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2009年6月

こんな夜に貴女に乗れないなんて♪(雨上がりの夜空に/県立地球防衛軍/アカシア)

 ども、雨にぬれながらたたずむたいちろ~です(*1)。
 さて、今回のお題は”「雨」と聞いて思い浮かぶのはどんな曲?”ですが、忌野 清志郎さんが亡くなられ(*2)、良くこの曲がかかっていたので今回はRCサクセションの”雨上がりの夜空に”をチョイスしました。

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写真は”SozaiRoom.com”より
アカシアです



【CD】雨上がりの夜空に(RCサクセション、作詞・作曲 忌野清志郎他)
 1980年に発表された忌野清志郎をメンバーとするRCサクセションの曲。
【本】県立地球防衛軍(安永 航一郎)
【DVD】県立地球防衛軍(原作 安永航一郎,監督 早川啓二,脚本 伊藤和典)
 1983年より連載された安永航一郎(やすながこういちろう)のマンガ。86年にOVA化。原作はサブタイトルがすべて”ウルトラセブン”のサブタイトルのパロディになっています。
【花】アカシア
 3~4月に輝く黄色い花が咲く常緑樹。花言葉は”優雅、友情、秘密の愛”など。バレンタインデー(2月14日)の誕生花だそうです。


 歌詞だけ読むと、雨上がりの夜にドライブに出かけようとするけど、エンジンがかからなくて発車できないという曲なんですが、忌野 清志郎の独特のメロディーラインで歌うと、そ~は聞こえませんね。

  どうしたんだ、Hey Hey Baby
  バッテリーはビンビンだぜ

  こんな夜におまえに乗れないなんて
  こんな夜に発車できないなんて


 ビンビンはオ○ン○ンを連想させるし、発車も音だけなら”発射”かと思っちゃうし。(下品なネタですいません)。NHKのニュースでもこの曲をかけたんでしょうか?(*3)
 ところで、忌野 清志郎といえば、一般の人はほとんど聴いたことのない迷曲(?)に”S.F”というのがあります。これは、アニメ版”県立地球防衛軍”をRCサクセションが担当していて、”S.F”はその主題歌です。
 
 もともと、私の友人の友人であだ名が”鳥坂さん(*4)”という人に教えてもらいました。この人の学校の後輩が”安永 航一郎”ということで、”面白いよ!”と薦められました。
 いや~、面白かったですね!

 ”世界征服を企む地元材木屋の若旦那チルソニアン将軍率いる電柱組と、それを阻止せんとする県立地球防衛軍との戦い”なんですが、県立ですよ、県立! そもそも、電柱組からして、世界征服の始めに県(*5)”の征服を企むというセコさです。

 実に1980年代前後のSFシーンがノリノリのアニメです。

  ・おめーだって、喜んでスティーブ・オースチンより
   すげーの作るっていったじゃねーか
  ・(インドといえば)レインボーマンがいるじゃない!
  ・アニメ版の第一話が”県立作戦第一号
  ・アニメ版の第二話が”魔の店へ飛べ”(*6)

 声優がまたすごくて、正義の味方がアムロ(古谷徹)に、ブライト艦長(鈴置洋孝)にスレッガー中尉(玄田哲章)に、ララァ(潘恵子)に、悪の首領チルソニアン将軍がシャア少佐(池田秀一)にと、ほとんど”裏ガンダム”と断言しても過言ではありません。

 今回は、かなり脱線してしまいましたが(*7)、雨と花といえば、”アカシアの雨がやむとき(*8)”でしょうかね。”このまま死んでしまいたい”という女の子に”アカシアの雨にうたれて?”とつっこむギャグもあったし(*9)。
 でも、これも古いのでパスということで。

 ”県立地球防衛軍”はAmazon.comで見ると、本、VTRとも絶版のようですが、アニメ版はYouTubeで見ることができます元気だったころの忌野 清志郎のミュージックがそこにあります


《脚注》
(*1)雨にぬれながらたたずむたいちろ~です
 メロディーは三善英史のデビュー・シングル””より。作詞 千家和也、作曲、浜圭介。確かこのレコード買った覚えがあるのでネタにしようかと思ったんですが、1972年発売と古すぎるので、パスしました。
 アデランスバージョンはこちら。時間って残酷です。
(*2)忌野 清志郎さんが亡くなられ
 2009年5月2日に癌性リンパ管症により死去。
 ご冥福をお祈りいたします。
(*3)NHKのニュースでもこの曲をかけたんでしょうか?
 忌野清志郎の代表曲に”い・け・な・いルージュマジック”がありますが、この曲は資生堂のCM(1982年)テーマソングなのでこんなことを気にしました。
(*4)鳥坂さん
 ”究極超人あ~る”に登場する光画部(=写真部)のセンパイ。会社員なのに長髪にサングラスをしていて、ほんとにそっくりでした。
(*5)県
 モデルは、一村一品運動で有名だった○分県かと。
(*6)おめーだって、喜んでスティーブ・オースチンより~
 スティーブ・オースチンは”600万ドルの男”に登場するサイボーグ。レインボーマンはインドで修行した特撮ヒーロー。”県立作戦第一号”のモトネタはウルトラマン第1話”ウルトラ作戦第一号”、”魔の店へ飛べ”のモトネタはウルトラセブン第11話”魔の山へ飛べ”です。別にわかったからと言ってだれもほめてはくれない知識ですけど。
(*7)今回は、かなり脱線してしまいましたが
 今回だけか?
(*8)アカシアの雨がやむとき
 1960年に発売された西田佐知子の曲。作詞 水木かおる、作曲 藤原秀行。
(*9)”このまま死んでしまいたい”という女の子に~
 ラシャーヌだったかパタリロだったか・・・(ともに魔夜峰央のマンガ)

今だったらキューティソニー、かな?(昭和特撮大全/文鳥)

 ども、昭和の怪獣王子、たいちろ~です。
 先日、昭和の特撮のブログを書いたんですが、それもあって”昭和特撮大全”という本を読みました。
 で、今回のお題は”古き時代の特撮”としてその本のご紹介なんですが、先にお断りしておくと、40代以上で、”テレビばっかり見てないで、勉強しなさい!”とオカンに怒られていた方でないとわからない話です。それでもよろしければ先にお進みください。

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写真は”小鳥とぶらり鹿児島の旅”より
文鳥の写真。
文鳥とセキセインコが遊んでる写真のつまったHPです。


【本】昭和特撮大全 甦る伝説のヒーローたち(岩佐 陽一 三才ブックス)
 昭和30年代の月光仮面からの特撮ヒーロー、ヒロインの番組を集めた本。解説でありますが、そのころ子供だったおぢさんの思い出話でもあります。
【自然】文鳥(ブンチョウ)
 スズメ目カエデチョウ科の鳥類。体長13~14cm。英語では”Java Sparrow”。雛のころから飼いならすと手乗り文鳥になります。


 私もオカンに怒られていた口なので、この手の話題はけっこうついて行ける方だと思っていますが、この本はそんな私から見てもかなりディープです。”ウルトラマン”や”仮面ライダー”、”ゴレンジャー”は鉄板ですが、”シルバー仮面”、”アイアンキング”、”レットバロン”あたりは見た記憶がある程度、”カゲスター”や”魔人ハンター ミツルギ”あたりになると放映してたのは知っていましたがさすがに見たことのない作品です。(たぶん、この時点で話についていってる人は少ないのではないかと・・・)

 代表して1本説明しますと、1967年に放映された”光速エスパー”。
 主人公の”東ヒカル”は光速ロケット、レーザーガンなどの7つの能力を秘めた強化服を着て悪のエイリアンと戦うというお話ですが、そのスタイルはヘルメットをかぶったスキューバダイビングといった趣。でも、当時はけっこうスタイリッシュだったんですよね、これでも。
 サポートメカの”チカ”もかわいかったし。”チカ”はたぶん文鳥をモデルにしたような肩のり型のロボット。改めて調べるとヒカルのオカンがテレパシーで操っている設定だそうですが、プログラミング言語はやはりJava(*1)でしょうか?

 ”光速エスパー”は当時の東芝のマスコットキャラクターで、主人公”東ヒカル”も東芝のコマーシャル(*2)からとった様子。当時、電気屋さんの店頭に光速エスパーの人形があったよな~ 今、あの人形どうなっているんだろう。
 考えたら、スポンサーのキャラクターを堂々とヒーロー番組にしてしまうんだから、おおらかな時代でした。本書では脚注にちょこっとあるだけですが、”ナショナルキッド(*3)”というのもありました。さすがにここまで古いと見てはいませんけど。

 今なら、スポンサーがSONYで、”キューティソニー(CutieSONY)(*4)”てな感じでしょうか?
 音楽で世界制服を企むマッキン党のポッド怪獣(*5)と戦う正義の戦士キューティソニー!
 すいません、悪い冗談です。最近残業が多いのでちょっと疲れています・・・(*6)

 話を戻します。
 
 この本で取り上げている作品というのが、マニアックというか歪んでいると言うか(*7)、”おはよう!こどもショー(*8)”系はいくつか取り上げているのに、”キカイダー”や”がんばれロボコン”、”ジャンボーグA”、”マグマ大使”はとかは扱っていないし、巻末のリストにいたっては”丸出だめ夫”、”快獣ブースカ”なんてのは名前すら出てきません。
 そのかわり、川内康範(*9)はこよなく愛しているようです。

 普通、本というのは、”面白いか、面白くないか”、”役に立つか立たないか”などで評価されますが、この本を読まれる人の評価は”面白いか、わからないか”のどちらかではないかと。
 ニッチなマーケットで、かつ、ピンポイントの読者向けの本。いったい何冊売れたのか人ごとながら気になります。


