。
 山に登る動機、あるいは楽しみ方というものは人それぞれ。景色がきれいだから、高山植物が好きだから、ピークハントがしたいから(*2)。でも、山を楽しむ時に必ず考えて欲しいのが事故のリスクです。
 ”岳”に出てくる事故も、雪崩、滑落、道に迷って動けなくなったなどさまざまです。それは本人の努力や注意によって避けられたものもあれば、運が悪いとしか言いようのないものまでいろいろです。
 実際、私のクラブの友人だったTさんも、北海道の山で雪崩にあって亡くなりました。この人は世界で6番目の高峰チョ・オユー(標高8201m)にも登頂したベテランで、体力、技術も充分にあったにもかかわらずです。

 何もなければ山は美しく楽しいところですし、山好きな人間としては多くの人に山を愛して欲しいと思っています。でも、その大前提としてあるのは”家に無事に帰ってこそ”。今年(2009年7月)に北海道のトムラウシ山で9名の死傷者を出す事故がありました。原因や責任をうんぬんするのが趣旨ではありませんが、古くからの山屋として、このブログを読んでいる人が少しでも事故にあわないようにいくつかのアドバイスを。

ムリをしない、ムリな計画を立てない
 元アメリカ大統領ジミー・カーターの自伝に”なぜベストをつくさないのか(Why not the best?)”というのがありましたが、プロの登山家や冒険家でもないかぎりベストを尽くさないと登れないような山は、その人にとってレベルの高すぎる山ということ。何故なら、不測の事態のために余力を残しておかないと、いざという時ににっちもさっちも行かなくなります
 どうしても登りたいのなら1日の工程を短くするなど計画段階で考慮すべきと思います。

ムダになってもいいから装備はちゃんと持っていく
 私はどんな短い距離でも、雨具や水、食べ物、防寒具はもって行きます。”荷物になるのに”と奥様から言われますが、奥様の友人で元山岳クラブにいたご主人もそうらしいので、どうも山岳系のクラブ出身の人には共通の傾向なのかもしれません。
 山では何があるかわかりませんのでこれは鉄則です。

最後まで自分の足で歩く覚悟を持つこと
 大学時代の体力が一番あった時に40キロ以上の荷物を持って歩いたことはありますが、一般的な人間にはこれが担げる荷物のアッパーリミットに近い重量です。40キロとは小柄な女性の体重相当でしょうか。
 何が言いたいかというと”担いで下ろしてもらうことを期待してはいけない”ということです。”岳”の中では、三歩が要救護者を担いで下ろしたりしていますが、これは三歩が超人的な体力の持ち主だからできることであって、こんなことはそうそうできるものではありません。
 足の骨折とか状況によるので、必ず歩けとまでは言いませんが、少なくとも覚悟ぐらいは持つべきです。

天気予報は必ず見ること
 山登りにとって一番いやなのが雨。景色は見えないし体は濡れて寒いし。出発するのも迷うし。
 でも、この先天候が好転するのか、悪化するのかはとても重要です。①に通じますが天候が悪化しそうならムリをせずにあきらめることも必要です。そのためには天気予報は絶対見てください。私もクラブで天気図を書かされました(まあ、なかなか当たりませんでしたけどね)。これは必要最低限の情報です。
 お金と時間をかけて来ているので、ムリをしてでも登りたい気持ちも良くわかりますが、ムリは禁物。表題の”まあ、山は逃げないから~”は小学生のナオタ君の言葉ですがこれは至言です。”生きてりゃもう一回ぐらいやれるさ(*3)”ぐらいのふてぶてしさを持ちましょう。

 まあ、他にもいろいろあるんですが、もっと知りたい方は安全登山の本なんかを読んでみてください。

 脅しをかけるようなことをいっぱい書きましたが何もなければ山はとても素敵なところです。がんばったならがんばったなりの良いことがたくさんあります
 上の写真を見ていただければわかりますが、とても美しい風景がいっぱい広がっています。山で飲むコーヒーやビールはまた格別ですし、山で苦労をともにした友人はかけがいのないものです。

