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腐女子彼女 in 1979(ぼくらの気持/大田区産業会館)

 ども、ずぅえ~ったい腐男子(*1)ではないたいちろ~です。
 栗本薫さんがお亡くなりになったこともあり、久々に”ぼくらシリーズ(*2)”を読み返しています。で、さて、今回ご紹介するの2冊目の”ぼくらの気持”であります。

0052_2
写真はたいちろ~さんの撮影
大田区産業会館(現大田南地域行政センター)です。





【本】ぼくらの気持(栗本薫 講談社)
 主人公、栗本薫の友人のヤスヒコが巻き込まれた少女マンガ家殺人事件を解決する探偵小説。
 少女マンガ家”花咲麻紀”が自宅で殺される。その容疑者であるヤスヒコは元ロックバンド”ポーの一族”のメンバで友人の薫と信に助けを求める。その後、ヤスヒコのアリバイを証明できるマンガ同人作家の杏奴麻利(アンヌマリー)が殺されて・・・
【旅行】大田区産業会館
 東京都大田区の産業の環境基盤の整備と活性化のための施設。現在その機能は”大田区産業プラザ”に移転されて、元々の大田区産業会館は改装され”大田南地域行政センター”になっています。


 この作品、推理小説としても面白いんですが、それ以上に興味深いのがこの作品の設定である1979年の少女マンガ界、マンガファンの状況
 当時はオタクも腐女子もいない時代で(*2)、どちらかというとマイナーな存在でした。
 で、同人作家の杏奴麻利が殺される場所が、コミックマーケット(*3)の会場。作中では”区民会館”としか書いてませんが、時代と付き合わせると”大田区産業会館”のことだと思われます。
 でも、このころ既にコミケってあったんですね~
 
  彼(薫=♂)はロックバンドやってるんですけど(信=♂)
   ⇒じゃあ、もちろんあんた達恋人どうしなんでしょ(杏奴=♀)


  こっちが『ソドム(*4)』の同士よ。(中略)
  こっちから紫義童、丸木戸佐渡、それに、紫緒奈津女(*5)。


  髪はオスカル風(*6)に黄色く染め、その上にピンクのおリボンがヒラヒラと・・・

  五段ぐらいにヒダをとったフランス人形もかくやというレースのスカートは・・・

  すでにいっぺん中に入っている奴は、例外なしに腕いっぱいに
  収穫の同人誌を抱えているので・・・


 ま、こういった方々は今ではりっぱな貴腐人(*7)になられておられるのでせう。

 けっこう、オタクっぽいことを書きましたが、言いたかったのは”今も昔もあんあんしかわんないな~”と言うこと。
 最近、この当時の青春推理小説で”ぼくらの時代”とか”アルキメデスは手を汚さない”とかを読みましたが、みんな”近頃の若いモンは”なんですね。
 この作品の時代設定は1979年ですので、このころ大学生ぐらいだった方は今頃お子さんが同じぐらいの年になっているお母さんも多いはず。まあ、目くじら立てずに暖かく見守ってやってもいいんではないかと。

 ”ぼくらの気持”は、推理小説としても楽しめますが、当時の少女マンガとかアニメに詳しい方はされに楽しめます。また、今の若いオタクや腐女子の方も温故知新で読まれてもよいかと思いますよ(*8)。


《脚注》
(*1)腐男子
 ボーイズラブ(BL)・やおい作品を好む男性のこと。元々BL好きの女性が”腐女子”でそのもじり。
(*2)オタクも腐女子もいない時代で~
 諸説ありますが、オタクという言葉が使われだしたのは1983年以降のようです。腐女子ははっきりわかりませんが、用語として一般化したのはたぶん今世紀に入ってからではないかと。
 ちなみに、私は行き先掲示板(電子化されています)で、行き先の大田区民会館を”オタク民会館”と誤変換して笑われました。
(*3)コミックマーケット
 世界最大の同人誌即売会。略称”コミケ”。調べてみると第1回は意外と古く1975年12月21日とのこと。当時の参加者は700名、参加サークル32。それが今では参加者は55万人、参加サークル3万5千のビックイベントです。
 Wikipediaによると1979年の開催は大田区産業会館。
 概要については、”東京大学大学院情報学環 コンテンツ創造科学産学連携教育プログラム(2007年6月)”(PDF)をどうぞ。
(*4)ソドム
 サディズムという言葉の元になった作家マルキ・ド・サドの”ソドム百二十日”からだと思われますが読んでいません。河出文庫にて入手可能。
 ちなみに、杏奴さんの出している同人グループは”ソドムの群”です。
(*5)こっちから紫義童~
 この手の名前につく”紫”ですが、紫には”気品の高く神秘的な色”という意味のほかに、男=青と女=赤を混ぜた”中性的な色=紫”という使い方もあるようです。
 ”忍者飛翔(和田慎二)”という作品に、男でもあり女でもある忍者の”紫(ゆかり)”というのが登場しました。
(*6)オスカル風
 池田理代子著の漫画『ベルサイユのばら』の主人公。男装の麗人にして、マリー・アントワネットの護衛を務める近衛連隊長。
 宝塚歌劇団の公演もあって、1970年代に一大ブームを巻き起こしました。
(*7)貴腐人
 ご年配の腐女子のこと。”怖いもの知らずの腐女子も恐れる存在”だそうです。
(*8)温故知新で読まれてもよいかと思いますよ
 こうやって綺麗にまとめて自分を正当化しようとするところに、おぢさん世代オタクの邪悪な意図が見え隠れします・・・

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