《脚注》
(*1)Java
 サン・マイクロシステムズによって開発されたオブジェクト指向プログラミング言語。アプリケーションの動作がOSに依存しないのでけっこう普及しています。(これを説明すると長くなるので、興味のあるかたは自分で調べてみてください)
(*2)東芝のコマーシャル
 当時は”光る~光る東芝~~”というコマーシャルソングが流れていたのは、ご年配の方なら記憶にあるはず。
(*3)ナショナルキッド
 ナショナルはパナソニック(旧松下電器産業)のブランド名。こういうことも書いとかないと、10年もたてばわからない人も出てくるんでしょうね。
(*4)キューティソニー
 もちろんオリジナルはキューティハニー(CutieHoney)。永井豪原作のSFアクションお色気マンガ&アニメ。
 昔、おぢさんが子供のころはアニメの変身シーンにどきどきしていましたが、今では倖田來未がカバーした主題歌のほうがメジャーになりました。
(*5)ポッド怪獣
 ポッド(pod)は、英語でエンドウのさや、まゆ、格納庫といった意味です。まあ、ウルトラセブンのカプセル怪獣(ウインダム、ミクラス)をイメージしていただければよろしいかと。
(*6)最近残業が多いのでちょっと疲れています・・・
 だったら、ブログなんか書いていないで、とっとと寝なさい!
(*7)歪んでいると言うか
 じゃ、何がまっすぐなんだ?
(*8)おはよう!こどもショー
 1965年~79年に日本テレビ系列で放映された朝の子供番組。”おはスタ(TV東京)”、”ウゴウゴルーガ(フジテレビ)”、”ひらけ!ポンキッキ(フジテレビ)”などのご先祖様です。
 本書では”行け! グリーンマン”と”行け! 牛若小太郎”を取り上げていますが、さすがに記憶にないです。
(*9)川内康範
 作詞家、脚本家、政治評論家。特撮では”月光仮面”、”レインボーマン”、”ダイヤモンド・アイ”、”コンドールマン”などを担当。”おふくろさん”の作詞家でもあります。
 ”月光仮面”のモットーは「憎むな、殺すな、赦(ゆる)しましょう」ですが、森進一は赦せなかったようです。

帰りなんいざ、田園まさにあれなんとす(帰去来の辞/仙台の田舎)

 ども、単身赴任のおとうさん、たいちろ~です。
 さて、今回のお題は”都会と田舎、住むならどちらがいい?”ですが、”都会で働いて田舎に暮らす”でしょうか。実は単身赴任で東京で働いて、自宅は仙台とこれに近い生活をしています。ただ、”都会で働いて”がない家族は仙台が気に入っていて東京に来てくれません。このままだと定年まで単身赴任でしょうか
 ということで今回ご紹介するのは”田舎暮らしの本”。まんま”田舎暮らしの本”という雑誌もありますが、最近軽めの本が続いているので今回は古典から”帰去来の辞”にしました。

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写真はたいちろ~さんの撮影
仙台の田舎。あけびを取りにいった時に撮影しました



【本】帰去来の辞(陶淵明 とうえんめい)
 魏晋南北朝から宋(南朝)時代の人(365年~427年)。後世”隠逸詩人”、”田園詩人”と呼ばれた文学者。
 ”帰去来”と聞いてさだまさしを連想した人(*1)はおそらく40代以上の方かと。タイトルのオリジナルはこれです。
【旅行】仙台の田舎
 仙台市といえば、東北のニューヨーク、東北の自由の女神と言われる”伊達政宗像”がありますが、ちょっと車で走るとけっこうな田舎です(*2)。


 〔原文〕
   歸去來兮
   田園將蕪胡不歸
   既自以心爲形役
   奚惆悵而獨悲

 〔書き下し文〕
   帰りなんいざ
   田園将(まさ)に蕪(あ)れなんとす なんぞ帰らざる
   既に自ら心を以(もっ)て形(からだ)の役(しもべ)となす
   奚(なん)ぞ惆悵(ゆうちょう)として独(ひと)り悲しむや


 〔現代語訳〕
   さあ、早く帰ろうよ
   故郷の田園がいまにも荒廃しそうなのに
   どうして帰らずにいられよう
   自ら求めて精神を肉体の奴隷と化してしまっているのに
   ひとりくよくよと嘆き悲しんだところで、どうなるものでもない

      ”中国名詩選 中(岩波文庫 松枝 茂夫 編)”より引用
        ※全文は”壺齋散人”のHPでもごらんいただけます

 これは、陶淵明が役人生活を止めて故郷へ帰った時の詩。淵明、41歳です。
 田舎に帰ろう。世俗との交わりを絶ち、再就職なんか望まない。親戚との話や音楽や読書を楽しみに余生を送ろう。春には田んぼに出かけ、季節の移り変わりを喜ぶ。そしてゆるゆると天命の尽きるを待とう。
 そんな詩です。

 今年で年金受給資格者となったおぢさんとしては、定年後はこうありたいです
 
 私自身、”北の国から”的田舎(*3)に住んだことはないですが、やはり定年後は仙台に戻るのもいいかも。私は図書館とBOOKOFFとTUTAYAがあれば、どこでも生きていけます

 それにガーデニングなんぞを趣味にしていると(*4)、季節の流れというか、人の都合でない世界というのを感じます。食べるのに困らない程度にお金があれば、こういう隠遁生活にとっても憧れます。現役時代は出世を望まず、定年してからも贅沢を望まず、晴れた日には庭仕事をし、雨の日には読書を楽しむ(*5)。事情が許せば(*6)、今からでもそんな生活がしたいです。

 だから、ちゃんと年金はくださいね!


《脚注》
(*1)”帰去来”と聞いてさだまさしを連想した人
 さだまさしが1976年に発売したソロ1枚目のオリジナル・アルバム。
 ”多情”仏心”、”第三病棟”、”童話作家”、”転宅”など、初期の名曲が収められています。
(*2)東北のニューヨーク~
 漫才師”U字工事”のネタ。最近の若手の中ではけっこう気に入ってます。
(*3)”北の国から”的田舎
 さだまさしの主題歌『北の国から〜遥かなる大地より〜』つながりで。別に舞台になった富良野が田舎だと言ってるわけではありません。
 大学時代、私の友人が第一シーズン(1981年放映)のロケに出くわして、エキストラとして出演しています。
(*4)ガーデニングなんぞを趣味にしていると
 カッコつけて言ってますが、キュウリ、トマト、シソなど食べられるものしか植えていません。
(*5)晴れた日には庭仕事をし~
 だから私のブログのタイトルは”晴耕雨読”です
(*6)事情が許せば
 住宅ローンと、子供の学費が残っているので事情が許してくれません

初日から遅刻じゃかなりヤバイって感じだよね!(エヴァンゲリオン/お米)

 ども、ブログ界の碇ゲンドウ(*1)、たいちろ~です。
 さて、今回のお題は”毎日の朝食、あなたはご飯派? パン派?”ですが、本来はパン派なんですが、単身赴任寮の朝がご飯なので、今はご飯派です。
 で、今回のテーマは”朝食と遅刻”。

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写真はたいちろ~さんの撮影
近所で植えられているお米なんですが、
なぜ植えているかは不明。





【DVD】新世紀エヴァンゲリオン(監督 庵野秀明、GAINAX)
 今や日本を代表するアニメ。今回の表題は”学園エヴァ”と呼ばれるTVシリーズの”世界の中心でアイを叫んだけもの(*2)”のシーンより。おそらく日本アニメ史上、最も難解な最終回。
【花】お米
 普通の米飯に用いられるのが粳米(うるちまい)、成分はアミロース約20%とアミロペクチン約80%。アミロースを含まず、アミロペクチンだけが含まれる米が糯米(もちごめ)です。


 パンをくわえて走る女の子。別の道から走ってくる男の子。
 見通しの悪い角でぶつかる2人


 ”Boy meets girl(*3)”の定番のシーンです。
 代表例としては、エヴァンゲリオンの最終回。幼馴染のシンジとアスカが遅刻しそうなので、走って登校中。同じく遅刻しそうで走っている転校生のレイ。交差点で出会いがしらにごっつんこ。これが二人の初めての出会いになります(*4)。
 このブログを書くにあたり、ぱらぱら他の人のブログを見てましたら、なっちーさんもこのネタやってました。 まあ、それなりに有名なシーンです。

 でも、誰の発言かは忘れましたが”実際にパンをくわえて走っている女の子を見たことがない!”。
 確かに言われてみれば、見たことないですね~~

 遅刻の象徴的なシーンですが、まあ、パンでないと絵になりません。おにぎりだとのどにつまりそうだし、めざしをくわえたんでは貧乏侍っぽいし。
 ウイダーinゼリーは、道端に容器が捨ててあるのを見たことがあるのでたぶんマジでやってる人がいそうです。気分はもう木村拓哉で(*5)。
 でも、女子高生がやるんではね~。

 ウイダーinゼリーのホームページを見ていると”父の日は、ウイダーinゼリーで頑張るお父さんを応援! 日頃の感謝を込め、ウイダーinゼリーをプレゼントしよう!”というのが載ってました(2009年6月21日現在)。でも、感謝の気持ちがあるならお父さんに朝飯ぐらいちゃんと作って欲しいものです(*6)。

 ところで、最近お米を使ったパンというのが売っています。
 パンは本来、グルテンを多く含む小麦でつくられていて、グルテンを含まないお米ではなかったんですが、米粉にグルテンを追加したりしてパンにしています。小麦のパンよりもっちり感があっておいしいです。
 
 ところで、これってご飯派? パン派?