 ぜひ、事故のない楽しい山登りをお楽しみください。
 三歩の苦労はそのためにあるのですから。



《脚注》
(*1)最近メタボで山に登れていない
 ”メタボは最近か?”と奥様からツッコミがありそうです。
(*2)ピークハントがしたいから
 山頂に立つのを楽しみにしている人。高じると”日本百名山(深田久弥 新潮文庫)”の全山を登りにいったりします。北は北海道利尻岳、南は屋久島の宮之浦岳までとそれなりに体力と時間と財力が必要。
(*3)”生きてりゃもう一回ぐらいやれるさ
 機動警察パトレイバー”の敵キャラ、甲斐 冽輝の言葉。詳しくはこちらのブログをご参照ください。

フランス革命期のバットマンかな?(紅はこべ/はこべ)

 ども、二つの顔をもつ男、たいちろ~です。
 といっても、昼は会社員、夜はブロガーといたって健全?な顔ですが。
 先日、”青年のための読書クラブ(桜庭一樹)(*1)”を読みまして、この本つながりで、今回ご紹介するのが”紅はこべ”であります。

Hakobera Photo 左ははこべ、右はアカバナルリハコベ。
はこべの写真は”野草雑記”、アカバナルリハコベの写真は”ろこのつれづれに・・・♪毎日が花曜日♪”より


【本】紅はこべ(バロネス・オルツィ 創元推理文庫他)
 原題は”The Scarlet Pimpernel(スカーレット・ピンパーネル)”。
 フランス革命期のパリからギロチンで処刑されようとする貴族を救う謎のイギリス人グループのリーダー”紅はこべ”。イギリスの古典的冒険小説。
【花】はこべ
 白いはこべはナデシコ科。こべの別名はハコベラ。春の七草のひとつ。白い花弁は10弁に見えますが、根元近くまで深く裂けているので、実際は5弁なのだそうです。花言葉は”愛らしい、あいびき”など。
 赤いはこべアカバナルリハコベ(*2))は、サクラソウ科。花言葉は”追想、約束、変わり身”など。


 本の名前から最初は”はこべ”を調べていたんですが、”はこべ”と”紅はこべ(アカバナルリハコベ)”とは全然な花なんですね。小説に出てくる”紅はこべ”の由来は貴族を救出する前に公安委員会に渡される紙に書いているマークが赤い星型だから。話が合わないので、いろいろ調べてやっとわかりました。だって、日本人なら春の七草の”はこべら”だと思うじゃないですか、普通

 さて、小説”紅はこべ”です。ネタバレになりますが、主人公のパーシー・ブレイクニーは表の顔はイギリス貴族にして軽薄な大金持ち。そして裏の顔は神出鬼没の”紅はこべ団”の団長。どっかで聞いたような話だな~と思ったら、これ、バットマンの原型のような話なんですね。
 バットマンことブルース・ウェインは、昼はプレイボーイで慈善家の大金持ち、夜は犯罪者に恐れられる”ダークナイト”(*3)という二面性がけっこうよく似てるな~と思います。幾多のヒーローと違って、二人とも生身の人間(*4)が知恵と体力で勝負かけています。ブレイクニーはフランス共和政府からは恨まれいていますが、フランス貴族の尊敬の的だし、バットマンは一部を除いて警察からは嫌われていますが、市民には絶大な人気があるし。

 違いといえば、ブレイクニーはヒロインのマルグリート・サン・ジェストという社交界の花形の奥様がいますが、ブルース・ウェインは以外とここ一番では女性に縁がないことぐらいですかね。
 ただ、マルグリート・サン・ジェストという女性がな~。
 知恵はある人のようですが、兄のためにスパイになっちゃうし、ブレイクニーを追っかけて危険なフランスに行っちゃうし、あまつさえ敵の人質になっちゃうし。作中では愛に一途なヒロインの扱いになっていますが、こういう状況判断のできないキャラクターってのはあんまり好きではありません

