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ライトノベルよ、私は還ってきた!(時をかける少女/ラベンダー)

 ども、時をかけるおぢさん、たいちろ~です。(だから、ウソだってば)
 さて、前回に引き続き”時をかける少女、今回は文庫版の紹介です。

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写真はたいちろ~さんの撮影
ラベンダーの苗。ハーブ園にて



【本】時をかける少女(筒井康隆)
 中学3年生の芳山和子(よしやまかずこ)は、ラベンダーの香りをきっかけにタイムトラベル能力を身につける。その原因を探るために、タイムトラベルするが・・・
 初出は1965年、1972年の書籍化(鶴書房)を経て、76年に角川文庫より出版。
 原田知世、内田有紀などにより映画化、仲里依紗でアニメ化されたジュブナイルの傑作
【花】ラベンダー
 主に紫色の小さな花がかたまって咲く良い香りの代表的なハーブ。60年代まではそれほど知られていなかったそうですが、”時をかける少女”で使われたことで一般に知られるようになったとのこと。


 今の若い人に”ジュブナイル(juvenile)”といってもピンとこないかもしれませんが、今でいう”ライトノベル”のご先祖さまにあたります。
 中学生から大学生あたりまでをターゲットにした小説ですが、呼び方の変遷としては
  ジュブナイル ⇒ ヤングアダルト/ジュニア小説 ⇒ ライトノベル
ぐらいでしょうか?

 こう書くと”子供よりちょっと上の人向け”ぐらいの感じでしょうが、かつては食えないころの(?)SF作家(*1)がキラ星のような作品を出してたんですね。主だったところをあげると

 筒井康隆:時をかける少女、家族八景(七瀬シリーズ)、緑魔の町 など
 光瀬龍 :夕ばえ作戦、暁はただ銀色 など
 眉村卓 :なぞの転校生、ねらわれた学園、まぼろしのペンフレンド など
 星新一 :ボッコちゃん、悪魔のいる天国、気まぐれ指数 など

 この後、新井素子(*2)などヤングアダルトの時代を経て、現在のライトノベル全盛期を迎えます

 面白いのは、今のライトノベルとのビジュアルな扱いの比較

 ジュブナイルの多くは角川映画や、少年ドラマシリーズ(*3)で映像化されています

  角川映画:時をかける少女(原田知世 監督:大林宣彦)
       ねらわれた学園(薬師丸ひろ子 監督:大林宣彦)(*4)
  少年ドラマシリーズ:
       タイム・トラベラー(時をかける少女)
       夕ばえ作戦、暁はただ銀色
       なぞの転校生、まぼろしのペンフレンド
       気まぐれ指数

 ライトノベルは言うまでもなく、今や深夜アニメ原作の定番。
 ”涼宮ハルヒの憂鬱(原作 谷川 流、表紙 いとう のいぢ)”、”灼眼のシャナ(原作 高橋 弥七郎 表紙 いとう のいぢ)などが代表格。

 逆に違うのが表紙の扱い。今でこそ”表紙のイラストが売上げに影響する(*5)”と言われていますが、当時はあまり意識はなかったように感じます。
 ”時をかける少女”も最近では、角川文庫版の表紙はエヴァンゲリオンの貞本義行、角川つばさ文庫版はいとうのいぢになっているし。時代の流れを感じます。

 そういえば、ファウスト(講談社)の2008年SUMMER号で筒井康隆の小説にいとうのいぢのイラストの作品が載った時、「文学史上の”事件”が発生!」というキャッチコピーが出ていましたが、古い本読みにとってはむしろ先祖がえり。
 ”ライトノベルよ、私は還ってきた!(*6)”といった感じです。

 余談ですが、この手のブログを書いていて意外とたいへんなのが、”この本の表紙は誰が書いているか?”を調べること。古い本の表紙の装丁に関する情報ってあまりないんですね。読んだ本と表紙のイメージというのが結びついてるんですが。今回の”筒井康隆 全文庫”みたいにまとめてくれているホームページはとっても助かります。

 昔ですが、この本を読んで庭にラベンダーを植えていました。
 けっこう本を読みますが、花を植えるきっかけになる本というのはなかなかないんですよ。そういう意味でも、傑作です。


《脚注》
(*1)食えないころの(?)SF作家
 かつては、”士農工商SF作家、ハヤカワこけたらみなこけた”といわれてました。
 ハヤカワとは、SF中心の出版社”早川書房”のこと。スターウォーズ(日本での公開は1978年)などによるSFブーム以前の話です。
(*2)新井素子
 高校2年でデビューしたSF作家、ぬいぐるみフリーク、方向音痴。
 代表作は、グリーンレクイエム、星へ行く船シリーズ、結婚物語など多数。
(*3)少年ドラマシリーズ
 1972~83年にNHKが放映した小中学生向けのテレビドラマシリーズ。当のNHKにすらほとんど映像が残されていないという幻のお宝映像てんこもりのシリーズです。
 原作には、新田次郎、北杜夫、曽野綾子、灰谷健次郎、宮沢賢治、石坂洋次郎、萩尾望都なんてのが名前を連ねています。
(*4)ねらわれた学園
 ちなみに、TV版の主演は原田知世。
 今なら、”世界の中心で、愛をさけぶ”で、映画版が長澤まさみ、TV版が綾瀬はるかといった例に匹敵するぐらいすごいことです。
(*5)表紙のイラストが売上げに影響する
 川端康成の”伊豆の踊子”の表紙を”ジョジョの奇妙な冒険”の荒木飛呂彦が、芥川龍之介の”地獄変”、夏目漱石の”こころ”、太宰治の”人間失格”を”DEATH NOTE”の小畑健が、ジュール・ヴェルヌの”十五少年漂流記”の表紙を”電影少女”の”桂正和”が書く時代です。
(*6)ライトノベルよ、私は帰ってきた!
 モトネタは”、”機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY”より。 ”ソロモンの悪夢”の異名を持つ敵キャラ、アナベル・ガトー少佐の名セリフ。
  再びジオンの理想を掲げるために”
  「星の屑」成就のために!
  ソロモンよ、私は還ってきた!


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