《脚注》
(*1)碇ゲンドウ
 エヴァンゲリオンの主人公”碇シンジ”の父親。仕事人間だわ、子供には冷たいわ、部下を愛人にするわ(しかも母娘とも)と、どう見ても父の日にプレゼントをもらえるタイプの人ではないです。
 これを書いているのが父の日なので、ちょっと入れてみました。
(*2)世界の中心でアイを叫んだけもの
 題名はハーラン・エリスンのSF小説”世界の中心で愛を叫んだけもの”から。まだ読んでいません。ちなみに、
 エリスン ”世界の中心で愛を叫んだけもの”
   ⇒ エヴァンゲリオン”世界の中心でアイを叫んだけもの”
      ⇒ 片山恭一 ”世界の中心で、愛をさけぶ”
 つながりになります。
(*3)Boy meets girl
 音楽では作詞・作曲 小室哲哉、ミュージシャン trfが有名ですが、今回この話題はでてきません。あしからず。
(*4)これが二人の初めての出会いになります
 まあ、パンツが見えたの見えないのという話はお約束ということで。
 ちなみに、本作品中、唯一元気な綾波レイのシーンです。
(*5)気分はもう木村拓哉で
 木村拓哉が走りながら”ウイダーinゼリー”を飲むというCMがありました。
(*6)お父さんに朝飯ぐらいちゃんと作って欲しいものです
 別にウイダーinゼリーに恨みがあるわけではありません。念のため。

ライトノベルよ、私は還ってきた!(時をかける少女/ラベンダー)

 ども、時をかけるおぢさん、たいちろ~です。(だから、ウソだってば)
 さて、前回に引き続き”時をかける少女、今回は文庫版の紹介です。

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写真はたいちろ~さんの撮影
ラベンダーの苗。ハーブ園にて



【本】時をかける少女(筒井康隆)
 中学3年生の芳山和子(よしやまかずこ)は、ラベンダーの香りをきっかけにタイムトラベル能力を身につける。その原因を探るために、タイムトラベルするが・・・
 初出は1965年、1972年の書籍化(鶴書房)を経て、76年に角川文庫より出版。
 原田知世、内田有紀などにより映画化、仲里依紗でアニメ化されたジュブナイルの傑作
【花】ラベンダー
 主に紫色の小さな花がかたまって咲く良い香りの代表的なハーブ。60年代まではそれほど知られていなかったそうですが、”時をかける少女”で使われたことで一般に知られるようになったとのこと。


 今の若い人に”ジュブナイル(juvenile)”といってもピンとこないかもしれませんが、今でいう”ライトノベル”のご先祖さまにあたります。
 中学生から大学生あたりまでをターゲットにした小説ですが、呼び方の変遷としては
  ジュブナイル ⇒ ヤングアダルト/ジュニア小説 ⇒ ライトノベル
ぐらいでしょうか?

 こう書くと”子供よりちょっと上の人向け”ぐらいの感じでしょうが、かつては食えないころの(?)SF作家(*1)がキラ星のような作品を出してたんですね。主だったところをあげると

 筒井康隆:時をかける少女、家族八景(七瀬シリーズ)、緑魔の町 など
 光瀬龍 :夕ばえ作戦、暁はただ銀色 など
 眉村卓 :なぞの転校生、ねらわれた学園、まぼろしのペンフレンド など
 星新一 :ボッコちゃん、悪魔のいる天国、気まぐれ指数 など

 この後、新井素子(*2)などヤングアダルトの時代を経て、現在のライトノベル全盛期を迎えます

 面白いのは、今のライトノベルとのビジュアルな扱いの比較

 ジュブナイルの多くは角川映画や、少年ドラマシリーズ(*3)で映像化されています

  角川映画:時をかける少女(原田知世 監督:大林宣彦)
       ねらわれた学園(薬師丸ひろ子 監督:大林宣彦)(*4)
  少年ドラマシリーズ:
       タイム・トラベラー(時をかける少女)
       夕ばえ作戦、暁はただ銀色
       なぞの転校生、まぼろしのペンフレンド
       気まぐれ指数

 ライトノベルは言うまでもなく、今や深夜アニメ原作の定番。
 ”涼宮ハルヒの憂鬱(原作 谷川 流、表紙 いとう のいぢ)”、”灼眼のシャナ(原作 高橋 弥七郎 表紙 いとう のいぢ)などが代表格。

 逆に違うのが表紙の扱い。今でこそ”表紙のイラストが売上げに影響する(*5)”と言われていますが、当時はあまり意識はなかったように感じます。
 ”時をかける少女”も最近では、角川文庫版の表紙はエヴァンゲリオンの貞本義行、角川つばさ文庫版はいとうのいぢになっているし。時代の流れを感じます。

 そういえば、ファウスト(講談社)の2008年SUMMER号で筒井康隆の小説にいとうのいぢのイラストの作品が載った時、「文学史上の”事件”が発生!」というキャッチコピーが出ていましたが、古い本読みにとってはむしろ先祖がえり。
 ”ライトノベルよ、私は還ってきた!(*6)”といった感じです。

 余談ですが、この手のブログを書いていて意外とたいへんなのが、”この本の表紙は誰が書いているか?”を調べること。古い本の表紙の装丁に関する情報ってあまりないんですね。読んだ本と表紙のイメージというのが結びついてるんですが。今回の”筒井康隆 全文庫”みたいにまとめてくれているホームページはとっても助かります。

 昔ですが、この本を読んで庭にラベンダーを植えていました。
 けっこう本を読みますが、花を植えるきっかけになる本というのはなかなかないんですよ。そういう意味でも、傑作です。


《脚注》
(*1)食えないころの(?)SF作家
 かつては、”士農工商SF作家、ハヤカワこけたらみなこけた”といわれてました。
 ハヤカワとは、SF中心の出版社”早川書房”のこと。スターウォーズ(日本での公開は1978年)などによるSFブーム以前の話です。
(*2)新井素子
 高校2年でデビューしたSF作家、ぬいぐるみフリーク、方向音痴。
 代表作は、グリーンレクイエム、星へ行く船シリーズ、結婚物語など多数。
(*3)少年ドラマシリーズ
 1972~83年にNHKが放映した小中学生向けのテレビドラマシリーズ。当のNHKにすらほとんど映像が残されていないという幻のお宝映像てんこもりのシリーズです。
 原作には、新田次郎、北杜夫、曽野綾子、灰谷健次郎、宮沢賢治、石坂洋次郎、萩尾望都なんてのが名前を連ねています。
(*4)ねらわれた学園
 ちなみに、TV版の主演は原田知世。
 今なら、”世界の中心で、愛をさけぶ”で、映画版が長澤まさみ、TV版が綾瀬はるかといった例に匹敵するぐらいすごいことです。
(*5)表紙のイラストが売上げに影響する
 川端康成の”伊豆の踊子”の表紙を”ジョジョの奇妙な冒険”の荒木飛呂彦が、芥川龍之介の”地獄変”、夏目漱石の”こころ”、太宰治の”人間失格”を”DEATH NOTE”の小畑健が、ジュール・ヴェルヌの”十五少年漂流記”の表紙を”電影少女”の”桂正和”が書く時代です。
(*6)ライトノベルよ、私は帰ってきた!
 モトネタは”、”機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY”より。 ”ソロモンの悪夢”の異名を持つ敵キャラ、アナベル・ガトー少佐の名セリフ。
  再びジオンの理想を掲げるために”
  「星の屑」成就のために!
  ソロモンよ、私は還ってきた!


ビックバンはラベンダーの香り(時をかける少女/ラベンダー)

 ども、時をかけるおぢさん、たいちろ~です。(ウソです)
 さて、今回のお題は”タイムマシンがあったら、どの時代に行きたい?”ですが、何しにいくかによりますね~。今の自分を変えたいなら学生時代とか。でも、人の意見を素直に聞くようならこんな私にはなっていないでしょうし・・・
 まあ、観光に行くのなら、ビックバンを見に行きたいですね(*1)。史上最大の花火です。
 ということで、今回のご紹介はタイムトラベルものの定番、”時をかける少女(DVD)”であります。

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写真はたいちろ~さんの撮影
左はラベンダーのドライフラワー、右はポプリ
ともに北海道の新千歳空港にて



【DVD】時をかける少女(原作 筒井康隆)
 中学3年生の芳山和子(よしやまかずこ)は、同級生の深町一夫たちと理科室の掃除中、ラベンダーの香りを嗅いで意識を失う。それをきっかけにテレポーテーションとタイムトラベル能力を身につける。その原因を探るために、意識を失った時間の理科室にタイムトラベルするが、そこで見たものは・・・
 筒井康隆によるタイムトラベルものの傑作。
【花】ラベンダー
 主に紫色の花が咲くシソ科の常緑樹。ハーブティー、アロマセラピーに使われるように、いいにおいがします。花言葉は”あなたを待っています”


 ”時をかける少女”は過去何回かリメイクされていて、”芳山和子を演じたのは誰?”と聞けば、だいたいその人のジェネレーションがわかります。

 ・1972年版:島田淳子(浅野真弓(*2))
   NHK少年ドラマシリーズ第1作。放映名は”タイムトラベラー”
   NHKにも映像が保存されていないという幻の名作。
   詳しくは”題名未定のホームページ”をご参照ください
 ・1983年版原田知世
   おそらく、最もメジャーな”時をかける少女”
   大林宣彦監督による「尾道三部作」の第2作(*3)
   原田知世の歌う主題歌の作詞、作曲は松任谷由実
 ・1985年版:南野陽子
     フジテレビ単発ドラマ(月曜ドラマランド)
 ・1994年版:内田有紀
   フジテレビドラマ(ボクたちのドラマシリーズ)
   主題歌はNOKKOの”人魚”
 ・1997年版:中本奈奈
 ・2002年版:安倍なつみ(モーニング娘。)
   TBS単発オムニバス「新春! LOVEストーリーズ」内の一篇
 ・2006年版原沙知絵(*4)(声優)
   この中では唯一アニメ映画。監督は細田守。第38回星雲賞他を受賞。
   当初の興行規模はミニシアター並みだったが、口コミでヒットした作品
   キャッチコピーは”待ってられない未来がある(*5)”

 で、遠い目をして”浅野真弓”と答えたなら、その人は間違いなくおぢさんです(それは私です・・)
 
 話は飛びますが、宇宙が若く非常に高温だった時代には物質と反物質が同じ数だけ存在したと考えらているそうですが、現在はほぼ完全に物質から構成されているらしいです。この非対称性が作られたかは解明されていないそうですが、”タイムトラベルでビックバンを見に来てた芳山和子が落としたラベンダーのポプリが原因”なんていうSFを書いたら受けるでしょうか・・・?