 まあ、中身は本書を読んでみるということで。
 冒険小説としてより、ベルばら(*6)好きの宝塚フリークには面白いかも

 まあ、宝塚っぽいと書いたので調べてみたところ、実際、宝塚でやってました。
  1995年の花組(真矢みき、純名里沙、愛華みれ)、2008年の星組(安蘭けい、遠野あすか、柚希礼音 題名は原題の”スカーレット・ピンパーネル”)とけっこうなメンバーです。
 ま、このへんの感覚はずれちゃいないってことでしょうか。


《脚注》
(*1)青年のための読書クラブ(桜庭一樹)
 お嬢さん学校”聖マリアナ学園”の変わり者集団”読書クラブ”のメンバを主人公とした連作集。浮世離れしていそうで社会の縮図たる学園内に起こる決して”正史”に残らない”黒歴史”をつづった物語です。
 詳しくは、こちらのブログから。
(*2)アカバナルリハコベ
 ルリハコベは瑠璃(ラピスラズリちいう石)のような濃い赤味の青色をしています。とってもややこしい・・・
(*3)ダークナイト
 ”The Dark Knight”(暗黒の騎士)は、2008年に公開された実写版バットマンの新シリーズの2作目のタイトル。
(*4)生身の人間
 ブレイクニーはもちろん、ブルース・ウエインも宇宙人でも超能力者でもなく、単なる人間です。あのコウモリを模したスーツも強化服等ではなく、高性能プロテクター。時代とは言え、戦隊シリーズのスーツのほうが性能は上かと。
(*5) ベルばら
 池田理代子原作のマンガ”ベルサイユのばら”のこと。宝塚歌劇団がミュージカルで上演し、宝塚史上最大のヒット作になりました。

祭りは人を変える!? inねぶた祭り(津軽海峡冬景色/青森ねぶた祭り)

 ども、夜更かしは苦手だけど夜の祭りは好きなたいちろ~です。
 一昨日(2009年8月5日)、青森のねぶた祭り行ってきました
 久しぶりというか、ほぼ30年ぶりぐらいです。当時は学生時代で見ていただけですが今回はハネてみました。
 ということで、今回はお出かけ”青森ねぶた祭り編”であります。

_0085 写真はたいちろ~さんの撮影。
青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸(*1)の前にある”津軽海峡冬景色の碑”です








動画はたいちろ~さんの撮影。
上は武者の山車燈籠、下はハネトの踊りの風景です。


【CD】津軽海峡冬景色(石川さゆり)
 作詞 阿久悠、作曲 三木たかし。石川さゆりの代表作にして1977年日本レコード大賞歌唱賞とFNS歌謡祭最優秀グランプリを受賞。昭和演歌の名曲です。
【旅行】青森のねぶた
 東北を代表する東北三大祭りの一つ。青森は”ねぶた”、弘前は”ねぷた”です。


 はっきり言いまして、”青森=暗い”というイメージを持っておりました(*2)。なんせ太宰(*3)に、青森第五連隊(*4)に、”津軽海峡冬景色”ですから。

 ねぶた祭りに参加する前に ”津軽海峡冬景色の碑”にも行ってきました。

  北へ帰る人の群れは 誰も無口で 海鳴りだけを聞いている
  私もひとり 連絡船に乗り
  こごえそうな鴎(かもめ)見つめ泣いていました
  ああ、津軽海峡冬景色

 ”津軽海峡冬景色の碑”には対人センサーがついていて、この碑の前に立つと”津軽海峡冬景色”の曲が流れるというなかなかお茶目なギミックが内蔵されています。ほとんど人のいない青函連絡船の前でこのぶちかますようなオープニングが流れると、知らない人だと”どっきりカメラですか!?(*5)”と思ってしまいます。

 そんなこんなで暗い青森ですが(*6)、今回のねぶた祭りに参加しまして青森県民への認識を改めました。

  ラッセラー、ラッセラー
  ラッセラッセラッセラー


 この単純なリズムにあわせて踊るわ踊るわ。こんな元気なお祭りだとは思っていませんでした。浴衣に帯びに鈴をつけた衣装を着た踊り手を”ハネト”といいますが、けっこう激しい踊りです。始まる前に”シップを用意しとけ”、とか”アキレス腱を切らないように”とかさんざん脅かされました。

