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文学少女たちよ、永遠であれ!(青年のための読書クラブ/ブーゲンビリア)

 ども、おぢさんのための読書クラブ部長、たいちろ~です。(ウソです)
 今回で、ちょうどブログ100本目のネタになります。まあ、始めて7ケ月ですんで、3日に1本ぐらいです。多いんだか少ないんだかわかりませんが・・・
 ということで、100本目記念(というわけではないですが)、今回のご紹介は桜庭一樹の”青年のための読書クラブ”であります。

0062
写真はたいちろ~さんの撮影
近所の園芸店のブーゲンビリア。
まだ花は咲いていません




【本】青年のための読書クラブ(桜庭一樹 新潮社)
 お嬢さん学校”聖マリアナ学園”の変わり者集団”読書クラブ”のメンバを主人公とした連作集。浮世離れしていそうで社会の縮図たる学園内に起こる決して”正史”に残らない”黒歴史(*1)”をつづった物語です。
【花】ブーゲンビリア
 オシロイバナ科に属する熱帯性の低木。花びらに見えるところは葉(包葉)で、真ん中の小さい部分が花。花言葉は”情熱、あなたしか見えない”など。ご年配の方には小柳ルミ子の”星の砂(*2)”といったほうがとおりがよろしいかと。


 偶然今週読んだ本で、別に狙ったわけでないんですが、私のブログの趣旨ととても合っています(*3)。
 5本の連作集ですが、哲学的福音南瓜書、苺の香水、ブーゲンビリアの花などのガジェットがいっぱい出てくるし、主人公たちの所属する読書倶楽部にしてからが、学園の雑木林の裏にある崩れかけた赤煉瓦ビルの中だし。
 それぞれの話の底本が、”シラノ・ド・ベルジュラック”、”マクベス”、”緋文字”、”紅はこべ”といった古典作品(*4)。主人公の一人”烏丸紅子”も烏(からす)=黒と紅=赤で、スタンダールの”赤と黒”っぽいっし。

文学少女シリーズ(*5)”なんかもそうですが、やはり読書する美少女というのは、古典的名作なんかも読んでいて欲しいものです。別にマンガを読んじゃいけないってことではなく、幅の広い読書は幅の広い人格と趣味を養うものだとおぢさんは思っているわけです。
 もっとも、同じ文学美少女でも、ツルゲーネフの”初恋”の本の中に投げナイフを入れているなんて物騒な人もいましたが・・・(*6)

 私の本の選び方というのは”本に載っている本を数珠繋ぎに読んでいく"ほうなので、"青年のための読書クラブ"のような本は古典に接するきっかけにとてもいいです。というか、こういったきっかけでもないかぎり、なかなか古典を読む気にならなかったりして。
 元々、週刊誌をほとんど読まない人なので、書評とかブックレビューなんてのをほとんど見ません。こんなブログを書いているわりには、人の紹介する本の情報というのはあんまり気にしない方です。でも、今回ご紹介している桜庭一樹だと”書店はタイムマシーン(*7)”のようなブックレビューを集めた本なんかは読みますけど。ただ、傾向があっているかどうかはその時の気分しだいです。

 本書最後にある、桜庭一樹から文学少女たちへのメッセージより
  
  乙女よ(そして青年たちよ!)、永遠であれ。
  世がどれだけ変わろうと、どぶ鼠の如く、走り続けよ。
  砂塵となって消えるその日まで。
  雄々しく、悲しく、助けあって生きなさい。


 文学少女というと、物静かに本を読んでいるというイメージがありますが(*8)、この小説に登場する少女たちか、ここ一番ではけっこうアクティブ。学園のアイドル”王子”をプロデュースする演出するアザミさんとか、巨大な乳房の迫力で生徒会を追い返すきよ子さんとか、怪盗”ブーゲンビリアの君”の永遠(とわ)さんとか。
 文学少女たちはしなやかに、かつしたたかに学園生活を送っています。

 現在、文学少女の貴女にも、かつて文学少女であった貴女にもオススメしたい1冊です。


《脚注》
(*1)黒歴史
 ”無かったことにしたい事、されている事”を表すスラング。例としては崖の上のポニョ(スタジオジブリ)の主題歌を歌う”藤岡藤巻”のまりちゃんズ時代なんてのがあります。
(*2)星の砂
 1977年に発売された小柳ルミ子のシングル。作詞は”サンデーモーニング(TBS)の関口宏、作曲は”ヒデとロザンナ”の出門英とけっこうな組み合わせです。知らなかった・・・
(*3)私のブログの趣旨ととても合っています
 ”花と本のブログ”です、いちおう。まあ、オタクっぽいネタが多いのはご愛嬌ということで。
(*4)”シラノ・ド・ベルジュラック”~
 それぞれ著者は、エドモン・ロスタン、ウィリアム・シェイクスピア、ナサニエル・ホーソーン、バロネス・オルツィ。”マクベス”は昔読みました。”シラノ”と、”紅はこべ”は今回を機に図書館で予約中。
(*5)文学少女シリーズ
 野村美月による推理小説系ライトノベル。ファミ通文庫より発売中。古典文学をモチーフにしており、この本のおかげで、人間失格(太宰治)や、銀河鉄道の夜(宮沢賢治)を読み返すことになりました。
(*6)ツルゲーネフの”初恋”の中に~
 ”愛と誠(原作 梶原一騎、作画 ながやす巧)”に登場する美少女にして影の大番長(死語)”高原由紀”のこと。愛読書がツルゲーネフの”初恋”。でも、このマンガのおかげで”初恋”も読みましたね。
(*7)書店はタイムマシーン(桜庭一樹 東京創元社)
 副題は”桜庭一樹読書日記”。稀代の本読みである桜庭一樹の読書歴&直木賞受賞ごろの日常生活をつづったエッセイです。
 この本に載っていた” ポポイ (倉橋 由美子)” は次に読む予定。
(*8)物静かに本を読んでいるというイメージがありますが
 ”涼宮ハルヒの憂鬱”に登場する無口キャラ、長門有希さんとか。でも、この人もここ一番では万能の人なんですよね。

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