 原田知世版もいいですが、浅野真弓が演じる”タイムトラベラー”もできるならもう一回見たいですね。ミステリー映画にも使えそうなテーマソングも魅力的です。
 そっか、タイムマシンに乗って、これ見に行けばいいんだ!

 小説版については、次回をお楽しみに


《脚注》
(*1)ビックバンを見に行きたいですね
 何気に言ってますが、科学的には無茶苦茶です。
 ビックバンを見るためには、
  ①ビックバンの発生する直前にその場にいる
  ②ビックバンを眺めるために外にいる
  ③ビックバンを光として認識することができる
 といった条件が必要。
 ①については、ビックバン=空間そのものなので、”その外”を規定することが矛盾。②についても、ビックバン=宇宙の始まりなので、”その前”を規定することが矛盾。③については、ビックバン=光速で拡散する宇宙なので、光がとどいた瞬間、ビックバンの中にいることになります。
 この解説で合ってますよね? 
(*2)浅野真弓
 現在はミュージシャンの柳ジョージの奥さんだそうです
(*3)「尾道三部作」の第2作
 他の2作は”転校生”(主演 尾美としのり、小林聡美)、”さびしんぼう(富田靖子、尾美としのり)。尾道は映画による町興しで最も成功した例かと。
 最近ではアニメ”かみちゅ(脚本 倉田英之、キャラクター原案 羽音たらく)のモデルでもあります。
(*4)原沙知絵
 ”仲里依紗”とこたえた人、残念でした。このアニメの主人公は紺野真琴(こんの まこと)で声優が仲里依紗。芳山和子は真琴の叔母さん役で登場しています。
(*5)待ってられない未来がある
 ”らき☆すた”の泉こなたさんが”待ってられないゲームがある”というパロディをやっています。

知的好奇心の無駄遣い、かな?(樽とオークに魅せられて/シラカシ)

 ども、ブログとかで使うサーバ売ってる、たいちろ~です。(*1)
 今回のお題は”ブログをやっていて楽しいこと”ですが、私の場合はブログを書くという行為を通して知的好奇心を満足させることですかね。今までみたいに単に本を読むだけでなく、人にわかってもらうためにいろんなことを調べたり、携帯電話で写真をとったりすることも楽しいです。
 それに、このブログを書き出して、花や季節の移り変わりに心を配るようになりました
 そりゃ、アクセス件数も気にはなりますが。
 ただ問題は、ブログに書いていることが一般的に見てあまり役に立たない知識だったりして・・・


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写真はたいちろ~さんの撮影
左と中央が近所の公園のシラカシ
右はニッカ宮城工場にある樽のモニュメントです。



【本】樽とオークに魅せられて(加藤 定彦 TBSブリタニカ)
 ウィスキーなどを作るのに使われる樽、樽を作るオーク、お酒と料理などの話題を扱った本。オーク(Oak)とはナラ(楢)、カシ(樫)類の属を表す英語です。
 著者の加藤 定彦氏はサントリーの顧問でウィスキー樽一筋40年と、この分野での造詣の深さには定評のある方だそうです。
【花】シラカシ(白樫)
 ブナ科コナラ属の常緑性広葉樹。東京でカシ(樫)といえばこの木を指します。木材は硬くて重いので敷居や、木剣、ラケットの柄などに利用されます。


 引き合い出して申し訳ないんですが、現在読んでいる”樽とオークに魅せられて”はウィスキー樽の話題を中心に書かれた本です。でもウィスキー樽なんて実物を見る機会自体ほとんどないシロモノです。小娘相手に盛り上がる話題ではないでしょうし(*2)、この薀蓄を武器におねいさんをバーで口説くような財力もありません。ましてや私より年上の50代の女性にいたっては(以下自主規制)。
 また、いかに園芸が好きな方でも”しらかしとあかがしの違い(*3)”なんて話はしないでしょう。

 でもこの本、読んでみるとやたら面白いんですね。会社員の書いた本というより、職人さんが書いた本。自分のやってきた仕事への誇りと愛着が感じられます。それでいて、ほとんどの読者にとって縁のない世界であろう知識を実にわかりやすく書いておられます。 ブロガーにとって、人に読ませる文章を書く上では見習いたいものです。
 写真も多用されていて、眺めているだけでも楽しめます。

 まあ、知的好奇心を満足させるということは、役に立つとか、立たないとかとは次元の違う話なのかもしれません。


 ブログの話題になったので、ちょっとだけ昔話を。

 実は私、社内のホームページを黎明期からやってました。元々は同じ部の人が使われなくなったパソコンを持ってきて、社内のネットワークにつなげたのが最初(*4)。
 ”ネットにつながっているならホームページができるはず”ということで、情報発信用のホームページを始めました。1997~8年ごろのことだったと思います。なぜ、年代まで覚えてるかというと、FIFAワールドカップのフランス大会(1998年)にあわせてバナー(*5)も作成したからです。
 コンテンツも”HEDIT”というツールで作ってました(*6)

 なんだかんだで、今でも情報発信という業務をやっていますが、この手の仕事で難しいのはITリテラシーではなく、モチベーションのほう(*7)。情報発信ってのは、やらなくてもすぐには別に困らないんですが、長い目で見るとやるとやらないでは全社レベルで効果に大きな差が出てきます。
 やっていたからといって、すぐに評価に直結しにくいといったこともあって(*8)、個人的にこういったことが好きでないとなかなか長続きしません。組織としては良いことでなないんですけどね。

 ブログも同じで、ほとんどの人にとって名声やお金にはまず直結しないものですし、楽しくないと続かないんでしょうね。
 ま、今のところ楽しいブログライフを送っています


《脚注》
(*1)ブログとかで使うサーバ売ってる~
 冗談に聞こえるかもしれませんが、これは本当。
 某ITベンダの、とある本部でサーバ拡販推進責任者をやっております。
(*2)小娘相手に盛り上がる話題ではないでしょうし
 未成年にお酒を飲ませてはいけません。
(*3)しらかしとあかがしの違い
 いちおう説明しますと、材が白くてやや細長いのが白樫、材が赤くてやや丸ぼったいのがあかがし。樹高がやや高い(15~20m)のがしらかしで、幹の直径がやや太い(60~70cm)のがあかがし。
 まあ、書いてる本人だって3日たったら忘れそうな知識です。
(*4)社内のネットワークにつなげたのが最初
 当時は情報管理があまりうるさくなかったので、特に何も言われませんでしたが、今こんなことをやった日にゃ、会社からどやしつけられます。
(*5)バナー
 ホームページの上のほうとかにあるイラストのことです。サッカーをやっている子供とフランスの国旗を使ったデザインにしてました。
(*6)”HEDIT”というツールで作ってました
 今でこそ、ホームページビルダーとか簡単にホームページを作成するツールを使っていますが、ほとんど個人で始めた当時にそんなもんを買ってもらえるはずもなく、雑誌のおまけについていたホームページ用のテキストエディタ(文字入力に特化したワープロみたいなもの)だけで作っていました。
(*7)ITリテラシーではなく、モチベーションのほう
 ”ITリテラシー”はパソコンなどを使いこなす能力、”モチベーション”は動機付けといった意味。すぐ横文字を使うのは、IT産業の人の悪いクセです。
(*8)すぐに評価に直結しにくいといったこともあって
 実際、ホームページの継続にあたって、当時の上司と大喧嘩したこともあります。

日々是、コバヤシマルテスト(StarTrekⅡ/白鳥)

 ども、TUTAYAのお得意様、たいちろ~です。
 今回のお題は”お気に入りの映画DVDを教えて!”ですが、困ったな~。
 カリ城セカチューも最近やったし、2001年も、大脱走も、ローマの休日も、ロミジュリ銀英伝もやっちゃったしな~(*1)
 今さらSTARWARSやエヴァもありきたりすぎるし・・・
 と思ってたら、ちょうどスタートレックのポスターを見かけましたので、今回は”StarTrek(スター・トレック)”のオリジナルシリーズにしましょう!

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写真はたいちろ~さんの撮影
近所の公園にいた白鳥(スワン)です





【DVD】StarTrekⅡ カーンの逆襲
      (主演 ウィリアム・シャトナー レナード・ニモイ)
 ”宇宙、それは人類に残された最後の開拓地である(*2)”で始まる有名なSFTV番組。
 ”カーンの逆襲”は映画版第2作。遺伝子工学によって生まれた”カーン”によるカーク船長への復讐、生命を誕生させる”ジェネシス計画”、カーク船長の息子の登場、スポックの死と映画版の中ではもっともTOS(*3)に近いテイストの作品です。
【動物】白鳥(スワン)
 カモ科の水鳥の総称。冬季に日本に渡って越冬するのがオオハクチョウとコハクチョウ、年中いるのはコブハクチョウだそうです。スマートなイメージがありますが、空を飛ぶ鳥の中では最大級の重量とのこと。


 スター・トレックは、日米を問わず40代から50代前半のおぢさんにとって、サンダーバード(*4)と並んでSF番組の原体験になった作品かと思います。5年間の調査飛行に飛び立った宇宙船エンタープライズの物語ですが、毎回、さまざまな事件やいろいろな宇宙人が登場し、アクションあり、知的な会話ありと、当時のセンス・オブ・ワンダーを思いっきり感じさせてくれました。

 登場人物も魅力的。(スター・トレック公式HPより抜粋)

  ジェームズ・T・カーク(ウィリアム・シャトナー 声優:矢島正明)
   勇気と情熱にあふれ、正義感と強い指導力でクルーをリードする、
   エンタープライズの船長(大佐)。
  Mr.スポック(レナード・ニモイ 声優:久松保夫)
   的確な情勢分析でカークをサポートする副長兼科学主任(中佐)
   感情を表に出すことのない、冷徹な論理の人。バルカン人と地球人のハーフ。
  Dr.マッコイ(ディフォレスト・ケリー 声優:吉沢久嘉)
   人情味あふれる医療主任(少佐)。カークよりも年長なので、
   カークにとっては人生相談の相手。