 仙台でお勤めの女性も参加されていました(*7)。普段は気立ての良いしっかりしたお嬢さんなんですが、思いっきりはじけてました! あと10年早く生まれていたら、きっとジュリアナ踊りまくりだったんでしょうね~(*8) あとで聞きましたら青森ご出身とのこと。古今東西にかかわらず、祭りというものは血が騒ぐんでしょう。

 で、おぢさんはというと、前半で息切れ。時々ハネるんですが、あとはぞろぞろついてくだけ。ハネト率5%以下という体たらくであります。
 でも、面白かったですよ~~

 私も仙台に引っ越して知ったんですが、東北の夏祭りって夏の終わりを告げる行事なんです。祭りが終わると早くも秋風が吹き始めます。だからこそ、短い夏を惜しんでこんなに盛り上がるんでしょう。行かれたことのない方はぜひ見に行かれると良いかと思います。

 ところで、来年は体育会系の若い衆にも行ってもらおう!


《脚注》
(*1)青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸
 旧国鉄、青函連絡船の”八甲田丸”を使った博物館。
 ちなみに、青函連絡船は1988年3月13日に廃止(同日、青函トンネルが開通)。”津軽海峡冬景色”がヒットしたころはまだ現役でした。
(*2)”青森=暗い”というイメージを~
 別に青森県民に恨みがあるとか、そんなんではありません。念のため。
(*3)太宰
 青森を代表する作家、太宰治のこと。”人間失格”など一言でいうと暗い作風。かつ、実生活でも自殺未遂、心中未遂を繰り返すという暗い人生。でも以外なことに県下有数の大地主の息子という裕福な家庭のぼんぼん。本名は津島修治。ちなみに、先ごろ引退した津島派会長、津島雄二は娘婿になります。
(*4)青森第五連隊
 1902年1月に発生した八甲田山での日本陸軍第8師団歩兵第5連隊の遭難事故のこと。新田次郎の”八甲田山死の彷徨”は読もう読もうと思っていてまだ読んでいません。
(*5)どっきりカメラですか!?
 1970年代以降に日本テレビで放映された元祖いたずら番組。ご年配の方なら野呂圭介の“どっきりカメラ”のプラカードをご記憶の方も多いはず。
(*6)そんなこんなで暗い青森ですが
 重ねて申し上げますが、青森出身の女性にフラれたとか、そんなんではありません。念のため。
(*7)仙台でお勤めの女性も参加されていました
 別に二人で不倫旅行に行ったわけではありませんよ、奥様。会社の地域貢献として30名以上参加していました。
(*8)ジュリアナ踊りまくりだったんでしょうね~~
 バブル時代を象徴する伝説のディスコ”ジュリアナ東京”のこと。別にへんな想像をしてるわけじゃなくて、こういったたとえが出てくるってのがおぢさん世代なんです・・・

花火大会inアメリカ、でも日本(歌いたくなる童謡集/横須賀の花火大会)

 ども、夜更かしは苦手だけど花火は好きなのたいちろ~です。
 一昨日(2009年8月1日)、横須賀の花火大会に行ってきました。
 久しぶりというか、今年初めて(ひょっとしたら最後の)花火大会です。
 ということで、今回はお出かけ”花火大会編”であります。



動画はたいちろ~さんの撮影。
在日アメリカ軍横須賀基地からの花火の動画です。
実はYouTube初投稿作品。


【CD】歌いたくなる童謡集「ドンと鳴った花火だ」(音楽センター)
 童謡・唱歌の写真集「ドンと鳴った花火だ」に対応したCD。見てませんが、ジャケットがかわいかったのでこれにしました。”どこかで春が”、”夏は来ぬ”、”椰子の実”とか、懐かしい曲がいっぱい入っています。
【旅行】横須賀の花火大会
 よこすか開国祭の”開国花火大会”です。
 横須賀は遠いイメージがありますが、JR横須賀線、京浜急行で直行できるので、東京からは意外と身近にいけます。