 だいたい、50代後半以上の人が正確分析をすると、”織田信長型、豊臣秀吉型、徳川家康型”ってのが出てくるんですが、あらフィフのおぢさんにとっては、”情熱のカーク型、論理的なスポック型、人情のマッコイ型”になります。
 この3人は実にバランスのとれたチームです。もし、この3人が会社にいれば、どんなプロジェクトでもうまくいきそうな気がします。逆にカークが欠けるとやる気を鼓舞する人がいないし、スポックがかけると論理的にストップをかける人がいないし、マッコイがいないと人情でフォローする人がいません。
 そのほかにも、エンジニアのチャーリー、通信士のウラ、パイロットのチェホフ、カトー(スールー)などのスペシャリストがチームを支えています。

 細かい話ですが、私の借りたDVD版では、エンタープライズ号の主任パイロットの日本語吹き替えがミスター・カトウになっているのもオールドファンには嬉しいところ(字幕ばミスター・スールー)

 今回ご紹介の”カーンの逆襲”の敵キャラは、かつて地球から追放され、カークを恨んでいる”カーン”。マッチョな内田裕也(*5)といった印象ですが、オールマイティの人。 カリスマ性のあるリーダーなんですが、人の言うことを聞かないんですね。部下からカークへの復讐をやめるように諌められても怒っちゃうし。ま、現実社会ではこっちのタイプのほうが多そうですが。

 登場するメカも秀逸です。

 宇宙船U.S.S.エンタープライズは”スペース・スワン(宇宙の白鳥)”とたたえられる美しいフォルム。TV版は丸っぽいスタイルですが映画版ではシャープになっています。第一船体(前方の円盤部)、第二船体(紡錘状の機関部)、2機のワープ・ナセルから構成されていて、羽を広げた白鳥といったイメージです。
 ちなみに、NASAのスペースシャトル・オービタの初号機はトレッキー(スタートレックファン)の署名運動によって”エンタープライズ”と命名されました(*6)。まあシャレのわかるアメリカ人というか、やはりエンジニアにとってもそれだけ象徴的なネーミングなんでしょう。

 あと、忘れられないのはコミュニケータ(通信機)。パカッとフタのあく折りたたみタイプ。携帯電話で折りたたみ式が発売された時は欲しくてたまりませんでした。現在でも、このタイプを愛用しています。

 ネタバレになりますが、表題の”コバヤシマルテスト”ですが、これはどう行動しても最後は全滅を免れないシナリオで、カークは”性格テストで正解はない”と言っています。
 で、このテストをクリアした唯一の人物が候補生時代のカーク。そのやり方は”シミュレーション用のプログラムを書き換えた”、つまりテストの条件を変えたんですね。息子のデビッドから”詐欺だな”と言われています。
 会社でも、どうやっても達成できない目標というのがままあります。従来の発想ややり方ではクリアできないので、”ブレイクスルー”という便利な言葉が使われまが、まあ、目標設定の見方を変えてみるというのも、解決方法のひとつかも。そういえば”戦国自衛隊1549(*7)”でも、同じようなネタがありました。
 人から”詐欺だ”と言われたら、”私は勝算ゼロは信じない。負けは嫌いだ。”(カーク)とうそぶいてみましょう(*8)。

 コバヤシマルテストは2009年公開の”スター・トレック”の中でも扱われているそうです(公式HP予告映像)。まだ見てませんが、早くDVDにならないかな!(*9)

 最後になりますが、今回のネタを書くのに調べたところ、このDVDのカーク提督は52才と、私と年があんまりわらないんですね。とてもショックでした!


《脚注》
(*1)カリ城やセカチューも最近やったし~
 カリ城:ルパン3世 カリオストロの城
     (監督 宮崎駿、声優 山田康夫、島本須美)
 セカチュー:世界の中心で、愛をさけぶ
     (監督 行定勲、主演 森山未來、長澤まさみ)
 2001年:2001年宇宙の旅
     (監督 スタンリー・キューブリック、原作 アーサー・C・クラーク)
 大脱走:(監督 ジョン・スタージェス、主演 スティーブ・マックイーン
 ローマの休日:(監督     ウィリアム・ワイラー、主演 オードリー・ヘプバーン)
 ロミジュリ:ロミオとジュリエット
      (監督 フランコ・ゼフィレッリ、主演 オリビア・ハッセー)
 銀英伝:銀河英雄伝説(監督 石黒昇、原作 田中芳樹、声優 富山敬)
(*2)宇宙、それは人類に残された最後の開拓地である
 ナレーションは007=ショーン・コネリーの若山弦蔵氏が担当。ちなみに、このオープニングの音楽を聴いて”宇宙大作戦”と言うのは40代後半以降のおっちゃんです。”スタートレック”の名前が定着したのは映画公開の1980年以降だったかと。早川のノベライゼーションも”宇宙大作戦”だったしね。
(*3)TOS
 ”Star Trek”はいくつかのシリーズが作成されていますが、カーク船長がメインで登場するのは”TOS(The Original Series)”。日本では1969年より放映されました。
(*4)サンダーバード
 5人の兄弟がスーパーメカを駆使して事故の救助にあたる”国際救助隊”の物語。日本での放映は1966年より。製作はジェリー・アンダーソン。
 オープニングのテーマを聴くと、今だにワクワクします。
(*5)内田裕也
 伝説のロッケンローラーにして俳優。樹木希林のだんなさんで、本木雅弘は娘婿。でも、この人が義理のお父さんって、たいへんっぽそうです。
(*6)署名運動によって”エンタープライズ”と命名されました
 日本なら、気象衛星に”ヤマト(宇宙戦艦ヤマト)”とか”ホワイトベース(機動戦士ガンダム)”といった名前をつけるようなものです。
(*7)戦国自衛隊1549
 2005年に公開された角川映画。79年公開の”戦国自衛隊(原作 半村良)のリメイク版ですが、こちらの原作は、”機動戦士ガンダムUC”、”終戦のローレライ”の福井晴敏が担当しました。
(*8)うそぶいてみましょう
 ただし、法令順守は原則。法律を犯してまで目標を達成しても塀の中に入ったんでは何をやっているかわかりません。
(*9)早くDVDにならないかな!
 何かで読んだんですが、最近映画がすぐにDVD化されるのは、投資したファンドに対し、早く資金を還元する必要があるからとのこと。なので、本木雅弘が主演をした”おくりびと”のように映画公開中にもかかわらずDVDが発売されるといったことも起こります。

この宇宙に愛を(超人ロック/つぼみ)

 ども、伝説のエスパー、たいちろ~です。(ウソです)
 今回のお題は”もしも超能力が使えたら、何をしてみたい?”ですが、空を飛んでみたいですね。いわゆる空中浮揚(Levitation)。
 SFでは、なんでもあり~のの超能力ですが、SFファンとそうでない人のために(*1)、今回ご紹介するのは、エスパーマンガの金字塔、”超人ロック”であります。

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写真はたいちろ~さんの撮影
椿のつぼみです。


【本】超人ロック(聖 悠紀 少年画報社、SG企画)
 伝説のエスパー”ロック”を主人公とするSFマンガ。というより、宇宙年代記ともいえる作品。ロックはサイコキネシス(念動力)、テレポーション(瞬間移動)、透視、テレパシー、変身など、不可能なことは何もないといわれる最強の超能力者です。
【花】つぼみ(蕾)
 花が開く直前の状態のこと。転じて、前途有望な若者のことの表現にも使われます。


 現在でも発刊が続いてるシリーズですが、最初に登場したのは1967年、作画グループ(*2)の肉筆回覧誌。パソコンで絵を書いてブログに載せてる昨今、若い人にはピンとこないかもしれませんが、ノートに手書きでマンガを書いて回覧してた時代もあったんですね。私の中学時代の友人もこれをやっているヤツがいました(*3)。

 同人誌を扱ったマンガなんかを見ると、コミケ(*4)用の本をコンビニでコピーしたり印刷所に持っていたりしてますが、当時は、コピー機すらほとんど普及してなくて(*5)、学校のプリントなんかはガリ版に手回し輪転機の時代ですよ!(*6)

 さて、肝心の作品です。
 表題の”この宇宙に愛を”はロックの2作目のサブタイトル。ストーリーは

 ニンバスの作り出した”負の世界”による現実世界の破壊を食い止めるため、5人のエスパーが集められる。ロック、腕利き刑事のクレア、超心理学者のドクター・ロス、普通のお嬢さんクラリス、そしてロックをニンバスのかたきと狙うニーナ。
  エスパーとして迫害されて育ったニーナに対し、普通の人間との心の交流を説くロック。
 ”負の世界”を破壊したあと、療養所のお花畑にいるニーナにこう語りかけます

  ここはね、小さなつぼみをそっと育てるための所さ
  きれいな花をさかせるためにね・・・


 普通の男性とつきあうクラリスや、普通の両親から生まれたエスパーの赤ん坊に向ける慈愛に満ちた瞳。

 エスパーものの常として、迫害をされたこともあるロックですが、それでも普通の人とエスパーとの共存を信じているます。ロックにとっての最強の能力とは、さまざまな超能力ではなく”人類に対する希望を持ち続けること”ではないかと
 それこそが、ロックという作品の最大の魅力だと思います。

  青い流星のまたたきと 
  流れる銀河で この宇宙をそっとつつんで
  愛を この広い宇宙に
  この宇宙に愛を


 エピローグで歌姫リーザに変身したロックがこう歌っています

 少女マンガ的な絵柄、石ノ森 章太郎が好んだ実験的な表現など、現在の作風とはかなり変わっていますが、40年を超えて書き続けられるロックのシリーズの原点が確かにここにはあります。

 超人ロックの多くの作品は現在でも入手できますが、作画グループよる”超人ロック(2) この宇宙に愛を”は絶版になっています。
 ですが、e-Book(*7)からダウンロードで入手可能ですので、ぜひご一読ください。


《脚注》
(*1)SFファンとそうでない人のために
 この言葉は超人ロックの扉ページに記載されています。
(*2)作画グループ
 1962年に結成された45年以上の歴史を持つ漫画同人グループ。本作の聖悠紀、”風雲児たち”のみなもと太郎、”シルクロードシリーズ”の神坂智子、早川書房からSFマンガを出している横山えいじなど、多くのプロを輩出しています。これらの作品もけっこうオススメです。
(*3)私の中学時代の友人もこれをやっているヤツがいました
 こちらは回覧というより、1冊のノートを持ち回りと言うか奪い合いでそいつに都合のよいストーリーをどんどん書き足していくというもの。各人が好き勝手に書くのでストーリーがどんどん捻じ曲がっていきます。でも、面白かったんだよな~。
 みんな今頃、どうしてるんだろう・・・
(*4)コミケ
 世界最大の同人誌即売会”コミックマーケット”のこと。東京ビックサイトで行われのべ50万人以上が参加するビックイベントです。行ったことはありませんが・・・
(*5)コピー機すらほとんど普及してなくて
 キャノンが国産初の普通紙複写機”NP-1100”を発売したのは1970年のことです。このへんの開発の話はNHKの”プロジェクトX”で詳しく紹介しています。
(*6)ガリ版に手回し輪転機の時代ですよ!
 原理的にはプリントゴッコと同じです。大学時代には手書き原稿から印刷用の原紙を作ってくれる機械がありましたが、独特のにおいがあって、私にとっては”青春のにおい”のひとつです。詳しくはWikipediaをご参照ください。
(*7)e-Book
 マンガでは世界最大のeBookダウンロードサイト。絶版になった作品がこのような形で読めるのはありがたいことです。
 でも、ネットでダウンロードして本を読める状況ってのも、肉筆回覧の時代から見れば充分SF的なんでしょうね。


”超人ロック(2) この宇宙に愛を”のダウンロード

恋と愛の違い? 世界の中心で叫ぶかどうかだよ(世界の中心で、愛をさけぶ/ユリ)

 ども、愛のさすらい人、たいちろ~です。
 今回のお題は”「恋」と「愛」の違い?”ですが、これは簡単、叫ぶのが”愛”、忍ぶのが”恋”です。
 ということで、今回ご紹介するのは”世界の中心で、愛をさけぶ”です。

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写真はたいちろ~さんの撮影
近所のユリです






【本】世界の中心で、愛をさけぶ(片山恭一)
【DVD】世界の中心で、愛をさけぶ(主演 森山未來、長澤まさみ)
 小説は300万部突破、映画は観客動員数620万人の大ヒット作。
 高校2年生のアキ(亜紀)とサク(朔太郎)の出会い、なんということのないデート、無人島への旅、そして病に犯されたアキをつれての逃避行。
 切ない初恋と別れの物語です。
【花】ユリ(百合)
 花言葉は”威厳 純潔 無垢”。キリスト教では白いユリは聖母マリアの象徴(マドンナリリー)として描かれています。


 いや~、長澤まさみ、はまりました。
 確かにかわいい子なんですが(*1)、それより健康的でふつ~の高校生ぽかったのがすごく印象的でした。なんていうか、一緒にいるだけで楽しい時間を過ごせそうというか。

 映画版で有名なのは、病気で倒れたアキをオーストラリアへ連れて行く空港のシーン。
  アキ:行けないの?
  サク:行けるよ、この次は
  アキ:ないんだっては、この次なんてないんだっては
     まだ大丈夫だよ、まだ大丈夫だよ、
     生きてるよ、まだ私生きてるよ
  サク:アキ、アキッ!
     助けてください 助けてください! 助けてください!

 つぶやくようなアキの恋、慟哭するようなサクの愛

 でも、私としては、重じい(*2)の写真館でウェディングドレスを着て笑っているアキのほうがいいな。ユリのブーケなんか持っていないけど、そんなことはどうでもいいぐらい、素敵な笑顔です。
 
 現実にいっしょに着たウエディングドレスもいいですが、いっしょに着せてあげられなかった初恋の人とのウエディングドレスというのも感慨深いものがあります。

  恋に焦がれて鳴く蝉よりも、鳴かぬ蛍が身を焦がす
   (山家鳥虫歌 岩波文庫)

  しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
   (平兼盛 小倉百人一首)

 恋と、愛、どちらがいいのか、未だにわかりません。

 ”世界の中心で、愛をさけぶ”は、今さらお勧めと言うのもはばかられる名作。
 ”瞳を閉じて(*3)”を聴くと今でも涙してしまいます。

  だから、柴咲コウなんか出さなくてもいいから、長澤まさみをもっと出せ!

《脚注》
(*1)確かにかわいい子なんですが
 1999年度の”東宝シンデレラオーディション”で史上最年少の12歳(小学生)でグランプリになったというのは、DVDを見た後に知りました。
(*2)重じい
 アキとサクが訪れる写真館の主人。とっても素敵な爺さんです。演じるのは山崎努。そういえば、山崎努はdocomoのCMで”池と沼の違い”の解説をしてました。
(*3)瞳を閉じて
 ”世界の中心で、愛をさけぶ”の主題歌。作詞、作曲、歌は平井堅。名曲です。

そうか薫くん、死んじゃったんだ・・・(ぼくらの時代/桜草)

 ども、いつまでも(気持ちだけは)若いたいちろ~です。
 2009年5月26日、作家の栗本薫さん(中島梓)が膵臓癌のため死去されました。 今回のお題は”追悼 栗本薫”ということで、”ぼくらの時代”をご紹介します。

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写真は桜草
季節の花 300”のホームページより






【本】ぼくらの時代(栗本薫 講談社)
 ぼく栗本薫、22歳、みずがめ座。某マンモス私大の3年生--バイト先のKTV局内で発生した女子高校生連続殺人事件をロック・バンド仲間の信とヤスヒコで解決しようとするんだけど・・・(講談社文庫 旧版の背表紙より)
【花】桜草(さくらそう)
 春先に咲くサクラソウ科の多年草。桜の花に似ていますが、桜とはまったく別物で、春先に咲く花ぐらいの意味だそうです。


 ”ぼくらの時代”は1978年に第24回江戸川乱歩賞を受賞。講談社文庫で読んだので、たぶん1980年代の前半ぐらい。ちょうど私も大学生だったはずです。当時は、小峰元(*1)とか、青春推理小説をよく読んでましたので、その一連でこれも読みました。

 小説の登場人物の”栗本薫”は男性でロックバンド”ポーの一族(*2)”のメンバーで長髪の二枚目。仲間の信はぼうぼうの長髪に山羊ひげ、ヤスヒコはアフロ・パーマ。
 髪の毛の話で、刑事の長さんと口論になっています。

 長さん:ましてロックだか何だか、気狂いみたいなものにうつつを抜かしている
     フーテンどもですからね。
     (中略)
     女みたいになよなよしやがってさ。
     あたしが総理大臣なら、ひとり残らずとっ捕まえて
     アタマ、たたっきって、軍隊にぶちこんでやるところなンだが
 信  :アタマの長さで、人間の値打ちが決まるんなら、
     昔の武士はみんなヤクザョ。
     ロックやるのが不良なら、
     ベートーベンだって、モーツァルトだって、
     生きてた当時は流行歌の作曲者だったのョ。(本書より)

 この小説の底流にあるのは、世代の違いによる生き方、感じ方の違い
 象徴的なのがTV局のディレクターの原田氏、40歳。発表年度とあわせると、38年ごろの生まれになりますので、おそらく戦後教育の第一世代かと。

 原田氏:しかし、ぼくはぼくの兄貴やおやじの世代のように、
     あたまっから、
     あんな頭しやがってと頑として否定もできない。
     するだけのせぼねができあがるまえに、
     何もかも変わっちまったからね
(本書より)

 実在の栗本薫は、1953年生まれと私より6歳年長、小説の栗本薫は私より2歳年長ですので、ほぼ同じ世代。
 世代で見ると長さんが戦前、原田氏が戦後第一世代の代表でしょうか。浅間山荘事件(*3)を学生運動の終焉と見ると、実在の栗本薫が学生運動の最後の世代、小説の栗本薫や私は学生運動に遅れた世代になります。
 
 語るべきバックボーンを持たない世代というのは幸せなのかもしれませんが、背骨のない世代であるのも確か。決して”俺達の若いころはお国のために鉄砲担いで~”とか、”ヘルメットにゲバ棒で機動隊とケンカして~”なんていう自慢話(?)を聞きたいわけではないんですけどね。

 もし、小説の栗本薫が実在の人物なら、現在は50歳すぎのはず。やっぱり”近ごろの若いモンは”とかいってるんでしょうか? 生きていれば、実在の栗本薫に書いて欲しかったような気もします。”おっさんの時代”とか。

 話は飛びますが、花言葉をいろいろ見てますと”桜草”の花言葉に”若い時代と悲しみ”というのがありました。そういえば、花屋さんでは春の早いときに売ってましたね。いろんなところにいっぱい咲いていたのに、写真、撮り損ねてました。
 栗本薫も江戸川乱歩賞の受賞者としては当時最年少で、本もいっぱいでています(*4)。ちょと似てるかなと思うと嬉しいです。でも、読み損ねているのが多いのもちょっと残念。
 読み損ねたといえば、”日本のまるペ(*5)”と言われた”グイン・サーガ(*6)”はどうなるんでしょうか? いつでも読めると思っているうちに結局、読まないままになっていました。今後はまだ未定とのことですが(YAHOOニュースより)、日本沈没の例もあるので(*7)、書いて欲しいような、欲しくないような・・・

 久しぶりに”ぼくらの時代”を読み直しましたが、30年前に自分達が言われていたこと、言っていたことが、今では立場が逆転して同じことを言ってるんですね。
 おぢさん世代としては、若い人にお勧めしてよいものやら・・・