  ドンとなった 花火だ きれいだな
  空いっぱいにひろがった
  しだれやなぎが ひろがった
(*1)
 
 文部省「うたのほん」に掲載された童謡”花火”ですが、やはり、花火は見た目とともにあの腹に響く音も楽しみたいですね。画像をUPしてみましたが(*2)、やはり現場に行って見たいものです。
 で、お勧めなのが、横須賀の花火大会。
 オプショナルツアーとして、普段入ることのできない”基地”付きです。

 よこすか開国祭にあわせて、”海上自衛隊 横須賀基地”と、”在日アメリカ海軍 横須賀基地”は基地内の一般公開があって、これは、他の花火大会では体験できません。それに、アメリカ軍の基地はかっこうの花火スポットでもあるので、午前中は自衛隊基地、午後からアメリカ軍基地にそのまま留まって花火鑑賞、がお勧めコース。私もこのコースで回りました。


 海上自衛隊の今年の一般公開では、”むらさめ”、”おおなみ”などの護衛艦、砕氷艦”しらせ”の見学もありまして、ケンスケいっぱい状態(*3)です。まあ、軍事ヲタクでなくとも、けっこう楽しめるイベントです。まあ、この日ぐらいは海外派兵がどうのこうのと言わずに、現在の日本の軍事力(と言っちゃいけないんでしたっけ?)に見とれてみるのもいいかも。隊員さんもとっても親切です。
 まあ、自衛官募集をやっているのはお約束ですが(*4)。


 在日アメリカ海軍横須賀基地はというと、フレンドシップデー(日本の人とのふれあいの日?)ということで基地内を開放しています。さすがにアメリカ軍の基地だけあって”気分はもうアメリカ!”。看板は英語ですし、ご家族でしょうか、アメリカの方もたくさん集まっていて、空気までアメリカっぽく感じてしまうのが不思議。

 アメリカ軍基地で花火を楽しむなら、グループで行かれるのがいいです。基地だけあって場所も他に比べてゆったりしてますが、なんといっても食べ物のボリュームが違います。なんせ、体育会系健康優良アメリカ人の集団ですのでよっぽど喰うんでしょうね。ピザなんか直径60センチ近いのワンサイズだし、飲み物がラージサイズがデフォだし。お肉の味は宮のステーキ(*5)には及びませんが、ボリュームはアメリカンスタンダードで出てきます。なかなか日本で食べられないものも屋台でいっぱい売っているので、3~4人ぐらいでわいわい言いながらでないと食べ切れません。

 逆にアベックで行くのはあまりお勧めでないかも(単なるやっかみかもしれませんが・・・)
 なんせ、筋肉モリモリ、迷彩服の大男がぞろぞろ歩いていますので、ゴリマッチョが好みかどうか以前に男としての迫力が違います。貴女の彼氏が日本人だとして、あれとタメはれるのはアメフトの選手かプロレスラーぐらいしかいませんね。
 アメリカ~ンなおねいさんがたくさん来ていますので、日本のおじょうさんがあれとはりあうのは大変。タンクトップやピタTでガチンコ勝負かけてイーブンにもちこめるのは1割といるでしょうか?

 といっても、夕暮れ時の恋人達を止めることなんかできないので、結局デートで行くんでしょうね(やっぱりやっかみかな~~)。
 そんな恋人達に、おぢさんからのアドバイス。
 行くなら浴衣がお勧めです。アメリカ人は新興国なのでトラディショナルなもがウィークポイント(*6)。浴衣なら貧乳、もとい、スリムな日本女性のスタイルのほうが似合いますし、男性にしても普段は見慣れないファッションですので充分目くらましになります。 ま、あとは男性の器量しだいということで。
 ひとりで行った単身赴任のおぢさんに言われたかないでしょうが・・・