 文末にはなりますが、謹んで、栗本薫さんのご冥福をお祈り申し上げます。


《脚注》
(*1)小峰元(こみねはじめ)
 1973年に”アルキメデスは手を汚さない”で第十九回江戸川乱歩賞を受賞。
 アルキメデス、ピタゴラス、ソクラテスなど、歴史上の哲学者などの名前を表題にした推理小説を多数発表しました。”アルキメデス~”意外はほとんど絶版とのこと(Wikipediaより)ですが、もったいない話です。
(*2)ポーの一族
 吸血鬼のエドガ、アラン、メリーベルを主人公とした萩尾望都の漫画。作中にも殺された女子高生を加えてバンド名を”メリーベルとポーの一族”にしようという話がでてきます。
 こういった、マンガネタがさらっと入っているところもけっこう受けてました。
(*3)浅間山荘事件
 1972年2月、河合楽器の保養所”浅間山荘”に連合赤軍がたてこもった事件。学生運動が大衆から離反した決定的なできごとでした。
 余談ですが、この事件当時の警察庁長官が後に副総理となる後藤田正晴、警備実施及び広報担当幕僚長が後に作家、初代内閣安全保障室長となる佐々淳行(さっさ あつゆき)です。
(*4)本もいっぱいでています
 約30年間に、新刊だけで約400冊の作品を出されたそうです(Wikipediaより)
(*5)日本のまるペ
 世界最長の小説”宇宙英雄ペリー・ローダン”シリーズのこと。2009年5月10日現在で、ハヤカワ文庫から360巻出版されています。
 高校の時、誕生日に1巻と10巻と20巻をプレゼントされたことがありますが、はっきりいってこれはイジメです。
(*6)グイン・サーガ
 栗本薫による、豹頭の戦士であるグインを主人公としたヒロイック・ファンタジーの大河小説。2009年6月現在、ハヤカワ文庫から正伝が126巻、外伝が21巻出版されています。ギネス非公認ながら、一人の作家の書いた世界最長の小説。
(*7)日本沈没の例もあるので
 小説の”日本沈没(第一部)”は小松 左京のベストセラーですが、第二部は谷 甲州が執筆。もっとも、小松左京はご存命です。
 余談ですが”日本以外全部沈没”は、筒井 康隆の小説です。

木星は海、火星は荒野、でも好きなのはジュピターかな(さよならジュピター/木星)

 ども、中年スペースノイド(*1)、たいちろ~です。
 今回のお題は”あなたが好きな太陽系の惑星は何?”ですが、いや~迷いました。生粋のSFファンとしては、光瀬龍の火星シリーズ、スター・レッド、宇宙戦艦ヤマトの古代進(*2)と、火星も捨てがたいんですが、今回は涙をのんで木星ということで。

Jupiter1 Jupiter2
左の写真は木星、右は大赤斑
ともにボイジャー1号が撮影したものです。
NASAの公式ホームページより



【DVD】さよならジュピター(原作、脚本、総監督:小松左京)
 1984年に公開されたSF映画。エネルギー問題の解決策として木星を太陽化しようとする太陽系開発機構と環境保護団体の対立、さらに太陽系にマイクロブラックホールが接近し・・・
【自然】木星
 太陽系の内側から5番目の惑星であり、太陽系内で最大の惑星。ガスを主成分とするガス惑星。別名「恒星になり損ねた星」。


 私にとって火星は、赤茶けて乾いた大地、嵐、水の干上がった運河(*3)など、荒野のイメージがありますが、反対に木星のそれは”海”。大赤斑の動きとかみてるとそんな気がします。でも、こんなイメージを受けてかSFでの扱いもずいぶん違ってますね~。火星には基地や都市を作ったりしますが、木星はヘリウム3の供給源(*4)などマシなほうで、太陽にされたり(*5)、ブラックホール爆弾にされたり(*6)とけっこう受難の惑星です。

 で、その受難の代表として”さよならジュピター”をご紹介。
 SFブームのまっさかりに小松左京が私財をなげうってまで作成したSF特撮映画です。参加したSF作家が、豊田有恒、田中光二、山田正紀、野田昌宏、鏡明、伊藤典夫、井口健二、横田順彌、高千穂遙、石原藤夫と80年代のSFシーンを知るオールドファンとしては、驚愕のラインナップです。

 主題歌”VOYAGER~日付のない墓標”は松任谷由実。松任谷が手がけた映画音楽としては、”守ってあげたい”、”時をかける少女”(*7)に比肩する名曲だと思っています。

 特撮技術としても、モーション・コントロール・カメラ(*8)を日本で最初に使用した映画です。確かに、それまでの怪獣映画に代表される特撮シーンと比べると、格段の進歩を感じたのを覚えています。現在のコンピューター・グラフィックス全盛の映画を見慣れた若い人には理解しにくいかもしれませんが、日本の特撮映画でセンス・オブ・ワンダーの表現をステップアップした技術だったんですよ。

 上記のあらすじだけ見るとトンデモ話のように見えるかもしれませんが(私の文書力のいたらなさです)、さすがに原作は小松左京だけあって、ストーリーは骨太のSF。甘々なラブストーリーもちょっと混じってますが。

 ”Wikipedia”の解説では”映画作品としての評価は低い”、”制作費の回収も未達という興行的失敗”と酷評さえていますが、個人的には気に入っています。
 当時の”スターウォーズ”を見た人の目でアラ探しをしだすときりがありませんが、あのころ日本のSFに携わる人たちの思いは確かに感じられます。なんにしても、日本のSF映画史を語る上では一度は見ておきたい作品です。

 そういえば、”ジュピター2号(*9)”というネタもあったな~。古すぎるけど・・・

《脚注》
(*1)スペースノイド
 スペースコロニーに移住した宇宙居住者のこと。ガンダムネタです。
(*2)光瀬龍の火星シリーズ、スター・レッド、宇宙戦艦ヤマトの古代進
 光瀬龍は”東キャナル文書(ハヤカワ文庫他)”などで火星を舞台にした小説を書いています。”スター・レッド(小学館)”は火星を舞台にした萩尾望都の漫画。宇宙戦艦ヤマトで、古代進がサーシャから波動エンジンの設計図を受け取るのが火星です。
 ほんとは”火星年代記(レイ・ブラッドベリ ハヤカワ文庫)”や、”火星人ゴーホーム(フレドリック・ブラウン ハヤカワ文庫)”なんぞを書くべきなんでしょが、まだ読んでいないので・・・
(*3)運河
 元々は観測された模様を溝(canali)と表現したのがcanal(運河)と誤訳され、”運河を作った人=火星人がいる”になったとか。
(*4)ヘリウム3の供給源
 ”機動戦士Ζガンダム”に登場するニュータイプ”パプテマス・シロッコ”は熱核反応炉の主燃料であるヘリウム3を採取する宇宙船”ジュピトリス”の責任者です。
(*5)太陽にされたり
 有名なのは、”2001年宇宙の旅”の続編”2010(原作 アーサー・クラーク 監督 ピーター・ハイアムズ)”で、モノリスにより恒星にされています。
(*6)ブラックホール爆弾にされたり
 ガイナックスのアニメ”トップをねらえ!”では、カルネアデス計画で超巨大ブラックホール爆弾にされています。ちなみに”カルネアデス”とは古代ギリシアの哲学者であり、”カルネアデスの舟板”という”緊急避難”の考え方の基になった問題を提起した人です。
(*7)”守ってあげたい”、”時をかける少女”
 ”守ってあげたい”は”ねらわれた学園(主演:薬師丸ひろ子 監督:大林宣彦)、”時をかける少女”は”時をかける少女(主演:原田知世 監督:大林宣彦)”のそれぞれ主題歌。”魔女の宅急便(監督:宮崎駿)”の”やさしさに包まれたなら”もいいんですが、これは、シングルのリリースが先なので除外。
(*8)モーション・コントロール・カメラ
 コンピュータ制御によるカメラ。複雑で正確な動きを繰り返すことができます。NC工作機械の一種と考えていただければいいかと。(画像は共立工芸をご参照)
 海外では”未知との遭遇”、”スターウォーズ”で初めて開発されたそうです。

(*9)ジュピター2号
 ”宇宙家族ロビンソン(原題 Lost In Space)”に登場する宇宙船。ドクタースミス(声優は熊倉一雄)とロボットのフライデーの掛け合い漫才が秀逸です。

元祖、二世将軍の行方は?(右大臣実朝/鶴岡八幡宮の大銀杏)

 ども、地縁にも血縁にも縁のないたいちろ~です。
 前回、”地価融解”という本を扱ったブログの中で”アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ”という太宰治の”右大臣実朝”の一節を引用したので、今回はこの本をご紹介。

2009021501
写真はたいちろ~さんの撮影。
鶴岡八幡宮の大銀杏(2009年2月15日)。




【本】右大臣実朝(太宰治 ちくま文庫 他)
 太宰治による、鎌倉幕府の第三代征夷大将軍”源実朝”をモデルとした小説。
amazon.comの紹介では”強い憧洒と新近感をもって精神の貴族のすがたを描いた長篇”とありますが、武家の棟梁が”貴族”と呼ばれること自体が堕落ではないか?
【旅行】鶴岡八幡宮の大銀杏(いちょう)
 鶴岡八幡宮は鎌倉市にある神社、武家源氏の守護神。大銀杏は樹齢千年余といわれる大木で、源実朝はこの木の陰に隠れていた源頼家の子公暁に殺害されたとされています。

 ”源実朝”のプロフィールを簡単に紹介するとを
   鎌倉幕府を開いた”源頼朝”と、初代執権 北条時政の娘”北条政子”の子
   12歳で鎌倉幕府の第三代征夷大将軍に就任(世襲による二世
   武士として初めて右大臣に任ぜられる
   歌人としても知られ(*1)、家集として金槐和歌集を編纂
   鶴岡八幡宮で兄の源頼家の子”公暁”に襲われ死亡、享年28歳。
   源氏直系の最後の将軍となり、以後、執権の北条氏が幕府の実権を握る