 開国花火大会は、今年は終わってしまいましたが、毎年8月上旬に開催されているようです。行ってみたいと思われた方はガイドブックなどでチェックしてみてください。

 ところで、来年、よろしければ一緒に行きませんか、奥様。
 もちろん、浴衣でけっこうです


《脚注》
(*1)ドンとなった 花火だ きれいだな~
 作詞は井上赳、作曲は下總皖一。
 私の入っていたクラブで”花火”という、この歌を歌いながら焚き火(ファイヤーストーム)の回りを延々踊り続けるというのがありました。歌詞がちょっと違っていて
  ぱっと出た 花火だ きれいだな
  空いっぱいにひろがって
  しだれやなぎも きれいだな
 こちらが正しいと思っていたので、歌詞を探すのに苦労しました。
(*2)画像をUPしてみましたが
 携帯電話のビデオ機能で撮りましたが、雰囲気お分かりいただけますでしょうか?
(*3)ケンスケいっぱい状態
 ケンスケとは、エヴァンゲリオンに登場する軍事ヲタク。3バカトリオの中で、唯一エヴァに乗りたがっていたのに、この人だけはエヴァのパイロットになれませんでした。
(*4)自衛官募集をやっているのはお約束ですが
 年間を通じて募集しているそうです。パンフレットを見る限りでは、ボーナス2回支給、週休2日、年末年始休暇など、民間企業とほとんど変わりません。私自身は働いたことはないので良い職場かどうかはわかりませんが、少なくとも規則正しい生活は保障されていそうです。
(*5) 宮のステーキ
 栃木県を中心に展開しているステーキハウスのチェーン店。U字工事のお勧め。栃木県の同僚の話によると”栃木県のソウルフード”のようです。
(*6)アメリカ人は新興国なので~
 単なるジョークです。本気にしなしでください。


トレイン イズ マイ ビジネス(車掌の英さん/広島の路面電車)

 ども、”トレイン イズ マイ スタディ(書斎)”のたいちろ~です。
 今回のお題は”通学電車の中では何して過ごす?”ですが、カンペキ読書派です。たいがい2~3冊ぐらいカバンに入れていてとっかえひっかえ読んでいます。
 今の家から会社まで1時間ぐらいですが、本を読んですごすので長距離通勤でもあまり苦になりません。
 読むのはその日の気分で、古典からラノベ、経済書からマンガまで。美少女文庫(*1)以外ならなんでもありです

200905280060 200905280062
写真はたいちろ~さんの撮影。
広島の市電です。いろいろ種類があります。




【本】環状白馬線 車掌の英(はなぶさ)さん(都戸 利律 白泉社)
 英さんは大きく円を描いてシティを循環する環状白馬線の車掌さん。お客さんに感謝されても”車掌だからな”とツンケンした青年車掌(*2)さんです。でも根はとても優しい人。
 電車に乗り合わせ、そして降りていく人とのふれあいを描いたハートフルなマンガ
【旅行】広島の路面電車
 広島県を走る市電で、通称”広電(ひろでん)電車”。輸送人員と路線延長は、路面電車としては日本一なのだそうです。広島で乗ったタクシーの運転手さんによると”日本中や世界各国で走っていた車両を持ってきた「動く電車の博物館」”。


 さて、電車の出てくる本ってけっこう読みましたが、ふと考えると長距離を走る電車を舞台にしたのが多いですね。”駅弁ひとり旅(*3)”とか、”オリエント急行殺人事件(*4)”とか、”銀河鉄道の夜(*5)”とか、”銀河鉄道999(*6)”とか。歴史書だと”満鉄(*7)”の本なんかもありました。以外に通勤に使うような電車の話は少なくて、”阪急電車(*8)”とか”小林一三(*9)”ぐらいでしょうか。
 その中でも変り種が今回紹介する”環状白馬線 車掌の英(はなぶさ)さん”。珍しく環状線(*10)モノです。
 
 毎日通勤しているのは、満員の16両編成とロマンもなにもありませんが、英さんの乗っている電車は数両編成で、ボックス席もあるんですが、イメージは路面電車。先日広島に行きましたが、ここの市電がなんとなく英さんの電車っぽくって、写真をとりました。広島の市電はワンマンカーなので車掌さんがいるわけではないですが、東京にいると運転手さんすらほとんど見ることがありません。運転手さんが見えるだけでも”電車は人が動かしている”とう実感があります。