 日本史と古文の時間で習いましたが、覚えてますか?(*2)

 太宰治の小説では、源実朝が17歳のころから、公暁に暗殺されるまでを描いています。確かに、”私人”としては教養人であり、人間的にはいい人なんでしょう。太宰自体はかなり好意的な書き方をしています。しかし、武家の棟梁という、”政治家=公人”としてみると、堕落していく様子のように私は読めました。

  アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ。
  人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ。


 これは、冒頭近くで平家の物語を聞きながら”平家ハアカルイ”に続く言葉。源実朝に言わしめています。
 のちに、右大臣就任というが外見的には明るさの絶頂期(*3)の直後である建保7年(1219年)1月27日に源頼家の子公暁に殺害されます。まさに、明るさは滅びの色だったわけです。

  祖母上(*4)だって言っている
  あの子は生まれつき、白痴だったのです、と言っていた
(本書より)

 公暁の言葉です。実の母がわが子を白痴扱いするのもどうかと思いますが、人間的な聡明さと、政治家としての資質はまた別なのかも。本書中に源実朝が宋(中国)へ渡る計画をたてるエピソードが出ていますが、1年の将軍の不在をいさめる人に対し、

  タッタ一年ノオ留守番モデキヌヨウデハ、重臣ノ甲斐ガアリマセヌ(本書より)

と答えるようでは、政治家の発言としては問題でしょう。北条政子という人は、母親としてではなく政治家としての冷徹さが勝っていたのかもしれません。

 昨今、二世議員をどうするかとの議論がいろいろ出ていますが、問題は本人ではなく周辺にあるのでは? 私個人としては、職業選択の自由が保障されている以上”政治家になるな”という議論には賛成しかねますが、かといって政治家の資質が遺伝するとも思っていません。”息子、娘だから”といって無条件に世襲を受け入れるほうが問題ですし、それを公約で縛らざるを得ないという実態こそがもっと問題だと思います。

 結局、公暁に殺害されるわけですが、その場所が鶴岡八幡宮の大銀杏。本殿に上がる石段の横にあります。たまたま今年の2月に訪れた時にとった写真ですが、ぜんぜんそんなこと知りませんでした。源実朝が殺されたのは1月なので、こんな大木ではないにしても季節的にはほぼこんな感じだったんでしょうか。

 余談ですが、太宰治という人、自殺未遂、心中未遂、薬物中毒と無頼派の作家として有名ですが、意外にも青森県下有数の大地主の息子で、政治家を輩出している名家の出身です。本人も東京帝国大学(現東京大学)文学部に入学しているので、できが悪かったわけではないんでしょうが、人間的にはいろいろあったんでしょうね。

 私が読んだのは図書館で借りた”ちくま文庫”に収録されたもの。たまには、昭和初期の名作に触れるのもいいかも。ただ、読まれるのであれば新字体、現代かなづかい版のほうをお勧めします。これより前に旧漢字版を読みかけましたが、挫折してちくま版を借り直しました。

 まあ、なんだかんだ、偉そうに書いていますが、この言葉を知ったのは実は”キャプテンハーロック(*5)”の最終回だったりして・・・


《脚注》
(*1)歌人としても知られ
   世の中は  常にもがもな  渚漕ぐ  あまの小舟の  綱手かなしも(新勅撰集)
  小倉百人一首より
(*2)覚えてますか?
 私はほとんど忘れてました。
(*3)外見的には明るさの絶頂期
 この時点で、政治の実権は執権である北条家に移っていました。ある意味丸投げ状態です。
(*4)祖母上
 源実朝の母、北条政子のこと。
(*5)キャプテン・ハーロック
  松本零士のマンガ、及び登場する宇宙海賊。自由に生きる男のかっこよさを体現しています。ここで言っているのはTVアニメ版(チーフディレクター りんたろう)の最終回のこと。

アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ(地価融解/わく植え)

 ども、投資する金なぞ持っていないたいちろ~です。
 仕事がら、金融関係の本は良く読みますが(*1)、今回は”地価融解”という本のご紹介です。住宅ローン返済の参考にはなりませんが、新聞等でサブプライム問題に関心のある方はしばしお付き合いのほどを。

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写真はたいちろ~さんの撮影。
ワク植えの例。左はラズベリー、右はみょうがです。




【本】地価融解(太田康夫 日本経済新聞出版社)
 副題は”不動産ファイナンスの光と影”。1980年代のバブル前夜から現在のサブプライム問題に至る不動産にまつわるお金の話がわかりやすく解説されています。
【家庭菜園】わく植え
 ミントやラズベリー、みょうがなど、地下茎を広げる繁殖力の強いものは露地植えにするとどんどん広がるので、仕切り板や穴のあいたバケツ等で地中を囲います。これを”わく植え”と言います。


 唐突ですが、家庭菜園の手法として”わく植え”というのがあります。普通、菜園にできる面積というのは決まっているので、ひとつの植物があまり際限なく広がっていくのは困りもの。特に地下茎で広がるものは芽が出るまでわからないので、わく植えなどで”範囲を限定=広がりを遮断”というコントロールをする必要があります。

 お金に関しても同じで、”儲かれば何でもあり”と言うわけではなく、リスクを合わせてコントロールする必要があります。バブルがなぜ起こったかというと、当時の日本経済は構造的に銀行にリスクが集中するという問題を抱えていました(*3)。
 で、銀行から不動産融資へのリスクを遮断する手法として使われたのが”証券化”。簡単に言うと、資産から上がる収入を金利に見たてて、小口に別けた”証券”にして売ること。不動産の場合、家賃などの収入などを裏づけとして証券化で行ったものが”REIT(リート 不動産投資信託)”です。買う側から見ると、高い利回りがあるし、売る側から見ると、リスクを自分で抱えるわけではないので安心できるわけです。ただし、”ちゃんと運用されている限りは”という前提条件が付きます。

 サププライム問題の諸悪の根源のような言われ方をしていますが、手法自体には経済合理性があるので間違ってはいないと思います。では何がいけないかというと運用面で”なにが混ざっているかわからない”状態のものを売ったり買ったりし始めたこと。
 サブプライムのように回収が怪しい層の債権を組み込んだり、そんなものが入っているかどうかもわからないのに、格付けが高いからといって売買したこと。毒入り餃子事件と比較するのわかりますが、ごくごく一部の製品に毒が入っているだけなのに、全部の製品が一斉に売れなくなります。
 
 さらに、CDS(*4)のようにリスクがさらに移転させるなど、はっきり言ってどこにどれだけのリスクがあるかわからなくなっていることが、問題を深刻化させています。
 金融機関にとって一番問題なのは、信用が毀損すること。豊川信用金庫事件(*5)のように何気ない女子高生の冗談が取り付け騒ぎに発展するように、何の問題もなくても取り付け騒ぎに発展する例もあります。
 ましてや、本当に問題が起こっていても損失がどれぐらいあるかわからない状態というのは、つまり疑心暗鬼を拡大させていきます。バブルの時に、発表のたびに不良資産額が拡大していって、だれも発表された金額を信じなくなったようなものです。
 
 あまつさえ、本来は銀行からのリスクを遮断するために証券化された商品を銀行が買っていたりと、わけのわからない状態も発生しているようです。

 投資信託の窓口販売で一番重視されているのは、”コンプライアンスチェック(法令遵守)”。ぶっちゃけ言うと、”理解できない人に投信を売ってはいけない”ということ。銀行ではコンプライアンスチェックシートというのがあって、"内容をちゃんと理解しました”という書類にサインしないと投資信託を買うことはできません(*6)。金融機関は”運用のプロ”ということで、内容を理解しているという扱いをされていますが、現実を見るとプロの目をもってしても、なかなか難しいようです。

 この本を読んで思ったのは、外から見てうまくいっている時にすでに滅びの遺伝子が組み込まれているということ。表題の”アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ”は太宰治の”右大臣実朝(*7)”から。源実朝が平家の物語を聞いての一言です。

 株や投信で損をされている方にはなんの役にも立ちませんが、最後にささやかな応援ということで全文を・・・

 アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ。
 人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ。



《脚注》
(*1)仕事がら、金融関係の本は良く読みますが
 一応、銀行、信用金庫向けシステムの拡販なんぞをやってます。以前、投信窓販(*2)の支援システムも扱っていましたが、自分で投信を買った事ありません(お金ないから)。
(*2)投信窓販
 1998年から銀行窓口で投資信託の販売が解禁されました。顧客にとっては定期預金等に比べて高い利回り(うまくいけばですが)、銀行にとっては手数料収入とリスク分離の観点から拡大していきましたが、一般の銀行商品と違って元本保証はしていないので、損をすることもあります。
(*3)構造的に銀行にリスクが集中~
 ノンバンクや住専を通した迂回融資を含め、不動産業者への資金の出し手は銀行に限られていました。
(*4)CDS
 クレジット・デフォルト・スワップ (Credit default swap) の略。AさんはBさんから保証料を貰う代わりに、Bさんがお金を貸しているCさんからお金を返してもらえなかった場合にBさんの損失を補償するというもの。何もまければAさんは丸儲け、Bさんはリスクを回避できますが、Cさんかお金を返せなくなると、Aさんはとんでもないお金を負担することになります。
(*5)豊川信用金庫事件
 1973年に豊川信用金庫に就職が決まった女子高校生に友人が冗談で「信用金庫は危ないよ(強盗に襲われてあぶない)」とからかったことから、取り付け騒ぎが発生した、銀行員にとっては悪夢のような事件。デマがパニックに発展する過程が解明された珍しい事例としても有名。(詳細はWikipediaをご参照
(*6)"内容をちゃんと理解しました”という書類に~
 以前、奥様が投信を買いたいというので、銀行に付き合ったことがあります。どう見ても理解していると思えないのにサインしようとしたので、さすがに止めて私がサインしました。
(*7)右大臣実朝
 鎌倉幕府の第三代征夷大将軍”源実朝”をモデルにした太宰治の小説。

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