  誰が始めに言い出したのかわかんないけど
  何かいいことあるんだって
  車掌の英さんの電車にのると

 特に大きなできごとがあるとかじゃなく、車掌の英さんとお客さんのちょっとした会話とそれをとりまくエピソードがあるだけなんですが、なぜかこの人とかかわると”いいこと”あるんですね。結婚相手が見つかったり、就職先が見つかったり、犬を飼ってもらえたり。不思議に”幸せになる”というより”いいこと”っていう言葉がぴったりします。

  出会いと別れは同じだけあるが
  一番多いのは”出会わない”だ
  一緒に時を過ごせるのは 乗り合わせた人だけだ
  だから
  ほんの少しでも乗り合わせたなら幸運だ


 こう思えるからこそ、英さんはお客さんとの関係を大切にしているんでしょうか。

 考えたら本も同じで、一番多いのは”読めなかった本”。読むことができるのは手にとった本だけ。だから良い本にめぐり合えることは幸運なんでしょうね。

 ”車掌の英さん”はどこが面白いのかと聞かれると困ってしまいます。特に大きな事件があるわけでも、燃えるような恋愛があるわけでもないんですが、それでも面白いんです。たまに、こういった説明不能の面白い本というのがありますが、これはそんな一冊。
 なんとなく手に取った本ですが、この本にめぐり合えた私は幸運です


《脚注》
(*1)美少女文庫
 フランス書院が発売しているライトなポルノノベルのレーベル。女子高生とかメイドとかが主人公なエッチ小説。萌え絵のイラストが特徴。これをブックカバーなしで電車の中で読む勇気はありません。でも、家でも読んでませんよ、奥様。
(*2)青年車掌
 最初は女の人かと思いました。表題の”トレイン イズ マイ ビジネス”は電車で働く人だから。探偵小説に出てくる”トラブル イズ マイ ビジネス(揉め事は俺の仕事だ)”のもじりです。
(*3)駅弁ひとり旅(駅弁ひとり旅:櫻井 寛 (著), はやせ 淳 (マンガ)  双葉社)
  弁当屋のおやじが全国の駅弁を食べ歩くマンガ。ひとり旅といいながらほとんど美人との二人旅。
(*4)オリエント急行殺人事件(アガサ・クリスティ ハヤカワ文庫他)
 オリエント急行の寝台車両の個室の中で、初老のアメリカ人富豪が殺された。名探偵エルキュール・ポアロの登場する推理小説の名作。
(*5) 銀河鉄道の夜 (宮沢 賢治 新潮文庫他)
 ジョバンニとカムパネルラの二人が銀河鉄道に乗って旅をする宮沢賢治童話の代表作。
(*6)銀河鉄道999(松本 零士 少年画報社他)
 機械の体をタダでくれる星へと旅をする星野鉄郎と謎の美女メーテル。マンガでのちにアニメ化。おそらく走行距離ではNo.1。
(*7)満鉄
 正式名称は”南満州鉄道株式会社”。日露戦争後から第二次世界大戦の終結まで中国東北部(旧満州)に存在した日本の鉄道会社。ここで走っていた特急「あじあ」の話を鉄道ヲタクにさせると長~~くなります。
(*8)阪急電車(有川 浩 幻冬舎)
 関西のローカル線(失礼!)、阪急電車のしかも今津線というマイナーな路線を舞台にした連作集。電車に乗り合わせた人たちのエピソードが連なっていくお話が秀逸です。
 私は”有川浩にはずれなし!”と言い切るほどこの作家のファンです。
(*9)小林一三
 阪急電車の創始者にして、宝塚少女歌劇団の生みの親。明治の人ながら、これほどユニークな財界人はちょっといません。
(*10)環状線
 環状型の路線を”環状線”というのは関西の人。東京では”山手線。東京に来てすぐ”環状線のホームはどこですか?”と聞いたら変なカオされました。

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